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第15回成人式大賞2015審査講評
平成27 年(2015 年)3月27日
新成人式研究会成人式大賞審査委員会
総括講評
この成人式大賞は、全国的に成人式のあり方が社会的問題になりかかった2001年に、ともす
ればありきたりになっている感のあった成人式の改革・改善を狙いとして設けられました。
そのしくみは、各地において関係者が創意工夫をこらし様々な努力を重ねて創造された優れた成
人式を公募により発掘し、時代に合い新成人をはじめ社会に感銘を与え意義深いものと考えられる
特に優れた成人式を顕彰し、その普及を促進し併せて関係者の労をねぎらうものであります。
本年は第15回目になりましたが、この15年間においての関係者の努力にはすばらしいものが
あり、放送・通信・メデイアの急発展もあって、よその良いところはたちまち採り入れ、また自ら
も創意工夫に努める自治体などが大幅に増加して来ています。
今回の応募の状況を見ますと、先ず応募の前段階におきましての事務局への照会件数は174件
〈前年171件)
、応募件数98件(同94件)、最終審査対象件数75件(同72件)、受賞件数
36件〈前年33件)となっており、創意工夫をこらした成人式が増える一方、まだまだ問題のあ
る成人式も少なくないようにも思われます。
本年の成人式大賞は、7305
Lat It
Go
~ありのままで~という、家族や地域の方々
などに20歳になるまで支えられ、自信が持てるように成長できたことで、社会の荒波に立ち向か
う決意をする。をテーマとし、市と教育委員会の主催のもと、新成人 20 人で構成する実行委員会
が企画や運営に当たり、式典とアトラクション部分を分離せず、成人の火の伝達(先輩からの激励)
など独特な伝統行事を含め極めてバランスよい構成で、[私たちの今」「ありがとうの手紙」など
テーマに則り、また流行にも沿ったイベントを展開した岐阜県瑞浪市の成人式が獲得しました。
大賞につづく準大賞3件、優秀賞6件、奨励賞8件は、上位激戦の様相を強めています。
これらを追うかたちの企画賞、努力賞の自治体も、それぞれ成人式の機会を意義あるものにしよう
と工夫に努め、内容を充実させている状況が目立っています。今後の成長発展が期待されます。
アイデア賞、話題賞を獲得した自治体の成人式では、成人式の実態の改善改革を図るため、地域
特性の思い切った活用を目指しています。
また、昨年の総括講評などで触れていますが、公募に応募しても上位入賞はとても困難と見られ
るので今回は応募は見合わせ今後の課題にしておこう」とか、「応募するには相当な努力工夫が必
要であるが最近青少年育成業務・子育て・少子化対策などの業務が増え、成人式づくりの態勢を構
築するだけの人手や余裕が乏しくなって来ている」といった話もあるようです。こうした状況を乗
り越えるためには、地域社会を形成する成人式開催母体の自治体の関係者の方々や新成人の皆さん
や私どもなどにも、総合的な一層の工夫努力が要請されているとも考えられます。
1
なお、過年度に大賞を受賞した自治体でその後もさらに成人式のありかたを充実させ続けている
ところに、成人式改善改革の旗手としての貢献を評価して贈っている成人式貢献賞の受賞自治体が
競争し合い、さらに一層意欲的に創意工夫をこらし画期的な成人式が創造されるよう、今回、当年
度の貢献賞の受賞成人式のうち最高のものに特別貢献賞(1 件・連続受賞あり)が贈られることに
なりましたが、昨年の総括講評の中での貢献賞のレベルの一層の向上策の設定についての指摘がよ
り画期的な成人式創造への充分なインセンテイブを持つかたちで具現化され、しかも受賞に値する
と認められる成人式が誕生しました。関係各位に敬意を表する次第です。
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個別講評
成人式大賞
瑞浪市(岐阜県)
本成人式は、平成27年 1 月21日〈日)に瑞浪市・瑞浪市教育委員会の主催のもとで、20人
の新成人で構成される成人式実行委員会の企画運営により、瑞浪市総合文化センター文化ホールで
行われたものである。新成人参加率は84.95%で前年を1.51ポイント上回っている。
生まれてから 20 歳になるまで7305日、この間、家族・友人・恩師・地域の方々等に支えら
れ、自信が持てるように成長できたことで、これからの社会の荒波に立ち向かう決意を示すという
意味を込めて、成人式のテーマを「7305
Lat
It
Go
~ありのままで~」と定め、そ
れにのっとりながら、式典とアトラクション的な場面を分離せず、全体の流れるような進行のなか
で、
「私達の今」
、
「ありがとうの手紙」
、
「成人の火の伝達(先輩からの激励)」、
「未来への希望と誓
い」、「主催者挨拶等」
(お祝いのことば、記念品贈呈)など多彩な行事をバランスよく配置し円滑
に進め、明るく楽しい雰囲気のなかで多大な感銘を覚えるものにすることに成功している。
他の自治体の成人式でも「感謝の手紙」を朗読する催事の企画は少なくないが、本成人式での「あ
りがとうの手紙」は、キメ細やかに[父親」
「母親」
「弟」
[祖父母」
「地域の人」
「友達」
「恩師」に
宛てた新成人の感謝の手紙を、新成人を代表して実行委員が朗読している。それぞれ個人の感謝の
想いを綴ったものであるが、参加新成人すべてがこの手紙の内容を自分に投影させ、自分の大切な
人たちへの感謝の気持ちをあらためて痛感する機会になったようであり、会場では涙ぐむ新成人や
保護者の姿が多々見られ、意義あるものになっていると報告されている。
このように本成人式は、伝統的な進行方式や催事を基本に据え、大切な人たちへの感謝の気持ち
を新たにする機会をつくり、前年に大ヒットした思い出の曲を成長の記録の映像のBGMに取り入
れ、その歌詞を地元弁でアレンジして親しみあるものにするなどの創意工夫もこらし盛り上がりの
ある生涯の記憶に残る成人式にしており、大賞を贈るにふさわしいものと認められた。
3
成人式準大賞
花巻市(岩手県)
本市の成人式は、式典の部は花巻市の主催、記念行事の部は花巻市成人式記念行事実行委員会の
主催で、1月10日(土)に花巻市文化会館大ホールにおいて開催された。実行委員会は、新成人
(29名)と次年度対象者(17名)の46名で過去最多。実行委員会OB・OGの支援態勢も強
めている。家族等の観覧者は344人で新成人参加者818人の40%を越えている。
成人式記念行事のテーマは、「Just
”A”
Now
~自分達の歩みを振り返り、未来の花巻
を創造~」と定め、式典会場への早期入場・着席をうながし、式典や記念行事への期待感の高揚を
図るため、式典開始30分前から「はなまきのまつり」や「実行委員会の軌跡」の映像の放映を行
なうとともに式典の進行をリードし、記念行事としては
①20年間のタイムスリップピクチャー
②恩師VTR放映
③新成人インタビュー
④地域からのお祝いメッセージ伝達等
を行なっている。
新成人・恩師・地域の人々などの総出演者は350人にのぼり、成人式に参加した新成人全員と
共に未来の花巻創造の決意を新たにするなど大きな成果を挙げていると見られる。
このように、本成人式は、実行委員会の構成について次年度の成人対象者を約半数加えて将来に
向けて企画運営の経験を積ませノウハウの蓄積や企画内容の向上を図り、また多くの人々に出演を
求めて新成人を祝福する態勢を強め、当日も会場への入場・着席の促進に工夫をこらし、家族等の
観覧要望に応えることなどにも努めており、準大賞を贈るにふさわしいものと認められた。
4
一関市(岩手県)
本市の成人式は、一関市、一関市教育委員会、成人式企画実行委員会(新成人25名で構成)が
主催し、1月11日(日)に、一関市総合体育館(ユードーム)において開催されたものである。
成人式のテーマは、
『One
~未来へ
。出会いをつないで~』とされ、One はひとつになるこ
とを意味するとしている。新成人の参加率は84.96%で前年を1.23ポイント上回っている。
式典の部の運営は市と教育委員会が行うこととしており、開式の言葉は副市長、市民憲章唱和
の先導は教育長、式辞は市長、祝辞は市議会議長と県会議員1名、記念品贈呈は教育委員長、閉式
の言葉は副市長がそれぞれ役割を担っているが、総合司会に企画実行委員〈2名)が当たるほか
市民憲章唱和の先導に際し企画実行委員(5名)が先導役の教育長をステージ上で支援している。
記念行事の部では、企画実行委員会の企画運営により、テーマ追求の見地から
①恩師、地域の人々、先輩、後輩などの「新成人へのメッセージ」スライドショー上映
②新成人の「決意/夢」作文の募集・入選5名の作品のステージでの工夫された朗読
③新成人全員での菜の花アート作成
⑤振袖ファッションショー
④一関市オリジナルの「成人式の歌」の合唱
⑥企画実行委員会の新成人決意宣言
⑦記念アルバムの希望者への予約販売など
の新規性を加味した種々の催事を実施している。
このように本成人式は、検討すべき問題点のある催事も含むものの意欲的に新しい催事を加え
る努力を続けており、これらは企画内容や運営方法の工夫により、成人式のあり方を拡充する
ことにつながる要素を持つものと見られ、準大賞を贈るにふさわしいものと認められた。
5
犬山市〈愛知県)
本市では、2001年に成人式での新成人のマナーが悪かったことから、市主催の成人式が廃止
され、以降新成人たちが自ら実行委員会を立ち上げ、会費制で「犬山新成人の集い」を開催し今日
に至っている。本年の新成人の集いは、犬山新成人隊(新成人の集い実行委員会)の主催により、
1月11日(日)に、名鉄犬山ホテルにおいて開催されたものである。
他市の成人式の場合と異なり自費での開催であるにもかかわらず、毎年高い参加率をあげており、
実行委員会の並々ならぬ努力や毎年の新成人たちの「成人の節目」での記念の会合への思いの強さ
と集いを支えようという心意気が強く感じられる。市や教育委員会は、市主催の成人式が廃止され
た後も教育委員会に新成人の集い実行委員会事務局を置き可能な限りの支援をして来ており、現在
ではこの新成人の集いにおいて、市長と教育長とが招かれて祝辞を述べる関係になっている。
集いの構成は、実行委員長の新成人の集いの開会の挨拶、市長と教育長の祝辞、実行委員代表の
「はたちの決意」の部分を厳粛な成人式典催事とし、恩師たちや新成人仲間との歓談、想い出のス
ライドショーや様々な人からの新成人へのメッセージビデオの放映などの部分を感銘深くまた盛
り上がりのある記念行事としており、さらに実行委員による市内の清掃・美化活動や子育て支援活
動、会費の一部の犬山ふるさと募金寄金への寄付などは、他の自治体の実行委員会などでも例の少
ない特筆されるべき犬山新成人の貴重な社会貢献活動であるといえる。
このようなことから、この新成人の集いは、地域社会との関係の強化など最近の新しい要請への
対応が課題となっていると思われるが、新成人のマナーも改善された、わが国で最も自主性に富む
新成人の集いとして準大賞を贈るにふさわしいものと認められた。
6
成人式優秀賞
館林市〈群馬県)
本市の「平成27年 館林市成人式」は、館林市の主催により、館林市文化会館大ホールにおい
て、テーマを「地元を大切に、視野は広く」として開催されている。その企画運営には館林市教育
委員会、二十歳のつどい(新成人による成人式企画・運営団体)が当たっている。
成人式は、第一部式典前PR,
(幕間)オープニング、第二部式典
、第三部アトラクション「校
歌歌合戦」、第四部旧友との再会と各中学校ごとの記念写真撮影「ふれあいタイム」の4部で構成。
式典前PRは、二十歳のつどいが「成人式をみんなで成功させよう」というアピールを実施。
また、第一部~第二部式典の幕間にオープニング催事として、館林太鼓達和会による勇壮な和太鼓
の演奏を行い、厳粛な式典への雰囲気の醸成を図っている。
本市の成人式の特色のひとつになっているのが、成人式という節目を迎えて今後への決意を表す
「新成人のことば」の式典の中での発表。二十歳のつどいが考えた”自分たちのことば”を、今年
は、世界の建物を描いた図柄の中に手書きし全参加者に配布、We are the world を
BGMとし
てつどいメンバーが朗読している。市内5中学校の校歌合戦のスタイルも定着し、また、旧友や
恩師との再会交流の場も盛り上がり、中学校別の記念写真撮影とは別に二十歳のつどいOB・OG
が撮影した式典中の写真データの予約販売の売上金収益を次年度アトラクション経費に宛てる方
式や各種ボランテイア団体や二十歳のつどいOB・OGの協力なども万全になっている。
このように本成人式は、独特の四部構成で厳粛な式典と友人恩師等との懐かしく楽しく有意義な
交流などを実現し他の範とするに足り、優秀賞を贈るにふさわしいものと認められた。
7
調布市(東京都)
本市の成人式の名称は「平成27年調布市成人式」。第一部式典の主催は市と市教育委員会、
第二部アトラクションの主催は市、市教育委員会、成人式実行委員会で、調布市グリーンホール
大ホールにて成人の日に開催されている。平成15年から実行委員会方式の企画運営である。
テーマは、
「それいけ!新成人2015~ハタチの君に送る YELL~」、地元の調布市から
未来の大空に向かって飛び立つ新成人を応援するというもの。本年の委員会は白百合女子大、桐朋
学園芸術短大からの推薦者、調布市に縁のある学生コミュニテイーWithgrow や市内ジュニアリー
ダー出身者、地元企業アフラックの若手職員など12人で構成、司会も実行委員が務め、第一部を
白百合放送研究会出身委員、第二部をWithgrow とアフラック出身委員が担当している。
第一部では姉妹都市の勇壮な和太鼓「鬼島太鼓」の演奏、市長挨拶、新成人代表のはたち
の主張、第二部では新成人と同世代の若者の演技から多くを学ぶ意味合いを込め白百合のチアリー
デイング・桐朋有志のダンスステージの鑑賞を行うほか、調布のまちを深く知ることをねらいとし
た市出身の著名なバンドのライブ演奏や地元のキャラクター7体の紹介、FC東京選手の実行
委員によるインタビューのビデオメッセージの上映などを行い、出演者総出の華やかなエンデイン
グで締めくくっている。成人式案内状、記念品のオリジナルデザインの図書カード、祝成人封筒の
発想もよく、大人のマナー・市内名所の再発見・未来年表など有益な記事満載の成人式情報誌は、
コンパクトでわかりやすく、実行委員デザインの表紙も優れ出色の記念品にもなっている。
このように本成人式は、テーマの趣旨に沿い新成人が地元をよく知り、大空に向かって飛び
立つのを種々応援し他の範とするに足り、優秀賞を贈るにふさわしいものと認められた。
8
大和市〈神奈川県)
本市の成人式「2015やまと成人式」は、やまと成人式実行委員会、大和市、大和市教育委員
会の主催により、成人の日に大和スポーツセンター第1体育室で開催。実行委員会は15名で構成。
成人式のテーマ「YAMATO/1718」は、全国1718の市町村の中で、大和市でしかでき
ない成人式を創り、新成人には大和市で成人式を迎えることに誇りを持って欲しいというもの。
新成人の入場促進を図る為、市のキャラクターヤマトンと開式前に記念写真撮影ができるコーナ
ーを設けたり、大和市のいい所や中3時の担任のお祝いメッセージの動画を開式前に上映している。
第 1 部式典では実行委員2名が司会進行を務め、諸注意事項のアナウンスを昨年実行委員を経験
した青年代表実行委員が行い、開式宣言は高らかに記念冊子説明と一体で行うなど工夫している。
市長挨拶などに応じる新成人代表のことばは、地域社会からの祝福や励ましに対する実行委員6
名による代表としての決意や抱負などの発表という重い意味合いのものだけに、テーマの一層深い
掘り下げが望まれる。第 1 部と第2部の間に恩師紹介や恩師・旧友との歓談の時間が設けられ、オ
ードブルなどが提供されヤマトンも登場し和気藹々の雰囲気が醸成されているが、この歓談は新た
な大和の創生に繋がるものであり、その位置づけは 1 つの部門にふさわしいであろう。
第2部アトラクションは、実行委員が企画作成の記念誌「YAMATO
Walker」の内容や
大和市に関する様々な知識を問うクイズを出題し、大人としての常識を身に付けたり大和市につい
ての認識を深める教養企画であり、全国にも誇れる本物の大人としての新成人の成長を図る適切な
契機になっている。県内各市のシルエットでその特質への関心を深める仕掛けや、実行委員の活動
のPR,閉式のことばやエンデイングでの次年度への配慮など細心の工夫がなされている。
このように本成人式は、新成人が地元の魅力を誇りにし、大人として成長していく契機として極
めて有意義なものになっており他の範とするに足り、優秀賞を贈るにふさわしいものと認められた。
9
勝山市〈福井県)
平成27年勝山市成人式は、主催者を第1部式典を勝山市と勝山市教育委員会、第2部アトラク
ションと第3部新成人のつどいを勝山市成人式実行委員会として、成人の日の前日に、勝山市民会
館大ホールにおいて開催されている。
成人式のテーマは【さつき】~自分自身の花を咲かそう~と定めている。
その趣旨は、さつきは植物の性質としてどんな環境でも花を咲かせることができることにちなみ、
それぞれの場所で自分の夢を実現して欲しいというもの。
式典では、実行委員会手づくりの恩師メッセージ入り記念ムービーの上映、恩師紹介(サプライ
ズ登場)、20歳の想いなど募集「新成人の声」最優秀賞の表彰と朗読、中学校歌の斉唱、新成人
が頑張っている場所で撮影した写真と夢の応募写真の披露、実行委員による感謝・夢・希望につい
てのステージ発表などが整然と行われている。出席した新成人たち全員が、はなびらの用紙に各々
の夢などを記入し、みんなで新成人の想いを詰め込んだ大きなさつきをつくり上げるパネルアート
の制作や、新成人の声応募作品の展示などは、成人式を意義深いものにしている。
アトラクションの消費者センターや警察署による悪徳商法防止啓発の寸劇や、前もってローカル
紙・TVなどに採り上げられた実行委員会企画・撮影・編集の記念ムービーなども感銘深い。
第3部新成人のつどいの恩師・友人との懇談交流は、地方創生が叫ばれる今日特に重要であり、
新成人の声の実行委員会部門としての表彰も若い感覚を採り入れる意義は大きいと思われる。
このように本成人式は、自身の夢を胸に抱きつゝみんなで地域の活性化を目指す契機として極め
て有意義なものになっており他の範とするに足り、優秀賞を贈るにふさわしいものと認められた。
10
刈谷市〈愛知県)
本市の成人式は、名称を2015かりや「新成人の集い」として、平成27年刈谷市成人式実行
委員会、刈谷市、刈谷市教育委員会の主催により、刈谷市総合文化センターで開催されている。
集いは第一部式典と第二部記念行事の2部で構成し、第二部の企画・運営と全体の司会・進行を
実行委員会が担当し、案内状・記念品のタンブラー・プログラムを実行委員がデザインしている。
テーマは「STEP~7300の夜を越えて~」としている。その趣旨は、これまでの20年、
つまり7300日、多くの方々に支えられ、歩んで来た道のりを振り返るとともに、そこから次へ
の一歩を踏み出してほしいという思いを込めたものである。
実行委員会は24名で構成、テーマに沿ってメイン行事のSHOUTER~アイリスで理想の
自分をマイクの前で~と題する新成人が夢や目標を大声で叫ぶ発表や
全員が一体になっての歌
の会、プログラムに印字された数字による大抽選会や、当日会場で募集したメッセージカードでの
抽選と当選者の夢の発表を結んだSPECIAL抽選会など、工夫したかたちでの新成人の思いの
発表、郷土のことや大人として身に付けておきたいことを題材にした抽選会を企画実施している。
また成人の機会に特に留意すべき基本的事項として子宮頸がん予防検診・選挙投票の啓発・青年
団や消防団PR・献腎献眼など各種展示コーナーの設置やPRを行なっている。
前年度までの成人式実行委員OB・OGで組織する「THE成人」が結成され誘導や企画に協力
するという新しい動きも出て来ている。そのPRで消防団への参加も実現している。
この新成人の集いは、本市伝統の大人としての心構えを確認し合う配慮が溢れており、優秀賞を
贈るにふさわしいものと認められた。
11
三原市〈広島県)
本市の成人式の名称は[平成27年三原市新成人のつどい」、主催者は三原市、三原市教育委員
会、三原市新成人のつどい実行委員会で、成人の日に三原市芸術文化センターポポロにて開催。
つどいのテーマは『感謝~あなたにありがとう
~』とされ、これまで見守り、支え、育ててく
れた両親、家族、友人たち、ふるさと三原の人々に感謝の気持ちを伝えたいというものである。
新成人を祝い励ます「成人式典」と「新成人を祝う会」の開催を目的とする三原市新成人のつど
い実行委員会の設置要綱では、委員会は市、教育委員会、商工会議所、社会福祉協議会、青年会議
所、国際ソロプチミスト三原、勤労青少年ホーム利用者会が推薦する者や新成人代表者、公募委員
で構成し、実行委員会を召集し主宰する委員長には市長を宛て、委員長を補佐・代行する副委員長
と会計監査に当たる監事は委員長が指名し、委員会の意思決定は過半数での多数決によることなど
を明快に定め、副委員長には新成人代表委員を指名、事務局を教育委員会内に置いている
新成人のつどいでは、第1部成人式典で市長式辞のあと、新成人が日々使える実用性があり就労
継続支援事業所の製品で社会貢献にもなる革製キーケースが教育長から贈られ、市議会議長の祝辞
とつづいている。第2部の新成人を祝う会はつどい実行委員会の副委員長である新成人代表の開会
のことばで始まり、市立小学校児童によるやっさ踊り、恩師やまちじゅうからの祝福・激励メッセ
ージムービー、新成人を含むグループバンド演奏、目玉アトラクション「みはら雑学王」から出題
の運営に工夫を加え磨きをかけたクイズ抽選会が行われ盛り上がりのあるものになっている。
本新成人のつどいは、このように厳粛な成人式典とくつろいだ雰囲気の新成人を祝う会とが共に
極めて円滑効率的に進められ成果をあげており、優秀賞を贈るにふさわしいものと認められた。
12
成人式奨励賞
滝川市(北海道)
成人式は[平成27年滝川市成人式」
、3年前から新成人と青年団体等の先輩青年で
組織した滝川市成人式実行委員会の主催により、成人の日の前日に開催されている。
メインテーマは『7300日のキセキ』とし、20歳までの軌跡を振り返り、関わった人々に感
謝し、これから起こす奇跡に向けて決意を新たにする式典にしたいというものだが、裏テーマを『滝
川って面白い!~先輩力全開~』と定め、進学や就職で市外に出て行った新成人達に、滝川で頑張
る「大人たちの元気」や滝川は「捨てたもんじゃない」ことを知らせたいとの熱い思いをベースに
し、斬新な企画とその実施に努め、先輩青年実行委員による受付や見送り、他のまちづくり団体の
祝福への駆けつけなどもなされている。
成人式は、昨年新成人だった実行委員長の新成人激励の開式挨拶で始め、第1部式典では市長祝
辞などに続く 20 年間のメモリアルムービーの上映とお母さんからの手紙<祝福・激励・君のいい
ところ3点の披露>などで感動を呼ぶものにしており、また第2部でも、ネットでのクラウドファ
ンデイングを活用しての会場内の「巨大なお菓子の家づくり」企画への挑戦結果の披露、メインテ
ーマ展開の先輩等からの激励のメッセージが書かれたクッキーでつくる新成人の歩む”夢の道”と
新成人がつくりあげる未来の滝川をマカロンタワーで表現した”タキカワパラダイス”のオブジェ
の制作・展示などを行なっている。
このように本成人式は、企画・運営に創意工夫を凝らし、果敢にその実現に努め成果をあげてお
り、他の模範とするに足り、さらに今後一層の向上が期待されるものとなっており、奨励賞を贈る
にふさわしいものと認められた。
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桶川市(埼玉県)
本市の成人式の名称は、平成27年桶川市成人式典、主催者は桶川市、桶川市教育委員会、桶川
市成人式典実行委員会で、成人の日に桶川市民ホールにおいて開催している。
テーマは『希望への扉をあけよう
桶川人~未来へ向かって~』とし、新成人自身による企画・
運営の式典を行なっている。成人式典実行委員会の委員は、公募・友達推薦・出身中学校からの推
薦などで募集し17名で組織され、式典の企画・運営の全般を実質的に担当している。
成人式典は式典とアトラクションの2部で構成しているが、開式前に小中学校の思い出のスライ
ド上映で新成人の会場への入場や着席を促し、厳粛な式典への雰囲気づくりを図っている。
第一部式典では市長式辞、来賓代表の市議会議長祝辞などにつづいて新成人代表が親や先生など
への感謝と二十歳の決意の宣言を行い、そのあと来賓・主催者紹介、祝電披露などをしている。
第二部では実行委員の自己紹介につづき恩師登場でエピソードをまじえた祝福・激励のメッセー
ジと欠席の恩師からのビデオレターの上映を行い思い出話に花を咲かせた後に、メイン記念行事の
クイズ大会、大抽選会を開催。クイズ大会は、桶川に関係するクイズで設問を工夫し三択形式で行
なっている。豪華懸賞の抽選会も全て座席指定で箱の中から座席番号札を引き当選者を決定、キャ
ラクターオケちゃんも活躍し会場は盛り上がっている。最後に参加者全員の「道」の合唱によりテ
ーマとした未来に向かっての行動への一体感を高め、感銘深い成人式典を締めくくっている。
このように本成人式は、企画・運営に創意工夫を凝らし成果をあげており、他の模範とするに足
り、今後一層の向上が期待されるものとなっており、奨励賞を贈るにふさわしいものと認められた。
14
静岡市(静岡県)
本市の今年の成人式2015静岡市成人式は、2015静岡市成人式実行委員会の主催により、
平成27年1月2日、静岡県オンベンションアーツセンターグランシップ大ホール[海」を会場
として開催されている。本市の成人式は参加者のマナーの悪さから廃止を含めて検討が行われる
こととなり、新成人たちの有志が立ち上がり、実行委員会方式で開催されることとなって今日に
至っているという経緯がある。
静岡市は子ども未来局子ども未来部青少年育成課がその実行委員会事務局を担うかたちでこ
れを支援し、実行委員会はその支援のもとに、全ての記念行事の経費を成人式関連企業の協賛金
によってまかなう工夫努力を重ね、企画を練り成人式を開催している。
今年の成人式のテーマは、
「大人になった君が伝える~いつもありがとう
これからもよろし
く~」。としている。 その視点は「平素は気恥ずかしくて伝えることができずにいる周囲への
感謝の気持ちを、大人になったこの機会に言葉にして伝えて欲しい。」というものである。
成人式は35分にわたる開式前コンサートに続き、実行委員長の開式の言葉で始まり市長式辞、
市議会議長祝辞、新成人の誓いなどにつづく式典と、本年度オリジナル企画の記念行事としての
①世界中の同級生はどうしてる?(パワーポイントによるイラスト映像)
②静岡の1月2日(新成人達のありがとうのメッセージボードと静岡の成人式のスライド動画)
③今年のテーマについての実行委員による演劇など
となっている。
本成人式は、このように過去の厳しい経緯や複雑な過程を踏まえながら、企画運営に工夫を凝
らし成果をあげており他の模範とするに足り、今後一層の向上が期待されるものであり、奨励賞
を贈るにふさわしいものと認められた。
15
可児市(岐阜県)
本市の平成27年可児市成人式は、可児市と可児市成人式実行委員会の主催により、成人の
日の前日に、可児市文化創造センター主劇場において開催されている。テーマは、「いってきま
す~新しい未来へ~」その趣旨は、家族・友人・先生・地域の人々など多くの人々に支えられた
20年。新たなスタートラインに立った今、感謝の気持ちを持って、ここ可児市から新しい未来
に向かって一歩を踏み出していきたい。ここで生まれ育った誇りを持ち、さらなる飛躍を誓い
「いってきます」という決意を伝えたいというもの。司会進行も実行委員2名が担当。
式典は開始5分前に新成人が着席、緞帳があがると実行委員10人が整列し開式の挨拶。誓い
のことばでは実行委員長が「可児市をさらに活気溢れるまちにすること、可児市の良さを後世に
引き継いでいくこと、未来に向かってたくましく歩んでいくこと」などを誓っている。
記念イベントは「20年思い出映像」スライドショー、恩師のビデオメッセージとサプライズ
登場、思いを込めた「三行メッセ-ジ」の読み上げ、文化庁の特別支援劇場音楽堂である会場で
の市伝統の合唱など。中学校のジャージを着た思い出の映像、恩師登場の際のシルエットの演出、
参加者全員が立ち上がっての最後の大合唱などは感動的である。
閉式の挨拶は裏方として成人式を支えたOBや来年成人を迎えるサポーター実行委員紹介も
含めキメこまかい。表紙を実行委員がデザインし三行メッセ-ジと小・中学校卒業年度の担任
の先生からのメッセ-ジを掲載した記念冊子はまたとない記念品になっている。
本成人式は、伝統を踏まえつつ得がたい記念品につながる行事を行うなど他の模範とするに足
り、今後一層の向上が期待されるものであり、奨励賞を贈るにふ本さわしいものと認められた。
16
南あわじ市(兵庫県)
2015年南あわじ市成人式は、南あわじ市成人式実行委員会、南あわじ市の主催により、
成人の日の前日に、南あわじ市文化体育館メインアリーナにおいて開催されている。
テーマは「
(はじめ〉~Start~」
。その視点は、
「成人式を迎え、これを新たに始めること、
今はじめていること、夢についてもう一度考えるきっかけにすること。また阪神淡路大震災から
20年、真の復興・再生を~の意味合いも込めている。実行委員会は9名で構成されている。
平成17年の合併以降、成人の自主性を重視し個人あて成人式案内状はなく、市広報・HP・
口コミなどで、参加率は住民登録者の88%に達している。前日に実行委員が会場敷地内の
二十歳の森に桜の記念植樹を実施、当日受付などは実行委員と一般新成人が当たっている。
成人式は、副委員長が開会宣言、市長の新成人へ贈ることばのあと記念品(記念集合写真)の
目録の贈呈。続いて1/2成人式参加の子どもたち全員と実行委員が手をつないでステージ登壇、
子どもたち全員から新成人に向けたお祝いメッセージ、10年後の成人式実行委員となる子ども
たちへ実行委員から委嘱状贈呈、子どもたちから新成人実行委員へ10年後の成人式への招待状
贈呈、新成人たちの10年後開封タイムカプセルの自分への手紙の封入など、20歳の成人式
と1/2成人式が一体的に実施され、10年を隔てた世代間の絆が強く結ばれている。そのあと
街角の人々への「はじめ」のインタビュー・恩師からのメッセージビデオ。催事は比較的シンプ
ルだが心がこもっている。閉会・お礼のことばは、実行委員全員が揃い実行委員長が挨拶。
本成人式は、新成人を祝福激励し自覚をうながすとともに10年後に成人になる小学4年生の
児童にも将来を考えさせ、相互の本格的な交流による結びつきの強化を図る行事を行うなど他の
模範とするに足り、今後一層の向上が期待され、奨励賞を贈るにふさわしいものと認められた。
17
成人式奨励賞
奈良市(奈良県)
本市の成人式は市と市教育委員会の主催で、新成人代表も参画し「自分を信じて一歩前へ」をテ
ーマとして新しい市民協働のモデルとして創造され、市中央体育館で成人の日に実施されている。
本市では、古都の伝統もあり、従来、わが国での典型的な成人式を行なって来た。長年の社会情
勢変化の中で式典のあり方と若者の感覚との間にギャップが生じ、他の一般市町村と同様に、式典
をことなく済ますため式辞や来賓祝辞などの諸行事を簡略化短縮する傾向にあったという。
しかし、本年の成人式はこれを一転させ、式典から記念行事に続くはこびのなかで全国にも例の
無いフラッシュモブ方式を採り入れ、市長もそのキッカケづくりに参加し、綿密な仕組みで多くの
参加者の驚きと喝采を呼び会場が盛り上がるものにしている。この方式ではプログラム上は隠され
ている意図により、明るく楽しいい流れで事態が展開するが、催事が過度の作為を感じさせずまた
式典の性格上一定の節度も保たれる必要があり、主催側関係者の工夫・苦心の程が推察される。
本成人式づくりでは、新成人代表自らの企画・撮影・編集による世界遺産都市奈良が誇る世界遺
産寺院の住職をはじめ幅広い地域の人々や新成人が中学校3年時の担任教諭などからの新成人へ
の祝福・激励メッセージ映像の上映、市内全域の商店等で使用できる割引クーポンチケット集「新
成人パスポート」の発行、成人式プログラムへのQRコードの掲載による家族や已むを得ざる欠席
者への会場での映像メッセージ閲覧機会の保証などのキメこまかな工夫や、過去の新成人代表のボ
ランテイアスタッフとしての協力など地域・行政・新成人の協働、新成人を地域全体で祝う態勢づ
くりなどの新しい意欲的な取り組みが進められている。
このように本成人式は、思い切った新しい手法を採り入れ細やかな創意工夫を凝らし、種々の点
で他の範となるものであり、また今後さらに大幅に向上発展する要因を多分に持っていると見られ
るところから、奨励賞を贈るにふさわしものと認められた。
18
広島市(広島県)
本市の成人式の名称は平成27年広島市成人祭。主催者は、広島市、広島市教育委員会、
広島市選挙管理委員会で、広島市成人祭実行委員会が置かれ、成人の日に広島サンプラザホールほ
かを会場として開催。本年の実行委員会は8名で構成されている。
成人祭のテーマは、
「Departure ~輝く未来へ~」。その趣旨は、”20年という時間、様々な思
いを抱き、多くの仲間たちとともにたどり着いた今日。この成人祭の日を人生の
新たな「出発点」として、選択自由で未知なる可能性を秘めた輝かしい未来へ歩んでいきましょう”
ということ。新成人対象数11,979名、出席者は7800名にのぼり、巨大規模の成人式とし
ては高率の65%<例年比10ポイント向上>となっている。
式典では市長式辞、市議会議長祝辞、記念品贈呈、新成人宣誓、新成人全員・出演者等
による三本締めが行われ、式典前アトラクションとして広島ジュニアマリンバアンサンブルの演奏
と広島修道大学混声合唱団による合唱が行われている。
同窓会コーナーは、式典に続いて中学校ごとにサンプラザ近接の運動広場において開催。
この会場には恩師からのメッセージ掲示ボードが設置されている。
その他催事は「模擬投票体験」
・
「はがきで感謝を伝えよう」コーナーが設けられ、新成人祝福・
激励着付け直しコーナーと成人祭手提げ袋引き換えコーナーも好評であった。
記念品は昨年好評だったオリジナルクリアファイル(3枚1セット)が贈られている。
このように本成人式は、大規模式典の通弊から脱け出し新成人の要望する催事の実施を図り、前年
の評価を参考に改善を加えており、奨励賞を贈るにふさわしいと認められた。
19
中津市(大分県)
本市の今年の成人式、平成27年中津市成人式は、中津市および中津市成人式実行委員会の主催
により、成人の日に、中津市文化会館において開催されている。テーマは実行委員会が「一歩~十
人十色の明日と道~」と定めている。その視点は”生まれた日や場所、育った環境などは違っても、
同じ日にふるさと中津で人生の節目の成人式を迎える。たくさんの仲間と共に今まで支えてくれた
人たちに感謝の気持ちを持ち、十人十色の明日と道を、さらなる飛躍を誓って前を向いて一歩ずつ
歩いて行こう!”というもの。実行委員会は新成人委員12名と昨年までの委員経験者である若年
層代表委員18名、社会教育委員5名を含む35名で構成しているが、成人式を地域全体で創造す
るという観点から募集したボランテイアの演出スタッフ・手話通訳者などの介助スタッフ・託児応
接スタッフが多いのが特色で、短大生・高校生・一般など29名にのぼっている。
テーマ具現化の第一歩として参加新成人に呼びかけ社会貢献活動『あなたの愛が・・・eye の光
を届けます!2015』~書き損じハガキ回収運動を実施。記念品も省資源を念頭に置いたステン
レスタンブラーと、大河ドラマゆかりの地にちなんだ「マンガ黒田官兵衛と宇都宮鎮房」など。
成人式は市長式辞や新成人の言葉などの式典の部と、①新成人が親・兄弟姉妹・恩師・地域の人々
への感謝の思いや将来の夢(目標)を綴った手紙を実行委員が朗読する『手紙』 ②恩師や先輩か
らのビデオレター上映
③アンジェラアキさん作の歌
”手紙”の合唱
④新成人のダンスパフォ
ーマンス「新成人オンステージ」などのアトラクションの部で、むすびは全員での一本じめ。
このように本成人式は、テーマにのっとって、オープニングの少年少女合唱団の合唱を皮切りに
して、大分の国際大学の外国人留学生も含め70名出演した恒例の新成人オンステージなど盛り上
がりのある意義深い催事で構成されており、奨励賞を贈るにふさわしいものと認められた。
20
成人式アイデア賞
本巣市〈岐阜県)
本市の平成27年本巣市成人式は、第一部の式典を本巣市が主催し中学校ごとの記念写真撮影後
に、第二部の記念行事を成人式実行委員会が主催して、成人の日の前日に、本巣市民文化ホールに
おいて開催されている。2部構成にしたのは初めてだという。
成人式のテーマは、
『第一歩』①故郷を知り故郷を想う第一歩②「ありがとう」を伝え、大人の
自分へ踏み出す第一歩③若い活力で、意義ある新しい伝統を作り出す第一歩
としている。
その視点は、①自分たちが生まれ育った故郷の現在を知り未来のあり方を考える機会とする。
②お世話になった両親、恩師に感謝の気持ちを伝え、社会人になることを実感する。③「主体的に
式をつくりあげる」新たな試みにチャレンジし、将来に継続していく。成人式づくり教育効果への
期待感が溢れる。実行委員による本巣市PR映像の制作・世界への発信、救缶鳥プロジェクト募金
による地域非常食の備蓄・被災無し2年後の世界貧困地域への提供のアイデアなどは素晴らしい。
第一部の司会も新成人、開式のことばを実行委員長が、閉式のことばを副実行委員長が、式辞は
市長が、祝辞は市議会議長などが述べるなど、地域社会と新成人の一体感醸成の工夫がされている。
また第二部では、オープニングでカウントダウン写真のスライドショー、つづいて地元で活躍の
美濃もとす太鼓保存会ジュニアの和太鼓演奏、本巣市PR映像、恩師からの一言、感謝の手紙発信
と代表のステージでの朗読、特産品抽選会の開催などテーマの具現化が周到に図られている。
このように本成人式は、全体的な構成や個々の催事の企画運営など諸般にわたりSNSの利用な
ども含め創意工夫が凝らされており、アイデア賞を贈るにふさわしいものと認められた。
21
葛城市(奈良県)
本市の平成27年葛城市成人式は、葛城市教育委員会の主催により、成人の日に、葛城市新庄
文化会館マルベリーホールにおいて開催されている。テーマは
”昔を思い出して”。その視点は
「小中学校の恩師と、昔の写真を交じえながら、今日までの歩みを振り返り、両親、恩師、友人ら
に感謝し、これからの歩みに対して、恩師から改めて餞の言葉を頂戴し、成人したことを自覚でき
るようなセレモニーにする」というもの。成人式の開催を目的として、訓令の要綱により、準備・
運営・実施等の事業を行うため成人式実行委員会が設置され、委員会は関係者および当該年度の新
成人代表者で組織され、公募で選任の委員が準備・実施等に当たっている。
新成人による成人式を目指して8年目で、広報誌の公募で新成人委員6人が集まったが、委員会
開催ができず、スマートフォンアプリを利用しネット上での全員会合の実施など工夫している。
式典(第1部)は全体として典型的なかたちといえるが、式辞は主催者である教育委員会
の教育委員長が述べ、市長や市議会議長などは来賓として祝辞を述べている。
アトラクション(第2部)は市のマスコットキャラクター「蓮花ちゃん」からのメッセージ、
恩師のビデオレターと継ぎ目なしのサプライズ登場、恩師と元生徒である新成人とのかつての写真
を見ながらの思い出話、恩師による弾き語りと簡素だが、家族的な雰囲気の強いものになっている。
恩師と新成人との思い出話のコーナーでは、事前の約束・打ち合わせ無しで恩師が指名する新成
人を舞台上に登壇させ恩師と引き合わせるという難しい演出を行なっているが、新成人みなが照れ
ながらも笑顔で登壇し恩師や時には客席の同級生たちとことばを交わすなど盛り上がっている。
本成人式は極めて素朴ながら、恩師を核に「成人」を自覚させる催事とし、準備段階でのスマー
トフォンの活用なども含め工夫されており、アイデア賞を贈るにふさわしいものと認められた。
22
笠岡市(岡山県)
平成26年度笠岡市成人式は、成人の日の前日に、笠岡市成人式実行委員会の主催により、笠岡
市民会館において開催されている。実行委員会は、社会教育委員など社会教育団体から選出された
実行委員9名と、公募や新成人が中学生時代の校長先生や地区公民館などからの推薦などで集まっ
た新成人実行委員20名とで運営されているが、その中に新成人実行委員だけで構成し成人式内容
を企画する「新成人代表者会」が置かれ、新成人目線での催事の検討会などを行なっている。
なお、
「成人」が選挙権取得の節目であることから、選挙管理委員会が後援のかたちをとっている。
成人式のテーマは『ありがとう~笠岡とともに未来へ~』と定められており。その視点は、
「生まれてから20年間、両親をはじめ、地域の方、学校の先生、友人など、たくさんの人に支え
られて来たからこそ、今の自分があると思う。これらの人たちに感謝しよう。また、成人を迎え、
私たちは成人として、これからの人生を歩んでいくので一生の故郷である笠岡を大切にし、笠岡と
私たちの輝かしい未来へと飛び立とう」と、感謝と飛躍を呼びかけるものになっている。
成人式は、①新成人実行委員による決意表明
②記念式典
③記念行事
で構成されており、
記念式典のなかでは実行委員長による開式のことば、市長のお祝いのことば、教育委員長から新成
人実行委員への記念品贈呈、新成人実行委員の誓いとお礼のことばなど。
記念式典の後の記念行事は、全体会<1時間10分>での恩師からのビデオレター、全員参加の
「ばくだんゲーム」
、新成人による歌の当日の会場写真スライドショー上映を混じえた披露。その
あと、会場を移動しての中学校区別交流会&記念写真撮影<50分>とキメ細かい。
式典前の新成人実行委員による決意表明で自分たちがつくる成人式であることをアピールした
り、流れる曲がとまった時に回した”ばくだん”を持った新成人にテーマ関連や20年後の自分
へのメッセージの発表を求めるお題や景品が当たるゲームや、新成人みんなの花びら型メッセージ
カードで大きな桜の木を完成させエンデイングで披露する趣向などのアイデアは優れている。
本成人式はこのように、明かるく楽しい雰囲気をつくりながら、成人になったことを自覚させる
催事を組み立てるなど種々工夫されており、アイデア賞を贈るにふさわしいものと認められた。
23
下松市(山口県)
平成27年下松市成人式は、下松市および下松市教育委員会の主催により、成人の日の前日に、
スターピアくだまつ大ホールにおいて開催されている。企画運営に当る新成人7名、昨年の新成人
6名、一昨年の新成人3名、来年の新成人1名、社会人3名、合計20名のメンバーで構成される
実行委員会が設けられ、そのほか社会教育関係団体代表や下松工業高等学校生徒会などの人たちが
受付、会場整理、誘導、手話通訳、要約筆記などに当たって支援している。
成人式のテーマは、
「心と形に残る成人式」。視点は”新成人の心に残る成人式をめざし、記念品
も実用的で形に残るものを選ぶ」というもの。記念品はオリジナルタンブラーが選ばれている。
成人式は国歌斉唱・市民憲章唱和・式辞・祝辞・来賓などの紹介・二十歳のメッセージな
どからなる記念式典と、恩師からのビデオレター・お楽しみ抽選会からなるアトラクション部
門とで構成されているが、司会進行、開式・閉式のことば・市民憲章唱和・二十歳のメッ
セージは新成人の実行委員が担当している。
このアトラクション部門で、今年は、国歌斉唱を新成人実行委員の推薦により新成人2名が
担当したり、恩師7名が出演したビデオレターの中に中学校の卒業アルバムを中心とした思い出の
写真を入れ込んで当時をより一層懐かしんで貰う工夫がなされている。また、お楽しみ抽選会では
賞品数を平成27年にちなみ「27本プラス目玉賞品1本の28本」とし、受付時に回収し
た案内はがきを利用して最初の当選者を決め、次の当選者を決めるはがきを引いて貰い、その後
に中身の賞品が隠された27個の箱の中から好きな箱を選んで貰う方法で、27人の当選
者決定後、山口県PR本部長「ちょるる君」が登場、サプライズで目玉賞品の 抽選を行な
い会場を盛り上げている。賞品は目玉のデジタルカメラからタワシまで多種多様の実用品。
本成人式は、国歌斉唱や恩師からのビデオレターへの思い出の写真の入れ込み、お楽しみ抽選会
の運営の方法など種々工夫されており、アイデア賞を贈るにふさわしいものと認められた。
24
成人式話題賞
坂井市(福井県)
坂井市成人式は、成人の日に、坂井市・坂井市教育委員会の主催により、ハートピア春江の大ホ
ール・小ホールにおいて開催されている。実行委員会が新成人13名で構成され、LINEなどを
活用して、式典・アトラクションの企画・運営に当たっている。テーマは「∞
~infinity~」。
自分の将来の希望や可能性は無限大であり、何事にもチャレンジしていこうとの思いを込めたもの。
実行委員会が企画し制作期間2カ月をかけた記念パネルが会場を飾っているが、∞マークに参加新
成人に花を貼って貰い皆で完成させるよう、また背景に中卒時の写真を散りばめる工夫もしている。
新成人の会場へのスムーズな入場・着席、厳粛な式典へのムードづくりのため、式典前に、地元
の若手和太鼓ユニット「ロマンライブス」による和太鼓演奏を実施、女子カメラ会などボランテイ
アによるスナップ写真撮影や着付け直しなど、全般を通じ地域の協力が際立っている。
成人式は、式典と比較的素朴なアトラクションからなっているが、地域と協力して心のこもった
晴れ舞台を手づくりし、
[戻って来たい」と思わせるまちにするといった気持ちが溢れている。
式典開始のファンファーレ・国歌斉唱は、中学時代の恩師と新成人有志で構成する混成メモリ
アルバンドの初の演奏、11月からの打ち合わせや練習を重ねての成果で、式典に華を添えている。
市長式辞、来賓祝辞後の記念品贈呈には、地域性も加味し新成人代表4人による謝辞で手厚い。
アトラクションは、市内5中学校の担任恩師紹介、市内の特産品などが当たる記念抽選会、出身
地区ごとのステージでの恩師を囲んでの記念写真撮影だが、抽選会は観光協会提供の景品の特産品
などは改めて市の産業の現状などを知ったり郷土への愛着を強めるのに役立ち、また記念写真撮影
場所上部には、テーマの文字看板が飾られ記憶に残るものにする工夫がなされている。
このように本成人式は,地元の良さに触れ地域活性化推進に参加する人材の育成にも繋ぐ見地で
地域一体でつくられていることが話題を呼び話題賞を贈るにふさわしいと認められた。
25
大阪狭山市(大阪府)
2015年大阪狭山市成人式は、大阪狭山市および大阪狭山市教育委員会の主催により、
成人の日(11:00~11:35)に大阪狭山市文化会館SAYAKAホールにおいて開催されている。公募
に応じた「成人式企画運営委員」が、企画運営に当たる態勢を採っている。この委員には新成人の
ほか昨年と来年の新成人メンバーも参加していることで、世代をつなぐものになっている。
テーマは、~出会いとこれから~。趣旨は、「今までの出会いは、奇跡のような出来事。これま
での軌跡を振り返り、出会いに感謝し、未来に夢や希望を持って成人として歩き出そう」というも
の。
式典は、国歌斉唱、市長式辞、市内3中学校の先生からの祝辞ビデオレター、新成人の言葉、花
束贈呈、市歌斉唱で構成され、式典終了後に大ホールで中学校区ごとの記念写真撮影を行なってい
るが、式典開始前の受付で記念品の印鑑ケースを受け取ることにするなど手際がよい。司会進行に
は企画運営委員がプロの司会者とともに当たり、参加した新成人の記憶に残る成人式になっている。
「新成人代表の言葉」は今年から3中学校から1人ずつの代表3人で一つの言葉を述べることとし
てより密度の濃い内容にしたり、時間の短縮も図られている。これまで毎年の企画運営委員などの
努力の継続に加えて今年は招待状をイメージした成人式新聞を作成し市からの案内状に同封送付
したことなどもあって、過去15年のうち2番目に高い参加率をあげている。なお、記念撮影終了
後には18時から各中学校ごとにそれぞれ別な会場で会費制での同窓会が開催されている。
成人式企画運営委員の地域の人たちとの交流、「成人の樹」の植樹資金づくりを目指した市内の
まつり参加・模擬店出店・売上げの歴史遺産(飛鳥時代築造の最古のダム式ためいけ[狭山池]桜植樹
資金への寄付などの活動や、地域で活動する小学生コーラスグループによる式典での国歌・市歌斉
唱などは、当市内外で話題を呼ぶものとなっており、話題賞を贈るにふさわしいと認められた。
26
成人式企画賞
加西市(兵庫県)
本市の成人式は、
「2015年加西市成人式」として、加西市の主催により、新成人により成人
式実行委員会を編成し、成人の日の前日の日曜日に、市民会館文化ホールで開催。
今年が阪神淡路大震災から20年の節目の年であり、新成人と年齢が重なるることからテーマ
を”ONEダフル~1.17希望の灯~”と定めて、成人式を改めて震災について考え、当時の記
憶や教訓を地域や世代を超えて広く市内外に発信したいとし、みんなの心をONE=一つにし、社
会の希望の光になっていく契機にすることを目指している。
第 1 部が式典、第2部がアトラクションの 2 部構成で、実行委員会は第2部の企画運営や全体の
司会進行を担当し、第 1 部の開幕前に会場を鎮め舞台に注意を引きつけるため、実行委員が復興ソ
ング「花は咲く」をフルート演奏する工夫や、第2部のメイン企画としての大震災について考え、
得られた経験や教訓をスライドにまとめた発表による参加者全員での情報の共有、20年間の思い
出のスライドショ-・オリジナルDVDの制作・上映、地元の特産品や商店連合会発行の商品券を
景品とした抽選会など、催事内容に種々の創意工夫を加え、また思い出のスライドショ-DVD・
集合記念写真など生涯忘れ難い記録とともに、地域活性化の契機にもなると思われる得々カードを
記念品とするなどの工夫もこらしている。なお、実行委員会は成人式づくりの過程でも、地域への
恩返しの見地に立って、新成人達の代表として市内の祭りへのブース出展やスタッフとしての参加、
福祉施設関連の博覧会への出店などを行い社会貢献活動にも尽力している。
このように、本成人式は青年組織などとの連携のもとに地域社会への貢献を図りながら創造され、
地域経済活性化への配慮なども溢れており、今後一層の内容・運営の向上が見込まれることから、
成人式企画賞を贈るにふさわしいものと認められた。
27
堺市西区(大阪府)
成人式の名称は、平成27年堺市成人式〈西区)、主催者は堺市西区成人式実行委員会である。
テーマは、”全員参加型成人式”となっている。その視点は、
「新成人は招待客として迎えるのでは
なく、それぞれが主役として成人式に参加し、感動的な成人式を創り上げる出演者の一人である。
また、「全員」には新成人だけでなく、当日の運営に協力する地域のボランテイアや実行委員、お
祝いメッセージを寄せてくれた学校園を含み、区全体の参加を意味する。」というもの。
成人式は、成人の日の午前10時~11時に、家原大池体育館大アリーナで開催されている。
新成人の入場を促進するため、式典開始15分前から堺市政PRビデオを上映し、また100名を
超える青少年指導員方が受付や警備に従事し成長した新成人たちと久々の再会を喜び合っている。
第1部式典のオープニングは地元中学校の吹奏楽部の嵐やAKB48のヒット曲の演奏が会場
の雰囲気を引き締め、西区長の主催者挨拶、市長メッセージビデオの上映、来賓紹介、新成人メッ
セージなどが円滑に進行、第2部アトラクションの○×クイズ大会と当日の会場
風景を撮影・編集・上映したエンデイングのオリジナルムービー企画も素晴らしい。新成人と若干
異なる年齢層の若者実行委員組織を持つことが奏効していると感じられる。
プログラム、市・区の各種情報、大人の心得、堺の歴史文化への招待券・若者実行委員募集広告
などを盛り込んだポケットサイズのZカードは、出色の記念品とも言える。
本成人式は、総合的に優れた企画により短時間ながら密度の濃いものとしており、内容運営の向
上が見込まれ、成人式企画賞を贈るにふさわしいものと認められた。
28
成人式努力賞
金ケ崎町(岩手県胆沢郡)
本町の今年度の成人式の名称は、平成26年度金ケ崎町成人式。金ケ崎町、金ケ崎町教育委員会
および金ケ崎町成人式実行委員会の共催により、平成26年8月15日(金)に、金ケ崎町中央教
育センターにおいて開催されている。実行委員会派11名で構成している。
テーマは成人式実行委員会が自ら考え設定したもので、「再会~私たちの手で
金ケ崎の未来を
~」としている。
”この成人式を機会に、お世話になった地域の方々のため、自分達がこれからの
未来の金ケ崎を担っていけるような立派な人間になることを誓う”といった意味が込められている。
本町の成人式は終戦記念日に開催する全国で初めての成人式典として始まったという由緒あるも
のであり、夏の開催は胆江地区でも唯一であるという。
「式典の部」と実行委員会による記念行事としての「はたちのつどい」の2部構成で、特徴ある
記念行事として
”新成人ひとこと ”
(参加新成人全員が登壇しての近況や抱負の発表)と”夢缶
配布 ”(中学校3年時につくったタイムカプセルの返還)がある。この成人式の日とは別の日に
地域への恩返しの活動として
夏祭りへの参加を行なっているが、”新成人ひとこと ”で発表した
種々の抱負が発展しテーマの実現につながる日はそう遠くないかも知れない。
本成人式は、実行委員会などの努力により、比較的珍しい夏開催の式典としての歴史を踏まえて
夏のお盆の時期に継続して開催され、式典や記念行事のほかに地域への恩返しの一環としての夏祭
りへの参加も行なわれ、これらがより優れた成人式や大きな地域活性化事業などの展開につながる
可能性を秘めていると見られることから、努力賞を贈るにふさわしいものと認められた。
29
豊明市(愛知県)
平成27年豊明市成人式は、豊明市および豊明市教育委員会の主催により、成人の日の前日に、
豊明市文化会館で、開催されている。新成人の実行委員会が組織され7名で発足し9名に増え「は
たちカフェ」と命名し、ロゴまでつくる抜群のチームワークで、Facebook ページを開設したり、
ブレーンストーミング技法を用いたりして企画やPRなどを効率的・効果的に進めている。
成人式のテーマは『START』次の各単語の頭文字をとったもの。Smile、Thank you、Attack
all
Around、Remember、Treasure
。その意味は、
「いつも笑顔で、人に感謝し、家族や友人
を大切にし、過去の失敗を忘れず、挑戦することも恐れない、そんな大人になろう」との願いを込
め、「この成人式を機に新たな”START”をきり、これからの日本を担って行こう」というも
の。
受付け・記念品引渡し・会場内誘導は市職員と新成人協力者が当たり、参加者は実行委員会が
選んだBGMで円滑に入場しているが、式典前の催事が実行委員の横文字アート、ファンクキッド
のダンス、20年間の時事と学校生活の写真の上映、恩師からのメッセージと盛り沢山である。
式典は実行委員2名の司会進行のもと、国歌斉唱、市長挨拶、来賓祝辞(市議会議長・県会議員・
衆院議員)、来賓紹介と続いて、近年の状況の中では祝辞などの部分がやや長いが、誓いの言葉(新
成人代表の実行委員2名)
、実行委員紹介(9名が成人を迎えた思いなどを一言ずつ発表)なども、
実行委員などの努力が参加新成人の心に通じ、また、共感を得たようであり粛々と進んでいる。
実行委員会企画は、3学区対抗クイズゲーム、恩師と新成人全員の記念集合写真撮影、懐かしの
給食コーナーで、記念品は実行委員デザインToyoake 名入りステンレスタンブラーとキメ細かい。
このように本成人式は、実行委員等の努力により新しい内容の有意義なものになっており、今後
の発展・飛躍も望めるところから、努力賞を贈るにふさわしいものと認められた。
30
山都町(熊本県上益城郡)
平成27年山都町成人式は、山都町および山都町教育委員会の主催により、1月4日(日)に
山都町保健福祉センター千寿苑において開催された。成人式は、第1部式典と第2部新成人による
お楽しみ会の2部構成。町内に就職している新成人の呼びかけに賛同した新成人により成人式実行
委員会が組織されているが、実行委員会として成人式のテーマは特に設けず、「一生に一度しかな
い成人式」を実行委員自らが楽しめるものに創りあげることを主眼に第2部の企画をしている。
第1部式典は教育委員会で司会・進行を行い、開式は教育長。司会から参加者数の報告が行われ、
新成人代表の実行委員2名に成人証書および成人記念品(目録)授与。町長式辞、熊本県議会議員
および町議会議長からの祝辞、来賓紹介につづき、新成人を代表する実行委員2名による20歳の
誓いの言葉。閉式は教育委員長。記念品は閉式のあとに5班に分かれて撮影の記念集合写真(台紙
付き・5枚1組)とタンブラーである。新成人としての自覚と責任、少子高齢化が進むなか自分た
ちが日本の未来を担っていくための貴重な存在であることを感じ取る厳粛な式典になっている。
第2部お楽しみ会は、実行委員会の司会・進行で、恩師からのビデオレターとテレフォンゲーム
を行なっている。このテレフォンゲームは、成人式の式典などでは普通は電源を切ることを要請さ
れる携帯電話を使っての「景品当て」ゲームで、参加新成人が当日受付で登録記入した携帯電話
番号に担当の実行委員が電話を掛け、実行委員が前もって町内で購入した酒その他の地元産品や
地元町内で使える商品券などの景品をヒントをもとに当てるもの。地域商店街にとって若干の売り
上げ増加につながることにもなっている。
本成人式は、素朴だが実行委員会などの努力により新しい手法での地域活性化にも資する有意
義な成人式が創られ今後の発展も望めることから、努力賞を贈るにふさわしいものと認められた。
31
成人式特別貢献賞
小野市〈兵庫県)
本市の成人式の名称は、
”2015 小野市成人式[愛」”。主催者は小野市成人式実行委員会、小野市、
小野市教育委員会で、成人の日に小野市民会館大ホールにおいて開催されている。成人の日の開催
はその他の日の開催が増えている近隣の市との着付け需要の競合緩和への配慮によるものという。
成人式の企画運営は、新成人で構成する成人式実行委員会が、市の委託を受けて行なっている。
成人式のテーマは[愛」。震災20年の記憶をつなぐ~記憶をつなぐ
人をつなぐ
愛をつなぐ
~。テーマの視点は、新成人の「今」があるのは、両親や地域の人たちの[愛」があったからであ
ると考え、お世話になった方々に[愛」を還元しようというもの。
テーマを掘り下げ、
「第一.助け合いの部」では、当日も含め新成人全員で取り組む3つの社会貢
献事業①アルミ缶回収による神戸ルミナリエ募金
②ルミナリエ清掃活動
③震災を語り継ぐ活
動を展開した経過報告を行い、また、
「第二.語り合いの部」では、市長を交え新成人がテーマにつ
いて熱い思いを語り合うセレモニー部門として、”親への感謝””夢の変化”などのミニテーマにつ
き新成人へのインタビューを行い市長と恩師・保護者の講評を求め、最後に市長・恩師・保護者が
新成人にメッセージ・エールを贈っている。これは小野市が創意工夫の新しいかたちで、定型的な
式辞などと一味違う祝福と励ましの言葉として、新成人の心に沁み込んでいるようである。つづく
小学校区ごとの記念写真撮影や「第三.巡り合いの部」の恩師を囲んでの同窓の集いも心憎い。
本成人式は比較的素朴であるが、新成人が生まれた年に発生し、またそう遠くない将来に襲っ
て来るかもしれない震災への対応を最大の課題としてこれに焦点を合わせ、親や地域の人々の「愛」
への還元をめざす活動を中心にしつつ、新成人が成人として真剣にものごとを考える初の機会にし
ようとするものになっており、成人式大賞受賞後も引き続き成人式改革改善に寄与しているものの
うち最も優れたものとして特別貢献賞を贈るにふさわしいと認められた。
32
成人式貢献賞
町田市(東京都)
本市の成人式は、新世紀を迎えた2002年からの「二十祭まちだ」として、町田市および二十
祭まちだ実行委員会の主催により、成人の日に、町田市立総合体育館において開催されている。
本年の実行委員会は新成人8人(男性4人女性4人)で構成された。祭のテーマは「Let it go !」
扉を開けて広い世界へ!!in まちだ」とし、成人式を「扉」に見立て、町田で沢山の人やものと
出会い繋がりを深めた上で、外に踏み出し自分をつく上げていこうという決意を込めている。
司会進行は本市出身のフジTVとくダネ!司会者である専門家とともにその指導のもとに実行
委員2名が担当し貴重な経験をしている。かつてのロングランの催事は無くなっているが、テーマ
に沿った二つの講演会を開催するなど啓発面の内容の密度濃いものにしている。
式典は、実行委員会の活動状況紹介映像上映に続きオープニングアクトとして市内ダンス3団体
によるダンス、二十祭まちだ実行委員挨拶(二十祭まちだ紹介)、市長・市議会議長の挨拶など、
続いてテーマに沿った2つの記念講演(桜美林大学教授による「デイズニーから学ぶヒトの魅力」
など)を実施している。関連して①タイムマシン(中学校3年時に20歳の自分宛てに書いた作文
の返却・PTA連合会企画)
②小中高校恩師等のお祝いメッセージの掲示③記念写真撮影・
プレゼント(その場で印刷・無料で贈呈)コーナー
④健康診断(アルコールバッチテストなど)
⑤はたちの献血ブース⑥選挙啓発ブースなどが設けられている。タイムマシン作文の返却コーナ
ーでは2771通中2010通を返却し盛況だったという。なお記念品は、実行委員企画・取材・
編集によるプログラム入りの町田を知るのに向いた記念誌と選挙・臓器提供・エイズ予防・悪質商
法対策など各種の新成人啓発パンフレット等をオリジナルエコバッグに入れて配布している。
本成人式では、全国でも珍しいテーマを掘り下げる講演会を含めるなど、この二十祭まちだをよ
り有意義なものにする種々の工夫をしており、貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
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碧南市(愛知県)
平成27年碧南市成人式は、成人の日の前日に、碧南市成人式実行委員会(市の青年団体HEX
PO
STAFF<18~22歳>の新成人メンバー13人で構成)の主催により、碧南市文化会館
で開催されている。テーマは『花束』
。視点は花1本1本が今までの努力・思い出・経験を表し、
花束を贈ることが感謝と自分の挑戦を表すことになるというもの。
第1部
文化会館を開放しての各中学校区ごとの懇談会(12時~13時30分)。中学校時代
の先生や同級生と再会し懇談する歓談会。昼食・飲み物は無しだが、HEXPO
STAFF所属
のOBメンバーなども写真撮影の手伝いなどに加わり和やかな雰囲気づくりをしている。
第2部(14時~
)新成人全体での記念行事。その構成は、①大人からの激励・・市長祝辞、
来賓のご紹介はプログラムに記載のほか、会場のスクリーンにもご芳名を映写している。
②カウントアップ映像・中学までの軌跡振返り③手紙・・親への感謝の気持ち実行委員本人の朗読
④カウントアップ映像・現在までの軌跡振返り⑤手紙・・支えてくれた友達への感謝の気持ち朗読
⑥語り・・成人式のテーマの視点である感謝と挑戦についての語りかけ
⑦ペンライト・・各中学
校や市内のなじみ深い場所を撮影したり周りへの感謝の意思を示し動画作成で挑戦を表現。
⑧アカペラ・・地元の温かさを誰にも感じさせる歌で実行委員全員が初めてすべて声による合唱に
挑戦。最後はテーマの花束に繋がる花びらを発射し、感動の拍手でエンデイングにしている。
なお、記念品の代りになっているとも言える案内はがきは参加したくなるムードの明る
い色や新成人へのメッセージを載せた花束のデザイン、 プログラムは開くときに花1本から花
束になることに気づかせたり持ち帰りやすい小型の可愛いものに工夫されている。
このように本成人式は、市青年団体などとも一体となって周囲への感謝や挑戦の契機にする思
いを強める有意義なものに創られており、貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
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京都市(京都府)
本市の平成27年京都市成人の日記念式典は、京都市、京都市教育委員会およびユース21京都
の主催で、成人の日に、京都市勧業館「みやこめっせ」3階で開催している。
テーマについては、
「成人に達した青年の門出を祝い励ますとともに、新成人に対して主体的に行
動する京都市民としての自覚と今後の積極的な社会参加を促す」としている。この考え方に立ち、
本市では、式典への参加について、参加申込みの案内を受けた新成人で参加を希望する者は、各自
で用意した往復はがきに必要事項を記入して所定の期日までに申込みをする方法を採っている。
式典は、オープニングの京都市立芸大生による弦楽四重奏などに続く市歌・国歌の斉唱のあと
市長式辞、市会議長祝辞、新成人代表による二十歳の誓い、教育委員会教育長から新成人への励ま
し。式典終了後に学生による踊り”京炎”そでふれ!、ありがとう抽選会が行われている。
なおこの外、別途の第二会場での記念行事として餅つき・振る舞い餅コーナー、お茶席、各種啓
発ブース、はたちの集い(中学校別に校名・母校や恩師などからのメッセージを記した看板を掲げ
同窓生が集まれるコーナー)
、懐かしの給食振る舞いコーナー(メニュー:ヒレカツ、三色ゼリー)
等が設けられている。本市では平成13年度から、成人の日をみんなで祝う検討委員会からの提言
を受けて<はたちプロジェクト>が開始されたが、上記のはたちの集いコーナーは、同プロジェク
トの一つである。その他このプロジェクトとしては、京都市成人の日オフィシャルサイトの開設・
公開、1/2成人式、思い出成人式、おめでとう・ありがとうの手紙、新成人特別映画割引クーポ
ン等があるが、本年度もサイト拡充やSNSの活用などに努め、1/2成人式も全市立小で授業の
一環として実施し、小学4年生(10歳)児童の成人の日記念式典への参加なども継続している。
本市の成人の日記念式典は、青年達に主体的行動の自覚を求めたり高度情報化など社会情勢変化
に対応し改善改革を続けており、貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
35
亀岡市(京都府)
平成27年亀岡市成人式は平成27年亀岡市成人式実行委員会(新成人16名)、亀岡市、亀岡
市教育委員会の主催で、成人の日にガレリアかめおかコンベンションホール他で開催されている。
本市は市民の「新成人を祝い期待する取組」と新成人の「喜び自覚する取組」の双方向の取組み
で、健全な若者が育つまちを目指すことをまちづくりの理念とし、今年の成人式テーマは『挑戦
~
新たなるNext Stage ~』
。
”新成人の次のStage への挑戦の決意に向けての願い”を込めている。
成人式は2部で構成。参加者の入場促進も狙い、開式前のアトラクションとして亀岡の観光映画
(ぶらり京都亀岡)および中学校時代の思い出映像(新成人実行委員編集)の上映と、勇壮な亀岡
市西加舎子供太鼓2曲の演奏で懐かしさや感動を与え、巧みに式典への雰囲気醸成を図っている。
第1部は成人式典・・開式、国歌・市歌の斉唱、実行委員長あいさつ、市長式辞、はたちが伝え
たいこと(実行委員4名が友人・家族・地域の人々への感謝の言葉や未来への決意を表明)、祝品
贈呈、来賓紹介、来賓祝辞、祝文披露、双方向の取組紹介、パフォーマンス、全員拍手で閉会。
第2部はつどい・・前半は各中恩師のビデオレター、亀岡ゆるキャラ紹介、実行委員の活動紹介、
i-photo(今日の自分と仲間の写真撮影)、全員での一本締めで終了。記念写真撮影。後半は全新成
人と恩師44人参加の大同窓会。亀岡市は、式典の4条件(①国歌・市歌②市長式辞
③来賓・祝
辞の紹介④来賓1名祝辞)を示したほかは、実行委員会がすべて企画・準備・運営に当たっている。
祝い期待する取組の一環の市民から公募の標語は新成人が毛筆浄書し披露、市長賞作品懸垂
幕を庁舎前に掲出、喜び自覚する取組は実行委員がポスター・横断幕などを手作りし市内中に掲示、
保津川花火大会清掃への参加・商店街連盟の年末大売出し公開抽選会への協力も行なっている。
本市の成人式は、市民をあげての双方向の取り組みが年々定着の度を加えるなど 成人式の
改善改革を続けており、貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
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貝塚市〈大阪府)
本市の2015成人のつどいは、市、市教育委員会および市成人のつどい実行委員会の
主催により、成人の日の前日に、貝塚市民文化会館(コスモスシアター)において開催。
つどいのテーマは、
「新たな出会いと飛躍のステージへ」。その趣旨は、”全く面識の無い新
成人同士が実行委員として、長期間にわたり共同作業を行いその新たな出会いを起点とし
て相互理解を深め広い視野を得て、人として更に大きく成長して社会へ羽ばたいて欲しい”
というもの。本市では親睦ボーリング大会開催など実行委員間の親睦に特に努めている。
全新成人を代表してつどいづくりに当たる実行委員は、新成人たちの身代わりであり、
そのつどいづくりでの経験や苦労などの内容は、例年、つどい当日の会場での実行委員活
動報告やその他の催事を通じて全新成人に強く伝わることで、つどいの意義が全新成人に
理解される契機になっており、これは全新成人に対するテーマになっている。本年の実行
委員会は新成人15名、OB6名、合計21名(男11、女10)で組織されている。
本成人のつどいの構成は、第1部が式典。実行委員会の会長・委員の挨拶、市長挨拶、
市議会議長挨拶、祝電披露、新成人からの感謝の手紙朗読。
第2部が、新成人手づくりのパフォーマンス。実行委員会活動紹介ビデオ、恩師からの
ビデオレター、ゲスト岡根安里(貝塚市出身新成人2014ミスインターナシヨナル大阪
代表)インタビュー 、ダンス・歌、お楽しみ抽選会。
本市のつどいの記念品は、①実行委員手作りのポートアルバムに挿入した年代ヒット曲、
流行語、だんじり祭ハッピ図などと②実行委員デザイン・泉州地場特産のオリジナルタオ
ル ③つどいへの招待状だが、乏しい予算の下で創意工夫された傑作になっている。
本市の成人式は、全体的に実行委員の手づくり感の強い素朴なものだが、同窓のゲストを
招くなど工夫し成人式の改善改革を続けており、貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
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光市(山口県)
本市の成人式は、市・教育委員会・企画運営委員会の主催で、成人の日の前日に光市民
ホールで「光市成人のつどい」として開催。テーマは[煌~きらめき」。成人という人生の
節目を迎え、一人ひとりの煌きがこれからの道しるべ。主体的に行動せよというもの。
当市では、成人式の改革に早くから取り組み、幅広い社会教育関係者層に新成人たちを
含め例年総員40数名台の企画運営委員会を設置し、若者の意向や希望の汲み上げを目指
し、式典の名称を「成人のつどい」とし、第1部を「フェステイバル」、第2部を「ふれあ
い交歓会」と呼ぶなど「成人式」の固苦しいイメージ払拭を図り、最近は新成人委員増員
も含め若者の自主性の発揚に努めるなどで、催事内容が固いお仕着せでもなく配慮過多で
もなくおのずと時勢や若者の感覚に合ったものになるような工夫がなされている。
つどいフェステイバル催事構成はオープニングを地元新体操クラブの華麗で力強い演技
で開始し、市長の挨拶も「新成人へ贈る言葉」とするなどして若者たちの中に溶け込む様々
な努力がなされ、催事は「新成人紹介及び発表(各中学校代表者6名)」が中心で比較的シ
ンプルだが、抱負の発表ものびやかであり、
「新成人らによる和太鼓演奏」なども”新成人
一人ひとりが主役の成人式”にする工夫が加えられ、市民吹奏楽団の出演などを初め他の
運営面でも多くの市民老若男女がボランテイア参加し、公開型つどいで新成人家族も参加
し、まち全体を巻き込んだ「成人のつどい」づくりは有益な生涯学習の場となっている。
昨年は、各中学校歌の吹奏楽演奏で各出身校生徒が斉唱したり、地元先輩プロ司会者の
指導で新成人が補助司会経験をする工夫が生まれ、本年は例年より2カ月早く委員会検討
を開始し「中学校時代の恩師からのビデオレター」などの拡充が行なわれている。
このように本成人式は、成人式大賞の受賞の後においても引き続き成人式改善改革への
努力がなされており、成人式貢献賞を贈るにふさわしいものと認められた。
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