伊東市公共下水道全体計画区域見直し(案) 平成27年6月 伊東市上下水道部下水道課 伊東市公共下水道全体計画区域見直し(案) 計画見直しの背景 近年、人口減少や高齢化の本格化、地域社会構造の変化など、生活排水処 理を取り巻く情勢が大きく変化しています。また、地方財政は依然として厳 しい状況にあり、生活排水処理の施設整備の一層の効率化は急務となってい ます。 こうした中、平成19年には、生活排水処理施設の整備構想について見直 すよう、国から3省(国土交通省、農林水産省、環境省)連名で通知がなさ れています。 本市においても、このような状況を踏まえ、効率的で適正な整備手法の選 定をすることが必要となってきました。 下水道整備の経緯 本市の公共下水道事業は、二級河川伊東大川と伊東海岸等の公共用水域の 水質保全と生活環境の改善を目的に旧市街地を中心とした「伊東処理区」を 昭和33年度に事業着手し、更に水質の悪化が問題となっていた荻・十足川 の水質改善と荻地区の生活環境の改善を目的に「荻・十足処理区」を平成1 1年度に事業着手、平成26年度末までに両処理区併せて整備面積578ヘクタ ール(水洗化率80.3%)の整備を進めてきました。 しかし、未だ全体計画に対する未整備面積は約807ヘクタールあり、今後は随 時事業計画区域(認可区域)を広げながら整備を進めていくことになります が、残整備量やこれからの財政見込みを勘案しますと、整備完了には、なお 多大な時間と費用を要します。 このように、公共用水域の水質保全と生活環境の改善を図るためには、市 内全域の水洗化が急務ですが、早期に全てを下水道で整備することは困難な 状況であり、他の汚水処理方法(合併処理浄化槽等)の導入等により、より 経済的で実情に適した整備手法に転換するため、平成16年3月に策定した 「伊東市公共下水道基本計画」の区域を見直すこととします。 区域の見直し方法 今回の見直しは、用途地域外の下水道未整備区域について、整備手法の経 済比較や将来の土地利用状況予測などの観点から、以下の項目により検証し、 区域を見直すこととします。 ○ 追加する区域(新たに公共下水道全体計画に編入し、将来下水道を整備す る区域。) 【検証項目】 ⑴ 用途地域内で公共下水道全体計画区域に隣接し、公共下水道と一体整備 する方が有利となる区域 ○ 削除する区域(公共下水道全体計画区域から除き、合併処理浄化槽等で汚 水処理する区域。) 【検証項目】 ⑴ 経済比較により、公共下水道よりも合併処理浄化槽の方が有利となる区 域 ⑵ 傾斜地等で、将来も建物ができる見込みがない区域 ⑶ 非可住区域 区域の見直し案 公共下水道全体計画区域見直しにより、新たに用途地域に指定された区域 1.5ヘクタールを追加する一方、整備手法の経済比較や現況地形に基づく将来予 測等により33.5ヘクタールを削除し、その代替手法として合併処理浄化槽で整 備する計画とします。 見直し結果における新たな区域面積(表―1) 処理区名 現在の面積 伊東処理区 1,108.0 荻・十足処理区 合計 追加面積 (単位:ヘクタール) 削除面積 見直し案 増減 1.5 △27.5 1,082.0 △26.0 277.0 0.0 △ 6.0 271.0 △ 6.0 1,385.0 1.5 △33.5 1,353.0 △32.0 ※ 詳細な区域の追加及び削除に関する資料は別紙(図-1)及び(表-2) 参照。 今後の整備の進め方 今後、公共下水道施設の整備につきましては、今回の見直し結果を反映し た「伊東市公共下水道全体計画」を新たに策定し、より経済的で効率的な整 備を進めてまいります。 また、今回の削除区域をはじめ、全体計画区域外や事業計画区域(認可区 域)外については、浄化槽設置費補助金制度により、引き続き合併処理浄化 槽の普及を促進してまいります。 なお、今後は人口の動向や地域社会構造の変化を的確に捉え、その社会情 勢に応じて生活排水処理施設の整備構想を見直すとともに、経済的かつ効率 的に下水道事業を実施してまいります。
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