第3回北杜市下水道事業審議会会議録 回北杜市下水道事業審議会会議

第3回北杜市下水道事業審議会会議録
日時:平成27年 1月16日(金)
午後3時00分から
場所:北杜市役所 西会議室
「北杜市審議会等の会議の公開に関する要綱」に基づき公開する。
傍聴人
1/10人
出席委員
10名 (欠席6名)
次 第
1 開会
2 会長あいさつ
3 下水道課長あいさつ
4 議事
(1)公営企業会計への移行について
(2)下水道使用料について
(3)その他
(会議録署名委員の指名)
審議会の公開に関する要綱に基づき、会議録署名委員2名を指名
署名委員 : 坂本 和美 氏 ・ 中山 貞夫 氏
(議事内容)
北杜市下水道審議会第3回会議資料より
(1)公営企業会計への移行について
事務局:公営企業会計への移行については、前回の審議会において概要を説明させ
ていただいており、市でも、公営企業への導入に向けた取り組みを進めて
いるところです。
今回は、その後の進展状況等について説明をさせていただきます。資料の
1頁をご覧ください。昨年12月末に官庁速報のあった総務省からの情報
を抜粋したもので、あらためて下水道事業等について、2015年度から
の5年間を「集中取組期間」と位置付け、各自治体に公営企業会計の導入
を求める方針の内容となっています。また、公営企業会計の導入には、下
水道事業の場合で「完了までに3年程度、平均で5000万円弱の費用が
掛かる」とされ、それに掛かる費用については、地方特別交付税で措置さ
れる内容となっており、1月以降に正式に方針等が発表されることになっ
ています。
今回のこの発表を受けて、平成27年度の市での公営企業移行業務に対す
る事業概要になりますが、費用については、現時点では予算が確定してい
ないため、明確な数字は計上しておりませんが、下水道事業において、平
成32年度からの移行を目指して次の3つの事業について業務を実施する
計画であります。
1点目は、
「上下水道事業計画策定業務委託」であります。内容としまし
て、業務分類の整理、経営課題の抽出、組織体制の検討、施設維持管理の
検討、資金計画・財務シミュレーション等の計画を策定する業務であり、
上水道、下水道一括の計画という形をとります。
2点目は、
「下水道の資産調査業務委託」で、3年間を予定しています。
内容については、工事書類、決算書等の整理及び固定資産調査業務といっ
たもので、初年度は、明野、須玉、武川、白州の4地区を実施し、2年目
にそれ以外の地区(高根、長坂、大泉、小淵沢)を実施し、3年目に全て
の地区の見直しを行います。
3点目は、
「法適化プロジェクト管理支援業務委託」になります。これに
ついては、固定資産の業務が、今後3年間という短期間での調査を予定し
ているため、その調査に関する進捗状況の管理や報告内容に対する精査、
指導が必要となってくるため、第三者機関に業務委託をし進めていく考え
であります。
業務にあたっての金額については、約5000万円を予定しており、下水
道資産調査業務に約3500万円の金額が掛かる予定です。
また、当初の説明では、平成31年度の移行を目指しておりましたが、
課内体制や住民周知等を含めた中で考慮した結果、平成32年度の移行と
いう形で進めていきたいと考えています。公営企業会計の導入に関する現
状についての説明は以上になります。今後は、その都度、情報が入り次第、
審議会において説明をさせていただきます。
会 長:各委員の意見をお願いします。
質問(委員)
:質疑なし。
(2)下水道使用料について
事務局:北杜市下水道使用料について説明します。
資料の3頁に「第3次北杜市行財政改革大綱」を添付しています。これに
ついては、3年ごとに見直しをしており、
「アクションプラン」という呼び
方をしています。今回は、平成26年度から28年度までの3年間が計画
対象となり、この中において、財政的な面から改革を推進する重点項目と
しまして、自主財源の確保と負担の公平化の実現が掲げられ、その取組項
目として、
「使用料、手数料、負担金等の見直し(継続)
」があります。下
水道の使用料が、これに該当するため、今後、アクションプランに沿った
中で見直しについて取り組む内容となっております。
下水道の使用料については、平成26年度に経過措置期間が終了し、料
金統一がされていますが、今後、更なる見直しに取り組まなければならな
い中で、具体的な取組みとしまして、平成26年度、27年度を検討期間
とし、平成28年度に設定をする予定となっています。このプランの年度
ごとに取組む課題が、
「検討」
「設定」
「実施」の3つの段階での課題となっ
ているため、下水道使用料については、今後3年間、
「検討」をしていく中
で、方向性を示す形として料金の見直しを捉えており、収入の現状や使用
料の現状等の住民周知、今後の使用料の考え方に対する方向性の確立をふ
まえた中で平成28年度の「設定」という内容で作られています。
資料の8頁に、下水道使用料の改定に関する資料を添付しております。
料金の統一については、平成23年度までは合併以前の料金体系を維持し
ており各処理区において大きなばらつきがあったことから、平成24年6
月調定から平成26年6月調定までの期間において、段階的に料金の改定
を行い統一化を図りました。この経過による公共下水道及び農業集落排水
の使用料金の単価は資料「図A」のような状況になっています。
(公共下水道を例に取って平成23年度からの使用料状況について説明)
次に、料金統一後(平成26年7月以降)の予定になりますが、アクシ
ョンプランにおいて、下水道料金統一後の更なる見直し目標が設定されて
いることから、目標年次である平成28年度末には料金改定における方向
性を示すことが出来ればと考えていますが、整備事業等の兼ね合いや人口
減少の懸念もあることから十分な検討をしていく必要があります。
下水道事業の現状について、料金収入に関し公共下水道事業においては
処理人口(接続率)の増加に伴い、料金収入は今後も微増するものと予測
はしていますが、農業集落排水や浄化槽事業については、面的整備も終了
している状況の中で処理人口も減少傾向にあるため、将来的にも使用料の
収入増加は見込めないのではないかと考えています。
今後、公営企業の移行に伴う諸業務に着手していく中で、自主財源の確
保が重要になってきているので、使用料については十分な検討を行ってい
かなければならない状況であります。
資料「図B」に、平成25年度の歳入に関する使用料の割合について計
上しています。
(公共下水道を例に取って収入額と割合について説明)
また、平成23年度の決算統計の資料になりますが、県内各地の上位を占
める市町村の使用料単価を計上しましたので、比較対象の参考になるかと
思います。
続いて、資料9頁の「使用料の収納状況」について、平成25年度の収
入額を区分別に、現年度分、過年度分、合計に分けて表にしてあります。
(表中の調定額、収入額、未納額、徴収率についてそれぞれ説明)
次に使用料の試算になりますが、試算方法の一例として、維持管理費の汚
水処理費を使用料で100%賄ったと仮定し、平成25年度決算額を当て
はめた場合の使用単価になります。
平成25年度の歳出の内訳については、公共下水道、農業集落排水別に科
目ごとに支出額、割合を表にしています。また、総務費及び公債費の内汚
水処理費の内訳についても項目別に表にして計上してあります。
(表中の歳出内訳の内容について説明)
以上のことから、平成25年度決算額を当てはめて算出すると、次のよう
な使用料単価となります。
・公共下水道 (汚水処理費)÷(有収水量)=使用料単価235.1円
・農業集落排水(汚水処理費)÷(有収水量)=使用料単価356.9円
上記金額を20㎥の使用料(通常2ヶ月に1回)に換算すると、公共下水
道で約4,700円、農業集落排水で約7,100円となってしまい、現
在の使用料とは2倍から3倍以上もかけ離れた金額になってしまいます。
今後、下水道使用料の改定については、このような状況を踏まえた中で継
続して検討を重ねていき、次期アクションプラン(平成29年度から31
年度)において目標設定をし、同期間内において、新料金への移行を目指
していきます。以上についてが、下水道使用料の収入に関する現状での説
明となります。
会 長:各委員の意見をお願いします。
質問(委員)
:北杜市は汚水処理施設が多く、施設に対する維持管理が非常に大きな問題
と考える。その中でも汚泥に掛かる処理や費用が問題である。これについ
ては、以前、汚泥の処理方法として、肥料に活用してはどうか?という課
題が浮上した経過があった。農業集落排水施設においては、重金属等が含
む工場等の排水が入らないので、肥料への活用として適しており、専用車
の設備や固定の施設を設置整備し、汚泥を加工、運搬する方法手段等も可
能ではないかと考えるが、市において、経費削減につながる処理方法等の
手段について検討を行っているか?
事務局:市では、都道府県構想における「北杜市下水道事業計画」を平成27年度
4月から実施するうえで、国や県からの情報を取り入れながら、北杜市下
水道事業審議会での意見や住民の方々からの意見を集約し、北杜市の現況
に見合った事業計画を考えていきます。
汚泥処理の有効活用でコンポスト化等の取組み方法もありますが、その
ための施設を建てる費用も安くはありません。汚泥処理と処理場統合が一
緒に取り組むことができれば良いのですが、市の財政状況から判断すると、
二つの事業を同時に取り組むことはできません。建設されている処理場の
維持管理費の軽減を行うため、稼働率に余裕のある処理場の統廃合を最優
先に取り組み、新規に取り組む事業は、汚泥処理計画等を樹立してから実
施することが現段階においては良いかと思います。
質問(委員)
:資料8頁において、使用料の単価についての説明がありました。県内上位
の市町村を比較対象として計上していましたが、人口や地形、会社や工場
の状況等各町それぞれが同じ環境ではないため、北杜市に似たレベルの市
町村との比較を表すべきではないか?また、そのような情報を知りたい。
次に、資料「図A」において使用料単価が、平成23年度と比較して平
成24年度、25年度と下がっているが、これは意図的に下げたものであ
るのか?その理由は?
次に、資料9頁の使用料の収納状況について、現状においての使用料試
算の説明があったが、今後、公営企業会計を導入していく中で、公営企業
会計に移行した場合の総務費等を含めた試算等についても、将来的に見て
検討しているのかどうか?
以上3点についてお聞きしたい。
事務局:1点目の使用料について、県内では処理場をいくつも抱えている北杜市の
ような形態に似た市町村があまりありません。最も近いところで、ここに
計上している身延町が6から7施設を抱えているため似た状況にあるかと
言えます。今後、県外市町村の状況も調査した中で、比較対象となる市町
村の状況を報告させていただきます。
2点目の年度ごとの使用料単価についてですが、平成26年度への料金
統一に向けて、各町ばらつきがあるため、上げ幅、下げ幅を3年かけて計
画的に調整したものであります。平成26年度(平成26年12月現在)
の151円については、予定通り範囲内で見込んだ使用料単価になります。
3点目の公営企業に移行した場合の使用料の試算についてですが、まだ
先が見えておらず現在手探り状況です。今後、移行に向けての準備を進め
るにあたり、使用料についてもシミュレーションを行っていく予定です。
質問(委員)
:白州地区についてですが、農集落排水地域であるため、工場等大手企業に
ついては接続できない状況となっている。そのため浄化槽を設置して地下
浸透で排水を放流しているが、名水で有名な地域だけに、農業集落排水施
設への接続ができるよう検討はできないか?
事務局:白州地区においては、公共下水道施設ではなく農業集落排水施設で対応し
ている地域のため、現時点では、企業等の接続は認めていません。しかし、
処理場については容量等に余裕があるため、また、白州地域においては人
口の減少化も見られる中で、今後、長寿命化構想等を踏まえながら、関係
省庁とも協議をし、出来る範囲で検討をしていきたいと考えています。
質問(委員)
:平成25年度歳入を見ても、繰入金が50%を超えている状況の中で、施
設の維持管理上、汚泥の処理が大きな課題となっている。県内県外で対象
の参考となる施設を調査し視察を積極的に行うことで、この課題について
考えていくべきではないか?
事務局:検討します。
質問(委員)
:今の視察について関連ですが、長野県において肥料化に取り組んでいる市
があるが、汚泥で作った肥料が売れないといった現状があるという。また、
汚泥から取れる重金属の中にあるリンなどの資源は一番の鉱物資源とも言
われている。そういった資源が事業として成り立つのかどうか、また、成
功している企業や取り組んでいる市町村等の情報も調べてみた中で、北杜
市に見合った視察場所の検討をしてもらいたい。
事務局:検討します。
質問(委員)
:下水道の使用料について、今後見直しにより料金を上げた場合の対応とし
て、住民に対する対応が大きな問題となるのではないか?維持管理状況や、
施設の集約についての取組み等、検討課題を整理して説明できる準備をす
るべきではないか?
事務局:前回の審議会での現地施設において、高根地区の施設を見ていただきまし
たが、清里南部を含め、施設の統廃合については、長寿命化構想に基づき
既に動いています。市内全ての処理施設について検討した計画図の素案も
できておりますので、次回に図面を提示させていただき、説明及び意見を
お伺いしたいと考えています。処理施設の統廃合についての最終的な判断
は、この下水道事業審議会により確認をしていただくことになりますので、
いろいろな意見をお聞かせいただければと思います。
質問(委員)
:処理施設の統廃合について計画が進められているが、処理場にソーラー施
設を設置することにより、電気料の維持管理費削減に繋がるのではないか
と考えるが検討の余地はあるか?
また、今後、公営企業に移行した場合には、原価主義の対応が予測される。
料金体系や維持管理費等についても、それぞれ比較できる数字が必要であ
る。コストをかけたが効果がない事業では困るので、業者との連携もしっ
かり取っていただき、比較できる数値を算出した中で事業を検討していた
だきたい。
事務局:北杜市は「自然エネルギー推進都市」であります。今まで、下水道施設に
おいてソーラーの設置については、地形的な面もあり検討していませんで
したが、今年度予算の補正の中で、ソーラーの売電収入を下水道事業の予
算に入れていただけることが予定されています。また、平成27年度につ
いても下水道事業の予算に入る予定になっています。これについては、あ
くまでも明野地区の県事業でソーラー施設を整備した分に限っての売電収
入となるため、明野地区の汚水処理場の電気代としての収入になります。
今後、将来的に見据えて、このような形で収入を増やすことも、ひとつの
手段でありますので、そういった計画についても検討し、併せて企業会計
に向けての料金体系の設定や処理施設の統廃合についても、比較できる数
値を算出した中で検討を進めていきたいと考えています。
質問(委員)
:資料9頁の使用料の収入状況において、農業集落排水の区分において全体
の収入率が低い箇所がいくつか見受けられるがその原因はなにか?
事務局:原因については、過年度分において滞納者が多く、未納分が蓄積され金額
が大きくなった件数が多いためであり、市でも、分納誓約により対応をし
ていますが、現年度分の支払いをするのが精一杯で、過年度分までの支払
いが追いついていかないといったのが現状です。上水道料金も併せてのこ
とですので、給水停止等の措置も検討する中で、今後も料金の徴収に努め
ていきたいと考えています。
(3)その他
会 長:その他事務局よりお願いします。
事務局:前回の審議会で、北杜市の汚水処理を流域に接続した場合の費用等につい
て質疑がありましたので資料の10頁に基づき説明をさせていただきます。
流域への加入負担金及び管渠延長から工事費について概算金額を算出しま
した。
(北杜市汚水処理施設を流域に接続するときの概算費用一覧表をもと
に項目別に説明)
以上が、流域への接続に掛かる工事等の概算費用になります。総額費用の
約78億円は、北杜市の汚水を全て流域へ接続した場合の管渠布設及び添
架に掛かる工事の概算費用となり、自然流下できない箇所においては、増
圧ポンプ等の施設が必要となります。増圧ポンプ施設については、詳細な
設計はしていないため概算費用には含んでいませんので、工事費は管渠工
事分だけとなります。このことから、流域への接続においては、80億円
以上の経費が掛かることが想定されるため、市としては、この流域の接続
については非常に困難な計画であると考えています。
今後、都道府県構想におけるアクションプランを策定する中で、流域へ
の接続計画を取り入れて進めていくべきか否か審議をお願いします。
会 長:各委員の意見をお願いします。
質問(委員)
:流域への接続が可能になった場合の下水道料金の見通しはどうか?
事務局:経費に掛かった負担額が使用料に加算されるため、料金は現状より上げざ
るを得ないのではないかと考えています。
質問(委員)
:今回の説明にあった概算金額については、全体計画であって理想論ではな
いか。住民が下水道全てを流域へ接続することを望んではいないと思う。
一番身近なところでの対応や、接続は可能なのか?そういった部分の確認
や検討も必要ではないのか?
事務局:市では、汚水量の計算等をした中で接続が可能であれば、明野、須玉、武
川の一部を流域へ接続することも検討課題として考えています。しかし、
流域の接続については、加入負担金だけで1自治体25億円を負担するこ
とが条件となっております。この負担金を支払うことを考えれば、現在の
処理場を統廃合して維持管理をしていく方が北杜市のためにも良いのでは
ないかと考えています。以上のことを踏まえ、流域への接続を計画してい
くべきか審議をお願いします。
会 長:北杜市では、流域には接続しない考えで計画を進めてよろしいでしょうか?
委 員:異議なし
会 長:その他事務局より何かありますか?
事務局:連絡事項になります。
今年度の予定として、第4回の審議会を3月下旬の開催で調整させていた
だきます。また、来年度以降の審議会になりますが、県下水道室より出席
の申し出がありましたので、県下水道室職員の同席のもと開催を予定して
います。よろしくお願いします。
会 長:他にありませんか。
なければこれにて第3回の審議会を終了します。
5 閉会
(終了 17時00分)
会
長
日 向 征 史
署名委員
坂 本 和 美
署名委員
中 山 貞 夫