島根大学医学部内科学講座内科学第四医局報 ∼平成 27 年春号∼ 2015年1月、ハワイ島ハプナ・ビーチ 1 『道』 この道を行けば どうなるものか 危ぶむ無かれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ ∼ タイトル『道』の由来について ∼ 『道』というタイトルの詩…。元々は、一休禅師の言葉だといわれていますが、一般にはアントニオ 猪木が引退セレモニーのリング上で、ファンに送った最後のメッセージとして知られています。 田邊教授は、何か新しいことにチャレンジするとき、いつもこの詩を思い浮かべ、そして新しい道を 切り開かんとする若者に、この詩を贈ってきたそうです。 島根大学医学部内科学講座第四も、常に前向きにチャレンジすることを忘れず、ただひたすらに医師と しての『道』を進んでいこう…そういう想いを込めて、この『道』というタイトルを選びました。 2 内科学第四医局員・学内同門名簿(2015 年 5 月現在) 内科学第四 腎臓内科 田邊一明(教授・循環器内科診療科長) 伊藤 孝史(講師・診療教授) 江川 雅弘(医員) 循環器内科 花田 昌也(医員) 遠藤 昭博(講師・外来医長) 吉金かおり(医員) 高橋 伸幸(学内講師・医局長) 加藤 志帆(医員) 菅森 峰(学内講師・病棟医長) 高瀬健太郎(医員) 中島 龍馬(助教) 芦村 龍一(医員) 安達 和子(医員) (学外) 岡田 大司(医員) 松井 浩輔(松江生協病院) 中村 琢(医員) 岡 朋大(島根県立中央病院) 大嶋 丈史(医員) 花田 健(松江赤十字病院) 朴 美仙(医員) 花田 真希(松江赤十字病院) 坂本 考弘(医員) 福永 昇平(東京慈恵会医科大学) 三浦 重禎(医員) 中西 宣太(島根県立中央病院) 安田 優(医員) 岩下 裕(和歌山県立医大) (学外) 岩下 裕子(和歌山県立医大) 伊藤 早希(Mayo Clinic, USA) 佐藤 陽隆(松江生協病院) 佐藤 寛大(済生会江津総合病院) 渡邊 伸英(榊原記念病院) 伊藤 新平(大阪大学) 内科学第四資料室 影山久美子 和氣 正樹(東京大学) 柳楽 由美 竹田 昌希(松江市立病院) 長岡 由華 川原 洋(豊橋ハートセンター) 森山 瑞希 松田 絋治(松江市立病院) 足立 優也(松江市立病院) 総合医療学講座 岡﨑 浩一(島根県立中央病院) 石橋 豊(教授) 黒田 紘章(益田赤十字病院) 森田 祐介(浜田医療センター) 検査部 山口 直人(済生会江津総合病院) 吉冨 裕之(助教) 留学生 救命救急センター Shuai Liang(中国) 小谷 暢啓(講師) Maidar Tumenbayar(モンゴル) 3 教授挨拶 内科学第四 教授 田 邊 一明 初夏の候、皆様にはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。い つもご支援を賜り感謝いたします。医局は例年のごとく、年度末の 3 月 には医局員を新天地へ、関連施設へとそれぞれの活躍を祈って送り出し ました。そして日付が変わって 4 月 1 日には雰囲気もがらりと変わり、 赴任先からの帰局者、新入医局員を迎えて心機一転、新たなスタートと なりました。学内の人数が増えるわけではありませんが、毎年の積み重 ねで、少しずつ層ができてきて、厚みのある医局になりつつあることを 実感しています。今回から医局員・学内同門名簿を掲載しました。うれ しいことに医局員が増え、私自身が医局員の動向を確認する必要がでて きました。学内外に人があふれ、名簿のページ数が増えていくことを願っ ています。事務補佐員として手伝っていただきました佐藤貴子さんがご 家庭の事情により 4 月一杯で退職されました。5 月からは新たに循環器内科事務補佐員として長岡由華さん、 腎臓内科事務補佐員として森山瑞希さんを迎えています。学内外の医局員も増え、業務内容も拡大してきて います。資料室も 4 人体制となりました。よろしくお願いします。 さて、「新・専門医制度」の文字を目にされる機会が増えてきていることと思います。私が日本内科学会認 定医制度審議会の委員をさせていただいていますことから、今回は内科に関して新・専門医制度の概要と進 捗状況を報告させていただきます。内科における現行の専門医制度は、認定内科医、総合内科専門医の 2 段 階となっています。現行の認定内科医が初期臨床研修医期間の 2 年間(実際に内科を研修する期間は少ない 場合 6 か月間)も含めて卒後 3 年間の経験で受験できることにつき、内科全般の広い知識と技術を修得する にあたっては不十分となってきています。そのような背景の中で専門医機構という中立な機関での専門医育 成と認定の標準化、基本領域(内科)と循環器内科や腎臓内科などの subspecialty 領域との 2 段階制を明確 化することにより、広く国民にも認知される専門医制度を目指すのが新・専門医制度です。内科は現行の認 定内科医と総合内科専門医が一つになったと専門医制度となります。今年(2015 年)春から初期研修を開始 した研修医が後期研修医となる 2 年後(2017 年)から本格的にスタートし、卒後 5 年目(2020 年)以降に新・ 内科専門医試験を受験することが可能となります。循環器専門医、腎臓専門医などの subspecialty 領域の専 門医は、この新・内科専門医試験に合格してから、それぞれの学会の規定に従い受験が可能となります。 新・内科専門医試験を受験するためには内科全般にわたって経験した症例の登録が必要となり、初期研修 医期間も含め 5 年間で 200 症例以上を登録します。この症例経験は研修プログラムの中での指導医による評価・ 確認の上で積み重ねていくこととなります。初期臨床研修を終え、内科に進もうとする医師(専攻医と呼ぶ ことになります)は、どこかの専門研修プログラムに属する必要があります。この専門研修プログラムは大 学病院のような基幹施設が管理し、連携施設、特別連携施設による専門研修施設群により提供されるものです。 専攻医にとって大学から連携施設に赴任したとき、あるいは診療所での診療経験などすべての症例経験が有 効に登録できるようにする必要があります。そこで、島根では“オール島根内科専門研修プログラム”の構 築をめざし、学内の内科診療科、県内の主要施設とプログラム作りに向けて話し合いを進めています。島根 大学病院が基幹施設となり、島根県で初期臨床研修を行い、島根県内、あるいは県外の関連施設で内科に進 む専攻医の症例経験が活かせるようなプログラムです。島根県内はすべての施設に参加していただくことを 考えています。そして、循環器内科や腎臓内科の subspecialty 領域のトレーニングを積みながらも新・内科 専門医試験に対応できる指導体制も含めた柔軟で魅力あるプログラムにしたいと考えています。 現行制度の先生方には、自分たちはどうなるのかと思われるかもしれませんが、ご心配の必要はありません。 現行の制度で生きていただけます。認定内科医の先生はそのまま更新ができます。総合内科専門医の先生は、 新・専門医、指導医に移行していただけます。注意していただきたい点として、今後の資格更新に関して、 4 現在のような学会で受け付けだけ済まして大きく加点されるよう なことはなくなり、様々な機会で細切れに加点されることになり ます。2020 年からの更新に新制度が適用されますのでご注意く ださい。いずれにしましても、先生方にはこの春から初期臨床研 修を開始した研修医が将来内科に進んでくれますよう、願わくは その進む道が循環器内科、腎臓内科となりますようご指導いただ ければ幸いです。今後とも医局へのご理解とご協力の程、よろし くお願い申し上げます。 講義棟、実習棟の間が屋根つきの交流スペース “ 医の庭 ” として新しくなりました 医局報告 循環器内科 講師(学内) 高 橋 伸幸 早いもので、あっと言う間に医局報の春号の記事を書く季節がやって来ました。腎臓内科の詳細については、 伊藤孝史先生から御紹介がありますので、循環器内科の事について少しふれたいと思います。 今春は循環器内科に三浦重禎先生(平成 25 年島根大学卒)、坂本考弘先生(平成 25 年島根大学卒)、安田 優先生(平成 25 年島根大学卒)の 3 名の若人が入局してくれました。 3 人とも非常に穏やかで、むしろ大人しい印象ですが(現時点では)、本当に素晴らしい面々です。秋の同 門会総会では全員が御挨拶致しますので、どうか御期待下さい。 昨年春に入局してくれた 5 名は、全員が県内の基幹病院へ出向しております。足立優也先生(平成 24 年島 根大学卒)は松江市立病院へ、岡﨑浩一先生(平成 24 年島根大学卒)は島根県立中央病院へ、黒田絋章先生 (平成 24 年鳥取大学卒)は益田赤十字病院へ、山口直人先生(平成 24 年島根大学卒)は済生会江津総合病院 へ、そして今春から初めて浜田医療センターへも派遣が始まり、森田祐介先生(平成 24 年島根大学卒)に先 陣を切ってもらいました。 また、大嶋丈史先生(平成 20 年島根大学卒) 、朴美仙先生(平成 22 年島根大学卒)には今春から大学に帰 局して頂きました。既に県内の基幹病院で磨いた臨床力を思う存分に発揮していますが、学生・研修医への 教育や、それぞれの臨床研究等にもこれから取り組んでくれると思います。 遠方への研修としては、今春から川原洋先生(平成 22 年島根大学卒)が豊橋ハートセンターでインターベ ンションの研修を開始しております。そして豊橋ハートセンターでの 2 年間の研修を終えた佐藤寛大先生(平 5 成 19 年島根大学卒)は、今春から済生会江津総合病院に て剛腕を振るっております。渡邊伸英先生(平成 19 年島 根大学卒)は、榊原記念病院にてカテーテル・アブレーショ ン(特に心房細動)の研鑚中であり、今秋に帰局予定となっ ております。また和氣正樹先生(平成 20 年島根大学卒) が東京大学へ研究留学中、伊藤新平先生(平成 20 年大阪 医大卒)は大阪大学の重症心不全・移植専攻医育成プログ ラムで研鑽中です。伊藤早希先生(平成 17 年島根大学卒) が Mayo クリニックへ留学中であり、世界の最先端を走っ てくれています。 確かに若い先生が少しずつ増えておりますが、内科学第四の医局員は他大学や島根大学の他の内科系講座 と比べてもまだまだ少ない状況です。内科学第四は、臨床のみならず、教育・研究も充実させねばなりません。 また、未来を見据えて国内外への留学を推進し、そして何より島根県全域の地域医療を守る役割も果たさね ばなりません。そのためには、一人でも多くの若人が内科学第四への入局を志してくれる事を願ってやみま せん。 最後になりましたが、内科学第四が今後も素晴らしい成長を遂げていきますように、関連病院の先生方や 同門会の諸先生方の益々の御指導・御鞭撻のほど何卒宜しく御願い申し上げます。 医局報 〜春号〜に寄せて 腎臓内科 講師 伊 藤 孝史 平成 27 年 4 月 1 日、また新しい年度が始まりま した。私が島根大学医学部附属病院腎臓内科に赴任 して丸 10 年がすぎ、新たなスタートです。いつも 支えてくださっています内科学第四の諸先生方、島 根大学医学部・医学部附属病院の諸先生方、そして 出雲市内、島根県内、山陰地方、全国の諸先生方に 心より御礼申し上げます。残念ながら今年度は新入 局者がありませんでした。勧誘の難しさを実感する とともに、なお一層腎臓内科の魅力を伝え続ける決 意を新たにしております。 新年度の腎臓内科の体制を紹介させていただきます。 ①島根大学医学部附属病院:近江八幡市立総合医療センターから江川雅博先生が戻ってきてくれました。同 センターの腎臓内科は、島根医科大学 11 期生の八田告先生が顧問を勤めておられ、一般内科管理から集中 治療管理まで第一線で頑張ってきてくださいました。また、CKD の教育入院や地域連携も積極的に行って いるセンターですので、そこで学んだことを島根に応用して、発展させていただけることを期待しています。 また、加藤志帆先生(旧姓:長谷川)も島根県立中央病院から再度大学に戻って頂きました。私を含め、5 名の先生方(花田昌也先生、吉金かおり先生(旧姓:望月)、高瀬健太郎先生、芦村龍一先生)は昨年から の継続となります。昨年以上に忙しくなっている感じですが、協力して頑張っていこうと思います。特に 4 年目の高瀬健太郎先生、芦村龍一先生には、昨年度以上に活躍していただければと思います。 ②島根県立中央病院:岡朋大先生には、今年度も継続して中央病院で頑張っていただきます。中西宣太先生 には、山陰労災病院からふたたび戻っていただきました。金聲根先生のもと、内科管理のみならず、外科 的手技も身につけていただいています。島根大学からもたくさんの初期研修医の先生が研修しておられま 6 すので、勧誘も頑張っていただけたらと思います。 ③松江赤十字病院:花田健先生、花田真希先生には、今年度も引き続き頑張っていただきます。腎生検、透 析導入などお二人が行かれてから活性化しているようですし、膠原病内科も一緒に診ることができますの で、幅広く内科の管理を学んでいただければと思います。鳥取大学の初期研修医の先生が多いようですが、 勧誘 !? も頑張っていただければと思います。 ④松江生協病院:昨年度から引き続き松井浩輔先生には生協病院で頑張っていただきます。今年度から 4 年 目の佐藤陽隆先生に出向していただきました。腎不全管理のスペシャリストの松井先生のもとでたくさん のことを学んで欲しいと思います。腎臓内科医が二人になりますので、幅広く腎臓病医療を展開していた だければと思います。 以上が島根県内の医師派遣状況です。 大学から県外に出向していただいている先生方は 3 名です。 ①福永昇平先生には、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科に出向していただいております。福永先生は伝 統ある大学での研修を希望され、横尾隆教授にご相談させていただいたところ、ご快諾いただきました。 ありがとうございました。臨床のみならず、研究面でもたくさんのことを吸収してきて欲しいと思います。 ②岩下裕先生、岩下裕子先生のご夫婦には、和歌山県立医科大学腎臓内科に出向していただいております。 腎炎のみならず、急性血液浄化まで腎臓内科の診療をフルコースで実践しておられる病院です。重松隆教 授にお二人の研修をお願いしたところ、ご快諾いただきました。岩下裕子先生は、和歌山県立医科大学大 学院に入学し、臨床のみならず研究もご指導頂けることになりました。 3 名の先生方の活躍を祈念し、多くの経験、知識を島根県に持ち帰ってきていただきたいと思います。 島根県内の腎臓病医療に関しましても、幅広く支援できるような体制を取っております。 ①出雲地区:出雲市民病医院では、月曜日、水曜日、金曜日に透析室を、火曜日には腎臓内科外来を担当さ せていただいております。 ②雲南地区:平成記念病院では、毎週水曜日の午後腎臓内科を担当させていただいております。また透析室 の管理も手伝わせていただいております。 ③大田地区:大田市立病院では、月曜日の午後に腎臓内科外来を担当させていただいております。 ④江津地区:今年度から腎臓内科外来を週 1 回、土曜日の透析室管理もさせていただいております。 ⑤浜田地区:浜田医療センターでは、週 2 回(月曜日、水曜日)腎臓内科外来を担当させていただいております。 ⑥益田地区:岩本内科医院では、月 1 回外来を担当させていただいております。 以上のように、東西に長い島根県内各地で診療をさせていただいておりますが、西部地域には未だ常勤医 を派遣できる体制になっておりません。 一般住民の方々に対しては、慢性腎臓病(CKD)の啓蒙に力を入れていきたいと考えており、例年通り市 民公開講座、世界腎臓デー(毎年 3 月の第 2 木曜日)にあわせた街頭キャンペーンを継続していく予定にし ております。 臨床研究面では、今までに登録した臨床研究の症例数を増やしつつ、日本腎臓学会や厚生労働科学研究費 補助金難治性疾患克服研究事業「進行性腎障害に関する調査研究」の前向き研究にも引き続き協力していく 予定です。昨年度は多施設共同で開始された「コレステロール塞栓症に対する血液浄化療法の有用性に関す る臨床研究」が、当院でも先進医療 B として認められました。今年度は、昨年度倫理委員会で承認いただい た「LDL アフェレシス療法の重度尿蛋白を伴う糖尿病性腎症に対する多施設臨床試験」を発展させ、先進医 療 A の申請をしたいと思っております。いずれの臨床研究も腎臓内科単独でできるものではなく、血液浄化 治療部をはじめ、泌尿器科、循環器内科、内分泌代謝内科などと協力して進めていきたいと考えています。 また、今年度は二つの大きな会を開催させていただきます。 7 ①第 58 回日本腎臓学会学術総会 サテライトシンポジウム(西部) 会期:平成 27 年 7 月 11 日 会場:松江コンベンションセンター 「腎臓学:現在から未来へ」と題して開催します。今年度初め て東部と西部で開催されるサテライトシンポジウムです。基礎 研究、臨床研究、疫学研究の現在の最先端の話題から今後の展 望に関して熱いディスカッションができればと思います。 ②第 34 回日本アフェレシス学会関西地方会 会期:平成 28 年 3 月 12 日 会場:松江コンベンションセンター アフェレシス関連の学会が山陰で開催されるのは初です。治療 の可能性を秘めているアフェレシス療法ですが、十分に浸透し ているとは言いがたい状況です。この学会では、臨床工学技士 向けの技術講習会も行っておりますし、幅広い分野の先生方に お越し頂き、山陰のアフェレシス療法を活性化できればと考え ております。 最後になりますが、我々島根大学腎臓内科は学内のみならず、学外(島根県内、山陰地方、全国)でも腎 臓病診療・啓発、教育・研究に精進して参ります。内科学第四同門会の先生方におかれましては、今後とも ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 近況報告 榊原記念病院 循環器内科 渡 邊 伸英 2007 年(平成 19 年)卒の渡邊です。2014 年 4 月から東 京都府中市にある榊原記念病院で勤務しています。榊原記念 病院にはこれまでにも島根大学の諸先輩方が勤務されてお り、以前からおられる先生方から諸先輩方のお話を聞く機会 も多く、顔に泥を塗らぬように、また次に続く後輩たちを快 く引き受けていただけるように、と努力しております。 榊原記念病院は、PCI はもちろん EVAR や TAVI、ASO (Amplatzer)、PTSMA、PTMC など様々なインターベン ションを数多く行っています。また手術症例が非常に多い 病院です。私はそれらの中でも不整脈診療を中心に、特に 2014 年夏 カテーテルアブレーションについて勉強させて頂いていま す。アブレーションの症例数も非常に多く心房細動に対す る肺静脈隔離のみでも年間 90 例前後の症例があり、こちらで勤務して以降、ほぼ全ての症例に関わることが 出来ました。肺静脈隔離に関しては、ほぼ経験ゼロの状態で来ましたが数多くの症例を経験することができ、 非常に充実した研修生活を送っています。もちろん肺静脈隔離以外のカテーテルアブレーションも非常に多 く、その殆どを一緒に診療させて頂き心臓電気生理学全般に関して経験を積むことができています。 慣れない都会での生活もあっという間に一年が過ぎました。無理をお願いして今年 9 月一杯はこちらで研 修させていただけることになったので、残された時間を精一杯勉強していきたいと思います。そして島根の 不整脈診療に少しでもお役に立てるよう精進してまいります。 8 帰局報告 腎臓内科 江 川 雅博 私は平成 21 年 4 月に腎臓内科に入局し 2 年間大学病院で勤務した後、平成 23 年 4 月より 2 年間、島根県立中央病院腎臓科へ出向いたしました。島根県立中央病院腎 臓科では金先生の元で 2 年間、CKD の管理や腎炎の治療だけでなく、ブラッドアク セス作成や腹膜透析カテーテル留置などの腎不全外科分野も経験を積ませていただ きました。その後、平成 25 年 4 月より滋賀県の近江八幡市立総合医療センター腎臓 内科へ国内留学させていただきました。近江八幡市立総合医療センター腎臓内科は、 島根医科大学出身の八田告先生が腎臓センター顧問としておられ、滋賀県における 腎臓病の最後の砦として急性期・慢性期を問わず、予防から透析医療までの「total kidney care」を掲げ、数多くの腎臓疾患について研鑽を積んだだけでなく、肺炎や 尿路感染などの一般内科分野も経験することができました。また CKD の地域連携,保存期腎不全検査教育 入院など近江八幡市立総合医療センターが全国に先駆けて取り組まれていた分野についてそのノウハウを学 ぶことができました。その他にも、様々な学会・研究会での発表の機会をいただき、忙しいながらも充実し た 2 年間を過ごしました。 今までお世話になった施設・先生方へのご恩に報いるためにも、島根の腎臓医療にしっかりと貢献できる ように今後も努力して参る所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 新入医局員紹介 循環器内科 坂 本 考 弘 (平成25年島根大学卒) 今年度より島根大学医学部附属病院第四内科に入局させて頂きました坂本考弘と申 します。私は埼玉県で育ち、筑波大学にて情報工学の修士を経た後に島根大学に学士 編入致しました。初期研修では長野県の佐久総合病院におりましたが、今年度より出 雲の地に再び戻って参りました。筑波大学では医用生体工学研究室に所属し、 「超音波 を用いた血管ストレイン計測による大動脈瘤の性状評価」をテーマに研究を行ってい た経緯があり、その頃から循環器内科医として、特に超音波分野にて臨床と研究を両 立していきたいと考えておりました。その時から早 6 年が経ち、今こうしてその夢のスタートラインに立てた ことを幸甚に存じます。未熟でありご迷惑をかける点も多々あるかと思いますが、何卒、宜しくお願い致します。 循環器内科 三 浦 重 禎 (平成25年島根大学卒) 今年度より島根大学医学部附属病院第四内科に入局させて頂きました三浦重禎と 申します。私は島根県邑智郡の出身で、元々は地域医療に興味を持ち島根大学医学部 に入学しました。5、6 年生の病棟実習の際、田邊先生の心電図のレクチャーを受け、 苦手ながらも循環器という分野に興味を持った次第です。卒業後は、東京都の青梅市 立総合病院と島根大学医学部附属病院にて初期研修を行いましたが、両施設ともに素 晴らしい循環器内科の先生方にお会いすることができ、良い出会い・目標に恵まれ循 環器内科の道を志すことができました。今回母校の医局に入局できたことを大変嬉しく思っております。入局 してから早 1 ヶ月が過ぎましたが、皆様に助けられながら日々診療にあたっています。同期 2 人と共に支え合 いながら、日々精進していこうと思いますので、今後とも御指導・御鞭撻の程宜しくお願い致します。 9 循環器内科 安 田 優 (平成25年島根大学卒) 今年度より島根大学医学部内科学第四に循環器内科医として入局させて頂きまし た安田優と申します。私は飯石郡飯南町出身であり、大学卒業までの 24 年を島根県 で過ごし、2 年間自治医科大学付属病院で初期研修を行いました。学生時代より循環 器領域には興味を持っておりましたが、初期研修で改めてその魅力に触れ、生まれ 育った島根の地で循環器内科医としてのスタートを切ることができたことを大変嬉 しく思っております。医師としてまだまだ未熟でありますが 2 人の同期と支え、競 い合いながら精進する所存です。皆様にはご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが今後ともご指導、 ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。 新事務補佐員紹介 長岡 由華 今年の 5 月から事務補佐員としてお世話になっております、長岡由華と申します。 学生時代、英語を学んできました。英語を学んできた私にとって医療のことに関し ては知らないことが多く、初めてのことばかりで不安でいっぱいです。田邊教授を 始め、緒先生方や先輩方からその都度ご指導いただき大変感謝しております。ご迷 惑をおかけすることも多々あるとは思いますが日々精進して参りますのでよろしく お願い申し上げます。 森山 瑞希 今年の 5 月から事務補佐員としてお世話になっております、森山瑞希と申します。 出雲市出身で、現在は結婚・出産を経て 2 年半振りに働くこととなり、家庭と仕事 の両立の大変さを感じながらも充実した毎日を過ごさせていただいております。こ れまで事務や医療関係の仕事は経験がなく、腎臓内科では初めての事務補佐員とい うこともあり、自分にとって未知な世界に緊張と戸惑いでいっぱいです。田邊教授 をはじめ、諸先生方、影山さん、柳樂さんにはご迷惑をおかけするばかりですが、 その都度丁寧にご指導ご助言いただき大変感謝しております。一日も早く仕事をおぼえて皆様のお役に立ち たいと思うとともに、いつも「笑顔」を忘れず、ご期待に添えるよう努力をして参る所存です。不慣れなた め至らない点も多々あるかと思いますが、何卒、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。 業 績 論文・著書・総説 (2014 年秋号以降) 1. Takahashi N, Tanabe K, Ito T, Sugamori T, Endo A, Yoshitomi H, Ishibashi Y. Awareness of salt restriction is not reflected in the actual salt intake in Japanese. Clin Exp Hypertens 2014 Dec 12:1-5 (Epub ahead of print) 2. 足立優也、田邊一明.僧帽弁狭窄.新しくなった AHA/ACC 弁膜症ガイドラインを読み解く.心エコー 2015; 16:38-44 3. 田邊一明.僧帽弁膜症.今日の治療指針 2015 年版(医学書院).411-413, 2015 10 4. Okada T, Yoshitomi H, Harada Y, Ito Shimpei, Nakamura T, Adachi T, Nakashima R, Sugamori T, Endo A, Takahashi N, Tanabe K. Pneumococcal endocarditis complicating meningitis and arthritis in a previously healthy woman: a case report. J Cardiol Cases 2015;11:96-99 5. Tumenbayar M, Watanabe N, Sugamori T, Yamaguchi K, Okada T, Nakamura T, Ito Shimpei, Adachi T, Nakashima R, Endo A, Takahashi N, Yoshitomi H, Tanabe K. Cardiac resynchronization therapy and atrioventricular junction ablation in a patient with heart failure and atrial fibrillation: an analysis of activation imaging. Shimane Journal of Medical Science 2015;31:59-64 6. 宮 本 信 宏、 岸 本 晃 司、 末 廣 章 一、 織 田 禎 二、 田 邊 一 明. 虚 血 性 心 疾 患 合 併 肺 癌 の 治 療 戦 略. 胸 部 外 科 2015;68:279-285 7. 岡田大司、田邊一明.収縮性心膜炎と拡張不全心の見分けかたのポイントを教えて下さい.拡張不全の日常診療 Q&A (中外医学社) .165-167、2015 8. 岡﨑浩一、田邊一明.高血圧.疾患ごとの評価項目のマニュアル化.心エコー 2015;16:486-491 9. 田邊一明.弁膜症.今日の診断指針第 7 版(医学書院).867-873、2015 10. Morris DA, Takeuchi M, Krisper M, Köhncke C, Bekfani T, Carstensen T, Hassfeld S, Dorenkamp M, Otani K, Takigiku K, Izumi C, Yuda S, Sakata K, Ohte N, Tanabe K, Osmanoglou E, Kühnle Y, Düngen HD, Nakatani S, Otsuji Y, Haverkamp W, Boldt LH. Normal values and clinical relevance of left atrial myocardial function analysed by speckle-tracking echocardiography: multicentre study. Eur Heart J Cardiovasc Imaging 2015;16:364-372 11. Sato H, Ohta T, Hiroe K, Okada S, Shimizu K, Murakami R, Tanabe K. Severity of aortic regurgitation by area of vena contracta: a clinical two-dimensional and three-dimensional color Doppler imaging study. Cardiovasc Ultrasound 2015;13:24 12. Ito Shimpei, Endo A, Okada T, Nakamura T, Adachi T, Sugamori T, Takahashi N, Yoshitomi H, Tanabe K. A case of myocardial calcification with the latent risk of congestive heart failure. Intern Med 2015 (in press) 13. Ito Shimpei, Endo A, Okada T, Nakamura T, Adachi T, Nakashima R, Sugamori T, Takahashi N, Yoshitomi H, Tanabe K. A case of acute myocardial infarction due to left atrial myxoma. Intern Med 2015 (in press) 14. 福山知香、渡邊伸英、松田絋治、中村 琢、岡田大司、伊藤新平、菅森 峰、高橋伸幸、遠藤昭博、吉冨裕之、 田邊一明.ボセンタンとシルデナフィルの upfront combination therapy によって肺動脈圧の改善を認めた混合 性結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症の 1 例.心臓 2015(in press) 学会・研究会発表 (2014 年秋号以降) 1. 田邊一明.負荷エコーのコツ.第 5 回日本心臓弁膜症学会.2014.12.5-6、東京 2. 森田祐介、遠藤昭博、足立優也、岡﨑浩一、黒田紘章、山口直人、伊藤新平、岡田大司、中村 琢、安達和子、 中島龍馬、菅森 峰、高橋伸幸、吉冨裕之、木下順久、田邊一明.完全閉塞を有する多枝病変に対し、治療方針 決定に苦慮した虚血性心筋症の 1 例.第 105 回日本循環器学会中国地方会.2014.12.6、宇部 3. 足立優也、吉冨裕之、菅森 峰、岡﨑浩一、山口直人、森田祐介、伊藤新平、岡田大司、中村 琢、安達和子、 中島龍馬、遠藤昭博、高橋伸幸、田邊一明.Sepsis induced cardiomyopathy が疑われた一例.第 105 回日本循 環器学会中国地方会.2014.12.6、宇部 4. 岡田大司、山口一人、吉冨裕之、伊藤新平、中村 琢、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、 田邊一明.Activation Imaging により心臓再同期療法の前後で収縮伝播を観察した重症心不全の 2 症例.第 105 回日本循環器学会中国地方会.2014.12.6、宇部 5. 伊藤新平、岡田大司、中村 琢、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、吉冨裕之、田邊一明. 急性心筋梗塞を合併した左房粘液腫の一例.第 105 回日本循環器学会中国地方会.2014.12.6、宇部 6. 高橋伸幸、田邊一明、吉冨裕之、足立優也、岡﨑浩一、黒田紘章、森田祐介、山口直人、伊藤新平、岡田大司、 11 中村 琢、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、佐藤秀俊、石橋 豊、織田禎二.大動脈弁狭窄症患者に おける血小板粘着能の低下と弁置換術後の変化.第 10 回中国・四国 CCV フォーラム.2014.12.12、広島 7. Tanabe K. How 3D echo provides unique anatomic information. 25th Annual Echo Hawaii. 2015.1.19-23, Kohala Coast, USA 8. Yamaguchi K, Yoshitomi H, Ito Saki, Adachi T, Sugamori T, Endo A, Takahashi N, Asanuma T, Nakatani S, Tanabe K. Association between left ventricular post systolic shortening and symptom in patients with severe aortic stenosis with preserved left ventricular ejection fraction. 25th Annual Echo Hawaii. 2015.1.19-23, Kohala Coast, USA 9. Okada T, Kitai T, Furukawa Y. Impact of chronic hemodialysis on the short- and long-term outcomes after aortic valve replacement in patients with severe aortic stenosis. 64th Annual Scientific Session & Expo, ACC15. 2015.3.14-16, San Diego, USA 10. 菅森 峰.当院における抗凝固療法の実情.第 2 回山陰心筋症弁膜症研究会.2015.3.21、松江 11. 山口一人、吉冨裕之、安達和子、新田江里、三島清司、長井 篤、伊藤新平、岡田大司、中村 琢、菅森 峰、 高橋伸幸、遠藤昭博、田邊一明.2 次元スペックルトラッキング法を用いた大動脈弁狭窄症患者における左房機 能の検討.第 26 回日本心エコー図学会学術集会.2015.3.26-28、北九州 12. 岡田大司、伊藤新平、中村 琢、森田祐介、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、吉冨裕之、 田邊一明.救急外来での経胸壁心エコー図検査が治療方針の決定に有用だった subepicardial aneurysm を伴う 急性下後壁心筋梗塞の一例.第 26 回日本心エコー図学会学術集会.2015.3.26-28、北九州 13. 中村 琢、吉冨裕之、熊御堂慧、足立優也、岡﨑浩一、黒田紘章、森田祐介、山口直人、伊藤新平、岡田大司、 安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、田邊一明.心筋浸潤を呈した成人 T 細胞性白血病リン パ腫の一例.第 26 回日本心エコー図学会学術集会.2015.3.26-28、北九州 14. 伊藤孝史.腎性貧血治療の最新の話題.第 31 回日本医工学治療学会.2015.3. 27-29、広島 15. 高橋伸幸、平井順子、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、吉冨裕之、石橋 豊、田邊一明.高血圧患者 の食塩摂取量と減塩意識の実態、並びに減塩指導の効果について.第 112 回日本内科学会講演会.2014.4.10-12、 京都 16. 向田千夏、岡﨑浩一、田邊一明.肺血栓塞栓症を発症したステロイド内服中の Cronkhite-Canada 症候群患者の 一例.第 112 回日本内科学会講演会.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ.2014.4.11、京都 17. 大庭詩恵、中村 琢、石橋 豊、田邊一明.心嚢液の排液に伴い一過性の肺うっ血を来した 1 例.第 112 回日本 内科学会講演会.医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ.2014.4.11、京都 18. Takahashi N, Tanabe K, Yoshitomi H, Ito Shimpei, Okada T, Nakamura T, Adachi T, Nakashima R, Sugamori T, Endo A, Ishibashi Y, Oda T. Improvement of platelet retension rate after aortic valve replacement in patients with severe aortic valve stenosis. 第 79 回日本循環器学会学術集会.2015.4.24-26、大阪 19. Endo A, Ito Shimepi, Nakamura T, Adachi T, Nakashima R, Sugamori T, Takahashi N, Yoshitomi H, Yoshida Y, Tanabe K. Interval and predictors of recurrent ischemia developed as acute coronary syndrome in patients with previous percutaneous coronary intervention. 第 79 回日本循環器学会学術集会.2015.4.24-26、大阪 20. Liang S, Yamaguchi K, Yoshitomi H, Adachi T, Ito Saki, Takahashi N, Tanabe K. Factors influencing the prognosis of octogenarian with aortic stenosis in the advanced aging society. 第 79 回日本循環器学会学術集会. 2015.4.24-26、大阪 21. Tumenbayar M, Yamaguchi K, Adachi T, Ito Saki, Takahashi N, Yoshitomi H, Tanabe K. Left atrial remodeling in prediction adverse events in patients with aortic stenosis. 第 79 回日本循環器学会学術集会. 2015.4.24-26、大阪 22. Ito Shimpei, Endo A, Okada T, Nakamura T, Adachi T, Nakashima R, Sugamori T, Takahashi N, Yoshitomi H, Tanabe K. Evaluating of left ventricular diastolic function with a low-dose Technetium myocardial perfusion imaging using Cadmium-Zinc-Telluride camera: comparison with Doppler echocardiography. 第 79 回日本循環 12 器学会学術集会.2015.4.24-26、大阪 23. 岡田大司、吉冨裕之、末廣章一、清水弘治、中村 琢、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、 田邊一明.救急外来での経胸壁心エコー図検査が治療方針の決定に有用だった急性心筋梗塞の 1 例.第 13 回島 根臨床心エコー図研究会.2015.5.9、出雲 24. 中村 琢、岡田大司、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、遠藤昭博、高橋伸幸、田邊一明、吉冨裕之、熊御堂慧. 心筋浸潤を呈した成人 T 細胞性白血病リンパ腫の 1 例.第 112 回日本内科学会中国地方会.2015.5.16、米子 25. 足立優也、遠藤昭博、黒田紘章、安達和子、中島龍馬、菅森 峰、高橋伸幸、田邊一明、木下順久.炭酸ガ ス造影下にて腎動脈ステントを留置した動脈硬化性腎動脈狭窄症の 1 例.第 112 回日本内科学会中国地方会. 2015.5.16、米子 26. 濱田曲美、岩下裕子、佐藤陽隆、高瀬健太郎、芦村龍一、望月かおり、福永昇平、花田昌也、伊藤孝史.若年成 人膜性腎症の 1 例.第 112 回日本内科学会中国地方会.2015.5.16、米子 27. 木村綾乃、芦村龍一、岩下裕子、高瀬健太郎、佐藤陽隆、福永昇平、望月かおり、花田昌也、伊藤孝史.前立腺 癌が原因と考えられた続発性膜性増殖性腎炎の 1 例.第 112 回日本内科学会中国地方会.2015.5.16、米子 28. 田邊一明.ACS の検査にこだわる.虚血性心疾患患者の心エコー図検査結果の考え方.第 5 回豊橋ライブ. 2015.5.28-30、豊橋 Echo Hawaii 報告 田邊 一明 2015 年 1 月 19 日~ 23 日ハワイ島 Hapuna Beach Prince Hotel で 25 回目の Echo Hawaii が開催され、講 師として出席してきました。私にとっては 20 年ぶりの Echo Hawaii 出席でした。1995 年、当時はマウイ島 で開催されていましたが、講師で行かれる別府慎太郎先生(当時・国立循環器病センター)に誘っていただ きました。別府先生をはじめ講師の先生方がアロハシャツを着て講演される姿が目に焼き付いていました。 まさか自分が講師の立場で行くことになるとは思っていませんでしたが、降り立つ島は違っても当時と同じ ように暖かな風が吹いていました。到着してまずアロハシャツを購入し、衣装を準備しました。講師も聴衆 もリラックスしながら参加するのが Echo Hawaii です。今回は三浦重禎先生(4 月から新入局)、検査部・山 口さん(ポスター発表)に同行してもらいました。ハワイ島は火山の島と言われていますが、溶岩の大地で した。ホテルはロビーからオープンエアで、ここの人たちは寒風が吹きこむことなど想定しないのだと思い ます。 Echo Hawaii は月曜日から金曜日の 5 日間、朝 7 時からお昼までの午前中一杯講義があり、水曜日を除い て午後はフリーというプログラム構成で、家族連れもたくさん出席されていました。私は“ How 3D echo provides unique anatomic information”のタイトルで 20 分間の講演でした。英語のフリートークにこだわり、 直前まで原稿の暗記を繰り返し、Mayo Clinic 時代の恩師・Oh 先生の前で恥ずかしい講演はできないと必死 でした。何とか笑いを取ることもできました(こういう講演でアメリカ人は必ずジョークを入れて笑わせま す)。講演が終わって、ハワイの風にほっとできたのはすでに帰国前日でした。水曜日の夕方には潮風の吹き 抜けるテラスでポスターセッションがあり、検査部の山口さんに発表してもらいました。ポスター会場には 13 生ガキにワイン、ビールなども準備され、コース責任者の Lindner 先生や Oh 先生ら有名な先生たちが発表 者とディスカッションしてくれるということで、発表者にとっては学会発表よりもメリットがあるように感 じました。将来講師で帰ってきてくれる人が出てくることを願っています。 ACC 2015(San Diego)報告 循環器内科 岡 田 大司 2015 年 3 月 14 日~ 16 日、カルフォルニア州サンディエゴで開催された第 67 回米国心臓病学会(ACC) に参加してきました。サンディエゴは、メキシコ国境に接し「カリフォルニア発祥の地」とも呼ばれ、ホテル・ 学会会場のあったダウンタウンは高層のオフィスビルが並んでいますが、いろいろな所にメキシコ文化の影 響が感じられるところがたくさんありました。また、学会初日には緑色のものや、クローバー柄のものを身 に付ける St. Patrick's Day というアイルランドからきた祭りも偶然行っており非常に賑やかでした。 学会はホテルから徒歩で 10 分程度のコンベンションセンターで行われました。初日の一番初めのポスター セッションの時間が私の発表でした。今回の発表は、神戸市立医療センター中央市民病院で研修していた時 に行った、重症 AS に対する慢性透析患者の AVR と非透析患者の AVR 後の予後の後ろ向き研究で発表しま した。ありがたい事に 2 人の方からの質問していただきました。ポスターセッションは昨年の ASE と比較し 規模が大きく、思っていた以上に大盛況で驚きました。『自分がこんなところで発表するとは・・・』。本当 に神戸市立医療センター中央市民病院の北井先生にはご指導いただき感謝しています。 14 学会参加自体も今後の臨床・研究への刺激になりましたが、それ以上に日本から参加された先生との会食 会も刺激になりました。初日は小倉記念病院と倉敷中央病院の先生との、最終日は京都大学の先生との会食 に参加させていただきました。いろいろな先生と話した結果、臨床研究を島根から発信するためには、市中 病院との連携をしながらデータ集積して行くことが重要と感じました。ただし、市中病院自体も人手不足に は変わりなく、具体的にどうしていけば良いか、自分の中にまだ答えはありません。自分も含めこれから臨床・ 研究を頑張りたいと考えている後輩のためにも、臨床と臨床に活かせる研究を全力で続けながら答えを見つ ける事ができたらと思います。 今回、残していく患者さんは後期研修 1 年目の 5 人に振り分けました。見事に !? 管理してくれて、感謝し ています。今度は一緒に学会発表できるよう頑張っていきましょう。学会へ参加するための準備、学会での新 しい発見、学会での出会いは、人生の宝だと思います。まずは、学会に出そうという雰囲気作りから頑張ります。 第79回 日本循環器学会報告 田邊 一明 2014 年 4 月 24 日〜 26 日大阪国際会議場、グランフロント大阪などを会場として第 79 回日本循環器学会 学術集会が開催され、医局からは 6 演題の発表でした。留学生 2 人も立派に発表してくれました。大阪でも 1 か所では開催が難しくなるほどの大きな学会となってきています。「TAVI の現状と展望」では会場入り口 の外にまで何重の列ができるほどの聴衆でした。現時点で我が国では 1,500 例ほどの TAVI(経カテーテル大 動脈弁留置術)が行われています。TAVI は高齢者大動脈弁狭窄症の治療の考え方を変えただけでなく、若 い年代の治療の考え方も変えてきています。若年者には機械弁が常識でしたが、ワルファリンを飲み続ける 問題があります。若年者でもまずは大きめの生体弁を移植し、ワルファリン・フリーで過ごしてもらい、生 体弁の機能不全を生じればそこで valve-in-valve の TAVI を行うという考え方もできるようになります。 来年は東北大学・下川教授が会長で仙台市にて開催されます。震災から復興 5 周年という時期に合わせた 熱い思いの学会になるはずです。 15 同門 会 コ ー ナ ー 同門会長挨拶 後藤クリニック 後 藤 泰利 同門会会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年は安田名誉同門会長のご子 息が入局され、時代の移り変わりを感じています。とうとう同門会員の子供たちが 医師として活躍する時代になったかと、感激しつつ、自分もだいぶ年をとったなと 痛感しています。 先日当院で、高齢の大動脈弁狭窄症と診断した心不全症例がありました。松江市 立病院の太田先生に紹介したところ、大動脈弁狭窄は軽症で、診断は動脈管開存症 とのことでした。コイル閉鎖していただき、見違えるほど元気になりました。収縮 期雑音に気をとられて、連続性雑音を聞き逃していました。循環器医として基本で ある身体的所見をないがしろにしたと猛反省しています。ところで今の循環器医師たちはどれだけ聴診の技 術があるのでしょうか?もう心音図などとることもないのではないかと思います。私が 4 内に入局したころ は、まだカラードプラ心エコーがようやく出たばかり。心雑音を一生懸命聞いて、心音図にとるのが最初の 仕事でした。当時、盛岡先生の外来シュライバーにつくと、聴診、心電図、胸写だけで正確に診断される盛 岡先生の技術、知識を目の当たりにし、なんとか追いつきたいと勉強会に参加していたのが懐かしい思い出 です。ところで循環器では領域が大きく 2 つに分かれます。侵襲的検査と非侵襲的検査で、心カテ対心エコー とも表現できるのではないかと思います。最近はやはり心カテ、PCI に人気が高くどうしても、心エコーな ど非侵襲的検査は技師さん任せになる傾向にあると思います。そうするととてもバランスの悪い循環器専門 医ができていまいます。患者さまの話を聞いて、聴診器一本でも結構正確な診断できるようにしないと、私 のように動脈管開存症を見逃してしまうという失敗を犯してしまいます。バランスのいい循環器専門医にな るには、はじめが大切です。大学に入局するのが最善の道と私は思います。4 内に入局すれば、田邊教授の 指導でバランスのいい循環器専門医になれると思います。現実的には、大きな市中病院においてはカテ屋と エコー屋の 2 人の専門家がいないといけませんが、市中病院では非侵襲的検査、心エコーの専門医が不足し ているのが現状です。バランスのとれた循環器医療をするには、もっともっと心エコー屋が必要と思います。 今後、心カテばかりでなく、心エコーの専門家になりたいという若い先生が多く出てくれることを希望して います。若い先生にはバランスのいい循環器専門医になるよう努力してほしいと思っています。非侵襲的検 査が一人前になってから、心カテ修行するくらいがちょうどいいように思いますがどうでしょうか。 2014 年 12 月、内科学第四忘年会(玉造温泉にて) 16 研 究会報 告~島根県西部 地 区 循 環 器 研 究 会 2015 年 2 月 7 日、浜田市のワシントンホテルプラザにて第 11 回島根県西部地区循環器研究会を開催しま した。臨床医学はどの領域においても著しく進歩しており、私たちが紹介する患者がこれからどんな治療を 受けるのかを知ることは重要です。今回は特別講演の講 師に島根大学泌尿器科・椎名浩昭教授をお招きし、島根 大学病院でのダヴィンチによるロボット手術の現状につ いてご教示いただきました。ロボット手術は精緻な手技 が可能であり、また気腹の状態で手術を行うため微小血 管からの出血を抑えることができる利点を教えていただ きました。ロボット支援前立腺摘出術はベッドを 25 度 の傾斜にして頭を低くする体位で行われるため術前の心 機能評価が必須となっています。術前評価では循環器内 科の役割もあり、最先端の治療に協力していきたいと思 います。(田邊一明) 第⑮回 内科学第四 田邊杯 ゴルフコンペ 平成 27 年 5 月 17 日快晴微風のなか、いずも 大社カントリークラブにて田邊杯ゴルフコンペが開 催されました。今年も新入医局員の安田優、坂本考 弘、三浦重禎先生に参加していただき、若いパワー を感じさせてくれました。三人ともゴルフは初めてでしたが、センスのよさを感じさせてくれました。村 上先生が、スタート前から 3 連覇を宣言されましたが、結果は僅差で後藤の優勝でした。美久我の 9 番で の OB7 点が隠しホールとなっていたのが勝因でした。ニアピンは後藤、村上先生、ドラコンは田邊教授、 竹田先生が取られました。田邊教授はドラコンを取られた上に、国引き 4 番でバディーも取られ学内の若 いものにはまだまだ負けないところ見せつけられました。次回は同門会総会の翌日の 10 月 18 日に大社 カントリークラブで同門会ゴルフを開催します。数多くの御参加のほど宜しくお願いします。(後藤泰利) 成 績 表 順位 競技者名 美久我 国引 GROSS HDCP NET 優勝 後藤泰利 42 38 80 6 74 準優勝 村上林児 42 43 85 10.8 74.2 3位 竹田昌希 43 50 93 13.2 79.8 84.8 4位 田邊一明 56 54 110 25.2 5位 佐藤秀俊 64 64 128 36 92 6位 中村 琢 73 73 146 36 110 7位 安田 優 71 82 153 36 117 8位 坂本考弘 78 78 156 36 120 9位 三浦重禎 83 98 181 36 145 17 編集後記 ষນວᄑޏෳɈȮډɅĶʨˁˋʑɈɂɦȹಮᄑۇķȦႊɘɦɥɂȜɤڷɬࣅȩȱ ɘȱȹăఘʀʋĜɈ୭ᅟ౯ɜತȞɀȞȹȺȧɘȱȹăᆏೃȦɭɬഁࡖཡॽȳɥȹɛ Ɉʑʇ˂Ĝʣˋʈॳੈɂȱɀ QTB ȦȜɤɘȳăQTB ɉഁࡖȦɭɈཡॽɈȹɛɈʑʇ ˂ĜʣˋʈॳੈɂȱɀɩɦɥɕȥĂమȦɭɈఫඣɞ૭ᆫॄݿɬəɥȠȢɁɜɂɀ ɜ୭ᅟɄʶĜʃĜɂɄȽɀȞɘȳăఘʀʋĜɈᄜߠɉɜȻɧɭఘॠࠣଊࠏɈఫඣɁȜ ɤĂ഼ɈॳੈɞไಜɄ૭ᆫɬȠȹɛɈȧȽȥȫɅɄɤɘȳăȱȥȱĂఘʀʋĜȦ QTB ɄɃɈॠܕʶĜʃĜɂड़ฤโɅۅȠɈɉĂఘʀʋĜɈஒॽȦॳଞɅگശȳɥɂ ȞȠȭɂɁȳă௵ڽɂఫඣȳɥȹɛɅɉᄎఫɞబൌఫઍɁఘଊࠏɬࡷȠȭɂȥɣɘ ɤɘȳăȷȱɀĂఘʀʋĜɈࡊႨโɄोപɅݡȢɀఘ࡙༑ɞఘॠࠣଊࠏɈඪૻɂᆽஸ ॄঅȦᅟ࢙ȯɦɘȳăஒॽɈȜɥఘʀʋĜކജɬᄆɈɅȱɀĂĨȤȥȱȞĩɂૃȢ ɥȥɅȥȥȽɀȞɘȳă౷௵ᇉĂ௵ڽᇉɬȹȩȯɭॽɀĨ৽Ȣɥĩȭɂɬटɤ၄ȳȱ ȥȜɤɘȵɭăĨݝɬ࢙ɛɥāဇɈෂāȩĩယɉݝɬ࢙ɛɀȞɥɈȺɧȠȥɂ৽ ȢȯɣɦɥટຢݮɈࣽɁȳăĪᵚī 島根大学医学部内科学講座内科学第四 循環器内科・腎臓内科 〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1 電話(0853)20-2206(医局資料室ダイヤルイン) Fax(0853)20-2201(医局資料室) 循環器内科ホットライン 070-5672-8109 URL: http://www.med.shimane-u.ac.jp/internal_med4/index.html 18
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