八雲 琴 に学ぶ 吉備うさぎのみみ

八雲琴とは
なかやまことぬし
八雲琴は、江戸時代後期、伊予国の中山琴主
「吉備うさぎのみみ」 の活動内容
くずはらこうとう
師、備後の葛原勾当師の両師がそれぞれご神
徳により制作された二弦の琴です。和歌を添
え、神仏を敬う心を持ち奏でる日本古来の姿
を残した楽器で、先人方のご尽力により、今
日まで伝承され続けてきました。
~八雲琴の構造と奏法~
楽器は桐のふくらんだ表面板と裏板が合わ
さったもので長さ 108cm、弦の両端に駒を置
★八雲琴の普及を目的としたホームページ
運営による情報発信活動
★八雲琴の音色に触れる会や初心者のため
の八雲琴教室の開催
★八雲琴に学ぶ自己研鑽を目的とした各種
の勉強会活動
や
く
も
こ と
八雲琴に学ぶ
吉備うさぎのみみ
~竹琴の時や来ぬらん~
りゅうそう
きます。筒を斜めに切ったような 龍 爪を右手
人さし指にはめて弦をはじき、左手中指の
★将来に向けた普及活動の基盤となる運営
母体の強化
てんかん
転管という長い筒で弦を触って音程を作りま
す。表面には 31 個の小さな目印がつけられて
います。(壺の歌~ヤクモコトツホハウエヨリ
シタマテヲワカノミソチニナライキメヌル)
楽器には様々な房や玉の飾りがついており、
台にのせて演奏します。(和楽器事典 汐文社
★八雲琴を大切に扱うための琴袋・爪袋の
制作および制作指導
2012 年)
~八雲琴の歴史~
なかやまこと
文政三年(1820)伊予国(愛媛県)の中山琴
ぬし
主師が殆ど失明に瀕していたのを出雲大社(島
根県)に参詣して祈願し全快したので、その
神徳に感じ奉仕する目的を以てこの楽器を発
八雲琴は、特別に作られた台上に置き、琴の
前に神様への敬いの念を持ち、榊を立て香を
焚きます。
す さ の お の みこと
明し、出雲大社の祭神 素戔嗚 命 の御歌「八
雲立つ出雲八重垣」云々の句により、これを
や く も こと
八雲琴と名付け、神意を体して多くの歌を
作って世にひろめたと伝わります。
くずはらこうとう
同じころ、備後国 葛原勾当師も、厳島神社
(広島県)で霊感を得て二弦琴の竹琴を創作
し、後に京都で会い、協議の結果、桐胴に竹
を模して節を彫ることとしたと伝わります。
「八雲琴に学ぶ吉備うさぎのみみ」
なかがわ
ちこう
代表 中川 智光
HP:www.yakumokoto.org
Mail:[email protected]
「吉備うさぎのみみ」とは
「吉備うさぎのみみ」は、八雲琴を愛するも
のが集い、八雲琴の普及向上に努める活動を
行う会です。
八雲琴を聴く、弾く、学ぶといった活動を通
して、八雲琴が伝える日本の魂を一緒に勉強
していきます。
「吉備うさぎのみみ」
立上げの経緯
ちく ぶ し ま
平成 18 年 5 月。琵琶湖の北部に浮かぶ竹生島
に詣でた際に、
「いついつまでも 神と仏の住みたもう
この日本の国が美しい姿のままあり続けま
すように」
せんじゃふだ
~「吉備うさぎのみみ」が大切にすること~
との願いを込め、千社札を貼らせていただき
ました。
★今まで八雲琴を伝承されてきた方々に感謝
し、八雲琴は神前楽器である気持ちを持って
大切に扱います。
当時の私は祈ること、仏画を描くことで満足
していました。
★神仏を敬い、会員同士もお互いを尊重し、
礼儀正しくすることを基本とします。
しかしその願いを叶え成就するためには、自
らも何か行動していかないといけないと気付
きました。
★八雲琴の演奏方法においては、「うさぎの
とうしゃ ろ け い
みみ」主宰 藤舎蘆恵先生の演奏をお手本に
し、精進を続けます。
そんな折、出雲歴史博物館で八雲琴を目にし、
一目で心奪われ、音を聞いてみたいと強く思いま
した。
ある方の紹介で個人で弾かれている方に 1 曲指導
を受けたことに始まり、その後基礎からしっかり
学びたいと考えていたところ、平成 25 年 2 月から
福山の葛原文化保存会に通い京都から来られる
とうしゃ ろ け い
藤舎蘆恵先生というすばらしい師匠に教えていた
だけることになりました。
音色ももちろんですが、この八雲琴に残された神
様の歌や美しい和歌の世界、自らの生まれた国、
日本を深く知ることこそ、今の時代必要なのでは
と思います。
八雲琴を知ることにより奥底に眠る自身の魂や、
この国の守るべきもの誇りとするものに出会える
と信じています。
ただ八雲琴はあまり人に知られておらず、現代の
音楽とは違う音やリズムですのでいきなり聞いて
も理解しづらいかとも思いますので、私自身も勉
強しながら皆さんで学んでいきたいと考えていま
す。
なかがわ
中川
八雲琴は不思議な伝承も数々ございますが、
この会はその一部分に囚われることなく、八
雲琴が教えてくれる日本語の美しさ、調和の
心を勉強していきます。
八雲琴の音楽的な演奏技術の上達を第一義に
おいた活動ではありませんので、ご留意くだ
さい。
しらやまひめ
しんめ
「白山比咩の神馬」
平成 25 年 11 月撮影
7 年半経過した竹生島の千社札
さいしき びぜん
彩色備前 平成 23 年
中川 智光 作
ちこう
智光