20150208 : 雑誌「新潟WEEK!」

 実は村上と縁深い長尾さん。数年
芸能の根底にあるのは
こうした古来からの住文化
る時代。年々加速するその現象の一
今や7軒に1軒が空き家と言われ
140年を経て再開
晩翠堂、間もなくデビュー
でなく建具替えを行うなど、四季ご
く知恵が凝縮している。衣替えだけ
「隣人と助け合いながら暮らしてい
験できるような宿泊施設にしつらえ
と 」と、 こ の 場 所 で の 生 活 を 疑 似 体
らすことへの不安要素を取り除くこ
グに必要なのは
「見知らぬ土地で暮
会人は潜在的に多い。そのマッチン
方で、地方に移り住みたいという都
との住まい方が残っているのも貴重
り、 町 屋 の 住 文 化 に 興 味 を 持 っ た。
前からコンサートで訪れるようにな
ですよね」
。 思 い が 募 り、 町 屋 再 生
ることが、今描くビジョンである。
らとったもの。晩翠とは冬枯れを知
へ。奇しくもインフラや鉄道整備に
らず、常に翡翠のようなみずみずし
父が村上の地に開いていた学び舎か
い緑を讃える様を言う。明治時代に
「晩翠堂」の名は、長尾さんの高祖
という住空間を多様な形で体験でき
長尾さんが創っているのは、町屋
読み書きそろばんを教えていた学び
関わった曾祖父、長尾半平と同様に
る施設
「晩翠堂」だ。この場所に暮ら
の場は、140年の時を経て、伝統
街づくりの一端を担うこととなる。
ス プ レ ー し、 ゆ く ゆ く は
「使い方を
していた宮大工が残した工具をディ
験できる場として再生した。
デ ビ ュ ー は3 月 中 旬。
「町屋の人
的な住空間での
「生活」と
「芸能」を体
身のフラメンコギターを中心とし
形 さ ま 巡 り 」の 後 半 か ら、 訪 れ た 人
実演するワークショップも開きた
たさまざまな音楽イベントも随時
まり大上段に構えず、でも内は熱く
の 交 流 の 場 と し て 空 間 を 開 く。
「あ
い 」と 構 想 は 広 が る。 も ち ろ ん、 自
開催。そこには
「音楽や踊りなどは、
■日 時:2015年 3月6日㈮ 13:00 ~16:00(終了予定)
■会 場:村上商工会議所1F会議室
〒958-0841 新潟県村上市小町4−10
■お問い合わせ先:村上市中央商店街振興組合
理事長 プリズム電光社 近藤正敏 ☎0254-52-2552
事務局 村上商工会議所 中村 健 ☎0254-53-4257
※村上市中央商店街振興組合ホームページにて町屋空き店舗の物件
情報を公開しています。 URL http://958.jp/
しながら、この場所の持つ魅力を伝
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暮らしから派生したもの。芸能の根
村 上の町 屋づくりの空き店 舗でオー
ナーとして出店しませんか?
出 店 希 望 の 方を対 象に説 明 会と町
屋空き店舗の見学会を実施します。
えていきたいですね」
。
「村上の町屋」で お店をはじめてみませんか?
底には何があるのか、それも含めて
2
1
提示したい」
との思いがある。
1.典型的な村上の町屋造り。自らも汗を流して大改修に取り組んだ。年
内には体験型宿泊施設として展開する予定。
2.芸能講座「風土と芸能を考える」と題して、定期的にコンサートを開催。
第一回目は4月19日(日)、長尾景友さん自身によるステージだ。問い合
わせ ☎090-4741-4007
インタビュー ◉村 上の町 屋で営む、ということ。
長尾景友さん
町屋に住まい、文化に憩う
魅力ある体験型施設の創り手
村上の町屋を再生し、かつてそこにあった
「生活」と「芸能」を体験できる宿泊施設に。
フラメンコギター奏者、長尾景友さんの取り組みが面白い。 そこに込められた思いを聞いた。
Profile
19歳で中国を皮切りに世界各国
を巡る旅へ。スペインでフラメ
ンコギターを学び、10年滞在し
て音楽活動を行う。2005年帰
国。曾祖父は村上出身で明治時
代に政治家・土木官僚として活
躍した長尾半平。5代前には江戸
末期の詩人、長尾秋水がいる。