セグメント別事業概況 フェリー・内航事業 ラックによる長距離運送を陸上輸送からフェリーに切り替え るモーダルシフトの流れが一層加速する中、こうした輸送需要 を確実に取り込みました。旅客輸送でも、広告宣伝を強化して 認知度の向上を図りつつ、観光庁から表彰を受けた「 若者船旅 推進プロジェクト 」をはじめとする“船旅を楽しんでもらう” 商品を提案し、新たな需要の掘り起こしに努めました。 内航事業においては、鋼材等の主力貨物が底堅い荷動きを見 せる中、タイミングを的確に捉え 3 隻の新造船を投入し積み取 り量を増やしました。燃料油価格の下落という追い風に加え、 これらの営業努力や継続的なコスト削減が実を結んだと言え 八田 宏和 常務執行役員 ます。 初年度を振り返って) 2015 年度以降の見通し(「STEER FOR 2020」 2 年目に臨んでの課題および戦略) 旅客・乗用車・トラックを輸送するフェリー事業と、セメン 2015 年度は、引き続き見込まれる貨物輸送量の増加や燃料油 ト・重油・鋼材・石炭・塩などを輸送する内航事業で構成され 価格の低下により、経常利益は 60 億円と増益を見込みます。 る当事業の 2014 年度の経常利益は、前期比で倍増となる 44 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、 億円となりました。 インフラの更新整備のための資材が動くことも含め、国内の輸 フェリー事業においては、ドライバーの不足を背景に、ト 送需要は着実に伸びていくでしょう。また、高齢化や労務管理 2014 年度の業績について(「STEER FOR 2020」 の強化を背景にしたトラックドライバーの不足が深刻化する 中、コスト面、安全面、環境面で優位性が高いフェリーへの モーダルシフトの流れは後戻りすることはないでしょう。 この成長機会を確実に捉えるべく、フェリー事業では北関東 / 北海道航路において 2 隻の新造船投入を決めました(2017 年 竣工予定) 。顧客にとって利用しやすいスケジュールを組める ように運航速力を向上させつつも、燃費効率を改善した省エネ 船です。同時に、旅客用の部屋もグレードアップします。今後 ますます増加が見込まれる、宅配便やコンビニエンスストアな どの小口の集荷・配送にも対応できる有人トラック輸送の底堅 い需要を取り込み、旅客についても、鉄道会社やバス会社との タイアップ商品による需要喚起に努めていきます。 内航事業においては、外航船事業との連携によるシナジー効 果を追求していきます。2014 年度に、従来船型より一回り大 きなばら積み船 2 隻を投入しており、その狙いのひとつが商船 三井のグループ総合力、即ち外航船事業で築いた顧客との信頼 関係を活かして事業拡大を図ることです。将来的には長期契約 獲得も目指し、安定利益の拡大に貢献していきます。 フェリー「 さんふらわあ ごーるど 」 50 Mitsui O.S.K. Lines 15mol_0703入稿_再校戻2.indd 50 2015/07/16 10:20
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