(歯科)に改善 を求めた主な指摘事項

平成26年度に実施した個別指導に
おいて保険医療機関(歯科)に改善
を求めた主な指摘事項
東海北陸厚生局
目
次
Ⅰ 診療に係る事項
1 診療録等・・・・・・・・・・ 1
2 基本診療料等・・・・・・・・ 2
3 医学管理等・・・・・・・・・ 2
4 在宅医療・・・・・・・・・・ 4
5 検査・・・・・・・・・・・・ 6
6 画像診断・・・・・・・・・・ 6
7 投薬等・・・・・・・・・・・ 6
8 リハビリテーション・・・・・ 7
9 歯周治療・・・・・・・・・・ 7
10 処置等・・・・・・・・・・・ 8
11 手術・・・・・・・・・・・・ 9
12 麻酔・・・・・・・・・・・・・10
13 歯冠修復および欠損補綴・・・・10
Ⅱ 請求事務等に係る事項
1 診療報酬請求・・・・・・・・・11
2 一部負担金等・・・・・・・・・12
3 その他・・・・・・・・・・・・13
【凡例】
文中の記号については、それぞれ下記の内容を示している。
◎ 総論的な事項
○ 個別内容に関する事項
Ⅰ
診療に係る事項
1
診療録等
◎
診療録は患者の病状経過等を記録しておく重要なものであり、保険請求の根拠
となることを十分に認識し、保険診療に関する必要事項(症状、経過など)は、
遅滞なく正確に記載するとともに内容の充実に努めること。
◎
保険医は「保険医療機関及び保険医療養担当規則」等の諸規則を十分に理解し、
適正な保険診療に努めること。
診療録等
○
複数の歯科医師が同一患者を担当する場合は、責任の所在を明確にするため、
診療の都度、担当した歯科医師が診療録に署名又は記名押印を行うこと。
○
やむを得ず口述筆記する場合には、必ず歯科医師が自ら記載内容を確認の上、
署名又は記名押印を行うこと。
○
パソコン等、OA機器により作成された診療録において、診療を行った保険医
は、診療の都度、必ず記載内容を確認し、署名又は記名押印すること。
○
診療録の記載について、次の不適切な事例が認められたので改めること。
・診療行為の手順と異なる記載
・行間を空けた記載、1行の欄への複数行の記載、欄外への記載
・独自の略称の使用
・修正液・修正テープの使用、塗りつぶし、上書きによる修正
○
傷病名は、症状所見、検査結果等から判断し,適切な診断名を付与すること。
○
慢性歯周疾患を傷病名欄に記載する際は、歯周疾患の進行の度合を省略するこ
となく、部位ごとに記載すること。
○
診療録第1面の記載事項については適切に記載すること。
・主訴 ・部位 ・傷病名
・歯式 ・口腔内(外)の所見
・開始 ・終了 ・転帰 ・患者住所
○
診療録第2面の記載内容については適切に記載し、記載の充実に努めること。
・症状 ・現症 ・現症歴
・既往歴 ・症状経過 ・部位
・所見(外傷の症例においては受傷原因等を含む)
・診療月日
・患者の全身状態
・他の診療科への受診状況 ・服薬状況 ・診察結果 ・医学管理等の内容
・処置内容
・指導内容 ・検査結果 ・治療方針 ・処置内容
・手術内容
・手術所見 ・経過 ・印象材料 ・補綴物等の使用金属名
・補綴物の形態 ・使用薬剤名 ・使用セメント名 ・使用保険医療材料名
・点数 ・一部負担金
-1-
○
電子カルテにて運用する場合は、診療報酬請求書等の記載要領等について(平
成26年3月26日付保医発0326第3号)の別紙2「診療録等の記載上の注意事項」
を遵守するよう改めること。
歯科技工指示書等
◎
歯科技工物の製作について、管理者及び保険医は指示をした内容と納品伝票の
記載内容(製作された技工物)との照合を適正に行うこと。
○
歯科技工指示書について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯科技工指示書に記載を要する事項のうち、部位・設計・製作方法・発行した
歯科医師の氏名・当該歯科医師の勤務する診療所の所在地・使用材料・歯科技
工所の名称・発行年月日の記載がない。
・鉛筆による記載(黒又は青のボールペン等で記載すること。)
・歯科技工指示書の写しの保存期限を1年としていた。
2
基本診療料等
○
健康診断からの移行の結果に基づくものであることが明らかであるにもかか
わらず、歯科初診料、歯科外来診療環境体制加算を算定している例が認められた
ので改めること。
○
歯科診療特別対応加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯科診療が困難であった状況を診療録に記載していない。
・著しく歯科診療が困難な状態でない者に対して、歯科診療特別対応加算に伴う
処置、手術、歯冠修復及び欠損補綴等の100分の50加算を算定している。
○
入院について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・入院診療計画について、入院診療計画書の記載内容が画一的。
・入院診療計画書の主治医氏名欄について、署名又は記名押印がない。
・算定要件を満たさない、又は必要性が認められない1日入院。
3
医学管理等
◎
医学管理料について、保険請求の根拠となるべき具体的記述や、必要事項(管
理内容等)の記載が充実していない例が認められたので改めること。また、患者
への文書提供が算定要件となっているものについては、患者への文書提供を行う
とともに診療録にその写しを添付すること。
-2-
歯科疾患管理料
○
歯科疾患管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・1回目の管理計画書を、初診日の属する月から起算して2月以内に交付してい
ない。
・管理計画書の写しを診療録に添付していない。
・管理計画書に、提供年月日・患者又はその家族が記入する歯科疾患と関連性の
ある生活習慣の状況・生活習慣の改善目標・患者の基本状況・口腔内の状態・
歯及び歯肉の状態・必要に応じて実施した検査結果等の要点・充填に係る記
載・歯科疾患と全身の健康との関係・治療方針の概要・保険医療機関名及び住
所・当該管理の担当歯科医師名等の記載がない。
・管理計画書を患者に提供しない月において、管理計画に基づく疾患管理の要点
を診療録に記載していない。
・2回目以降の継続管理計画書を作成していない。
・2回目以降の継続的な管理において、指導内容の診療録への記載が画一的。
○
2回目以降の継続管理計画書について、適切な時期に提供していない次の例が
認められたので改めること。
・管理計画の内容に変更があったとき。
・検査により疾患の症状が一時的に安定したと判断されるとき。
・一連の補綴治療が終了したとき、また、その他療養上必要なとき。
・当該管理計画に変更がなく、前回の管理計画書の提供日から起算して4月を超
える日までに1回以上。
・歯周病安定期治療実施時(歯周病安定期治療を実施する間隔が4月を超える場
合)。
歯科衛生実地指導料
○
歯科衛生実地指導料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・患者に対する指導内容に係る情報を文書にて提供していない。
・実施時刻の開始及び終了時刻について、診療録に記載がない又は画一的。
・指導内容について、歯及び歯肉等口腔状況の説明・プラークチャートを用いた
プラークの付着状況の指摘及び患者自身によるブラッシングを観察した上で
のプラーク除去方法の指導・家庭において特に注意すべき療養指導を行ってい
ない。
・歯科衛生士業務記録等に患者に提供した文書の写しの添付がない。
・歯科衛生士業務記録等が作成されていない。
・歯科衛生士に対して行った指示内容等の要点を診療録に記載していない。
-3-
歯科特定疾患療養管理料
○
症状及び管理内容の要点を診療録に記載していない例が認められたので改め
ること。
歯科治療総合医療管理料
○
歯科治療総合医療管理料について、次の不適切な例が認められたので改めるこ
と。
・別の保険医療機関(医科)の主病の担当医から歯科治療における総合的医療管
理が必要であるとして文書による情報提供を受けていない。
・主病の担当医からの情報提供に関する内容、担当医の所属保険医療機関名、管
理内容及び患者の全身状態の要点を診療録に記載していない。
診療情報提供料
○
診療情報提供料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・交付する文書に必要事項の記載がない。また、診療録に交付した文書の写しの
添付がない。
・治療状況の報告を行ったものに対して算定している。
薬剤情報提供料
○
患者に対して、処方した薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相
互作用に関する情報を文書により提供していない例が認められたので改めるこ
と。
義歯管理料(新製有床義歯管理料)
○
患者に提供する文書について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・患者に文書を提供していない。
・全ての患者に対して画一的な内容で提供している。
・欠損の状態に係る記載が正確でない。
・部位・欠損の状態・指導内容及び保存・清掃方法・保険医療機関名称・担当歯
科医師氏名の記載がない。
4
在宅医療
◎
歯科訪問診療を行うに当たっては、「歯科訪問診療における基本的考え方」
(平成16年日本歯科医学会)を参考に適切に行うこと。
-4-
歯科訪問診療料
○
歯科訪問診療料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯科訪問診療の診療時間が20分未満にもかかわらず、歯科訪問診療2を算定し
ている。
・歯科訪問診療の対象者に該当する理由(通院による歯科診療が困難な理由)を
診療録に記載していない。
・歯科訪問診療を行った場合について、開始及び終了時刻・訪問先名・患者の状
態等(急変後の対応の要点を含む)を診療録に記載していない。
在宅患者等急性歯科疾患対応加算
○
常時訪問先に携行している切削器具及びその周辺装置名を診療録に記載して
いない例が認められたので改めること。
歯科診療特別対応加算
○
算定した日の患者の状態を診療録に記載していない例が認められたので改め
ること。
歯科訪問診療補助加算
○
診療の補助を行った歯科衛生士の氏名を診療録に記載していない例が認めら
れたので改めること。
訪問歯科衛生指導料
○
訪問歯科衛生指導料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・提供文書に、指導内容・指導の開始及び終了時刻・療養上必要な事項に関する
情報・担当者氏名の記載がない。
・歯科衛生士等に指示した内容・指導の開始及び終了時刻・訪問先名・歯科訪問
診療の際の患者の状態の要点を診療録に記載していない。
歯科疾患在宅療養管理料
○
歯科疾患在宅療養管理料について、次の不適切な例が認められたので改めるこ
と。
・管理計画書に、提供年月日・全身の状態(基礎疾患の有無、服薬状況等)・口
腔内の状態(口腔衛生の状況・口腔乾燥の有無・う蝕及び歯周疾患の有無・有
床義歯の使用状況・臼歯部の咬合状態等)
・管理方法の概要・保険医療機関名・
当該管理の担当歯科医師名等の記載がない。
・管理計画書の写しを診療録に添付していない。
-5-
5
検査
電気的根管長測定検査(EMR)
○
検査結果を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
細菌簡易培養検査
○
細菌簡易培養検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・感染根管処置後の根管貼薬処置期間中以外に行っている。
・検査結果を診療録に記載していない。
平行測定
○
平行測定について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・支台歯とポンティックの数の合計が6歯以上の場合に、模型を製作しサベイ
ヤー等で支台歯間の平行関係を測定していない。
・検査結果を診療録に記載していない。
6
画像診断
◎
エックス線写真は適切に整理保管すること。
○
画像診断について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯科エックス線撮影、歯科パノラマ断層撮影について、診断に係る所見を診療
録に記載していない。
・歯科エックス線撮影について、治療に必要な部位が撮影されていない。
7
投薬等
◎
投薬に当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、適応、用法、用量等の
医薬品医療機器等法上の承認事項を厳守して使用すること。また、治療効果判定
を行い、漫然と投与することのないよう留意すること。
◎
処置内容、症状、経過からみて、必要性が判然としない(傾向的、画一的、過
剰)投与は行わないこと。また、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認し投薬す
ること。
○
投薬について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・薬剤名・規格・単位・一日投与量・投与日数・薬剤の使用量を診療録に記載し
ていない。
・不適切な投薬(適用外のボルタレンサポ)
・適応外投薬(胃潰瘍、十二指腸潰瘍を適応症とする薬剤の投与)
-6-
8
リハビリテーション
○
歯科口腔リハビリテーション料1について、次の不適切な例が認められたので
改めること。
・調整方法、調整部位及び指導内容の要点を診療録に記載していない。
9
歯周治療
診断等
◎ 「歯周病の診断と治療に関する指針」(平成19年11月日本歯科医学会)を参照
し、歯科医学的に妥当適切な歯周治療を行うこと。
○
診断等について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯周病検査の検査結果に基づき、歯周疾患の診断を的確に行っていない。
・病的安定、治癒の判断、治療計画の修正等を的確に行っていない。
・歯周治療と並行した、歯科医学的に不適切なブリッジ、有床義歯、局部義歯、
歯冠修復に係る補綴治療。
・歯周基本治療の後に確認の歯周組織検査を行わずに着手した、歯冠修復、ブリ
ッジ、有床義歯、欠損補綴。
歯周病検査
○
歯周病検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯周基本検査について、歯周ポケット測定及び動揺度の検査結果を診療録に記
載していない。
・歯周精密検査について、算定要件(ポケット測定【4点以上】・プロービング
時の出血の有無・動揺度・プラークの付着状況)を満たしていない。
・歯周基本検査・歯周精密検査について、検査結果を診療録に記載していない又
は検査結果がわかる記録を添付していない。
・1口腔単位で行われていない歯周基本検査。
・1か月以内の再度の歯周病検査について、所定点数の 100 分の 50 で算定すべ
きところを所定点数で算定している。
歯周治療
○
歯周治療について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・検査結果、臨床所見等から判断して必要性が認められないスケーリング・ルー
トプレーニング。
・スケーリングから次の歯周基本治療までの間隔が短く、歯科医学的に妥当・適
切と言えない。
-7-
歯周基本治療処置
○
10
使用した薬剤名を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
処置等
う蝕処置
○
算定部位ごとに使用した保険医療材料名及び処置内容を診療録に記載してい
ない例が認められたので改めること。
咬合調整
○
歯冠形態修正により咬合調整を算定しているにもかかわらず、歯冠形態の修正
理由及び修正箇所等を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
根管充填
○
実際の根管数に基づかずに、根管充填を含む一連の根管治療を算定している例
が認められたので改めること。
加圧根充填処置
○
加圧根管充填処置について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・実際の根管数に基づかず算定している。
・気密な根管充填を行っていない。
・加圧根管充填後に気密な状態であることを確認するための歯科エックス線撮影
を行っていない。
暫間固定
○
暫間固定について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・暫間固定に係る材料料、装着料について、必要な事項を診療録に記載していな
い。
・エナメルボンドシステム・線結紮法・接着レジンによるワイヤー固定による暫
間固定を行っているにもかかわらず、装着料・装着材料料を算定している。
床副子調整
○
調整を行った場合について、調整部位及び調整方法を診療録に記載していない
例が認められたので改めること。
-8-
歯冠修復物又は補綴物の除去
○
歯冠修復物又は補綴物の除去(根管内ポストを有する鋳造体の除去)について、
算定要件(歯根の長さの3分の1以上のポスト)を満たしていない例が認められ
たので改めること。
有床義歯床下粘膜調整処置
○
有床義歯床下粘膜調整処置について、次の不適切な例が認められたので改める
こと。
・有床義歯床下粘膜調整を行った後、床裏装又は義歯の新製が行われていない。
・義歯製作後、短期間で有床義歯床下粘膜調整処置を算定している。
機械的歯面清掃処置
○
歯科衛生士が実施した機械的歯面清掃処置について、歯科衛生士の氏名を診療
録に記載していない例が認められたので改めること。
11
手術
○
手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・手術を行った際、手術部位・術式・所見・手術内容・症状経過等の要点を診療
録に記載していない。
・著しく歯科診療が困難な者に該当しないにもかかわらず、著しく歯科診療が困
難な者の 100 分の 50 加算を算定している。
・著しく歯科診療が困難な者の 100 分の 50 加算を算定した際、患者の状態を診
療録に記載していない。
・歯科点数表第2章第9部手術通則第4号に掲げる手術の施設基準の届出がされ
ているにもかかわらず、当該保険医療機関において行われる抜歯等の手術につ
いて、患者又はその家族等に対し説明文書の交付を行っていない。
抜歯手術
○
抜歯手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・抜歯手術において、歯根肥大、骨の癒着歯、歯根彎曲等に対して骨の開さく又
は歯根分離手術等を行っていないものを難抜歯として算定している。
・難抜歯の算定に当たり、歯根肥大又は骨の癒着歯等に対する骨の開さく又は歯
根分離術を行った旨を診療録に記載していない。
-9-
歯根嚢胞摘出手術
○
歯根嚢胞摘出手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯根嚢胞の大きさが歯冠大を満たしていないにもかかわらず算定している。
・同一手術野に対して複数の手術(歯根嚢胞摘出手術と抜歯)をそれぞれ算定し
ている。
口腔内消炎手術
○
口腔内消炎手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・口腔内消炎手術(歯肉膿瘍等)について、手術部位、症状及び手術内容の要点
を診療録に記載していない。
・慢性歯周炎の急性発作に対する消炎手術を、口腔内消炎手術(骨膜下膿瘍等)
で算定している。
12
麻酔
○
麻酔について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・歯科治療恐怖症の患者や、歯科治療時に配慮すべき医学的全身疾患を有する患
者に該当しないものに対して行われた静脈内鎮静法。
・静脈内鎮静法を行った際、画一的に1日入院させている。
13
歯冠修復および欠損補綴
補綴時診断料
◎
補綴時診断料について、製作を予定する部位、欠損部の状態、欠損補綴物の名
称及び設計等の要点を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
◎
補綴物の診断設計に基づき、患者に装着する予定の補綴物について、概要図、
写真等を用いて患者に情報提供の充実を図ること。
クラウン・ブリッジ維持管理料
○
クラウン・ブリッジ維持管理料について、次の不適切な例が認められたので改
めること。
・提供文書の写しを診療録に添付していない。
・クラウン・ブリッジ維持管理に係る文書に必要事項の記載がない。
(保険医療
機関名・開設者名・装着日・クラウン・ブリッジ維持管理の趣旨・補綴部位)
・維持管理の内容を文書により患者に提供していない。
- 10 -
印象採得
○
支台、ブリッジを同一模型上で製作した場合における印象採得について、支台
築造印象を算定している例が認められたので改めること。
欠損補綴
○ 「ブリッジの考え方 2007」を参考に、保険診療における算定要件等を再考し、
妥当適切に行うこと。また、患者個々に則した治療の経過を診療録に記載するこ
と。
有床義歯
○ 有床義歯について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・特殊印象について、印象材料名を診療録に記載していない。
・有床義歯の調整部位を診療録に記載していない。
有床義歯修理
○
有床義歯修理について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・有床義歯の床修理について、破折部位、修理内容等を診療録に記載していない。
・歯科技工加算について、預かり日、修理を担当する歯科技工士の氏名及び修理
の内容を診療録に記載していない。
・直接法による床裏装と同時に有床義歯修理を行ったにもかかわらず、有床義歯
修理を算定している。
Ⅱ
請求事務等に係る事項
1
診療報酬請求
◎
保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録に関し
てその完結の日から3年間保存しなければならないことに留意し、関係諸帳簿等
の保存にあっては、適切に行うと共に保険医療機関及び保険医療養担当規則等を
遵守し、適切な書類保存となるよう努めること。
◎
診療報酬請求書は、提出前に必ず歯科医師自ら診療録と突合し確認のうえ提出
すること。
○
診療録と診療報酬明細書の間で、診療内容・診療部位・傷病名・診療開始年月
日・所定点数・合計点数・歯科訪問診療に係る訪問先名について不一致が認めら
れたので、照合・確認を十分に行った上で適正な保険請求を行うこと。
○
独自の略称による記載の例が認められたので改めること。(例 FD又はPD
- 11 -
をDと記載。)
届出事項
○
保険医療機関の届出事項に変更があった場合は、速やかに東海北陸厚生局長に
届け出ること。(診療科目・診療時間・診療日・休診日・保険医療機関の所在地
名の変更・保険医の異動)
○
届け出た施設基準について、届出の内容に変更があった場合は、速やかに東海
北陸厚生局長に変更届を提出すること。また、届出の要件を満たさない等により
届け出を辞退する場合は、速やかに東海北陸厚生局長に辞退届を提出すること。
○
保険外併用療養費に関する費用を定めた場合、又は変更した場合は、速やかに
東海北陸厚生局長に報告すること。(金属床による総義歯の提供、う蝕に罹患し
ている患者の指導管理)
○
酸素を使用した診療に係る請求をする場合は、酸素の購入価格に関する届出書
を東海北陸厚生局長に提出すること。
院内掲示
○
掲示について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・明細書発行(明細書の発行を希望しない患者への配慮の明記を含む。
)に関す
る状況の掲示がない。
○
厚生労働大臣が定める掲示事項について、適切に行うこと。
・施設基準の届出事項(CAD/CAM冠・クラウン・ブリッジ維持管理料・歯
科口腔リハビリテーション料2)
・明細書発行体制等加算に係る算定した診療報酬の区分・項目の名称及びその点
数又は金額を記載した詳細な明細書を患者に無償で交付している旨
・保険外併用療養費に関する事項(フッ化物局所応用及び小窩裂溝填塞に係る費
用・金属床による総義歯の提供に関する事項)
2
一部負担金等
一部負担金
○
一部負担金について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・計算誤り又は未徴収。
・診療録と日計表間の不一致。
- 12 -
3
その他
領収証の発行
○
領収証の発行について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・領収証の交付を行っていない。
・個別の費用ごとに区分した領収証を発行していない。
- 13 -