「探究のプロセス」が発展的に繰り 返される学習活動を デザインするために 1. アイスブレイク まずは,気持ちを ほぐしましょう! ‘’ 「餃子じゃんけん」 □ グループごとにじゃんけんをしま す □ 目標は,グループで力を合わせ て餃子を作ること! リアクション 1 肉だけ! ニラだけ! 皮だけ! リアクション 2 肉がない! ニラがない! 皮がない! リアクション 3 いただきます! 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より それでは,始めます! 3分間でいくつ餃子ができるかが勝負です! チームで力を合わせて餃子を作りましょう! 2. ワークショプ解説 これから行う活動 の考え方を解説 「探究的な学びのサイクル」の 構造を知る 「探究的な学びのサイクル」 ココ! ①課題の設定 Advice 「課題の設定」では,生徒が自ら課題意識を持って学習対象と出会える よう,教師の工夫が求められます。各生徒の発達や興味・関心を受け止 め,人,社会,自然に直接かかわる体験活動を設定します。 Point 生徒が自ら課題を設定する計画になっている。 生徒が課題を実感できる体験的な活動が設定されている。 生徒が課題設定について検討する時間が十分にある。 生徒同士が協同的に気づきや課題を出し合う活動がある。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より ココ! ②情報の収集 Advice 「情報の収集」では,課題解決のための情報収集活動を生徒が自覚的 に行うことが大切です。体験を通しての情報収集や,数値化された客観 的な情報収集など,さまざまな情報源から確かな情報を収集し,情報を その後の探究活動にも生かせるように蓄積します。 Point 実際の現場に出て情報収集する体験的な活動がある。 課題に応じた適切な情報収集ができる方法や場面を考えている。 情報収集の目的が明確で,生徒が目的を意識できる活動になって いる。 体験的な活動で得た情報を,適切な方法で記録する工夫がある。 収集した情報を生徒同士で共有する活動がある。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より ココ! ③整理・分析 Advice 「整理・分析」では,収集した情報を使って思考する活動を行います。ど のような方法で情報の整理・分析をするのかを決定し,整理・分析する 中で,比較検討,分類,序列化,関連付け等の思考方法を学びます。 Point どのような情報が,どの程度収集されているかを検討する機会があ る。 収集した情報を,生徒同士やクラス内で共有する工夫がある。 情報を整理し,分析する方法について生徒同士で検討する場面が ある。 収集した情報をまとめる,比較するなど,分析する活動がある。 各教科・科目の知識・技能と「総学」を関連付けて考える場面がある。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より ココ! ④まとめ・表現 Advice 「まとめ・表現」では,整理・分析した情報を,自分自身の考えとしてまと め,他者に伝える学習活動を行い探究を深めます。伝達方法を身に付 け,情報を伝わりやすく再編成することで新たな課題や目的意識が明 確になり,学習の質が高まります。 Point 生徒が,自らの体験を通して見出した考えをまとめる工夫がある。 伝える相手を想定して,表現する内容や方法まで考える工夫がある。 伝えたい内容や思いを持った発表や報告にするための工夫がある。 伝える活動を通して,生徒が自身の新たな課題を見つけるための工 夫がある。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より ココ! 発展的に繰り返すために Advice 「総合的な学習の時間」を探究的な学習として深めるためには,「課題 の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」が繰り返され,スパ イラルに高まっていくことが重要です。学習の過程が前後する場合もあ りますが,学習活動の一連のつながりが大切です。 Point グループ内,クラス内など,すべての生徒に発表する機会を繰り返し 設定している。 一連の学習プログラム内に,成果の報告が求められる発表会を複 数回設定している。 生徒の学習意欲を維持するために,体験活動を意図的に複数回計 画している。 生徒に学習の見通しを持たせるために,先輩の学習成果を見る機 会を設定している。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より ココ! 協同的な学習 Advice 「総合的な学習」では,他者と協同して課題を解決する「協同的な学習」 をどのプロセスでも重視し,社会に参画・貢献する資質や能力及び態度 を育成します。生徒間の協同,地域社会への参画や貢献など,生徒の 探究活動に適した協同的な活動の設定が大切です。 Point 生徒が多様な考えを持つ他者と関わる機会を設定している。 生徒が他者と話し合い,新しい価値を創造するような機会を設定し ている。 学習活動が社会参加や社会参画につながり,生徒の学習意欲が高 まるよう工夫している。 探究的な学習の各プロセスにおいて,いつでも協同的な学習を行っ ている。 「「総合的な学習の時間」を進化させるフレームワーク」『Career Guidance』Vol.408より 3. ワーク1 グループで分析し てみよう! 単元計画の構造を分析し、 課題設定の場面を探す ワーク1のミッション (10分) ミッション1 ミッション2 グループで意見を出し合いながら、 ワーク資料の「探究的な学びのサ イクル」の枠に、「課題の設定」、 「情報の収集」、「整理・分析」、 「まとめ・表現」を書き入れる。 ワーク資料の「5.指導計画」の中 で、単元全体の活動における生 徒の課題設定の場面は、どの小 単元の、どの学習活動かを、グル ープで意見を出し合いながら検討 する。 参考 先ほどの解説 『キャリアガイダンス』Vol.408、 p28-29 記入例 グループで考えを共有しながら,ワーク資料に書き込みましょう 課題設定 ???? 4. 共有 他の班の考えから 気づきを得る 新たな視点に気づき 分析力を磨く 5. ワーク2 カリキュラムを アレンジしてみる 単元計画を カスタマイズする ワーク2のミッション (5分) ミッション3 第3小単元の内容を,自校用に 改善するなら,どのような活動を 計画するかを検討する。 なぜ,そう考えたかも合わせて検 討する。 参考 『今,求められる力を高める総 合的な学習の時間の展開』 (高等学校編),p19 「まとめ・表現」の事例 生徒の実態や他の学習との関連を考慮して検討してみましょう 『今,求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』(高等学校編) より 6. まとめ このような学習の 意味を考える 「探究的な学び」で 育てたい生徒をイメージする 今日のワークの意味は? 「探究的な学び」を導入したいと考えていた先生から,次の ようなことに悩んでいると聞くことが多い。 「探究」とは何を意味しているのか モデルとなるカリキュラムはどこにあるか これからの学校では,カリキュラムをデザインする力が必要 となる。 カリキュラムを分析するワークを実施した。 これはカリキュラムをデザインする基本の力! 活動の派手さに目を取られがちだが… 探究的な学びのプロセスが設計されていないもの 探究的な学びのプロセスが繰り返されていないもの 体験活動が適切に設定されていないもの 協同的な課題解決とは言えないもの 課題設定を生徒自身が行わないもの 講演会が目白押しなもの などなど 教育課程企画特別部会 論点整理より ココ! 資質・能力の要素 ii)「知っていること・できることをどう使うか (思考力・判断力・表現力等)」 次のために必要な思考力・判断力・表現力等 (問題発見・解決) 問題を発見し、その問題を定義し解決の方向性を決定し、解決方 法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行し、プロセスを振り 返って次の問題発見・解決につなげていくこと (協働的問題解決) 情報を他者と共有しながら、対話や議論を通じて互いの多様な考 え方の共通点や相違点を理解し、相手の考えに共感したり多様な考 えを統合したりして、協力しながら問題を解決していくこと 問題発見のプロセスで 重要なもの ココ! 問題発見・解決に必要な情報を収集・蓄積するとともに、既存の知識 に加え、必要となる新たな知識・技能を獲得し、知識・技能を適切に 組み合わせて、それらを活用しながら問題を解決していくために必 要となる思考。 必要な情報を選択し、解決の方向性や方法を比較・選択し、結論を 決定していくために必要な判断や意思決定。 伝える相手や状況に応じた表現。 ココ! 指導方法の不断の見直し i) 習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・ 解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているか どうか。 新しい知識や技能を習得したり、それを実際に活用して、問題解決 に向けた探究活動を行ったりする中で、資質・能力の三つの柱に示 す力が総合的に活用・発揮される場面が設定されることが重要であ る。 教員はこのプロセスの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・ 表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが 求められる。 探究的な学びをデザインするために 「探究的な学び」では,そこで必要となる思考力・ 判断力・表現力等や個別の知識・技能の育成に 加えて,意思決定のプロセスを経験させることが 必要 「探究的な学び」のプロセスでは,現実的な文脈 を与える体験活動を通すことで,当事者意識や 社会貢献意識を高めることが必要 探究的な学びをデザインするとは 探究的な学びのプロセスをデザインするには, 教師のしかけが必要である。 厳選素材 実社会での体験等 料理人のわざ 絶品の料理 教師のしかけ 探究的な学び 教師のしかけ→実社会での体験等 実社会での体験等に対して • 専門家等の思考・行動から価値ある思考・行動を読み取り,学習の デザインに生かす • 専門家等の活動を分析することで,活動のプロセスをモデル化し, 学習として仕立てる 厳選素材 ・・・・・・・・ 実社会での体験等 言語化 具体的な教師のしかけとは 教師のしかけ→生徒 生徒に対して • • • • 生徒の発言や変容を見取り,生徒に返していく 生徒の思考を読み取り,学習計画を修正する 教えようとせず,気づかせるアプローチに徹する 意思決定のプロセスを繰り返し経験させる(実践・省察) 振り返り ・・・・・・・ 探究的な学び 言語化 生徒に自己有用感を実感させる 生徒の自己肯定感を高める 教育課程企画特別部会 論点整理より 当事者意識を持って 社会に貢献する若者へ Thanks! 質問は,情報交換会で! 眺野大輔 [email protected]
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