H27.1回目 議事録.

第1回玉野市男女共同参画推進審議会会議録
日
時:平成27年10月2日(金)13:30~15:00
場
所:玉野市役所 大会議室
出席者:委員16名,事務局6名
1. 開
会
2. あいさつ(市長)
3. 議
事(会長)
(1) 男女共同参画行政の概要~平成26年度実績
(2) 男女共同参画行政の概要~平成27年度計画
(事務局より資料に基づき説明)
A委員:デート DV とはどのようなものか。
会
長:DV というのは事実上の夫婦も含めて配偶者間での暴力を指すもの,デート DV というのは婚姻関
係に至らない男女間,交際している男女の間での暴力である。交際している間からの,特に男
性から女性に対する暴力が婚姻後の DV にも繋がる。若い世代に DV について気持ちを伺うとい
うことで将来の婚姻後の DV も防止していこう,教育していこうということでデート DV の教育
の必要性がある。なかなか教育現場でも十分にできていない状況であるが,玉野市は毎年高校を
含めてデート DV 教育を行っているということは非常に素晴らしいことだと思う。なかなかここ
まで実施や場を設けて高校生に話を聞く機会を設けることができていないので素晴らしいと思
う。
A委員:高校でデート DV 講座を実施しているということだが,実際に講座を受けた生徒の感想はどうな
のか。
事務局:講座を受けた生徒のアンケートには,
「講座を受けてちょっと気をつけようと思った」等の感想
があり,デート DV の予防効果はあると考えている。
B委員:データバンクが10,000社を対象にした調査結果によると,企業の管理職に占める女性の
割合の平均は,6.2%である。安倍政権の成長戦略で「2020年までに指導的地位に占め
る女性の割合を30%にする」との目標を挙げているが,実現には程遠いようである。企業の
登用が進まない理由は,
「仕事と家庭の両立の難しさ」を揚げる企業が多く,
「働きながら出産・
子育てができる環境の整備」作りが急務であり重要である。現実には,女性の活用をめぐり,
目標を示す企業の具体策は,手探りの状態であり,具体策に踏み出す企業は一部である。女性
社員に対して,上司や人事が言葉だけでなく,実効性のある行動を示す必要があり,硬直した
人事管理の枠組みを変える必要があると考えるがどうか。
事務局:玉野市においては,男女共同参画の担当部門にて,来年度,新たに「女性の活躍等」を盛り込
んだ推進計画を策定し,人事担当部門においては,年度末までに,女性の管理職比率等を分析
1
した結果を踏まえ,市の実情に応じた数値目標を掲げた「事業主行動計画」を策定することが
義務づけられており,現在その作業について,取り組んでいるところである。
B委員:数値目標といわれていたが,企業では,どのような取り組みを行っているのか,参考までに聞
かせてほしい。
C委員:中小企業では,女性の登用というのはやはり難しいと聞いている。数値的なデータは持ち合わ
せていないが,前回お話した内容に加え,新たな取り組みとしては,女性が企業や社会で活躍
する中で,女性には非常に大きなことがいくつもある,例えば,結婚・出産など・・・その上
で,引き続き活躍してもらうために,例えば,他社の成功事例として,実際に企業の経営者と
して活躍されている女性を講師として来ていただいて女性社員にむけて講演会を行っている。
そして,今年から始めた事としては,女性社員を抱えている管理職に対して,女性が活躍でき
るような環境を作るためにはどうしていくか,という研修を受けてもらい,徐々に環境を整備
していくという取り組みを行っている。企画しているのは,本社の人事部門で,結婚して,子
育てに真っ最中という女性職員が中心となって考えており,少しずつ実施されているところで
ある。これから本格的に進めていこうと考えている。
A委員:女性活躍推進法が制定されたようだが,公務員は女性の雇用割合は高いが,企業では女性が色
んな理由でなかなか参加できていないようである。この法律が制定されると,企業もある程度,
数値目標の策定が義務付けられると思うが,企業としてこれから取り組む動きはあるのか。
C委員:既に行動計画というものを作っているので,それを修正して法律の義務付けに合うように作成
するということになるかと思う。ただ,数値目標として,単なる人の頭数だけを義務付けの範
疇に入ってしまって,今までの行動計画が達成できていない部分については,少し大変だと思
うが,やはり,経営者の立場からすると,法的なものができたら,一つの計画を作り,すぐに
は難しいかもしれないが取り組まざるを得ない認識はあるようである。
A委員:前回の審議会の時に,漁業・農業分野の女性の登用をぜひ頑張って欲しい,というようなこと
を話ししたかと思うが,漁業については,かなり男性が有利と思うが,どの分野も女性がいな
いと絶対に進まないし,女性が活躍する場を組織として進めていって欲しいと思う。それにつ
いて何か動きはしているのか。
事務局:今,市としては,審議会における年度別女性比推移が,平成27年度で比率が30.7%とな
っており,28年度には,35%目標となっているので,これに近づけるよう女性比率を高める
対応を行っているところである。
会
長:市の男性職員の育児休暇取得率の低さについてだが,26年度も1人取得されたということ
だが,非常に低い状況にあり,何か具体的に取得しやすい環境を整えたり,上司から取得を促
すような働きかけがあるのか。男性が取得しない理由,いろいろあると思うがそのあたりを調
査してより取得しやすい環境づくりが必要だと思うが,その辺はどう考えているのか。
事務局:市の男性職員の育児休暇取得率が低いということであるが,玉野市では,職員の「子育て支援
プラン」を作成しており,男性の育児休暇の取得促進も掲げ,今後も進めていく。
例えば,ある部署については,昨年度,子供が生まれた男性職員が2名おり,長期の休暇では
ないが,有給休暇を数日取得したりしている。取得のためには,周囲の理解も必要であるので
職場において,取得しやすい環境づくりに今後も努めていきたい。
2
D委員:各種審議会等への女性登用状況のうち,玉野市農政審議会女性人数が0人となっているが,意
図があって0人なのか。
事務局:今後,担当課とも協議し,女性委員を推薦していただけるよう話をしていければと思っている。
D委員:女性が入れば良いとは思わないが,女性の方からも意見があると思うので前向きにお願いした
い。
市
長:農政審議会等も,構成メンバーが充て職になっている。そのため,仕組みそのものを変えて女
性の方が出てこられるような構成メンバーに変えないと,現行のままではずっと男性のみにな
ると思う。そこを担当部署と話をしながら,提案はしてみたいと思う。
B委員:平成27年度の事業計画「たまの参画フェア2015」のキャッチコピ―「ともに歩み とも
に輝く 参画社会」について。市民の意識向上を図るために,市民から募集するなどしてみて
はどうか。
事務局:たまの参画フェアは,市と玉野市の女性団体連絡協議会との主催で,キャッチコピーは,女性
団体連絡協議会の企画会議において決めているが,検討してみたい。
E委員:先ほど話に出た育児休業の取得についてだが,より具体的に協議していかないと,きっと来年
も変わらないのではと思う。ぜひしっかり取り組んでいただきたい。あとは女性活躍推進法に
ついて,市のほうでもしっかり来年に向けて取り組んでいきたいということだが,やはり企業
の方でも,国から義務付けられたからやるのではなく,しっかり積極的に取り組んでいただき
たいと感じた。それから,話は変わるが,P25 以降の DV の相談件数の件で,25年度と26年
度と先ほどのお話では直接電話されたものは相談という流れということで本庁における相談の
件数が減っており,警察の方には相談件数が増えている。玉野署でも公表はしていないが増え
ているということだったが,例えば,他市のほうでは前年度より増えている。全体的には増え
ているのに玉野市においては26年度減っているのは,例えば意識的に直接警察に行かれ
る方が多かったのか,それとも玉野市では相談しにくい状況があったのか知りたい。
事務局:まずは,危険性が高い事案における件数について,26年度から件数が落ち着いているように
見えるが,これが行政的な支援を必要とされて市役所を経由した方だけのカウントである。ま
た,相談支援センターの件数についても,DV としては少し落ち着いているようではあるが,そ
の分,時代の変化に伴い,例えば発達障害が疑われる方の相談が増えてきた等の傾向もある。
警察では危険性の有無にかかわらず相談件数は増えているということであるが,玉野市として
も相談対応ができるように努めている。
A委員:初歩的な質問で申し訳ないが,毎年開かれているたまの参画フェアの目的は何か。
事務局:毎年,男女共同参画推進週間の記念行事として実施している。それから男女参画についての意
識向上,啓発を行うため,実施している。
A委員:この中にも参加されている方や主催者の方がいると思うが,男性が非常に少なく感じた。もっ
と男性客が増えるような内容にしてはどうか。
事務局:過去2年間の来場者アンケートから,男性の参加率は約2割である。男性来場者を増やすきっ
かけづくりとして,講演会の講師を,前年度は,落語で男女共同参画を語る笑福亭松枝さん,
今年度は声優の佐久間レイさんとした。会場も満員で,男性女性共にお客様から,とても好評
であった。今後,内容について協議していくが,講演については,男性にも興味をもっていた
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だけるような方を考えていきたい。
F委員:過去には,おやじの会の方にも参加していただいたことがある。ぜひ男性の方にも来ていただ
ければと思う。男性も女性も,という意味での「参画フェア」という名前であり,女性団体で
毎年マンネリ化しないように考えていくので,ぜひご意見をお願いしたい。
会
長:他の委員さんからも全体的な意見等をお願いしたい。
G委員:漁業分野として,昔から男性社会で,女性が入っていくことは難しい雰囲気だったかと思うが,
そのような中で,女性部も漁業の PR 等,精力的にがんばっている。
H委員:労働組合の方では,男女共同参画を推進するため,様々な会議や取り組みを行っている。労働
組合の役員もほとんど男性であるが,今後は女性も考えており,我々も企業のほうにお願いし
ていきながら,男女共同参画を推進していけたらと考えている。
A委員:DV 相談について警察の資料を見ていると,相談者は,女性の方が多いと思うが,男性の相談も
あるのか。
事務局:市においては,男性の相談はほとんどなく,女性が多い現状である。
I委員:男女共同参画について,政策とかいろいろな事でするのではなく,一番は男だから女だからと
いうのではなく,お互いがお互いを思いやるというところから始まるものだと思う。夫婦間で
あり児童間であり,こういう会議の場でもお互いがお互いを女性から女性,女性から男性,男
性から女性,男性から男性,すべての中で思いやりがいちばん大事という意識を持っている。
その上で,性差をきちんと認識して自分の性で出来ることとできないことそれを子供のころか
ら認識していくことも大事である。女性が活躍する社会と叫ばれているうちは,女性は活躍で
きないと思う。中小企業では,大きな企業のようなハード面でのきちんとしたマニュアルは難
しいが,小さな企業であるからこそ,お互いがお互いを思いやる環境を大切にしている。例え
ば,幼稚園や保育園,小学校に通っているお子さんを持つ方には,できるだけ早く帰ってもら
う,途中で保育園から呼びだしがあったときには出てもらうようにしている。会社全体が気持
ちよく送り出す環境であるように,子どもの運動会にも行くべきだと考えるが,遠慮している
のを見ると,声掛けをするように心がけている。また女性の方も女性だからというのではなく,
能力のある方はどんどん上にいっていただきたい。これは組織全体で取り組んでいる。あと,
先ほどご質問があった,
「たまの参画フェア」について,主催団体の一つだが,おっしゃる通り
目的がはっきりしていないと思う。例えば,講演会も先日の佐久間レイさんのような,素敵な
講師であれば,参画フェアといったくくりの中でするのではなく,もっと大きな場所で実施す
れば,男性の方も参加できるので,開催方法をこれから考えていかなければいけない。ご意見
もいただき,私も主催団体の一つとして思う。また,子育てについてであるが,玉野市は,対
応がとても手厚い,優しいと思う。玉野市ができること,企業ができること,個人ができるこ
とを踏まえて,もっと住みやすい玉野になればいいと考える。
J委員:常に思っていることであるが,人生を考えたとき,女性の株というのは非常に高い。女性を助
けるために,法律をきちんとまだまだ整備しないといけないと思っている。ただ,我々ができ
る事は,女性の活躍を支えていく雰囲気を作ることが,特に男性に多く必要なのではないかと
思う。そういうアピールや運動をしていかなければならないと考える。これからも皆さんと一
緒に考えていかなければならないと思う。
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K委員:例えば,高校野球だと,100年の歴史の中で,マネージャーがベンチに入れるようになった
のが今から約20年前である。女性の審判員は,まだ少ない現状の中,公式グラウンドでは,
男女セパレートのトイレが整っている。実際は,まだ少ないようで,先ずはその辺りから環境
を整えていかないといけないと思う。
L委員:玉野市で女性管理職は急速に増えている。次の仕事としては,管理職の後継者を育てることだ
と考えている。デート DV について,各学校でも取り組んでいるところであるが,家庭で両親の
DV があると,子供に影響が大きいので,きちんと教えていくためにも,繰り返しの講座が必要
と思う。また,18歳以上に選挙権が与えられるが,実は選挙法が改正されたのが70年ぶり,
女性に選挙権が持てるようになったのが今から70年前のことである。そう考えると,時代は
変わった,進んできていると感じている。
M委員:仕事をして36年目になるが,振り返ると,子育てをしながら働くというのは大変であった。
やはり両立が難しいということがある。テレビでは,内閣総理大臣が組閣の中で,女性の登用
と言われているが,そのために社会で何が必要かということをしっかり整えていかないといけ
ないと思う。育休中の職員で,復帰をしたいが,近くの保育園には入園できない,4月から復
帰できるだろうかという相談も受ける。もちろん,男女が共に社会で持てる力を発揮していく
べきだと思うが,やはり難しい現実がある,ということを目の当たりにすることが多い。
N委員:
「参画フェア」について,出席させていただいたが,女性団体だけで男性の参加がない。これは
男女共同から遠いと思う。せっかく「参画フェア」という名前があるので,女性だけで行う時
代ではないと思う。それから,DV の問題でも,DV という言葉が認識された当初は,男性から女
性に対する暴力という認識であったが,今は,女性から男性への被害もある。別の委員の方か
らも話があったが,やはり人権問題にシフトしていかなければと思っている。相手を思いやる
気持ちであるとか,男女問わずそれぞれの立場を想像しながら進めていくべきだと思う。男女
共同参画の考えを変えていってもらいたいというのが率直な意見である。
副会長:熱心な意見をいただき感謝している。この審議会も,以前は発言もなく,
「審議会とは,
」
「男女
共同参画とは,
」という雰囲気であったが,今は皆さんが意見を言ってくださり活性化してきて
いると感じる。子育て支援,男性の育児休暇を取得しやすくする環境づくり等,企業の方もし
っかりと考えてくださりつつあるという内容であったので,今後,徐々に男女共同参画も進ん
でいくと思う。また,
「参画フェア」についてだが,この2,3年,男性にも参加していただく
ため,保護司会,人権擁護委員等にも参加してもらっている。今後,例えば,コミュニティ関
係の方等にも大いに入っていただき,男女共同参画を一緒に考えていただければと思う。今後
も,ご意見をいただきながら,取り組んでいきたい。
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