町民のみなさまへ ハートタウンはぼろ問題検証報告について 平素より町行政に対し、深いご理解と温かいご支援・ご協力を賜り、心から厚くお礼申 し上げます。 さて、この度、「ハートタウンはぼろ問題」に関する検証結果が出ましたので、ご報告 いたします。 まず、ご報告が町長就任から1年以上経過したこの時期になりましたことにつきまし て、深くお詫び申し上げます。 検証内容につきましては、様々な内容を検討し、当初は実施対象として「施設の購入 価格の妥当性」など 5 点を議会に提案したところですが、最終的には「㈱ハートタウンは ぼろの経営内容」と「㈱ハートタウンはぼろに対するこれまでの町の関与」の2点に絞っ た内容で決定されたところであります。 「㈱ハートタウンはぼろの経営内容」につきましては、公認会計士と中小企業診断士 に委託し検証を実施した結果、減価償却費を加減することにより、本来赤字決算となる ところを黒字決算とする手法が複数年あったものの、粉飾決算等の不適切な会計処理 は発見されず、会社の破たんについては、経営環境や商業環境の変化に経営陣の経営 判断がついて行けなかったことが要因との分析報告がされました。 また、施設の購入等に関与していない町職員により検証を行った「㈱ハートタウンは ぼろに対するこれまでの町の関与」につきましては、「町有化を選択した事はやむを得 ないものの、決定に至るまでの経緯については、拙速だった」「会社に対する指導が不 足していた」などの反省点が指摘されたところです。 なお、検証内容等につきましては、様々なご意見もあるものと思いますが、現時点で はこれ以上の検証は行わないという結論に至ったところであります。 今後は、このような事態が二度と起こらないよう、この問題を教訓とし職員ともども 円滑な行政運営に努めてまいりたいと考えております。 以上、検証報告とさせていただきます。 平成28年3月 羽幌町長 (検証結果は裏面をご覧ください) 駒 井 久 晃 ◇検証結果(概要)◇ (1)㈱ハートタウンはぼろの経営内容 ○会計処理について 粉飾決算書に多く見られる「架空計上」「在庫水増し計上」「簿外債務」などの重要な会 計上の問題点は発見されなかった。 ○減価償却費について ・償却限度額で計上していないことから、赤字決算が黒字決算となっている事業年度が複 数有り →会社法上は減価償却費を過少計上する会計処理は認められないが、法人税法上では償 却限度額まで償却するかは会社の任意と解釈される。また、定時総会で説明が行われてお り、異議なく承認されていることから説明責任は果たされている。 ○資産簿価額について ・土地と建物等の簿価額は妥当か →建物については、補助金相当分を課税が生じないようにする「圧縮記帳」という制度を 利用したため実勢価格より低い資産計上となっている。土地については、更地にして建物 が完成するまでの費用を含めるため、公示価格と比較して高く計上される傾向にあるが、 法的に問題のあるものではない。 ○経営破たんに至った要因 →経営環境、商業環境の変化に経営判断がついて行けなかった事が要因 (主な要因)平成 18 年 1 月 1階テナントが撤退→平成 18 年 6 月 後継テナントを低額で誘 致(撤退まで金額変わらず)→平成 19 年 9 月 テナント賃貸料値下げ→平成 22 年 4 月 テ ナント賃貸料再値下げ→平成 24 年 6 月 1階テナントが撤退 (2)㈱ハートタウンはぼろに対する町の関与 ○設立当初 ・「会社経営は民間で」という言葉を受入れ経営を会社に一任 →町の関与が希薄になり、問題発生の一つの要因になった。 ○運営開始から平成 24 年1階テナント撤退まで ・運営開始当初に1階テナントが撤退。その後もテナントの撤退が相次ぐ →経営状況のチェックを行い、厳しい現状を会社に再認識させる必要があった。 ○1階テナント撤退から施設購入まで ・支援要請から施設町有化までの経緯 →施設の町有化を選択したことはやむを得ないものの、決定に至るまでの経緯は拙速だっ た。議会や町民に支援の必要性や重要性を十分説明し、理解を得られてから決定すること も可能だったと考える。 (担当:羽幌町役場商工観光課 電話68-7007)
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