平成28年度 施政方針(PDF文書)

平
成
施
28
政
松
年
度
方
伏
針
町
平成28年度
施
政
方
針
議長のお許しを得ましたので、ここに平成28年度施政方針と予算案の概要を申
し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願いするものです。
私は、平成17年6月に、町政の舵取りを託されてから今日に至るまで、わが愛
する郷土松伏の更なる発展のため、公人として私心を捨て、公平公正な町政運営に
努めてまいりました。これも一重に議員各位並びに町民の皆様のご指導、ご協力の
賜物と心より感謝申し上げます。これからも、この姿勢を崩さずに職員と一丸とな
り、町政運営に当たってまいりますので、引き続き、皆様方のご指導、ご協力をお
願い申し上げます。
近年、全国各地で、異常気象による自然災害が起こっております。
当町においても、昨年9月の台風18号では、床上、床下浸水あわせて、320
軒を超える被害を受けました。この台風18号発生時には、平成25年の竜巻被害
の教訓を基に地域の方や関係者とともに、全力を挙げて対処したところですが、こ
れまで経験したことのない降雨に見舞われ、大きな被害となってしまいました。被
災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、救援、復旧活動にご協力い
ただいた関係者、関係機関の皆様に感謝申し上げます。
さて、国内情勢について申し述べます。国の平成28年度一般会計予算案は、9
6兆7200億円と、対前年度比では約4千億円増え、過去最大を更新する予算案
が国会に提出されました。また、内閣府の発表では、
「経済の好循環が始まり、景気
は緩やかな回復基調が続いている」と発表されております。しかし、企業の設備投
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資や個人消費への波及には遅れが見られ、未だ地方経済では好循環を実感できない
状況であるとも言われております。
こうした中、国会の審議では、政府予算案の審議に加え、経済、景気、社会保障
など様々な分野で議論がなされております。現下の厳しい状況にしっかりと目を向
け、課題の解決にスピード感を持って取り組み、国民が真に必要としている国づく
りを期待するところです。
昨年は、大村智
北里大学特別栄誉教授と梶田隆章
東京大学宇宙線研究所長の
両氏がノーベル賞を受賞しました。また、スポーツ界においてもラグビー日本代表
がラグビーワールドカップ・イングランド大会で、歴史的勝利を挙げるなど日本人
の海外における活躍が著しい年でもありました。
町内に目を向けますと、松伏小学校卒業生の羽田圭介氏の「スクラップ・アンド・
ビルド」が第153回芥川賞を受賞するとともに、松伏小学校・松伏第二中学校卒
業生のプロゴルファー石川遼選手も、初の国内メジャー制覇を含む年間2勝を挙げ
るなど、町民に夢と希望を与える明るい話題もありました。このような功績を手に
するまでには様々な苦労があり、また努力を重ねた結果だと思いますが、我が松伏
町には、このような優れた人材を輩出する風土があるとも思っております。ご本人、
ご家族、関係者のご尽力はもとより、自然豊かな環境、地域性、町民の人柄が彼ら
の活躍の一助になったものと思っております。私は、このような町の風土も町の大
切な財産であると考えており、この財産を活かしたまちづくりを進めるとともに将
来にわたりこの財産を継承していかなければならないと考えております。
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また、全国的に人口減少と高齢化がますます進行しております。国では、平成2
0年に始まった人口減少は、今後もさらに加速すると言われており、将来的には経
済規模の縮小や生活水準の低下を招くと危惧されています。
当町の人口についても例外ではなく、平成22年をピークに減少に転じ、高齢化
も一気に進んでおります。そこで、
「松伏町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策
定し、今後の町のあるべき姿と進むべき方向を定め、将来を見据えた「人口増」、
「定
住促進」に寄与すべく国、県と連携を図り、積極的な事業展開を図っていく考えで
おります。
平成28年度もこのような厳しい情勢が続くことと思われますが、私自身はもち
ろんのこと、 全職員が行政のプロであることを自覚し、目標に向けて一丸となって
取組み、松伏に「暮らしてみたい」、「暮らしてよかった」、「暮らし続けたい」と感
じていただけるよう「暮らし満足度一番のまち」実現に向けて邁進してまいります。
次に、予算編成の状況を申し上げます。依然として厳しい経済情勢などを反映し、
歳入面では、課税所得の伸び悩みがあり、大きな増収は期待できない状況にありま
す。また、歳出面では、扶助費を含む社会保障費は、増加が見込まれ、厳しい財政
状況の中で町政運営を強いられることが予想されます。
そのような状況下で、町民の皆様のすべての要望にお応えすることが厳しい現状
でありますが、引き続き、最少の経費で最大の効果が上がるよう、
「選択と集中」に
徹し、国、県の補助金や交付金制度を活用することはもちろんのこと、限られた財
源を重点的かつ効率的に配分することを財政運営の基本に据えております。
こうした方針のもと、平成28年度予算は、
「松伏町第5次総合振興計画」に基づ
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いた土地利用構想の実現と大綱1「未来を担う子どもたちが健やかに育つまちづく
り」から、大綱7「効率的で質の高い町政運営を進めるまちづくり」までの7本柱
の施策を中心に、「暮らし満足度一番のまち」実現を目指すため編成したものです。
まず、土地利用につきましては、第5次総合振興計画に「活性化推進地区」とし
て位置づけた「新市街地地区」と「北部地区」の2つの地域の活性化に重点を置き、
取り組んでまいります。
1つ目の新市街地地区では、東埼玉道路と浦和野田線が結節する松伏、田島地区
において、職住近接と核づくりによる新市街地地区整備を目指し、平成27年度に
新設した新市街地整備課を中心に全庁を挙げて積極的に事業を進めております。こ
の土地利用計画は、先に述べた町の人口減少に歯止めをかけ、町の将来を見据えた
プロジェクトです。そして、企業誘致を進める当該地区で、交通拠点となるバスタ
ーミナルと「道の駅」の一体整備について国の地方創生交付金を活用して、事業の
可能性の検討を重ねている段階であります。平成28年度は、引き続き関係機関と
の具体的な協議、調整を行い、将来、地域の賑わいや町内外から多くの人が訪れる
町の新しいシンボルとなるものを、ぜひとも実現しなければならないと考えており
ます。
2つ目の北部地区では、老人福祉センターとその周辺施設を活用して、行政サー
ビスの拡充を図っていきます。老人福祉センターは、平成28年度から、北部サー
ビスセンターとして、住民票、印鑑証明書等の各種証明書を発行することができる
ように整備を行ない、隣接する農村トレーニングセンターでは、大川戸農村センタ
ーで実施していた子育て支援センター業務を移設します。単に町民の皆様の利便性
の向上のみにとらわれず、多世代交流の場として活用することにより、地域の活性
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化、しいては町の活性化につながるものと考えております。
なお、本定例会には、これらの施策を実現するための条例案を提出しております
ので、議決を賜りますようお願い申し上げます。
次に、第5次総合振興計画の大綱ごとに主要な施策について述べさせていただき
ます。
大綱1「未来を担う子どもたちが健やかに育つまちづくり」としましては、
子育てに関する相談環境の場づくりなど、地域の子育て支援機能の充実を図るため、
先に述べたとおり、農村トレーニングセンターに、地域子育て支援センターを開設
します。
また、子ども・子育て支援新制度がスタートし2年目となりますので、
「松伏町子
ども・子育て支援事業計画」に基づき、安心して子どもを育てられるよう、保育所
等に預ける多子世帯の保育料の軽減の拡充や学童クラブの保育料の助成などにより、
子育てに係る親の経済的、精神的負担の軽減を図ってまいります。
併せて、保育所(園)、認定こども園の質の向上を図るため、保育委託料及び施設
型給付費・地域型保育給付費の拡充と併せて、延長保育、障がい児保育などの事業
を継続してまいります。地域子育て支援センターにおいては、引き続き、親子サロ
ン、各種講座などにより交流を促進して、子育て家庭の親とその子どもが気軽に集
い、子育ての輪を広げられるよう努めてまいります。更には、保育所(園)、認定子
ども園等への発達支援巡回事業、こども医療費の助成、未熟児の訪問指導や新生児
に対する全戸訪問を介した育児不安の軽減など継続して実施してまいります。
教育の分野における安全・安心な教育環境の整備としましては、懸案であった松
伏第二中学校大規模改修事業を実施するほか、給食センターでは、老朽化したボイ
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ラー設備の更新に併せて供給エネルギーを都市ガスに変更し、CO2排出量の削減
を図り、地球環境にも配慮した設備改修を実施します。
今後につきましても、子育てに対する不安を解消し、安心して子どもを産み育て
ることができるように、また、町の宝である子どもたちの個性や能力を伸ばせるよ
うに、学校、家庭、地域社会が連携して、子どもを育てることができる環境づくり
に努めてまいります。
次に、大綱2「健康で生きがいをもって暮らせるまちづくり」としましては、
まず、特定健診及びがん検診につきましては、検診会場や検診日数を増やし、受
診機会を拡大します。併せて、保健師による健康づくり啓発活動を行い、受診率向
上を目指します。
母子保健につきましては、乳幼児の健康診査をはじめ、発育発達相談、育児相談、
親子教室等を実施し、引き続き、乳幼児及び子育て家族の支援体制の充実に努め、
育児への不安を和らげ、子どもの健やかな発育発達が促されるよう、きめ細やかな
対応をしてまいります。地域福祉につきましては、
「 松伏町地域福祉計画」に基づき、
町民、地域、行政の協働のもとに、自助、共助、公助があいまって、互いに助け合
い、支え合う地域社会の実現を目指してまいります。
障がい福祉につきましては、
「 松伏町第3次障がい者計画及び松伏町第4期障がい
福祉計画」に基づき、障がいについての啓発活動や、就労支援、生活環境の整備な
どの各施策を展開し、地域障がい児者支援協議会を活用して、福祉サービス事業者、
福祉関係団体等の関係者と連携を強めながら、障がいのある方もない方も、すべて
の町民が支えあいながら、いきいきと生活することができるよう努めてまいります。
臨時福祉給付金給付事業につきましては、新たな年金生活者等支援臨時福祉給付
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金と併せて、対象となる世帯に円滑に給付されるよう努めてまいります。
また、平成27年度を始まりとする「松伏町高齢者福祉計画・第6期介護保険事
業計画」に基づき、ますます増える高齢者に対して、福祉施策を総合的・計画的に
推進してまいります。更に、高齢介護担当に、引き続き保健師を配置して介護予防
に力を注ぐとともに、適正な介護認定調査及び認定に努め、介護保険利用者の生活
実態を把握したきめ細やかなサービスを展開してまいります。
今後も、社会環境が変化していくなかで、高齢者が健康で生きがいをもって暮ら
せるよう、多様化するニーズを的確に把握し、各施策の推進に努めてまいります。
次に、大綱3「町民主体の地域コミュニティ豊かなまちづくり」としましては、
町民一人ひとりが人権を尊重し、社会情勢の変化や、人権問題の正しい理解と認
識を深めることができるよう、「松伏町人権施策推進指針」に基づき、人権を尊重
した明るい社会を実現するため、町民、関係機関と連携を図りながら、人権教育や
啓発の取り組みを行ってまいります。
男女共同参画社会の推進につきましては、引き続き、女性相談などのきめ細やか
な事業を充実させ、男女が平等で一人ひとりの人間が大切にされ、能力と個性に応
じた生き方を選択することが尊重される「男女共同参画社会」を推進してまいりま
す。
また、地域コミュニティの推進につきましては、自治会で所有、管理している集
会施設の修繕や増築等への支援や、自治会等が主催するイベント等に対する支援を
継続して行い、住民主体の地域づくりを促進し、地域の活性化とともに共助の精神
の醸成を図ってまいります。
そして、スポーツ・芸術・文化活動の推進につきましては、スポーツ・芸術・文
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化活動の拠点として、町民の皆様の多くが利用されているB&G海洋センター及び
中央公民館の施設改修に必要な設計業務を実施してまいります。両施設の良好な施
設環境を整え、利便性の向上を図るとともに各種事業の支援に努めてまいります。
また、エローラ運営委員会への補助を継続して行い、田園ホール・エローラを文化
振興の拠点として、音楽によるまちづくりを推進してまいります。
次に、大綱4「活気あふれるにぎわいのあるまちづくり」としましては、町にお
ける重要な産業である農業振興につきましては、松伏ふれあい直売所への支援や都
心から30キロ圏内という地理的要因を活かした6次産業の拡大を行い、地産地消
の推進を図ります。更には農業経営の拡大意欲のある地域の担い手農家やその他に
農地を貸し付けた農家への支援を行なうとともに、新たに設置される農地利用最適
化推進委員とともに、更なる農地の集積、集約化を図り、魅力ある農業の振興を目
指します。
また、金杉地区の用排水路の機能向上を図るため、浚渫事業を実施するなど、農
業基盤の整備を進めてまいります。
商工業につきましては、住宅取得促進策として、勤労者住宅利子補給や商工会で
行っている住宅リフォーム相談会事業等への支援を引き続き行い、地元住民と結び
ついた活気ある商工業の育成とともに、当町への定住化を促進してまいります。
平成28年度は、地域産業の振興としまして、
「ふるさと納税」の更なる活用を図
ります。ふるさと納税をいただいた御礼として、松伏町推奨特産品に加え、さらに
松伏町ならではの返礼品を追加し、
「まつぶしを知りたい」、
「まつぶしの特産品を味
わってみたい」などと感じていただけるよう全国に町の魅力を発信してまいります。
そして、町外との交流につきましては、災害協定を締結している新潟県湯沢町と
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の交流を行政のみならず、多くの方が湯沢町を訪れ、町民同志の交流が図れるよう
宿泊助成事業などを継続して実施してまいります。同じく災害協定を締結している
宮城県山元町との交流につきましては、平成28年度も当町の職員を派遣するなど、
引き続き復興支援に努めるとともに、交流事業においては、これまでの当町中学生
の派遣から、両町の特産品をそれぞれの地域で紹介、販売する「ひと・もの」の交
流へとより深度化を図り、両町の産業振興、人材交流につながる双方向交流を目指
してまいります。
次に、大綱5「利便性の高い快適空間のまちづくり」としましては、先に述べた
「新市街地整備プロジェクト」を積極的に推進するとともに、隣接する都市計画道
路河原町深町線の最終工区である深町工区の用地買収に着手し、早期完成を目指し
ます。
また、道路事業につきましては、まつぶし緑の丘公園西側の道路整備事業の一環
としての水路の付替工事、歩道未整備幹線道路の安全対策として、大川戸地区の町
道3号線の用地測量を実施してまいります。また、越谷市と協働でふれあい橋の長
寿命化工事に着手してまいります。
次に、幹線道路の整備につきましては、まちづくりの骨格となる東埼玉道路及び
浦和野田線の早期整備の実現に向け、引き続き、積極的に関係機関に対し要望活動
を実施してまいります。また、高速鉄道東京8号線につきましても、現在、国の交
通政策審議会において「東京圏における今後の都市鉄道のあり方」についての議論
が進められており、次期答申が間もなく出されることとなっております。地下鉄8
号線がどのように位置づけられるか、今まさに、議論がされています。引き続き、
近隣市をはじめとする関係団体と協力して地下鉄8号線の早期実現に向けて努力し
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てまいります。
環境整備事業につきましては、快適で清潔な生活環境が確保されるよう、合併処
理浄化槽の法定検査などの受検率向上のための啓発を図るほか、「合併処理浄化槽
設置整備事業費補助金」の拡充を図ります。
公共下水道整備につきましては、大規模災害時の被害を最小限に食い止められる
よう、施設の耐震化工事を継続的に進めるとともに、中継ポンプ場や内前野真空ス
テーションについては、災害対応の強化と併せて計画的な維持管理を推進してまい
ります。
加えて、国の補助事業である都市再生整備計画事業として採択されている「水と
緑のネットワーク地区」につきましては、平成28年度が計画の最終年度となって
おります。事業の対象となる大落古利根川沿い遊歩道のサイン看板の設置、バス停
照明施設の工事などを実施し、水と緑のネットワークを形成し、安全・安心と利便
性を向上させるとともに、潤いと賑わいをもたらす魅力ある美しいまちの創出を目
指します。
県営まつぶし緑の丘公園につきましては、平成28年4月から5年間、新たに指
定管理を受託することとなりました。まつぶし緑の丘公園は、県営公園であると同
時に町のシンボルでもあり、新年度には、いよいよ全面開園となりますことから、
子どもから高齢者まで多くの方の憩いの場として利用いただけるよう、管理体制を
充実させ、特色ある公園運営に努めます。
次に、大綱6「安全、安心な暮らしができるまちづくり」としましては、
まず、災害・防災事業につきましては、平成28年度に完了予定の防災行政無線
のデジタル化改修工事を着実に進め、音声の明瞭化や難聴地域の解消を実現します。
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また、昨年9月の台風被害を教訓に、松伏町雨水計画の見直しを行い、有効な浸水
対策を検討するとともに、災害対策用移動式排水ポンプを購入し、万が一、水害が
発生した際には迅速かつ被害を最小限に食い止めるよう、体制を整えてまいります。
加えて、自主防災組織につきましては、災害に備えた様々な防災事業を実践する
ことで、防災に対する意識が高められることから、引き続き、その運営に対する補
助を継続し、育成するとともに、組織を立ち上げる際には防災資機材を貸与するこ
とにより、万が一の災害に備えてまいります。
公害対策事業につきましては、クリーンエネルギーの利用を推進するとともに、
環境保全意識の高揚を図るため、引き続き、個人住宅の「太陽光発電設備設置費補
助金」を実施してまいります。また、地球温暖化対策実行計画に基づき、温室効果
ガスの削減に向けた取り組みを、自ら率先して実行し、環境への負荷の軽減に努め
てまいります。
また、地球温暖化防止及び省エネルギーを推進するため、平成27年度から着手
した防犯灯のLED化工事を、町の北部である大川戸、金杉、築比地、魚沼地区で
実施してまいります。
総合的ごみ処理の推進につきましては、老朽化した中間処理場の整備のための工
事基本設計を実施するとともに、引き続き、リサイクルの促進、ごみの減量を図っ
てまいります。
空家対策につきましては、平成28年2月に策定した「松伏町空家等対策計画」
に基づき、国、県、町のそれぞれの役割のもと連携し、周辺に悪影響を与えている
「特定空家等」に対し、適切に対応し、町民の生活環境の向上に取り組んでまいり
ます。
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消費者行政につきましては、次々と新しい手口で高齢者を中心とした消費者トラ
ブルが多く発生しています。消費者トラブルを未然に防ぎ、誰もが安全で安心して
暮らせる町を目指し、
「 消費生活センター」を中心に相談体制を充実させるとともに、
消費者の自立促進について継続的に取り組んでまいります。
次に、大綱7「効率的で質の高い町政運営を進めるまちづくり」としましては、
徴収率の向上を図るため、税収納システムの改修を行い、納税機会を拡大し自主納
付を促進するとともに、滞納者に対しては、滞納は許さないという姿勢で、給与・
預貯金・生命保険・不動産などの財産の差押えを執行し、公平な税負担の確保に努
めてまいります。
行政改革につきましては、現行の第5次松伏町行政改革大綱が平成28年度で計
画期間が満了することから、現計画の進捗状況を取りまとめるとともに、より良い
住民サービスを維持していくために、自主財源の確保や事務経費の削減を図りつつ、
簡素で効率の良い行政運営に努めるため、次期計画の策定について検討してまいり
ます。加えて、職員一人ひとりの「やる気」と「能力」を最大限引き出し、最大の
成果をあげられるような人事考課制度を一層推進してまいります。
行政を取り巻く環境は、全国的にも厳しい状況にありますが、多様化する町民ニ
ーズを的確に捉え、「暮らし満足度一番のまち」の実現に向け、職員と一丸となり、
邁進してまいります。
以上、平成28年度を迎えるにあたり、その町政運営について、私の所信を述べ
てまいりました。何とぞご賢察を賜り、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
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引き続き、平成28年度一般会計予算並びに特別会計予算の説明をいたします。
議案第48号「平成28年度松伏町一般会計予算」は、81億3,900万円で、
前年度に比べ、額にして200万円の増となりました。
また、5つの特別会計予算総額は69億6,320万7,000円で、前年度に
比べ、額にして5,828万8,000円、率にして0.8%の増となりました。
一般会計の歳入については、その主要部分を占める1款
町税は29億5,57
2万5,000円で、前年度に比べ、町民税は4,300万円の減、固定資産税は
4,001万3,000円の増、軽自動車税は580万円の増、また町たばこ税は
300万円の減を見込み、町税総額にして 18万7,000円の減となりました。
大変厳しい状況ではありますが、収納率の向上に全力で取り組みます。
次に、2款
地方譲与税から8款
地方特例交付金については、平成27年度の
歳入見込み額等を精査し、予算計上しております。
9款
地方交付税は、基準財政需要額、基準財政収入額等の増減要因を精査し、
16億円を見込みました。
10款
交通安全対策特別交付金は、300万円を見込みました。
11款
分担金及び負担金は、小児夜間救急医療運営費市町負担金等の計上など、
8,932万4,000円を見込みました。
13款
国庫支出金及び14款
県支出金は、該当する事務事業の有無により左
右されることから14億5,927万8,000円となりました。
16款
寄附金は、ふるさと納税など、600万2,000円を見込みました。
17款
繰入金は、4億8,510万5,000円となりました。財政調整基金
から昨年度と同額の4億7,000万円、公用・公共用施設整備基金から1,51
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0万円を繰入れます。なお、財政調整基金残高は、平成28年度当初予算編成後で
2億2,700万円程度となり、引き続き財政的に大変厳しい状況となっています。
20款
町債については、4億9,140万円となりました。なお、一般会計で
の町債残高は、平成28年度末で77億1,415万9,000円が見込まれます
が、将来の財政負担の軽減を図るという観点から、公債費比率などに十分配慮し、
引き続き有利な町債を活用したいと考えています。なお、公共下水道事業特別会計
における町債残高は、30億7,685万6,000円、農業集落排水事業特別会
計においては、5,936万8,000円が見込まれます。
次に、歳出についてですが、先ほど申し上げました主要施策を中心に、重点を置
き、予算を編成しました。
1款
議会費は、共済負担金等の減等により、1億1,480万8,000円と
なりました。
2款
総務費は、11億562万7,000円となりました。徴収率向上の対策
として、催告対象者にコンビニエンスストア対応納付書の発行機能を追加する税収
納システム改修業務委託料を計上します。また、防犯灯のLED化を実施し、省エ
ネルギー化と安全・安心なまちづくりを推進します。
3款
民生費は、31億1,538万6,000円となりました。北部地区活性
化事業として、老人福祉センターは、新たに北部サービスセンターとして諸証明の
発行等を実施し、利便性の向上を図ります。また、保育園、認定こども園に通う多
子世帯の子どもの保育料を助成し、多子世帯における経済的負担の軽減を図り、子
育て家庭に対する支援のほか、福祉サービスの充実に努めます。
4款
衛生費は、6億5,820万9,000円となりました。予防接種、各種
がん検診の実施、健康増進事業等の充実を図り、疾病の早期発見に努めます。また、
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老朽化した中間処理場の整備工事に着手するため、基本設計業務委託料を計上する
ほか、公共用水域の汚濁を防止するため合併処理浄化槽設置整備事業費補助金を拡
充し、町の環境保全に努めます。
5款
農林水産業費は、1億1,995万8,000円となりました。農業基盤
整備事業や広域農道の保全対策事業を引き続き実施するほか、地産地消の推進を図
るなど、農業の活性化に努めます。
6款
商工費は、3,926万4,000円となりました。商工会への助成金を
継続し、特産品等の普及に努めるほか、引き続き消費者行政の推進に努めるため消
費生活センターを設置するとともに、消費生活に対する知識の向上を図ります。
7款
土木費は、7億4,936万円となりました。平成27年9月に発生した
台風18号の影響による大雨の浸水被害を踏まえ、移動式排水ポンプを購入します。
また、埼玉県との協働による、まつぶし緑の丘公園西側の道路拡幅及び水路の付替
工事を実施するほか、都市計画道路河原町深町線の未整備工区である深町工区の用
地購入を実施します。加えて、生活道路等の維持管理を計画的に実施します。
8款
消防費は、6億2,159万4,000円となりました。災害に強いまち
づくり・ひとづくりを目的にシンポジウムを開催します。また、洪水ハザードマッ
プの改定、4か年事業として実施してきた防災行政無線デジタル化のための子局改
修工事の完了を目指すとともに、吉川松伏消防組合と協力、連携し消防活動の充実
を図ります。
9款
教育費は、9億252万3,000円となりました。児童生徒の安全・安
心な教育環境を整備するため、各小中学校体育照明等落下防止対策工事を実施し、
老朽化した学校給食センターのボイラーの更新工事を行うほか、引き続きティーム
ティーチングによるきめ細やかな教育を行うため教育支援員を、英語教育を推進す
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るための語学指導助手を配置します。また、中央公民館研修棟空調更新工事や海洋
センター改修工事に着手するための設計業務委託料を計上し、コミュニティ拠点の
環境改善を図ります。
以上が 歳入歳出の概要です。
次に「第2表
債務負担行為」ですが、表に示した14の事項を提出します。
続いて「第3表
地方債」につきましては、総額4億9,140万円の借り入れ
を予定しています。
次に、特別会計ですが、議案第49号「平成28年度
松伏町国民健康保険特別
会計予算」は、43億1,335万円で、前年度に比べ、額にして1億4,286
万円、率にして3.2%の減となりました。
主な歳入は、1款
国民健康保険税8億6,930万1,000円、3款
支出金8億3,472万7,000円、4款
万9,000円、5款
円、10款
療養給付費等交付金1億3,147
前期高齢者交付金8億8,311万円、6款
億5,740万5,000円、7款
国庫
県支出金1
共同事業交付金9億1,004万6,000
繰入金3億6,971万2,000円などです。
主な歳出は、2款
保険給付費25億7,434万8,000円、3款
齢者支援金等4億9,595万6,000円、6款
3,000円、7款
後期高
介護納付金1億9,141万
共同事業拠出金9億4,005万2,000円です。
議案第50号「平成28年度
松伏町公共下水道事業特別会計予算」は、5億7,
330万7,000円です。前年度に比べ、額にして556万4,000円、率に
して1.0%の増となりました。
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主な歳入は、2款
使用料及び手数料1億8,103万4,000円、4款
入金3億2,676万4,000円、7款
主な歳出は、1款
町債4,080万円です。
総務費1億5,007万5,000円、2款
77万5,000円、3款
繰
事業費7,1
公債費3億4,845万7,000円 です。
議案第51号「平成28年度
松伏町農業集落排水事業特別会計予算」は、77
9万3,000円で、前年度に比べ、額にして19万1,000円、率にして2.
5%の増となりました。
主な歳入は、2款
使用料及び手数料190万6,000円、3款
繰入金50
9万2,000円です。
主な歳出は、2款
維持管理費257万5,000円、3款
公債費481万4,
000円です。
議案第52号「平成28年度
松伏町介護保険特別会計予算」は、17億9,9
86万5,000円で、前年度に比べ、額にして2億473万9,000円、率に
して12.8%の増となりました。
主な歳入は、1款
5万円、4款
保険料4億3,840万円、3款
国庫支出金3億1,18
支払基金交付金4億7,996万7,000円、5款
億6,093万2,000円、8款
主な歳出は、1款
繰入金2億9,870万3,000円です。
総務費5,872万7,000円、2款
117万5,000円、3款
県支出金2
保険給付費17億
地域支援事業費3,917万6,000円です。
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議案第53号「平成28年度 松伏町後期高齢者医療特別会計予算」は、2億6,
889万2,000円で、前年度と比べ、額にして934万6,000円、率にし
て 3.4%の減となりました。
主な歳入は、1款
後期高齢者医療保険料2億598万1,000円、4款
繰入
金5,843万8,000円です。
主な歳出は、1款
総務費873万8,000円、2款
後期高齢者医療広域連
合納付金2億5,293万円です。
平成28年度の予算総額は、一般会計及び特別会計の合計151億220万7,
000円で、前年度に比べ、額にして6,028万8,000円、率にして0.4%
の増となりました。
以上をもちまして、平成28年度の施政方針及び当初予算の概要の説明とします。
ありがとうございました。
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