平成28年度における基本的施策について(PDF文書)

平成28年度における
基 本 的 施 策 に つ い て
調
布
R100
1
市
目
次
1
は じ め に ( 市 制 施 行 6 0 周 年 を 振 り 返 っ て ) ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
1
2
平 成 2 8 年 度 の 位 置 付 け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・
3
3
市 政 を 取 り 巻 く 状 況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4
ま ち づ く り の 基 本 理 念 の 実 現 に 向 け て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
5
市政経営の2つの基本的な考え方による取組の推進
(1 ) 参 加 と 協 働 の ま ち づ く り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
(2 ) 持 続 可 能 な 市 政 経 営 の 推 進
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
6
予 算 編 成 に 当 た っ て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
7
主要な施策について(重点プロジェクトへの取組)
(1 ) 「 強 い ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(2 ) 「 安 心 し て 住 み 続 け ら れ る ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト ・・・・ 1 1
(3 ) 「 利 便 性 が 高 く 快 適 で 豊 か な ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト ・・ 1 4
(4 ) 「 う る お い の あ る ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト ・ ・・・・・・・・・・ 1 6
8
お わ り に ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 8
2
1
はじめに
ただいま,議長のお許しをいただきましたので,平成28年度の市政経
営に対する私の基本的な考えを申しあげ,調布市議会の皆様及び22万6
千調布市民の皆様の御理解と御協力を賜りたく存じます。
(市制施行60周年を振り返って)
平成27年度は,市制施行60周年を迎え,調布市にとって大きな節目
の年となりました。昨年11月の記念式典をはじめ,多岐にわたる事業を
実施し,議員各位,市民の皆様,さらに,各団体や事業所など,多くの方
々の御参加・御協力をいただきました。この場をお借りしまして,心より
感謝申しあげます。
この1年,様々な記念事業を通じて,市のこれまでの歩みを振り返り,
その道のりにおいて主体的に市政に関わり,まちの発展に尽くされてきた
市民の力を改めて強く実感するとともに,今後,躍動的に進展していく調
布市のまちづくりを見据え,引き続き,市民の皆様と共に将来への展望を
開いていく意義を確認させていただきました。
また,姉妹都市・木島平村との盟約関係も30周年を迎え,今後とも両
自治体の絆を深め,村民・市民の交流を重ねていくことを確認し合ったと
ころです。
一方で昨年7月26日,調布飛行場を離陸した小型航空機が,富士見町
の住宅地へ墜落し,市民が巻き込まれて死傷するという,あってはならな
い重大事故が発生いたしました。事故の原因究明と再発防止策が,東京都
等から示されるまで,なお時間を要しておりますが,三鷹市・府中市とも
連携して,東京都に対し徹底した安全対策を今後も追求していく考えであ
り,併せて,市として引き続き被害を受けた市民の方々に寄り添い,可能
な限り支援を継続して参ります。
また昨年は,名誉市民に関して哀歓めぐる出来事もありました。まず大
変明るい話題として,日本のリトルリーグの創設と発展に尽力された功績
により,故林和男氏が平成27年の特別表彰として野球殿堂入りされまし
た。この名誉ある受賞を契機に,調布市におきましても,氏がリトルリー
グの指導を通じて青少年の夢を広げるとともに,調布市体育協会の会長と
して長年にわたり市民スポーツの振興と市の発展に多大なる貢献をされた
1
ことを顕彰し,議会の皆様と共に,調布市として5人目となる名誉市民の
称号を贈らせていただきました。
他方,大変残念なことに,半世紀以上調布にお住まいになられ,平成
20年に調布市名誉市民の称号を贈らせていただいた水木しげる氏が,昨
年11月30日に御逝去になりました。水木先生がユニークな言動や朗ら
かな人柄により誰からも愛された大漫画家であったことは論をまちません
が,それのみでなく自らの惨烈な戦争体験を背にした平和の伝道師であり,
また,常識にとらわれない世界観で人生の本質を洞察する哲学者の一面も
併せ持つ,まさに大人(たいじん)の風格を有した方でありました。水木
先生及び水木プロダクションには,市の図書館事業,平和事業,ミニバス
の装飾,産業・観光振興など枚挙にいとまがない御協力をいただき,調布
市に計り知れない恩恵を与えてくださいました。謹んで感謝と哀悼の意を
捧げますとともに,今後とも,水木先生の顕著な御功績を,市として大事
に語り伝えて参りたいと考えております。
市政全般としては,昨年修正した基本計画をスタートさせ,4つの重点
プロジェクトを基軸とした取組が着実に進展しています。
その中で昨年は,子ども・福祉分野における国の制度改革に伴う市の対
応として,子どもの貧困対策や,困難を抱える子ども・若者への居場所提
供と相談支援,生活困窮者自立支援など,新たな事業にも着手いたしまし
た。
街づくりにおいては,21世紀の調布のまちの骨格づくりが段階的では
ありますが,着実に前進しております。布田駅周辺では駅前広場の利用が
開始となり,これを契機に,夏祭りが数年ぶりに復活するなど,地元の熱
意とまちづくりの成果を実感することができました。調布駅周辺において
も,南北の再開発ビルが昨年竣工し,官民連携による新たな子育て支援拠
点「こどもとフラット」がオープンしました。駅前でのマルシェなど新趣
向の賑わい創出についても多様な主体の連携により展開されました。
平成27年度は,修正基本計画の初年度として,市制施行60周年に関
する取組も重ね合わせる中で,ソフト・ハード両面の取組を有機的に展開
し,市民をはじめ多様な主体の参加と協働を推進しながら,諸施策を着実
に前進させることができたものと考えております。
2
2
平成28年度の位置付け
こうした平成27年度の取組を踏まえ,平成28年度は,修正基本計画
の2年次目として,まちの将来像「みんなが笑顔でつながる・ぬくもりと
輝きのまち調布」の実現に向けた歩みを更に前進させていく年度となりま
す。
引き続き市政の第一の責務である市民の安全・安心の確保や市民生活支
援を基調とした取組を継続するとともに,基本計画に掲げた「強いまち」,
「安心して住み続けられるまち」,「利便性が高く快適で豊かなまち」,
「うるおいのあるまち」の4つの重点プロジェクトを基軸に各施策・事業
を着実に推進して参ります。
併せて,修正基本計画に付加した「横断的連携による施策の推進」及び
「調布のまちの魅力発信」の2つのアクションを深化させ,重点事業をは
じめとする施策全体を効果的に推進して参ります。
地方創生の取組に関しては,平成28年度から全国の自治体で,自らの
総合戦略に基づく取組を本格的に推進することとなり,各自治体の実情を
踏まえた創意工夫がますます求められてきます。これを支援する国の地方
創生交付金については,調布市では既に,平成26年度補正予算にて,市
内消費の喚起に資する市独自のスクラッチカード事業のほか,市民の安全
・安心の確保,市民生活支援の取組とも整合を図る中で,子育て支援や子
ども・若者総合支援,地域の防災力向上などの事業で活用いたしました。
また,平成27年度の上乗せ交付金についても,調布市まち・ひと・し
ごと創生総合戦略を,当初の予定を前倒しして昨年10月に策定するなど
して,福祉人材の育成,防災意識の啓発,映画のまち調布の取組などで活
用して参りました。
平成28年度においても引き続き,総合戦略と基本計画を有機的に連動
させ,重点プロジェクトをはじめとする基本計画の実効性向上を目指して
参ります。
3
市政を取り巻く状況
一方,市政経営を取り巻く状況につきまして,日本の経済状況全体では
緩やかな回復基調にあるものの,個人消費と設備投資ではなお弱さが見ら
3
れ,未だデフレ脱却への道の途上にあるとされております。市財政におい
ては,景気の好影響が一部市税収入に見て取れますが,今後の地域経済や
市民生活への景気の好循環の見通しはなお不透明であります。
こうした中,国においては,「一億総活躍社会の実現」に向けて,「希
望を生み出す強い経済」,「夢をつむぐ子育て支援」,「安心につながる
社会保障」の「新・三本の矢」が打ち出され,子育てや社会保障の基盤を
強化し,更に経済を強くするという「成長と分配の好循環」の考えの下,
その緊急対策が平成27年度補正予算に盛り込まれました。
その中に位置付けられた地方創生加速化交付金については,市としてこ
れを積極的に活用すべく,総合戦略に位置付けた取組や次年度の新規・拡
充事業の前倒し実施など施策横断的な観点から検討し,子ども・若者育成
支援やまちの魅力発信事業を軸として,子ども・若者に関する実態調査や
地域の若者支援団体等との連携を図る協議の場の設置,カナダ・ケベック
州との連携事業や水木しげる氏に関する図書館事業の充実など,関連事業
の連携を図ったところです。
その他施策を取り巻く状況として,団塊の世代の全てが後期高齢者とな
る2025年を見据えた高齢者福祉,介護保険制度改正に伴う取組,子ど
も・子育て支援新制度に基づく取組など,福祉・子ども分野における制度
改正への対応,インフラを含む公共施設の適切な維持保全・更新への対応
など,全国的な課題に対して,市としても重要課題として取り組み,今後
の総合的な施策展開に向け,着実に推進して参ります。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに関しましては,平成
27年度において,調布市で実施される競技の追加が決定し,さらに,前
年の2019年ラグビーワールドカップについては,開会式及び開幕戦が
調布市で開催されることが決定いたしました。
世界最大級のスポーツイベントが我が調布市において,2年連続で開催
されることは,市民にとってもこの上ない喜びとなり,とりわけ未来を担
う子どもたちにとっては,人生におけるスポーツの役割の重要性や平和の
尊さを実感するとともに,明るい希望と夢を抱いて世界に目を開く絶好の
機会となるものと確信しております。この好機を最大限に活用し,我がま
ち,そして多摩地域全体の振興につなげられるよう東京都や関係機関,近
4
隣自治体や市内の多様な主体と一層連携を図りながら取り組んで参ります。
平成28年度からは,市の組織体制も更に強化し,調布のまちの活性化や
その後のレガシー創出に向けた取組を展開するため,スポーツ振興や文化
振興,産業・観光振興,青少年健全育成など様々な角度から準備を進めて
参ります。
4
まちづくりの基本理念の実現に向けて
さて,今年はオリンピックイヤーでありますが,激動の中東情勢を背景
にテロの脅威の増大や難民問題が顕在化しており,欧州・アジアにおいて
も力による現状変更の動向が懸念されるなど,現下の世界情勢は混迷を深
めています。オリンピックは平和の祭典でもあり,オリンピズムの根本原
則には,人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の確立が掲げられてい
ます。今年のリオデジャネイロ大会を契機に,この理念が,改めて世界中
のあらゆる人に共有され,大会が平和の祭典として成功裏に終わることを
願ってやみません。
我が国は,戦後70年にわたり恒久平和への努力を絶やさず,現在に至
っています。調布市においても,非核平和都市宣言と国際交流平和都市宣
言の理念に基づき,市民と共に,様々な平和事業を実施して参りました。
また,調布市基本構想におけるまちづくりの基本理念では,人権が尊重さ
れ平和に暮らすことができる「共生の実現」を掲げています。
平成27年度において「国際交流基金」を「国際交流平和基金」に改め,
国際理解の醸成や多文化共生に関する事業に加え,平和事業への活用も可
能としたことから,今後,オリンピック・パラリンピックへの機運醸成と
も連動した国際交流・平和事業を展開して参りたいと考えております。
5
市政経営の2つの基本的な考え方による取組の推進
続きまして,市政経営の2つの基本的な考え方による取組の推進であり
ます。
調布のまちが現在,市制施行以来,最大規模の変革を遂げつつある中で,
市民本位のまちづくりを進め,市政を取り巻く諸課題に的確に対応してい
くためには,引き続き,市民の理解と協力の下,参加と協働のまちづくり
5
を推進するとともに,中長期的な将来見通しを踏まえた持続可能な市政経
営に取り組むことが不可欠であります。
(1 ) 参 加 と 協 働 の ま ち づ く り
参加と協働のまちづくりの一層の推進に向けては,この間,自治の理
念と市政運営に関する基本条例に連なる,パブリック・コメント手続条
例及び審議会等の会議の公開に関する条例を制定いたしました。今後,
これらの条例に基づく制度の全庁統一的な運用を図るとともに,引き続
き市民参加手続全般の適切な運用と創意工夫を実践して参ります。また,
60周年記念事業として実施した取組を含め,これまでの実践を通じて
培った官民連携や市民の主体的な活動の発展を促進して参ります。
参加と協働の基盤となる地域コミュニティの醸成については,自治会
活動等への必要な支援や地区協議会に対する運営支援とともに,地区協
議会未設立地区への継続的な働きかけに努め,地域のネットワーク構築
に取り組んで参ります。
また,参加と協働の前提となる市政情報の積極的な提供については,
引き続き様々な媒体の活用と報道機関等へのパブリシティ活動に努めて
参ります。併せて,動画配信やソーシャルメディアを活用した情報発信
に加え,調布のまちの魅力発信事業の充実を図って参ります。地域情報
化については,「さがす見つかるシステム」のポータルサイト化を図り,
生涯学習・市民活動に関する多様な情報発信を進めます。また,オープ
ンデータの取組や市民等との議論の場を通じて,市民主体による地域情
報化を推進して参ります。
(2 ) 持 続 可 能 な 市 政 経 営 の 推 進
次に,持続可能な市政経営の推進については,市政経営の一層の効率
化に向け,行革プラン2015に位置付けた取組を着実に推進して参り
ます。
PDCAマネジメントサイクルに基づく行政評価と連携して,平成
27年度に補助金等審議会から答申された評価・見直し基準等を活用し,
補助金等の必要な見直し・改善につなげて参ります。併せて,監理団体
の事業や指定管理者の取組に関する評価の仕組みについて検討し,実践
6
に取り組みます。
公共施設の適切な維持保全については,計画に基づく取組を着実に推
進するとともに,安全・安心の観点等から緊急的に対応すべき補修工事
については適切に対処して参ります。また,工事請負契約における入札
不調への対策に継続的に取り組むとともに,市内事業者の受注機会の確
保にもこれまで以上に意を用いることとし,市の制限付き一般競争入札
の実施基準を改正します。
学校施設については,耐久性調査を踏まえた今後の中長期的な対策に
ついて,引き続き検討を進めて参ります。また,市庁舎の耐震化につい
ては,平成27年度に実施した耐久性調査及び費用対効果の検証を踏ま
えて免震改修を進めることとし,平成28年度は,平成29年度からの
設計・工事の実施に向け,公募型プロポーザルにより事業者の選定を行
います。市庁舎の更新問題については,耐震化事業と併行して,引き続
き将来を見据えた検討を進めて参ります。
また,平成27年度に取りまとめる公共施設白書や行財政改革推進会
議での官民連携に関する議論を踏まえ,インフラを含む公共施設全体の
今後の維持保全・更新・長寿命化の方向性と合わせ,持続可能な施設運
営を見据えた機能の再編・統廃合,管理の在り方等に関する総合的な計
画を策定し,その後の取組の推進につなげて参ります。
マイナンバー制度については,本年1月以降,制度の運用と個人番号
カードの発行が開始されており,引き続き,市民に分かりやすい周知に
努めるとともに,適切な制度運用と情報セキュリティへの対応を図って
参ります。
人材の確保・育成については,平成27年度に策定する特定事業主行
動計画に基づき,女性職員の活躍推進の取組を進展させて参ります。こ
の取組は,女性職員を対象としたキャリア形成支援にとどまらず,管理
職職員・男性職員を含む意識改革や,働き方の改革,若い世代の昇任意
欲の向上を促し,多様な職員の視点を市政経営に反映し市民サービスの
向上につなげるものであり,男女共同参画社会の実現に向け,市がモデ
ル事業所として積極的に行動していくものであります。そのため一朝一
夕に成果を求めるのではなく,短期的な対策と中長期的な取組を区別し
7
て考え,議論を深めながら,実効を上げられるよう取り組んで参りたい
と考えております。
このほか,専門性を有する人材の確保については,任期付職員採用と
して平成28年度に法務専門職の採用を行い,併せて法務・例規部門の
専務体制を整備いたします。これらの取組の効果を検証しながら,今後
の任期付採用の拡充や管理職登用の在り方の検討を進めて参ります。
6
予算編成に当たって
次に,予算編成についてであります。平成26年度の一般会計決算では
過去最高の市税収入となりましたが,その主な増要因となった法人市民税
は,今後,新たな税制改正等による減収影響が見込まれ,平成28年度の
市税収入総体では財政フレームの水準を下回るものと見込んでおります。
一方歳出では,基本計画事業の進捗に伴う変動要因のほか,子育て支援な
ど国の制度改正に伴う経費の増,情報システム関係経費の増など,財政フ
レームで見込んでいない財政需要に対処しなければなりません。
こうした厳しい財政環境について,全職員が共通認識を持つ中で,平成
28年度の予算編成については,第1に,基本計画の重点プロジェクトを
基軸とした各施策の着実な推進とともに,市民の安全・安心の確保と市民
生活支援に取り組むこと,第2に,選択と集中の観点から事業の優先度や
内容・規模・効果を厳しく精査し,あらゆる角度から財源確保と経費縮減
に取り組むこと,第3に,財政の健全性維持のため,複数年次を見据えた
財政構造の改善と財政基盤の強化に取り組むこと,以上の3点を基本姿勢
として,編成作業に当たって参りました。
歳入につきましては,その根幹をなす市税において,経済状況や税制改
正の影響のほか,収納率向上への取組やオール東京で取り組んでいる特別
徴収の推進などにより,個人市民税と固定資産税を合わせて4億4千万円
余の増を見込んだものの,法人市民税に関しては,法人収益の増に伴う増
収分より,一部国税化や国税の税率引下げ等の影響による減収分が上回り,
6億5千万円余の減を見込んでいます。市税総体としては,前年度当初と
の比較で約0.5パーセント,2億1千万円余の減を見込んでおります。
その他主要な一般財源である各種譲与税・交付金については,税制改正等
8
の影響により,6億2千万円余の増を見込んでおります。そのうち,地方
消費税交付金については,前年度比5億2千万円余の増を見込んでおりま
す。
歳出につきましては,基本計画事業費の確保のほか,市民の安全・安心
の確保をはじめ,社会保障関係経費,待機児童対策に伴う保育園運営経費,
公共建築物の適切な維持保全や公共工事に係る経費,情報システムに関す
るセキュリティ対策の強化など,避けがたい財政需要の増を計上しており
ます。
そのため,基本計画事業以外の新規・拡充事業の厳選をはじめ,経常的
経費のこれまで以上の精査や,地方創生関連の交付金など新たな特定財源
の確保のほか,公共施設整備基金や財政調整基金の活用,並びに財政規律
と将来負担に留意した市債活用を図る中で,収支均衡を図ったところであ
ります。
この結果,平成28年度一般会計の歳入歳出予算は,総額853億6千
万円となり,前年度と比較して3億9千万円,0.5パーセントの増とな
りました。目的別の構成比では,民生費が49.2パーセントで最大の比
率となっており,以下,教育費,土木費が12パーセント,次いで,総務
費10.5パーセントとなっております。
また,各特別会計予算についても,各会計における所要の財源及び経費
を見積もるとともに,各会計間の均衡を失することのないよう,一般会計
と同一基調で編成いたしたところであります。
7
主要な施策について(重点プロジェクトへの取組)
それでは,基本計画の4つの重点プロジェクトを中心に,平成28年度
における主要な施策・事業について,順次申しあげます。
(1 ) 「 強 い ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト
はじめに,「強いまち」をつくるプロジェクトであります。
東日本大震災から間もなく5年が経過しようとしています。東北の被
災地においては,元の姿を取り戻しつつある地域もあれど,多くの地域
は復興への道のりの途上にあり,今なお故郷に帰ることすら叶わない方
々がおられることを忘れてはなりません。大震災の経験と教訓を風化さ
9
せないためにも,可能な範囲で被災地への応援を継続しながら,自らの
防災対策を不断に改善・強化していくことが大切です。
市では地域防災力を高める取組として,防災市民組織の結成・運営支
援に取り組んでおりますが,平成27年度は,国の地方創生交付金の活
用などにより,前年度を上回る増加数となりました。また,避難行動要
支援者に対する地域の支援体制の整備においては,市と地域組織との協
定締結が20団体に及び,前年度の2倍以上に増加しました。災害時に
地域において共助の要となるこれらの団体は,地域コミュニティの醸成
や地域福祉の推進にも大きく寄与するものと期待されることから,引き
続きその結成と運営支援等を推進して参ります。
今年で5回目となる調布市防災教育の日においては,地域主体で作成
を進めている避難所運営マニュアルを活用した取組など,これまで以上
に地域との連携に意を用いて参ります。
災害対策用の資機材や備蓄品の確保・充実については,平成28年度
は,小学校の備蓄コンテナの増設を進めるとともに,マンホールトイレ
や非常用小型発電機等の配備による避難所の運営体制強化を図って参り
ます。このほか,京王線地下化後の鉄道敷地において,帰宅困難者対策
を含む緊急物資等の受入,配分,輸送等を行う地域内輸送拠点として防
災倉庫を整備します。
また,災害時の迅速な情報伝達手段の確保のため,平成28年度は,
移動系防災行政無線のデジタル化に向けた設計を実施します。
災害時医療対策については,医師会や歯科医師会等との協議を踏まえ,
緊急医療救護所の運営に必要な資機材を配備するとともに,救護所を設
置する病院での訓練や,その検証を通じて,体制の充実を図って参りま
す。
こうした地域での連携のほか,広域的連携による防災対策として,複
数の遠隔地の自治体と災害時相互応援体制の構築に向け協議して参りま
したが,本年1月に岐阜県岐阜市及び富山県富山市との協定締結に至り,
この3月には,岩手県遠野市とも協定を締結する運びとなっております。
今後,3市とは,平常時における防災活動の情報共有や意見交換等を通
じて協力関係の向上につなげて参りたいと考えております。
10
消防力の強化につきましては,平成28年度は,消防団のポンプ車1
台の更新のほか,消防団活動における広域通信体制の強化を図るため,
デジタル簡易無線アンテナ等の整備により,災害時における対応能力の
向上を図って参ります。
また,調布消防署本署の建替えに関しましては,東京都との調整によ
り,平成28年度に必要な用地を取得するとともに,仮設庁舎の整備な
ど,引き続き,建替え計画が円滑に進むよう,東京消防庁及び関係機関
と連携を図って参ります。
災害に強い都市基盤の整備としては,引き続き,下水道施設や橋りょ
うの耐震改修を計画的に進めるほか,学校施設の非構造部材の安全対策
や避難所機能の向上の取組を進めて参ります。
特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進事業につきましては,引き
続き,東京都と連携して,所有者の合意形成支援や費用負担軽減策の周
知に努め,耐震改修等の促進に継続的に取り組んで参ります。
「強いまち」に関連する防犯対策につきまして,特殊詐欺の被害は依
然として多い状況にあることから,引き続き,調布警察署と連携しなが
ら,様々な媒体を通じて詐欺被害の最新の傾向と対策の周知啓発に努め
るとともに,各種キャンペーンやイベントなど関係機関と連携した被害
防止活動に取り組んで参ります。
また,青色回転灯装備車両による安全・安心パトロールの実施のほか,
調布警察署と連携した子どもたちの防犯に対する意識啓発や地域の防犯
力強化に向けた活動支援を継続し,安全で安心して暮らせる生活環境の
確保に努めて参ります。学校周辺及び通学路への防犯カメラの設置につ
いても,計画的に実施して参ります。
(2 ) 「 安 心 し て 住 み 続 け ら れ る ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト
次に,「安心して住み続けられるまち」をつくるプロジェクトであり
ます。
調布市版の地方創生総合戦略と合わせて策定した人口ビジョンでは,
調布市においても,やがて人口減少・少子化に転じ,本格的な超高齢社
会が到来することを予測しております。これに伴う社会保障関係経費の
11
一層の増大や生産年齢人口の減少による地域の活力の低下が懸念される
中,総合戦略では,「安全・安心な暮らしの確保」,「安定した人口構
造の保持」,「交流人口の増加と定住化の促進」の3つの視点による基
本目標を掲げ,福祉・子ども分野における国の制度改正への対応をはじ
め,施策横断的に取り組むべき事業や多様な主体と連携した取組を体系
化したところです。
高齢者を取り巻く生活支援体制の整備や,社会的な困難を抱える子ど
も・若者の自立支援と貧困の連鎖防止など,国の制度改正への対応とし
て開始した取組の推進をはじめ,引き続き,福祉・健康施策,子ども・
教育施策をはじめ関連施策の横断的連携を深化させるとともに,関係機
関・団体等とのネットワークの輪を広げ,市民が安心して住み続けられ
るまちづくりを進めて参ります。
平成29年度までを計画期間とする地域福祉計画・高齢者総合計画・
障害者総合計画のいわゆる福祉3計画については,次期改定に向け,平
成28年度に市民福祉ニーズ調査及び住民懇談会を実施します。これら
の取組とともに,引き続き,地域包括ケアシステムの構築に向けた体制
整備を進めて参ります。
高齢者福祉では,介護保険法の改正により,介護予防給付のうち,訪
問介護と通所介護が,市町村の実情に応じて取り組む介護予防・日常生
活支援総合事業に移行されることとなり,調布市では本年10月から移
行します。移行に当たっては,現行の国基準と同様のサービスに加え,
市の独自基準によるサービスを実施することから,平成27年度に開設
した福祉人材育成センターを活用し,新たなサービスの担い手の養成に
取り組んで参ります。また,見守りネットワーク事業の継続的な取組と
合わせ,孤立しがちな一人暮らし高齢者を対象とした見守り事業の充実
を図って参ります。
障害者福祉では,第4期障害福祉計画に基づき,計画的に取組を進め
ます。また,障害者差別解消法の施行に伴い,庁内研修やチラシ等の作
成,自立支援協議会での普及啓発活動を行って参ります。そのほか,ち
ょうふだぞうの支援体制の充実を図るとともに,すまいる分室を含む施
設の移転に向け取組を進めて参ります。また,市内で2箇所目となる重
12
度重複障害者グループホームの開設を支援し,障害者が地域で暮らし続
けられる環境整備を図ります。
健康づくりの分野では,胃がんリスク検査を実施するほか,HIV抗
体検査などの妊婦健康診査項目の拡充を図ります。また,全ての子育て
家庭に対して,妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うた
め,保健センターや子ども家庭支援センターなどが連携して,出産・子
育て応援事業を開始します。
国民健康保険事業では,引き続き,医療費適正化の取組や国保ヘルス
アップ事業を推進するほか,持続可能な事業運営に向けた保険税率等の
見直しについて慎重な検討を重ね,国民健康保険運営協議会からの答申
を踏まえ,改正案を取りまとめたところであり,議会の皆様の御理解を
賜りながら,被保険者の皆様に今後も安心して医療を受けていただける
よう保険財政の安定的な運営に取り組んで参りたいと考えております。
セーフティネットによる生活支援においては,生活保護受給者の自立
に向けて,平成28年度は精神保健福祉士等を配置し,精神障害などに
より日常生活における健康管理が困難な被保護者に対して,専門的視点
から生活支援や保健指導を行うことにより,日常生活における自立の促
進を図ります。その他,庁内に誘致したハローワーク窓口での支援や就
職サポート事業を引き続き実施するほか,金銭管理支援事業と小・中学
生の学習塾代等への助成を拡充いたします。
また,子どもの貧困対策としての学習・相談支援事業をはじめ,困難
を抱える子ども・若者の居場所の提供や相談支援など総合的な支援につ
いて,引き続き,子ども・福祉部門が連携して実施して参ります。
併せて,義務教育就学児医療費助成制度について,低所得世帯を対象
とした負担軽減を図ります。
保育園の待機児童対策につきましては,この4月に向けて,430人
規模の定員拡大を予定しております。併せて,平成27年度から開始し
ている子ども・子育て支援新制度に沿った取組を着実に進め,調布市子
ども・子育て会議での議論を踏まえ策定した子ども・子育て支援事業計
画に基づき,平成28年度においては,500人規模の定員拡大を目指
し,認可保育園6園の誘致開設を進めます。
13
学童クラブについては,放課後子供教室事業ユーフォーとの連携によ
る一体的運営を引き続き推進するとともに,条例基準を踏まえた施設整
備と運営に努めて参ります。
教育施策につきましては,調布市教育プランに基づき,引き続き,平
成28年度の取組を推進して参ります。また,平成27年度に調布市総
合教育会議で協議し,未来を担う“調布っ子”の健やかな成長を支える
ため,学校,家庭,地域及び行政が連携・協力することを目指して,教
育大綱を定めました。教育委員会と市長部局がこれまで以上に連携を密
にし,大綱で示した基本方針の下,子どもたち一人一人に応じた教育・
支援やオリンピック・パラリンピック教育の推進など,組織横断的な取
組を推進して参ります。
特別支援教育については,平成27年度に改定予定の調布市特別支援
教育全体計画に基づき,特別な支援を必要とする児童・生徒が,適切な
指導を受けられるよう対応を図って参ります。また,引き続き,小・中
学校全校にスクールサポーターを配置し,教員の負担軽減ときめ細かな
学習指導の充実につなげます。
このほか,学校施設の整備については,老朽化対策として屋上防水,
受変電設備の改修を中心に,基本計画期間中に優先的に取り組むととも
に,特別教室の空調整備についても計画的に進めて参ります。児童・生
徒の増加による不足教室対策としては,小学校3校,中学校1校で普通
教室を整備するほか,調布中学校で少人数教室の整備工事を行います。
また,第五中学校の体育館の改築工事に着手します。北ノ台小学校では,
給食調理室の改修とともに,専用スペースの整備によりアレルギー対策
の充実を図ります。
(3 ) 「 利 便 性 が 高 く 快 適 で 豊 か な ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト
続きまして,3つ目の重点,「利便性が高く快適で豊かなまち」をつ
くるプロジェクトについてであります。
平成24年8月の京王線地下化の実現から,3年半が経過しました。
それ以前から長い時間をかけて,市民と共に計画し推進されてきた南北
一体の街づくりは,現在,21世紀の調布のまちの骨格づくりへと展開
14
し,年を追うごとに目に見える形で進展してきています。
調布駅前広場については,交通結節点としての機能を向上させるとと
もに,にぎわいや交流,うるおい,やすらぎのある,新生・調布のシン
ボルとなる駅前広場として,平成28年度より北側から段階的に整備を
進めて参ります。布田・国領の駅前広場については,バス停留所等の上
屋の整備工事を実施します。
鉄道敷地については,鉄道敷地ミーティング等を通じていただいた,
市民や自治会,商店会などの関係団体からの意見を踏まえ,平成27年
度策定予定の鉄道敷地整備計画に基づき,段階的に整備を進めて参りま
す。平成28年度は,鉄道敷地端部の公園,福祉施設,防災倉庫の整備
のほか,駅周辺の自転車駐車場等の整備を進めるとともに,計画に基づ
く用地取得や設計等を行います。
引き続き,市民交流やにぎわいの創出など,まち全体の活力と市民生
活の質の向上につながるよう,各ゾーンの特性を生かした整備を進めて
参ります。
一方,調布駅周辺では,多摩地域最大級のシネマコンプレックスを含
む3棟の民間複合商業施設が,平成28年度から着工される予定です。
また,平成32年の東京オリンピック・パラリンピックの会場ともなる,
武蔵野の森総合スポーツ施設は,平成28年度の竣工に向け東京都の建
設工事が進行しているところです。
東京オリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップ日本大
会に向けたソフト面の取組につきましては,これまで実践してきた,映
画のまち調布の取組や,商工会,商店会をはじめ多様な主体と連携した
様々な活性化事業,そして,市制施行60周年記念式典において発信さ
せていただいた,豊かな芸術文化・スポーツ活動を育むまちづくり宣言
に連なる取組など,施策横断的に展開して参ります。これらソフト面の
取組を,民間や東京都の事業も含め,ハード面の取組と連動させながら,
ソフト・ハード一体となってより一層の魅力の創出を目指して参ります。
そのほかの基盤整備につきまして,自転車等駐車場の整備としては,
平成28年度は,鉄道敷地3箇所の整備を実施するほか,2箇所の用地
取得等を進めるとともに,調布駅前広場の地下自転車駐車場の整備に伴
15
い,既存施設や公園等の撤去工事を進めて参ります。また,つつじヶ丘
駅周辺においては,駅北側の自転車等駐車場の有料化に係る整備工事を
実施します。
都市計画道路及び生活道路については,一体的な道路網として,平成
27年度策定予定の調布市道路網計画に基づき,計画的に整備を進めて
参ります。また,狭あい道路についても着実に整備を実施するとともに,
都市計画道路の計画検討路線については,路線ごとの課題整理を進めて
参ります。
中心市街地における都市計画道路については,歩行者の回遊性向上と
道路ネットワークの構築を図るため,調布3・4・28号線(蓮慶寺の
通り)の用地取得を引き続き進めるとともに,一部区間について整備工
事を実施します。調布3・4・26号線の布田駅北側については,平成
29年度の事業化に向けた準備を進めて参ります。その他,調布3・4
・32号線(西調布駅北口)及び調布3・4・33号線(飛田給駅南口)
については,平成28年度の完成を目指し,引き続き整備工事を進める
ほか,調布3・4・21号線(つつじヶ丘駅南口)の用地測量を進めて
参ります。
そのほか,住民発意の街づくりについては,街づくり提案に向けた活
動を支援するとともに,地元の皆様の街づくりの機運の高まりに合わせ
て,地区の特性を生かした地区計画制度を活用した街づくりを進めて参
ります。また,柴崎駅周辺については,歩行者の安全確保など,交通環
境の課題解決に向けた取組を引き続き進めて参ります。飛田給駅周辺に
おいては,味の素スタジアム周辺の無電柱化工事を進めるなど,東京都
と連携してオリンピック・パラリンピック等の開催を見据えた環境整備
に取り組んで参ります。
(4 ) 「 う る お い の あ る ま ち 」 を つ く る プ ロ ジ ェ ク ト
最後に4つ目の重点,「うるおいのあるまち」をつくるプロジェクト
であります。
多摩川・野川をはじめとする河川や国分寺崖線,武蔵野の面影を残す
農地や屋敷林など調布市の水と緑は,都心から近距離にある交通至便な
16
立地の下,まちが大きく発展を遂げてきた中で,都市化の波にのまれな
がらも,市民の力により脈々と受け継がれてきた,かけがえのない財産
であります。引き続き,これら調布市の貴重な財産を守り,育て,将来
世代に継承して参ります。
平成28年度は,深大寺元町地区の特別緑地保全地区指定に向けた調
査検討を実施するほか,入間町2丁目緑地における崖線樹林地保全管理
計画の策定に向けた検討を行うなど,緑の保全に向けた取組を進めます。
また,(仮称)緑ケ丘2丁目公園の実施設計を行うほか,鉄道敷地端部
の公園を整備します。
そのほか,公園施設長寿命化計画に基づく,遊具等の補修・更新を進
めるとともに,平成27年度に策定した公園・緑地機能再編指針に基づ
く整備プランを作成します。
深大寺・佐須地域の自然環境の保全・活用については,地権者の御意
向等を最大限尊重しながら,これまで農業・農地を活かしたまちづくり
事業を進めて参りました。平成28年度は,同事業により整備した営農
支援施設「(仮称)調布市佐須農(みのり)の家」の運営を開始するほ
か,引き続き,深大寺・佐須地域環境資源保全・活用基本計画に基づく
施策・事業を推進するとともに,農業従事者等と意見交換を行い,平成
29年度に向けて今後の支援事業を検討して参ります。
そのほか,市独自の都市農業育成対策事業の充実を図るとともに,引
き続き,東京都の事業を活用し,都市農業経営の活性化を支援します。
景観まちづくりについては,屋外広告物に関してきめ細かな景観誘導
を図るためのガイドラインを策定し,景観計画に基づく良好な景観形成
に向けた実効性の向上を図ります。併せて,公共サイン整備方針に基づ
き,多言語対応を含むサイン計画の検討・運用を進めて参ります。また,
深大寺地区におけるまちづくりでは,地元街づくり協議会と連携しなが
ら,遊歩道の設計など引き続き街なみ環境整備事業を推進して参ります。
ごみの減量と資源化の取組につきましては,一般廃棄物処理基本計画
に基づく事業の着実な推進のほか,新たにアプリを導入し,ごみの出し
方や分別方法の情報提供の充実と併せ,ごみ減量・リサイクルの意識啓
発を図ります。クリーンセンター機能の再編・移転に向けては,移転後
17
の跡地活用について全庁的な検討に取り組みながら,移転先である二枚
橋焼却場跡地の都市計画決定の廃止に関する手続を行い,用地取得,実
施設計,生活環境影響調査など,必要な取組を進めて参ります。
8
おわりに
以上,平成28年度における市政経営について,所信を申し述べさせて
いただきました。
平成28年度は,基本計画の2年次目として,また,調布市が誕生して
60年,人間の年齢に例えれば暦が還った昨年を,新生・調布の本格的な
幕開けとして,これまで以上に魅力あふれる豊かな調布市の実現に向け,
その歩みを力強く前進させる年と位置付け,諸施策を展開して参ります。
そして,2025年問題への対応や,地方創生,オリンピック等への取
組など,基本計画期間を越える取組については,平成30年代の10年紀
のまちづくりを展望し,取組の到達点やその後の展開を見据えながら,歩
みを重ねて参りたいと考えております。
平成28年度におきましても,市民,議会の皆様と共に,明るい夢のあ
るまちづくりを着実に推進していく所存であり,ここに改めて,皆様の御
理解・御協力をお願い申しあげる次第であります。
18
本文は口述筆記ではありませんので,
表現その他に若干の変更があります。
登録番号
(刊行物番号)
2015-238
平成28年度における基本的施策について
発行日
平成28年2月
発
行
調布市
編
集
調布市行政経営部政策企画課
〒182-8511 調布市小島町 2-35-1
℡ 042-481-7368
印
刷
庁内印刷
2