(103) 第 30 回若手研究者のための健康科学研究助成成果報告書 2013 年度 pp.103∼108(2015.4) 筋の記憶を司るエピジェネティクス制御機構の探索 ―筋は若年期の運動習慣を記憶しているのか?― 吉 原 利 典* 町 田 修 一** 後 藤 佐 多 良* 柿 木 亮*** THE EPIGENETIC MECHANISM OF MUSCLE MEMORY Toshinori Yoshihara, Shuichi Machida, Sataro Goto, and Ryo Kakigi Key words: epigenetics, histone deacetylase, muscle memory, physical activity. 緒 言 生活習慣病の罹患率を高めることが指摘されてい る。したがって、若年期における運動刺激・不活 トレーニングによって得られた効果は、その中 動刺激は、DNA 配列の変化を伴わない遺伝子情 止によって容易に失われるが、再びトレーニング 報として筋に記憶され、その後の筋の適応、すな を開始すると速やかな応答が認められることがあ わちトレーニング効果の獲得や筋肥大・筋萎縮の る。実際、若年女性における30週間の脱トレーニ 生じやすさに多大な影響を与える可能性が高いと ングは、過去20週間のレジスタンストレーニング 考えられる。しかし、若年期の運動経験の有無が によって増加した筋力や筋線維横断面積を低下さ エピジェネティックな遺伝子発現制御機構を介し せるが、再びトレーニングを行うとわずか 6 週間 て骨格筋に記憶されているか否かはこれまで明ら で同様の効果が得られる 。このことから、骨格 かにされていない。 筋には適応する過程で運動刺激やトレーニング効 そこで本研究は、若年期の運動経験が筋内に記 果を何らかの形で筋内に記憶し、再び刺激が与え 憶されるか否かについて、ヒストン修飾によるエ られた際に速やかに適応する仕組みが備わってい ピジェネティクス制御機構から明らかにすること ると考えられる。 を目的とした。 6) 近年、筋が運動刺激を記憶するメカニズムとし て、 生 育 環 境 や 栄 養 な ど の 環 境 要 因 に よ っ て DNA 配列の変化を伴わない後天的なゲノム修飾 研 究 方 法 A.実験動物および飼育条件 (DNA のメチル化やヒストンのアセチル化など) 若齢( 3 週齢)の雄性マウス104匹(日本エス によるエピジェネティクス制御機構が注目されて エルシー)を用い、 1 週間予備飼育した後、体重 いる。例えば、若年期における過剰なエネルギー が等しくなるように以下の群に分けた。 の摂取はこれらの機構を介して成人期の肥満症や * ** *** ① コントロール群(SED,n = 39): 4 (n = 順天堂大学スポーツ健康医科学研究所 Institute of Health and Sports Science & Medicine, Juntendo University, Chiba, Japan. 順天堂大学スポーツ健康科学研究科 Graduate School of Health and Sports Science, Juntendo University, Chiba, Japan. 順天堂大学医学部 School of Medicine, Juntendo University, Tokyo, Japan. (104) 10) 、16(n = 8 ) 、28(n = 10)または40(n に従って分析し、反応開始後 5 分から分光光度計 = 11)週齢時まで通常飼育。 を用いて吸光度の変化を測定した。 ② ト レ ー ニ ン グ 群(WR,n = 33) :16(n = F.ミオシン重鎖(MyHC)アイソフォーム組成 12) 、28(n = 10)および40(n = 11)週齢時 MyHC アイソフォームの分離は Sugiura & Mu- まで、それぞれ12、24または36週間の自発走 rakami の方法 7) を改変した SDS-PAGE により分 トレーニングを実施。 離した。泳動後のゲルは coomassie brilliant blue 染 ③ 若年・中年期トレーニング群(YMWR,n = 21) :16週齢までトレーニングを実施し、 色を施して蛋白質を可視化した。 G.統計処理 16∼28週齢時まで通常飼育した後(28週齢時 得られたデータは、すべて 4 週齢時(PRE)の n = 10) 、28∼40週齢時までトレーニングを 平均値を 1 とした場合の発現率で示した(平均値 実施(40週齢時 n = 11) 。 ±標準誤差)。統計学的分析は、各週齢について ④ 中年期トレーニング群(MWR,n = 11): 対応のない t 検定または一元配置の分散分析を行 28週齢時まで通常飼育した後、28∼40週齢時 い、分散分析により有意差が認められた場合に までトレーニングを実施。 は、Fischer 法による多重比較を行った。有意水 トレーニング群のマウス(②∼④)は、 4 また 準は危険率 5 %未満とし、10%未満を傾向ありと は28週齢から運動したいときに自由に回転ホイー した。 ルにアクセスできる直径14.5 cm(幅 5 cm)の回 結 果 転式自発運動量測定装置で12∼36週間の自発走ト A.体重および腓腹筋相対筋重量 レーニングを行った。 なお、本研究のすべてのプロトコルは、順天堂 16週齢時の体重は、SED 群と比較して WR 群 大学の動物実験委員会の承認を得て行われた(承 で有意に低値を示した。また、40週齢時では、 認番号:H24-02)。 SED 群および MWR 群と比較して YMWR 群で有 B.骨格筋サンプリング 意に低値を示した。各週齢時において腓腹筋重量 各実験期間終了後( 4 ,16,28または40週齢時)、 に群間で有意な差は認められなかった(データ未 マウスの体重を測定し、麻酔下で屠殺した後、両 記載)。 脚から下肢骨格筋を摘出し、左脚の腓腹筋を被検 筋として分析を行った。 B.ミオシン重鎖(MyHC)アイソフォーム組成 16週齢時のタイプ IId/x MyHC は SED 群と比較 C.ウェスタンブロット して WR 群で有意に高値を示した(図 1 A)。ま 凍結されたマウスの腓腹筋を液体窒素存在下で た、28週齢のタイプ IId/x MyHC は、WR 群と比 パウダーにし、Senf et al. の方法 を改変した方 較して、YMWR 群で有意に低い値を示した。40 法により可溶性分画および核分画の蛋白質をそれ 週齢時には、中年期にのみトレーニングを行った ぞれ抽出した。蛋白質は電気泳動により分離させ MWR 群は WR 群と比較してタイプ IId/x MyHC た後、メンブレンに転写し、抗原抗体反応を用い が有意に低値を示した。また、SED 群と比較し て検出した。 て WR 群のタイプ IId/x MyHC は増加、IIb MyHC 4) D.遺伝子発現 は低下する傾向がみられた(P = 0.078)。 Okamoto et al. の方法 に基づき、凍結されたマ 3) C.CS 活性 ウスの腓腹筋の筋パウダーから総 RNA を抽出し 16週齢時において WR 群は SED 群と比較して た。RNA(2000 ng)は逆転写反応を行った後、 有意に高い CS 活性を示したが、28週齢時では群 TaqMan Universal PCR Master Mix II(Applied Bio- 間に有意な差は認められなかった(図 1 B)。また、 systems)を用いて定量的 PCR 解析を行った。 40週齢時ではトレーニングにより CS 活性は高 E.Citrate Synthase(CS)活性(CS, EC 4.1.3.7) クエン酸合成酵素活性の測定は、Srere の方法 5) まったが、YMWR 群でのみ SED 群と比較して高 値を示す傾向が認められた(P = 0.067)。 (105) 4wks PRE 16wks SED 28wks WR SED 40wks WR YMWR SED 4wks WR YMWR MWR SED Type IId/x 16wks SED WR 28wks SED WR 40wks YMWR SED WR YMWR MWR Hsp72 Type IIb * * P = 0.078 * * * * * * Hsp72(A.U.) P = 0.078 * 4wks SED 16wks SED WR 28wks SED WR 40wks YMWR * YMWR 16wks SED WR 28wks SED WR 図 2 .Hsp72 (A) および SOD1 (B) 発現量 Fig.2.The expression of heat shock protein 72 (A)and superoxide dismutase ( 1 B). The values are means SE. 16wks: unpaired t-test, 28 and 40wks: one-way ANOVA. * P < 0.05. 40wks YMWR SED WR YMWR MWR p-HDAC4/5/7(A.U.) * SED * 16wks SED WR PGC-1α mRNA(A.U.) p-HDAC4/5/7 4wks 28wks SED WR 40wks YMWR SED WR YMWR 4wks MWR SED 16wks SED WR 28wks SED WR 40wks YMWR SED WR PGC-1α * * PGC-1α protein(A.U.) * SIRT1(A.U.) MWR P = 0.053 図 1 .ミオシン重鎖アイソフォーム組成(A)およびクエ ン酸合成酵素活性(B) Fig.1.Myosin heavy chain isoform composition(A)and Citrate synthase (CS)activity (B). The values are means SE. 16wks: unpaired t-test, 28 and 40wks: one-way ANOVA. * P < 0.05. SED WR SOD1 P = 0.067 4wks SED * * 図 3 .p-HDAC4/5/7 (A), SIRT1(B), PGC-1α mRNA(C) および PGC-1α 蛋白質 (D) 発現量 Fig.3.p-HDAC4/5/7(A), SIRT1(B), PGC-1α mRNA(C), and PGC-1α protein(D)expressions. The values are means SE. 16wks: unpaired t-test, 28 and 40wks: one-way ANOVA. * P < 0.05. YMWR MWR (106) 4wks SED 16wks SED WR 28wks 40wks SED WR YMWR SED WR YMWR MWR Ac-Histone H3 p-HDAC4/5/7発現量と同様に、WR 群の SIRT1 発現量は16週齢時において SED 群と比較して有 意に高値を示した(図 3 B)。また、40週齢時にお Histone H3 P = 0.083 * いて YMWR 群および MWR 群は、SED 群および WR 群と比較して有意に低値を示した。 F. PGC-1α、Atrogin-1、Gadd45α mRNA お よび蛋白質発現量 PGC-1α mRNA 発現量は、16、28および40週齢 のいずれの群においても有意な差は認められな 4wks SED 16wks SED WR 28wks 40wks SED WR YMWR SED WR YMWR MWR H3 (K4me3) Histone H3 か っ た(図 3 C)。16 お よ び 28 週 齢 時 に お い て PGC-1α 蛋白質発現量は SED 群と比較して WR 群 で有意に高値を示した(図 3 D)。また、40週齢 時の YMWR 群および MWR 群は、WR 群と比較 して有意に低値を示した。一方、Atrogin-1および Gadd45α の mRNA および蛋白質発現量に群間で 有意な差は認められなかった(データ未記載)。 G.アセチル化ヒストン H3およびトリメチル 化リジン 4 発現量 図 4 .アセチル化ヒストン H3 (A)およびトリメチル化リ ジン 4(B)発現量 Fig.4.The expression of acetylated histone H3 (A)and histone H3 trimethyl-lysine4 (B). The values are means SE. 16wks: unpaired t-test, 28 and 40wks: one-way ANOVA. * P < 0.05. 16週齢時の WR 群におけるアセチル化ヒスト ン H3発現量は、SED 群と比較して高値を示す傾 向がみられた(P = 0.083, 図 4 A)。また、40週齢 時では、SED 群および WR 群と比較して YMWR 群で有意に高値を示し、SED 群と比較して MWR 群で有意に高値を示した。トリメチル化リジン 4 D.熱ショック蛋白質72(Hsp72)およびスー 発現量は、40週齢時の YMWR 群で最も高値を示 パーオキシドジスムターゼ 1(SOD1)発現量 したが、群間で有意な差は認められなかった(図 16および28週齢時において WR 群の Hsp72発現 量は SED 群と比較して有意に高値を示した(図 2 A) 。また、28週齢時における YMWR 群は WR 4 B)。 考 察 群と比較して有意に低値を示した。40週齢時では、 本研究において若年期の自発走トレーニング MWR 群は SED 群および YMWR 群と比較して有 は、 ミ ト コ ン ド リ ア の 主 要 な 調 節 因 子 で あ る 意に高値を示した。 PGC-1α 発現量、そしてミトコンドリア活性の指 一方、40週齢時の MWR 群における SOD1発現 標となる CS 活性を増加させたことから、持久的 量は、YMWR 群と比較して高値を示す傾向が認 なトレーニングとして十分な運動刺激であったと められた(P = 0.053) (図 2 B) 。 考えられる。興味深いことに、28週齢から40週齢 E.p- ヒストン脱アセチル化酵素4/5/7 (HDAC 時までの中年期のトレーニングによる CS 活性の 4/5/7) およびサーチュイン 1(SIRT1)発現量 増加は、若年期に運動経験がある YMWR 群での 16週齢時において WR 群の p-HDAC4/5/7発現 み高まる傾向が認められた。また、一般的に持久 量は SED 群と比較して有意に高値を示した(図 的なトレーニングでは、MyHC アイソフォームに 3 A) 。また、40週齢時において YMWR 群および は IIb ⇒ IId/x ⇒ IIa ⇒ I へのタイプシフトが起こ MWR 群は、SED 群および WR 群と比較して有意 り、酸化系の代謝能力の向上が認められることが に低値を示した。 知られている。本研究においても若年期の運動経 (107) 験により MyHC アイソフォームは IIb/ ⇒ IId/x へ 考えられる。すなわち、若年期のトレーニングに とシフトしたが、若年期以降トレーニングを中止 よる長期的なヒストン H3のアセチル化は、中年 すると IId/x は有意に低下した(データ未記載)。 期 以 降 の 骨 格 筋 の 代 謝 能 力 や MyHC ア イ ソ フ しかし、若年期に運動経験を有する群では、タイ ォームのタイプシフトを調節するうえで重要な役 プ IIb から IId/x への MyHC アイソフォームのシ 割を担っているのかもしれない。今後は、若年期 フトの程度が中年期のみトレーニングを行った群 のトレーニングによる長期的なヒストンのアセチ と比較して大きい結果となった。このことは、若 ル化が、どの遺伝子プロモーター領域に特異的に 年期の運動経験は、その後運動を中止したとして 生じているのかについて明らかにする必要がある。 も、中年期におけるトレーニング効果の獲得に有 ところで、若年期の運動習慣は、ストレスに対 利に働く可能性を示している。 し誘導される Hsp72発現量を高めるが、その後運 HDAC4/5/7 は リ ン 酸 化 さ れ る こ と で myocyte 動を継続させることによって低下していった。こ enhancer factor-2(MEF2)から解離し、解離され れは、長期間のトレーニングに対する適応による た MEF2は PGC-1α のプロモーター領域に結合す ものであり、若年期運動経験を有する YMWR 群 ることで PGC-1α 発現量が増加する 。我々は若 においても同様の傾向が認められた。しかしなが 年 期 の ト レ ー ニ ン グ に よ る HDAC を 介 し た ら、中年期にのみトレーニングを行った MWR 群 MEF2の調節が、エピジェネティックな遺伝子情 では WR 群および若年期にも運動を経験してい 報として筋内に記憶され、中年期のトレーニング る YMWR 群と比較して Hsp72発現量は高く、同 によるトレーニング効果の獲得に貢献していると 時に SOD1発現量から評価した酸化ストレスも 考えたが、PGC-1α の mRNA 発現量および蛋白質 MWR 群でのみ亢進していた。このことから、若 発現量には若年期の運動経験の影響は認められな 年期の運動習慣によって、ストレスに対する Hsp かった。また、SIRT1は PGC-1α を脱アセチル化 の働きが筋に記憶されている可能性が考えられる することによりその発現量を正に調節しており、 が、本研究では明らかではない。 2) 若 年 期 の ト レ ー ニ ン グ で 増 加 し た も の の、 HDAC4/5/7と同様の結果であった。つまり、少な 総 括 くとも若年期の運動経験による40週齢時の CS 活 本研究の結果、若年期の運動経験は、中年期に 性の亢進には、HDAC や SIRT1を介した PGC-1α おいてミトコンドリア活性のマーカーである CS の調節は関与している可能性は低いのではないか 活性の増加や MyHC アイソフォームのタイプ IIb と考えられる。 から IId/x へのタイプシフトに貢献している可能 蛋白質のアセチル化、特にヒストンのアセチル 性が認められた。その背景として、若年期のト 化はエピジェネティックな遺伝子の発現を調節す レーニングによってヒストン H3のアセチル化が る核内の主要な翻訳後修飾であることは現在よく 亢進する傾向がみられ、その後の中年期の運動に 知られている。本研究では、トリメチル化リジン おいても、若年期に運動経験を有することにより 4 の発現量に有意な変化は確認できなかったが、 顕著な亢進が認められた。このことから、長期的 ヒストン H3のアセチル化量は、若年期のトレー なヒストン H3のアセチル化が“筋の記憶”とし ニングによって増加する傾向がみられ、若年期に て残され、そのことが中年期のトレーニング効果 運動経験を有する群ではその亢進が顕著であっ の獲得に一部貢献している可能性が考えられる。 た。これまで、脳においてはヒストン H3のアセ チル化亢進が記憶の再固定や想起の際に誘導さ れ、記憶に密接にかかわっていることが示されて いる1)。このことから、骨格筋が若年期の運動経 験を記憶するメカニズムとして、このヒストン H3のアセチル化の亢進が関与している可能性が 謝 辞 本研究に助成いただきました公益財団法人明治安田厚 生事業団に深く感謝申し上げます。研究の遂行にあたり、 ご協力いただきました放送大学准教授の関根紀子先生な らびに順天堂大学スポーツ健康科学研究科博士後期課程 (108) の棗寿喜君、都築孝允君、高嶺由梨さんには厚く御礼申 し上げます。 4)Senf SM, Dodd SL, Judge AR(2010) : FOXO signaling is required for disuse muscle atrophy and is directly regulated 参 考 文 献 1)Lubin FD, Sweatt JD(2007) : The IkappaB kinase regulates chromatin structure during reconsolidation of conditioned fear memories. 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