平成25年度 事業報告書

平成25年度 事業報告書
社会福祉法人
幡多福祉会
Ⅰ 平成25年度事業の概要
(1) 重症心身障害児者をめぐる法改正に対する対応
当法人に関係する障害児者を巡る法改正は、ここ数年めまぐるしいものがある。
重症心身障害児者は長く児童福祉法の経過措置によって、18 歳以上の成人であっても児童
福祉法の適応を受け、児者一貫の体制でサービスの提供がなされてきた。しかし、平成 24
年 4 月に大きな法改正があり、18 歳未満は児童福祉法の、18 歳以上は障害者自立支援法の
適用を受けることになった。そのわずか 1 年後の平成 25 年 4 月に、障害者自立支援法その
ものが廃止され、新たに障害者総合支援法が制定された。平成 25 年 4 月の法改正では基本
理念を改正して障害者の定義に難病等を追加するとともに、
「障害程度区分」を見直し「障
害支援区分」とし、重度訪問介護の対象者の拡大や、ケアホームのグループホームへの一
元化などの見直しが行われた。
当法人の平成 25 年度の事業執行に当たっては、制度改正によって利用者にサービスの低
下をきたさないよう十分な配慮をおこなうとともに、新たに児童デイサービスを開始する
など、地域における障害児者へのサービスの向上に努めた。
(2) 法人運営
昨年度来、政府の規制改革会議等の諸会議において、社会福祉法人に関わるさまざまな
指摘がなされ、厚生労働省内に設けられた「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」で
は、制度の見直しを含めた社会福祉法人の今後の在り方についての検討が進められている。
社会福祉基礎構造改革以降、在宅サービス等を中心に企業やNPO法人の参入が進み、
それらと同様の事業のみを実施しているだけでは、社会福祉法人の存在意義が理解されな
くなっており、補助金や非課税措置などの財政上の優遇措置を受けている事への理解は得
られなくなってきている。また、特別養護老人ホームに端を発した社会福祉法人の内部留
保問題は、当初の内部留保額の多寡を問題にすることではなくなり、それを社会貢献とし
て使っているかが問われるようになってきている。
当法人としては、平成 25 年度決算から財務諸表の開示が義務化されることを受け、昨年
度に全国社会福祉法人経営者協議会のHPに財務諸表の公開を行っている。
こうした社会福祉法人をめぐる大きな変革の流れを受け、透明性、公共性の高い組織統
治、地域の多様な福祉課題への先駆的な取り組みが今後の当法人には求められている。
<経営関係>
医療・福祉ともに経営的には安定しているが、法人全体での事業活動収入の推移と比較
し、事業活動支出が緩やかではあるが増加してきている。主な要因としては、人件費率の
増加、在宅支援事業の経営が安定しないことがあげられる。また、医療における専門職の
安定的確保、入所利用者の高齢化、特殊疾患病棟の 2016 年の診療報酬改定での廃止の懸念
等が中長期の安定経営に向けての課題であると考える。
昨年度は、施設整備の面からコスト削減に取り組み、入所病棟の南面ガラスに省エネ効
果の高い遮熱フィルム施工、入所病棟・地域交流ホーム照明のLED化を行った。
さらに、衛生面を主に導入した電解水生成装置を利用した洗濯への切り替えでは、従来
の洗濯にかかっていたコストの削減にもなった。
<施設整備面>
・敷地内の全面舗装工事(雨水の排水整備)
・渡りローカへのエアコン設置
・医療機器整備(脳波計購入)
・遮熱フィルム施工
・入所病棟・地域交流ホーム照明のLED化
(3) 施設運営
(利用者の処遇改善)
利用者の高齢化は身体的な衰えとなって現れ、日常生活面での様々な見直し・改
善を行ってきた。その中でも入浴に関しての見直しを病棟中心に昨年度より行い、
今後の検討課題として継続している。
(事業運営)
1) 療養介護事業・医療型障害児入所施設(幡多希望の家)
事業活動収入は安定しているものの、事業活動支出が緩やかに伸びてきてお
り、支出全体の見直しを中長期的な観点から進めていく必要があると考える。
2) 短期入所
短期入所(宿泊あり)の1日平均利用者が前年の 1.7 人から 2.6 人へと増え、
利用件数・延べ日数とも大幅な増加となったことで増収となった。しかしなが
ら、家族の利用ニーズと受入れ体制との調整が難しい現状は続いており、今後
も限られた短期入所枠の中で、いかに家族の利用ニーズに応えていくかが課題
である。
3) 在宅支援事業
在宅関係では昨年は新規に発達障害児を対象とした児童発達支援センター
を開設。利用希望者は少しずつ増加しているが、継続的な事業運営のためには
現在の個別療育から集団療育への転換が今後の課題である。
在宅支援事業全体では、各事業とも継続した運営は困難な状況が続いており、
運営全体の収支改善が課題である。
また、幡多地域での在宅支援においては広範囲に利用者が点在している事が、
事業の安定運営における大きな問題であり、今後の在宅支援事業を継続してい
くための課題である。