PDF/780KB - みずほフィナンシャルグループ

事業への取り組み 国際ユニット
銀行・信託・証券一体での金融サービスを
提供可能なアジアのトップ金融グループへ
先進の金融技術・ノウハウを活用した専門性の高いサービスの提供により、日系企
業のお客さまの海外事業展開を内外一体的にサポートしています。また、
〈みずほ〉
のグローバルなネットワークを活用し、世界各国の非日系企業のお客さまとも積極
的に取引を推進しています。
国際ユニット長 坂井 辰史
事業環境と戦略
平成26年度実績
近年、アジアはその高い成長率により世界経済を牽引して
国際ユニットの業績は平成26年度も着実に伸長し、海外
きました。そのなかで、アジアの金融機関や邦銀は、安定的に
の業務粗利益・貸出金は5年連続で過去最高を更新していま
資金供給を行い、そのプレゼンスを高めてきています。その
す。日系企業のお客さまとのお取引については、アジアを中
環境下、
〈 みずほ〉は、
「 日本とアジア」を起点としたグローバ
心に新規進出や事業拡大に向けた支援を加速しています。非
ル金融ビジネスにおいて、トップレベルの存在感を持つ金融
日系企業のお客さまとのお取引については、Super30戦略
機関としての地位確立を目指し、
「顧客軸」と「機能軸」の両軸
の進化に向けて、優良顧客基盤の拡充(Super50へ)、セク
併進による収益拡大を推進しています。
「顧客軸」については、
ターアプローチの強化、銀行・証券連携のさらなる強化を推
日系企業のお客さまに対して、大企業から中堅・中小企業ま
進しており、再編セクターにおける大型買収ファイナンスをア
で海外事業展開を強力にサポートしています。非日系企業の
レンジする等、着実に成果を上げています。この流れを加速
お客さまに関しては、Super30として重点営業対象先を4つ
する取り組みとして、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドか
の海外地域ユニットごとに約30社(全世界で約120社)選定
ら北米ホールセール事業の貸出資産等を取得しました。
し、長期的な関係構築を通じたビジネスの拡大に努めていま
基盤整備としては、
アジアを中心に高度化する資金管理ニ―
す。一方、
「機能軸」については、銀行・証券・信託の有するさま
ズや貿易取引に関するファイナンスニーズ等に幅広くワンス
ざまなプロダクツを高次元で融合するとともに、お客さまの
トップでお応えするため、アジアトランザクション営業部をシ
商流捕捉に向けたトランザクション機能の強化や、ファンディ
ンガポールに設置しました。
また拠点ネットワークの拡充にも
ング・ソース強化に向けた預金増強策の展開を進めています。
力を入れ、アジアでは、中国に現地法人の常熟出張所、タイに
さらに業容拡大を支える「基盤整備」として、戦略的拠点ネッ
バンコック支店イースタンシーボード出張所を開設しました。
トワークの展 開とともに、出 資・買収も活用したビジネス・
南米では、チリにサンチャゴ出張所を開設しました。また、海
ポートフォリオ強化に努めています。
外の主要な金融機関や政府系機関との提携を進めました。
外部環境、強みのデータ
各地域の実質GDP成長率の推移
(%)
12
(H26年から予測)
9
6
3
0
ー3
58
ー6
H12年
H15年
H18年 H21年
H24年 H27年
エマージング・アジア
ASEAN-5
G7
日本
※エマージング・アジア:
27カ国(中国、インド、
ASEAN(除くシンガ
ポール)等)
(出典)IMF世界経済見
通し
(平成27年4月)
海外業務粗利益(顧客部門)
・貸出金
(百万ドル)
4,000
3,000
2,000
1,000
0
2,445
1,266
3,037
1,448
774
3,262
1,595
827
3,527(億ドル)
1,820 2,000
863
1,500
1,000
790
837
1,056
1,121
1,474
1,598
1,608
H23年度
H24年度
H25年度
H26年度
657
668
500
0
欧州
米州
アジア
貸出金末残〔右軸〕
「顧客軸」と「機能軸」の両軸併進による収益拡大を目指す
顧客軸
機能軸
クロス
リージョナル
投資銀行
プロダクツ
■銀行・信託・証券の有するさまざまなプロダクツを
高次元で融合
■日本、
アジアを基点
とする拠点間連携
強化
トランザク
ション・バン
キング
■商流の捕捉へ向けたトランザクション機能の強化
■ファンディング・ソース強化へ向けた預金増強施
策の展開
非日系
■優良コア先へのフォーカス戦略
■銀行・証券一体となった深掘り営業推進
日系
■日系企業の進出捕捉強化
■商流捕捉による決済ビジネスと外貨預金の
囲い込み
基盤整備
■業容拡大を支える業務基盤整備 ■戦略的な拠点ネットワーク展開と、出資・買収も活用したビジネス・ポートフォリオ強化
事例 ①
事例 ②
ますます充実するアジアネットワーク
オーストラリア貿易促進庁との業務協力協定の締結
平 成 27年 3月にタイ南 東 部、ラ
ヨーン県イースタンシーボード工業
団地に、タイにおけるみずほ銀行の
2番目の拠 点を開設しました。当拠
点の開設により、タイを含む経済成
長が顕 著なメコン川流 域 経 済圏に
おけるお客さまの 進出および 事 業
展 開を 今まで以 上に強 力に支 援し
ていきます。
みず ほ銀 行 は、平成 27年 3月に
オーストラリア貿易促進庁と業務協
力協定を締結しました。同庁は、オー
ストラリアからの輸出、同国への直
接投資等の促 進を担う政 府機関で
す。本 協定を通じ、日豪の経 済関係
の発展に貢献し、同国への新規進出
オーストラリア貿易促進庁との
調印式の様子
や事 業 拡 大を検 討するお客さまへ
のサポートを一層強化していきます。
バンコック支店イースタンシー
ボード出張所の開所式の模様
事例 ③ 中長期的な成長に向けた取り組み事例
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)の北米貸出資産等の購入
ベースで約365億ドル(うち貸出金
32億ドル)です。本件を契機として、
北 米における非日系優 良 企業のお
客 さ まに 対し、お 客 さ ま の立 場 に
立った 最 適 な金 融 サービ スを提 供
し、グローバ ルデットプレーヤーと
してのさらなる競争力強化を図って
いきます。
海外向け貸出(平成27年3月末)
米州 35%
アジア 49%
概要※
エクスポージャー
(うち貸出金)
約365億ドル
(約32億ドル)
顧客数
約200グループ
(既存取引先を含む)
投資適格級
比率
・マネジメントレベルの人
材含めフロント・ミドル・
バックから100名以上を
RBSから採用
約90%
※平成27年2月26日付みずほ銀行プレスリリース
Super30先の収益性
(百万ドル)
1,500
1,200
合計
1,820億ドル
・既存先の取引地位向上、
新 規 先との早 期の取引
深化が可能
・銀行・証券連携を通じた
非金利収支増強により
高RORAを展望
900
600
4.19
(%)
4.5
627
725
0
Super30業務粗利益
Super30 RORA〔右軸〕
4.0
3.81
3.47
899
300
欧州 16%
貸出・債券業務強化
みず ほ銀 行 は、平成 27年 2月に
RBSから北米のホールセール事業
における貸 出 資 産 等 を取 得するこ
とに合意し、非日系のグローバル企
業との取引拡大を加速しています。
取得対象は、投資適格クラスを中心
とし た 北 米 の 非 日 系 優 良 企 業 約
200グループに対する貸出資産・コ
ミットメント等のエクスポージャー
3.5
3.0
2.5
H24年度
H25年度
H26年度
2.0
59