有限会社サードパーティー DMアウトソーシング会社がPOD機を導入 他社が真似できない短納期による 印刷〜発送までの一貫サービスを実現 導入の狙い 色再現力に優れ、印刷速度が速いプ リンターが欲しい 厚紙印刷への対応で、サービスの幅 を広げたい 導入システム カラーPOD機 『RICOH Pro C751EXHT』 カラーPOD機 『RICOH Pro C5100SHT』 導入効果 印刷速度が大幅に向上。短納期への 対応力がさらに高まった 厚紙印刷による新事業の開拓が可能 になった 他社には真似できない短納期を武器に、DMの印刷から発送、各種流通加工業務への対応を次々に実現している 有限会社サードパーティーは、代表取締役の濱田 恵司氏が2003年に創業したダ イレクトメール(DM)アウトソーシング会社だ。封入〜発送業務の請負からスター — U S E R P R O F I L E ——————————————————— 有限会社サードパーティー トした事業は、 「お客様をDM発送に関するあらゆる雑務から解放する」ことを目指 す中、印刷や各種流通加工への対応を次々に実現。特に短納期案件への対応力は、 ●業種:ダイレクトメール発送代行 お客様から高い評価を受け、業容は年々拡大している。他社に真似できない短納期 ●事業内容:ダイレクトメール発送代行業 を可能にしたのが、カラーPOD機による印刷業務の内製化だ。2台のカラーPOD 務、ダイレクトメールの印刷業務、デー タ入力業務、その他、梱包・包装資材販 売・運送斡旋・内職作業請負等 機は現在、同社でフル稼働を続けている。 ●従業員数:46名 (パート含む、2014年 12月現在) カラーPOD機を導入し業容の拡大に成功した有 限会社サードパーティー 2014年12月取材 それまで勤めていた大手物流会社 DM発送のあらゆる手間を 引き受け、業容を拡大 を退職した代表取締役の濱田 恵司 有限会社サードパーティー(以下、 2003年のこと。当初はトラック手配 サードパーティー)は、ダイレクトメー の仲介を行っていた濱田氏が、DMの ル(DM)の印刷から封入、発送までの 世界に足を踏み入れるきっかけになっ プロセスに一貫対応するアウトソーシ たのは、以前に勤めていた職場の先輩 ング会社だ。そのきめ細かな対応力に から「D Mをやってみたらどう?」と何 は定評があり、業容は年々、拡大を続 気ない一言だったという。 けている。 「DMの仕事を始めたのは、創業後、 1 氏が、一人きりで事業を始めたのは 有限会社サードパーティー 半年ぐらいたってからだったと思いま 特に封入作業は、マンパワーで対応 す。試しに電話営業をしてみたところ、 するほかないのが一般的だ、同社は、 大きな仕事を立て続けに受注すること 内職スタッフの組織化によってそうし ができました。当時はまだ、郵便と民 た作業への対応を実現している。 間会社のサービスに大きな価格差が 内製化を積極的に進めてきた同社 あった時代です。DMを郵便で出して が今、最大のアドバンテージとしてい いるお客様に民間会社への移行を持 るのは、短納期への対応力だ。W e b ちかけることで、仕事は次々に受注で サイトからの 注 文を中 心に、顧 客 数 きたのです」 は確実に増え続け、その多くはリピー DM発送サービスは、印刷物と送付 ターになっているという。 先データ、封入見本をお客様から受け ネット通販のスタイルでD M印刷・ 取り、宛名を印刷し、見本通りに封入 発送を請け負うビジネスモデルを確 し発送することが基本的な業務の流 立させた同社だが、その一方では、ポ れになる。当初は、すべて協力会社へ スティングという地域密着型のビジネ の外注によって対応してきた濱田氏だ スにも積極的に取り組んでいる。その が、創業から2年ほどが過ぎた2005 背景には、DMという個人情報を扱わ 年に内製化に舵を切ることになる。短 ざるを得ないビジネス特有の課題が 納期への対応力の強化がその第一の ある。 理由だった。 「個人情報の適切な管理は、あらゆ 「特に宛名印刷を外注すると、どうし る組織において大きな課題になってい ても納期まで3、4日が必要になりま ます。当社はプライバシーマークを取 す。お客様が求める短納期に対応する 得するなど、その取り扱いには万全を には、内製するほかなかったのが実情 期していますが、今後はネット上での でした。コスト面でもメリットがあった 自社の顧客情報のやり取りを含めた ことから、内製化に取り組み、スタッフ 取引を再考するお客様も増えるはず の求人から作業マニュアルの整備ま です。当社の事業規模を考慮すると、 ですべて手探りで行いました」 今後は地元のお客様とのフェイス・ トゥ・ その中で構築された、独自開発の フェイスの取引を拡大していく必要も システムによる送付先住所のチェック あると考えています。その信頼感はな や、一通ごとに重さを量り封入漏れを にものにも勝るはずですから」 防ぐ仕組みなどからなる作業マニュア 濱田氏の視線の先にあるのは、顧 ルは、高いサービス品質の実現につな 客情報管理まで含めた、DMに関する がっている。 トータルサービスの提供だ。誕生日 同社の取り組みの原点にあるのは、 に応じたバースデイカードや年齢や性 「お客 様をD M 発 送 の 手 間から解 放 別に応じた各種カードの送付など、お する」 という視点だ。 客様の業務を顧客情報管理のレベル 「D M発送は雑務の積み重ねです。 で代行することがその狙い。同社は、 そうした手間をすべて引き受けること D Mに特化したアウトソーシング業務 で、本来業務に集中できる環境をご提 をさらに深耕していくことで、今後の 供したいと考えたのです」 成長を図る考えだ。 2 代表取締役 濱田 恵司氏 「DM関連業務にお悩みを持つ方は多いは ずです。当社は今後、送付先データ入力、 印刷、封入、発送に加え、顧客データ管理 まで含めたDMに関するトータルサービスを 提供していきたいと考えています」 お客様の求めに応じる形で DM印刷も開始 た。大塚商会さんから導入した最初 のP O D機は、色再現性も良く、厚紙 のコート紙も印刷できる機種で、品質 DM関連業務の受注によって成長を も用紙対応力も満足できるレベルで 続けてきたサードパーティーにとり、 した。しかし、厚紙印刷の速度が極端 大きな転機になったのはDM印刷の内 に遅くなる傾向があったのです。そこ 製化だった。 で大塚商会さんに再度、 『色が安定し 「当初は封入・発送業務の代行だけ ていて、厚紙も高速印刷できるプリン をして、D M印刷の受注は考えてい ターはないだろうか』と相談したとこ ませんでした。しかし社内でDMの印 ろ、提案されたのがカラーP O D機で 刷まで行っていた大口のお客様から、 ある 『RICOH Pro C751 EXHT』で 『おたくに印刷からお願いできないだ した」 ろうか』 と打診されてしまったのです。 濱田氏は大阪市内で実施された展 そのとき『 できます 』と即答したこと 示会に出向き、デモ機でテスト印刷を が、当社が印刷まで引き受けるように 行って厚紙への対応力や印刷品質、印 なったきっかけです」と濱田氏は当時 刷速度を確認。 「これであれば大丈夫 を振り返る。 だ」 と判断したという。並行して競合機 当初、印刷業務はアウトソーシング の調査も行われたが、他社の同等製 によって対応してきたが、短納期への 品に比べ割安だったこともあり、すん 対応を実現するには内製化は避けら なりとその採用が決定されたという。 れない道だった。そこでお客様が使っ ていたインクジェット印刷機と同じ機 された。 カラーPOD機2台体制により 短納期案件への対応力を強化 導入したインクジェット印刷機は、高 業容拡大を受け、同社は2014年4 速印刷でスピードには満足していた。し 月に、2010年に導入したPOD機の かし、コート系の用紙には印刷でなかっ 入れ替えで、カラーPOD機『RICOH 種を導入し、DM印刷の内製化が開始 たため、用紙の種類によって外注に印 Pro C5100SHT』を新たに導入。カ 刷を依頼している状況だった。 ラーPOD機2台体制を実現した。 同社の武器である短納期を実現した2台のカラーPOD機は現在、同社でフル稼 働を続けている そうした中、飛び込みで 「その一番のメリットは、やはり印刷 同社を訪ねた大塚商会の 速度の速さです。例年12月は年賀状 営業担当に、濱田氏はそれ の印刷に追われ、カラーPOD機だけ らの 課 題を相 談 。2 0 1 0 で対応できず、特に宛名印刷はイン 年にまず、最初のP O D機 クジェット機も投入してなんとか乗り を導 入し、2 0 1 2 年 のカ 切っていたのですが、2014年の12 ラーPOD機『RICOH Pro 月はあっけないほどスムーズに年賀状 C751EXHT』導入へとつ 印刷が終了しました。これはまさに印 ながった。 刷速度に優れたカラーPOD機の効果 「当時、当社の印刷業務 だと思いますね」 は 、厚 紙 印 刷 が 中 心 でし そのスピードは、同社のビジネスに 3 有限会社サードパーティー 新たな可能性を切り拓いている。 ます。ですから『これは困った』という 「他社が受けることが難しい短納期 経験は今のところ全くありませんね」 の仕事も、自信を持って受注できるよ と濱 田 氏は語る。現 在 、サ ードパー うになったことはやはり大きいです。 ティーのカラーPOD機の月間印刷枚 実際、この仕事では短納期の依頼は 数は、カラー印刷3万枚、モノクロ印 本当に多いんですよ。例えば、期日が 刷5〜10万枚。連日、ほぼフル稼働し 決まっている展示会やフェアの案内は、 ている状況だ。 『 い つまでに何をしなければならな 今後の課題として濱田氏が挙げる い』 ということがある程度はっきりして のは、カラーPOD機が持つスペックの いますよね。それでも、ギリギリになっ 一層の活用である。 て相談が舞い込むことが本当に多い 「特に、四角形という形にこだわらず のです。こうした案件に確実に対応で さまざまな形状の用紙への印刷が可 きるようになったことは、当社にとって 能である点は、ぜひ今後新たなビジネ 大きなアドバンテージにつながったと スにつなげていきたいと思います。例 考えています」 えば、お孫さんの写真を印刷したうち ランニングコスト削 減も、カラー わを安価で提供できたら面白いでしょ P O D機2台体制移行のメリットの一 うね。こうしたカラーPOD機の新たな つだ。2014年12月時点ではまだ 活用法を、ビジネスの仕組みも含めて 具 体 的 な 数 字 は 算 出 されて い な い 考えていきたいと考えています」 が、 「その効果はかなり大きいはず」 このように、さまざまなビジネスの と濱田氏は語る。また『RICOH Pro アイデアを持つ濱田氏だが、最大の課 C5100SHT』の導入により、封筒印 題は、DM発送における短納期案件へ 刷が可能になったこともメリットの一 の対応力の一層の強化にある。その つだ。同社は、基本的に印刷ロット数 実現に向け、2015年にはデータ入力 が多いものは外注に振り分け、ロット センターを開設し、送付先データの入 数が少ないものを内製で対応してい 力から対応できる体制を構築する予 る。封筒印刷まで内製によって対応で 定だ。 きるようになったことは、同社の小ロッ 「主なニーズとして想定しているの ト・短納期への対応力の一層の向上へ は、展示会やフェア終了後に来場者の とつながっている。 お名刺を預かり、即座にデータを入力 導入したPOD機により小ロット・短納期を実現した同社は 今後、変形印刷などPOD機の用紙対応力を生かした商 品作りにも力を入れる し、翌日にはD Mを発送するというビ 変形印刷などカラーPOD機の 活用が次の課題 ジネスモデルです。名刺の場合、OCR による読み取りは、どうしても精度が 低くなります。正確なデータ化には、 『 R I C O H P r o C751E X H T 』 マンパワーが必ず必要になるのです」 『RICOH Pro C5100SHT』共に、 IT化が進む中、マンパワーに頼らざ 導入以来、大きなトラブルは発生して るをえない部分に特化することで成長 いない。 を続けるサードパーティー。そのビジ 「何か問題があれば、大塚商会のサ ネスの一端をカラーPOD機が支えて ポート担当者がすぐに駆けつけてくれ いる。 有限会社サードパーティーのホームページ http://www.e-3rdparty.com/ ・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。 ・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 ・この記事は2015年1月に作成されました。 Copyright©2015 OTSUKA CORPORATION All Rights Reserved. 4
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