1 【第37 問】解答例 以下,次の略称を用いています。 ①

平成27年度司法書士試験記述式解答例
東京法経学院
【第 37 問】解答例
☞ 以下,次の略称を用いています。
① 答案作成に当たっての注意事項→注
第1欄
【登記の事由】
発行可能株式総数の変更
取締役,代表取締役及び監査役の変更
<×監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めの設定> ←定めナシ
取締役会設置会社の定めの設定
監査役設置会社の定めの設定
【登記すべき事項】
平成 27 年5月 20 日変更
発行可能株式総数 2万株
<×取締役B平成 27 年5月 11 日辞任> ←別紙9の2,登記申請不可
取締役A,同B<×同D>(任期満了により)平成 26 年 5 月 21 日退任
代表取締役A(資格喪失により)同日退任
平成 27 年5月 20 日次の者重任
取締役D
<×取締役A>
平成 27 年5月 20 日次の者就任
取締役 A
取締役 E
東京都渋谷区丁町 1 番地
代表取締役 E
監査役 F
平成 27 年5月 20 日取締役会設置会社の定め設定
同日監査役設置会社の定め設定
【登録免許税額】
金7万円
☞ 取締役,代表取締役及び監査役の変更は,資本金1億円以下の会社の役員変更の区分で,申請1件
につき,
「金1万円」である(登税法別表第一・二十四・
(一)
・カ)
。
☞ 取締役会設置会社の定めの設定は,申請1件につき「金3万円」である(登税法別表第一・二十四・
(一)
・ワ)
。
☞ 発行可能株式総数の変更及び監査役設置会社の定めの設定は,その他の登記事項の変更分として,
申請1件につき「金3万円」である(登税法別表第一・二十四・
(一)
・ツ)
。
☞ 定率課税の登記を含んでいないこと,問1のただし書で,
「登録免許税額の内訳については,記載す
ることを要しない。
」とされているので,上記の合計額「金7万円」
(1万+3万+3万)のみを記載
すれば足りる。
【添付書面の名称及び通数】
株主総会議事録 2通
☞ 発行可能株式総数の変更(会 37Ⅰ,113Ⅲ)
,取締役会設置会社の定め及び監査役設置会社の定め(会
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326Ⅱ)の定款変更(会 466,309Ⅱ⑪)及び取締役及び監査役の選任(会 329Ⅰ,341)を決議したこ
とを証するため(商登 46Ⅱ)
,
「別紙3の株主総会議事録」と,取締役A及びBの任期満了退任時期を
明らかにするため(会 332Ⅱ,商登 54Ⅳ)
,
「平成 26 年5月 21 日開催の定時株主総会議事録」
(別紙9
の1)の2通を添付する。
定款 1通
☞ 取締役の退任を証する書面(商登 54Ⅳ)として,取締役の新旧の任期の定め(定款第 15 条)
,事業年
度の定め(定款第 18 条)
,定時株主総会の開催時期(定款第 10 条)を立証するため添付する。本問の場
合は,別紙3の第2号議案で定款第 15 条,第 18 条の定めは明らかであるから,別紙3のほかに別途定
款を添付する必要はないとも考えられるが,定款第 10 条は明らかとならないため,添付したほうが無難
であると思われる。
<×取締役Bの辞任届>
取締役会議事録 1通
☞ 代表取締役の選定決議(会 362Ⅲ)を証するため「別紙4の取締役議事録」を添付する(商登 46Ⅱ)
。
就任承諾書 5通
☞ 取締役A・D・E,監査役F及び代表取締役Eの就任承諾書合計5通を添付する(商登 54Ⅰ)
。なお,
取締役と監査役については議事録に住所の記載もあることから,議事録の記載を援用することも可能と
思われるが,注2の指示により,援用の処理をせずに人数分添付する。
印鑑証明書 1通<×5通>
☞ 新任代表取締役Eの就任承諾書に押印された実印に関する印鑑証明書を1通添付する(商登規 61Ⅱ後
段・Ⅲ)
(監査役の)本人確認証明書 1通<×4通>
☞ 新任監査役Fの本人確認証明書を1通添付する(商登規 61Ⅴ本文)
委任状 1 通 ←商登 18,24⑦
第2欄
【登記の事由】
株式交換(による変更)
発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容の設定(or変更)
<×発行済株式の総数並びに種類及び数の変更> ←登記申請不要
<×募集株式の発行> ←登記申請不可
発行済株式の種類及び種類ごとの数の変更
【登記すべき事項】
平成 27 年6月 22 日変更
発行済株式の総数
7,700 株
←200 株+{75,000 株(8万株-5000 株)×0.1(別紙5第3条,別紙 10 の3)
}
資本金の額 金 4,000 万円 ←1,000 万円+3,000 万円(別紙5第4条)
,別紙 10 の2(会 445Ⅴ,445Ⅱの
適用ナシ)
平成 27 年 6 月 30 日次のとおり設定(or 変更)
発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容
普通株式 18,000 株
優先株式 2,000 株
1.剰余金の配当
当会社は,剰余金の配当を行うときは,優先株式を有する株主に対し,普通株式を有する株主に先
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立ち,優先株式 1 株につき金 2500 円の優先配当金を支払う。
1.議決権
優先株式を有する株主は,株主総会において議決権を行使することができない。
×同日次のとおり変更
発行済株式の総数並びに種類及び数
発行済株式の総数 200 株
各種の株式の数
普通株式 200 株
平成 27 年7月3日変更 ←別紙 10 の8
発行済株式の総数
7,700 株
各種の株式の数
普通株式 6,200 株
優先株式 1,500 株 ←(10,000 株+5,000 株)×0,1
【登録免許税額】
金 24 万円
☞ 株式交換の登記は,増資額(3000 万円)の 1000 分の7の「金 21 万円」である(登税法別表第一・
二十四・
(一)
・ニ)
。
☞ 発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容の設定及び発行済株式の種類及び種類ごと
の数の変更は,その他の登記事項の変更分として,申請1件につき「金3万円」である(登税法別表
第一・二十四・
(一)
・ツ)
。
☞ 定率課税の登記を含んでいることから,本来は内訳を記載すべきであるが,問1のただし書で,
「登
録免許税額の内訳については,記載することを要しない。
」とされているので,上記の合計額「金 24
万円」
(21 万+3万)のみを記載すれば足りる。
【添付書面の名称及び通数】
株式交換契約書 1通 ←別紙5(商登 89①)
株主総会議事録 3 通
☞ 発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容の設定に関する定款変更決議をした「別紙8」
株主総会議事録(商登 46Ⅱ)
,株式交換完全親会社である株式会社甲山商事が株式交換契約書を承認し
た平成 27 年5月 20 日の「別紙3」の株主総会議事録(商登 46Ⅱ)及び株式交換完全子会社である株
式会社乙川商会が株式交換契約書を承認した「平成 27 年6月5日の株主総会議事録」
(商登 89⑥,別
紙 10 の3)の合計3通を添付する。
資本金の額が会社法(第 445 条第5項)の規定に従って計上されたことを証する書面 1通 ←商登 89④
(株式交換完全子会社の)登記事項証明書 1通
☞ 完全子会社となる会社と完全親会社となる会社の本店の管轄登記所が異なるので(別紙1・6,注4)
,
添付する(商登 89⑤)
。
株式の全部について株券を発行していないことを証する書面 1通
☞ 別紙6・7・10 の3,会 219Ⅰ⑦,商登 89⑧→59Ⅰ②
(株式の内容を変更する株主との)合意書 1通 ←別紙 10 の8
(株式の内容を変更する株主以外の株主全員の)同意書 1通 ←別紙 10 の8
委任状 1通 ←商登 18,24⑦
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第3欄
親会社の監査役は子会社の取締役を兼ねることができないので,Fは,株式交換の効力の発生する前に,効
力発生後も親会社となる株式会社甲山商事の監査役にとどまるために,
子会社となる乙川商会株式会社の取締
役を辞任したと考えられる。 ←会 335Ⅱ
第4欄
株式交換の効力が発生した時点で,乙川商会株式会社が自己株式を保有していると,自己株式にも親会社株
式が交付されるため,親会社株式を相当の時期に処分する必要が生ずることになる。従って,そうならないよ
うに自己株式を事前に消却したと考えられる。 ←会 778Ⅰ③かっこ書,135Ⅱ⑤(会施規 23②)
・Ⅲ
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