平成26年度 地質工学2 期末試験 学籍番号 氏名 1. 密度 2.5g/cm3 の岩石について, 深さ 3km の深度における拘束圧(封圧)を求めなさい. まずは単位を SI 単位系にそろえる 2.5g/cm 3 =2.5 10 3 kg/ m 3 . 次に重量密度に変換するため重力加速度 9.8m/m 3 をか け,24.5 10 3 N/m 3 .拘束圧は応力の単位(N/m 2 )のため(深さ Zm でのかかる応 力(圧力は Z 重量密度)),24.5 10 3 N/m 3 3000m=73.5 10 6 N/m 2 =73.5MPa. 2. 岩石の破壊,変形について「脆性破壊」 「延性破壊」 「弾性変形」の語を使って説明をしなさ い(図を用いても可) 省略 3. ある岩石を持ってきて,断層の動く条件を推定するため拘束圧 50MPa,150MPa で実験をし たところ,それぞれ 200MPa, 500MPa で破壊した.この岩石の破壊基準を求めなさい. 差応力 200MPa,500MPa で破壊 図解法でσ̶τ空間で中心座標(σ,τ)=(125MPa,0)で半径 75MPa の円 A,中 心座標(σ,τ)=(325MPa,0)で半径 175MPa の円 B の2つの円を描き,共通 接線から傾きΦと切片となる粘着力 C を測定する. <別解> 2円の共通接線の式よりもとめる(以下,単位を省略). 2 つの円 A,B のままでは煩雑であるため,円 A の中心座標が(0,0)となるよう 2 つの 円を水平移動(負の方向に-125 移動)すると2つの円は次のようになる. τ 2 +σ 2 =75 2 , (τ 2 ̶200) 2 +σ 2 =175 2 ここで,σ̶τ空間だとまぎらわしい(かもしれない)ので x̶y 空間に書き換えると 上式は, x 2 +y 2 =75 2 , (x 2 ̶200) 2 +y 2 =175 2 となる. 2円の共通接線の式は,x 2 +y 2 =r 2 , (x 2 ̶a) 2 +b 2 =L 2 とすると != ± !!! !!!" ! ! !(!!!)! =± !"#!!" !!!""×!" !""! !(!"#!!")! = ±0.577! + 86.6 であり,正の傾きが共通外接線となる.さらに,先に水平移動した分を戻し,さらに x-y からσ̶τとすると上式は τ=0.577σ+29.98MPa (τ=σtan30.0 +29.98MPa) (0.577=tan30.0 は関数電卓の atan(もしくは arctan や tan-1)を使用すれば求められる) となり,もとめる破壊基準の方程式となる. 4. ダイレイタンシーについて図を用いて説明しなさい 省略 5. 図において,P1=P2=1000kg の荷重がかかっているとき,θ=45 と 30 にかかる剪断応 力と垂直応力を求めなさい. P1の働く面の面積は SI 単位で 0.1 0.1=1 10 -2 m 2 となる.またかかる荷重は重量に すると 9800N であることより,P1 の働く面にかかる応力は(9.8 10 3 )N/(1 10 -2 m 2 ) となり 9.8 10 5 N/m 2 =980kPa.同様に P2 の働く面にかかる応力は 327kPa. 従ってσ 1 =980kPa, σ 3 =327kPa となるモール円がかける. θ=45 の時は 2θ=90 より即ち円の最も大きな点となる. 従ってσ=653.5kPa,τ=326kPa θ=30 の時は 2θ=60 となり,斜辺が 326kPa の直角二等辺三角形となる.従って, σは 653.5kPa+326kPa cos60 = 816.5kPa となる. τは 326kPa sin60 =282.3kPa となる. 6. 拘束圧 100MPa,差応力 300MPa の条件で岩石が安定している.この岩石の破壊基準はτ =50MPa+σtan30 であるとき,岩石が破壊するためにはどのように条件がかわればよいか, 実際におこりえる現象として数値を示して答えなさい. 問題よりσ 3 =100MPa, σ 1 -σ 3 =300MPa, よってσ 1 =400MPa. τ=50MPa+σtan30 とσ軸の交わる点の座標 A は(86.6,0)となる.また,接した 状態での半径 150MPa の円の中心座標 B と点 A の距離は 300MPa である.従って, 円の中心座標は(300MPa-86.6MPa=213.4MPa,0)である.よって,初期の条件で の中心座標が(250MPa,0MPa)であることより,移動距離は円が左に 36.6MPa ス ライドすればよい. 従って,「36.6MPa の水圧が過剰間隙水圧として発生する」ことで破壊が起こる. もしくは,拘束圧を 100MPa のまま,破壊基準線に接するまで差応力を増加させることで も破壊がおこる. 7. 以下の空欄に用語をいれなさい. 剪断試験の種類について地震などの短時間に起こる安全性を評価するための試験条件を ( 非圧密非排水 )試験という.また,(モール・クーロン )の破壊基準を決め るための試験として,一軸試験,三軸試験,(一面剪断試験 )がある.
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