発表資料3 平成26年度標準ガスクラブ講演会 水素ステーションにおける水素ガス品質管理 方法の国際標準化に関する研究開発 2015年2月27日 岩谷産業株式会社 表田 新一 Confidential 1 水素ステーションにおける水素ガス品質管理方法の国際 標準化に関する研究開発(平成25年度~平成27年度) 背景 委託先:水素供給・利用技術研究組合、(一財)日本自動車研究所 →研究分担先:岩谷産業 ・水素品質に関するISO国際規格を遵守するに当たり、適切な品質管理の規定が必要。 ISO国際規格は水素純度規定、不純物濃度規定が定められているのみで、水素品質測定の 詳細、頻度等の品質管理規定が無い。 従来プロジェクトで実施された水素燃料の品質分析は、実験的、分析専門知識が必要、分析 コストが高いなどの問題点あり。 ・ISO国際規格は定期的改訂が行われており、2015年からの普及初期に合致した新たな 水素品質の国際規格が必要。 目的 ・水素品質管理に係る適正かつ簡便・安価な研究開発の実施と、国内管理基準(ガイドライン案) の策定 ・水素品質に係る次期のISO国際規格の策定準備 confidencial 2 開発項目と開発目標 サブテーマ:1適正かつ安価・簡便な供給水素の品質管理方法の研究開発(HySUT) (1)水素品質管理の運用ガイドライン案の策定 (2)供給水素ガス試料採取容器・方法の検討 ・高圧試料採取方法の検討 ・低圧試料採取方法の検討 (3)水素ステーション現場での分析手法の開発 (簡易分析装置の開発) (4)供給水素中の微粒子捕捉用フィルタの検討 (5)水素ステーションでの検証 (6)新規・画期的な分析装置の探索 (7)次期ISOに改訂に向けた基準値の検討 開発目標 水素分析のためのコスト:2百万円/分析数を1/2以下とする 水素分析のための時間:120時間を1/10以下とする サブテーマ2:水素燃料仕様のISO14687-2の改訂提案・国際標準化(JARI) 大量普及段階の市場をターゲットとした水素燃料仕様のISO14687-2の改訂提案をす ることを目標とする。 ISO/TC197/WG12及び国際ワークショップでの議論を進める。 confidencial 3 水素品質管理の現状と課題 現状 分析機関 水素ステーション、出荷設備 試 料 採 取 充填ノズル ディスペンサー 運搬 高圧試料容器 高圧試料容器 分析機器 様々な機器を使用 課題: 7条3ステーションでは分析試料の充填が難しい 高圧ラインからの、かつ多量の試料採取 試料容器を分析機関に運搬して分析 本事業の目標 水素ステーション、出荷設備 低圧水素ライン 試 料 採 取 低圧試料容器 confidencial 水素ステーションにて現場分析 ・取扱いが簡便 ・多成分分析 ・軽量(他STへの運搬容易) 簡便な分析機器 4 高圧水素ガス試料採取容器・方法の開発 7条3ステーションでの水素品質を確認するための燃料水素以外の充填の検討 法令照会結果を得て、燃料水素以外の充填が可能。 高圧試料採取装置を“移動式製造設備”として製作。 障 採取容器 壁 ディスペンサー 警戒用 三角コーン アイランド 保護柵 高 純 度 水 素 ガ ス 800 操作 パネル 特徴 ・筐体で保護 ・安全装置(安全弁等) ・可搬式(キャスター付) ・電源不要 ディスペンサー 接続口 燃料電池自動車充塡位置に、高圧 試料採取装置を設置して、ディス ペンサーから採取する。 燃料電池自動車停車位置 高圧試料採取装置イメージ図 高圧試料採取装置充填配置図 ベントライン 接続口 confidencial 5 供給水素ガス試料採取容器・方法の開発(低圧試料採取) 簡便で安価な試料採取方法として、低圧で試料を採取する方法を検討する。 容器内面処理の最適化(吸着影響の最小化) 3種の表面処理を施して、容器に吸着性の強い硫化水素、二酸化硫黄を封入し、各々のガス濃度 の経時変化を評価した。(容器はSUS製1L、封入濃度は約20ppm、封入圧力は0.6MPa) 吸着影響の観点から、 Si処理(フューズドシリカ処理)>O3P処理(オゾンパッシベーション処理)>Te処理(テフロン処理) の順で優位性があり、Si処理を候補とした。 confidencial 6 簡易分析装置の測定項目 No. 不純物成分 最大許容濃度 1 水 分 5 ppm 2 全炭化水素 2 ppm 3 酸素 5 ppm 4 ヘリウム 300ppm 5 窒素 6 アルゴン 7 二酸化炭素 2 ppm 8 一酸化炭素 0.2 ppm 9 全硫黄化合物 0.004 ppm 10 ホルムアルデヒド 0.01 ppm 11 ギ酸 0.2ppm 12 アンモニア 0.1ppm 13 全ハロゲン化合物 0.05ppm 100 ppm 注)上記の網掛けの8成分が簡易分析装置の測定項目 confidencial 7 水素ステーション現場での分析手法の開発(簡易分析装置の開発) ISO14687-2で規定した水素品質成分の内、8成分を簡易測定できる分析装置 の開発を目指し、以下の3方式を検討。 飛行時間型質量分析装置(TOF-MS) 小型ガスクロマトグラフ(ナノクローム) 水素分離型質量分析装置(HEMS) TOF-MS confidencial ナノクローム HEMS 8
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