欧州給与動向調査 2015-2016

欧州給与動向調査
2015-2016
目次
はじめに ................................................................................................................................. 1
ベルギー ...................................................................................................................................... 3
I. 国のプロフィール .................................................................................................................... 5
II. セクター別給与 .................................................................................................................... 7
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 .......................................... 16
フランス ...................................................................................................................................... 19
I. 国のプロフィール .................................................................................................................. 21
II. セクター別給与 .................................................................................................................. 23
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 .......................................... 46
ドイツ ......................................................................................................................................... 49
I. 国のプロフィール .................................................................................................................. 51
II. セクター別給与 .................................................................................................................. 55
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 .......................................... 61
アイルランド ................................................................................................................................ 63
I. 国のプロフィール .................................................................................................................. 65
II. セクター別給与 .................................................................................................................. 67
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 .......................................... 77
ルクセンブルグ ............................................................................................................................ 81
I. 国のプロフィール .................................................................................................................. 83
II. セクター別給与 .................................................................................................................. 85
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 .......................................... 88
オランダ ...................................................................................................................................... 91
I. 国のプロフィール .................................................................................................................. 93
II. セクター別給与 .................................................................................................................. 96
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 ........................................ 109
スペイン ................................................................................................................................... 111
I. 国のプロフィール ................................................................................................................ 113
II. セクター別給与 ................................................................................................................ 115
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 ........................................ 120
イギリス .................................................................................................................................... 123
I. 国のプロフィール ................................................................................................................ 125
II. セクター別給与 ................................................................................................................ 129
報酬の壁を越えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新 ........................................ 164
国ごとの比較 ........................................................................................................................... 167
東欧における給与の概要........................................................................................................ 175
略語および頭字語 .............................................................................................................. 185
参考文献 ............................................................................................................................ 187
はじめに
この包括的なレポートは、幅広いセクターで働く人事担当マネジャーや採用計画の立案者に対し、生産力と業績の
向上に必要な人材を確保する上で、給与水準の適切な比較・評価に必要な知識を提供するのが目的です。
当レポートは、歴史的に日系企業の進出度が高い欧州の主要 8 か国(ベルギー、フランス、ドイツ、アイルランド、ル
クセンブルク、オランダ、スペイン、イギリス)を対象とし、各国の経済の現状、現在と将来の雇用動向、採用・人事担
当者にとって不可欠な被用者の信頼感、満足度に関するデータ、そして被用者の金銭的報酬およびより幅広い「ソ
フトな」福利厚生に対する期待度をまとめたものです。福利厚生待遇は基本給以外の要素として、このところますます
重視されています。
景気回復
欧州は、2008 年の世界金融危機の長引く影響から立ち直りつつあります。しかし、回復ペースはかつてと比べ著しく
鈍く、その要因としては、危機がほかのショックに対する各国の脆弱性を高めたこと、成長トレンドが危機前より減速し
ていること(1995 年以来、ユーロ圏の生産力は着実に低下している)、投資の急激な落ち込み、生産力の低下な
どが考えられます。
ただ世界銀行(World Bank)は 2015 年時点で、ユーロ圏経済が力強い回復基調に戻るとの見方を示し、2013
年のゼロ成長、2014 年の 1.3%増から、2015 年と 2016 年にはそれぞれ 1.8%、2.0%に加速すると予想していますi。
当レポートが対象とする国の具体的な数値は、各国の章で取り上げています。この景気回復はエネルギー価格の下
落、ユーロ安、欧州中央銀行(European Central Bank, ECB)による金融緩和策、これらを受けた実質賃金の上
昇といった要因によるものですが、消費については危機前の水準にまだ戻っていません。世銀は同じ報告書の中で、
金融市場の不安定さや融資制限、地政学的紛争による緊張といった持続的かつ重大なリスクがなおも残ると警告し
ているものの、経済成長が失業率の低下や貧困の緩和に寄与するとみられることから、それでも見通しは従来よりも
明るいと結論付けています。
雇用改善
欧州全体の景気回復に伴い、就業率も同時に着実な改善傾向を示しています。2014 年には全地域・全セクターを
合わせた就業者数が 0.8%増え、減ったセクターは建設と農業のみでした。130 万人の雇用が創出され、うち半数は
フルタイムのポストです。雇用は長期にわたる高失業率に悩まされている国でも拡大しており、当ガイドブックの対象国
であるスペインのほか、ギリシャはともに就業率がなおも 60.0%を切っていますが、緩やかに回復しています。景気回復
が進むにつれ、今後もユーロ圏全体の雇用創出が促される見込みです。各国の雇用・失業の動向の詳細について
は、それぞれの国の章をご覧ください。
企業景況感や就業率の改善に伴い、被用者の信頼感も予想通り上向いています。各種の雇用調査を見ると、労
働市場に対する楽観的な見方がすべての対象国で緩やかながらもかなり強まっていることがわかります。被用者は以
前ほど失職を恐れておらず、より条件の良いほかの仕事が見つかると自信を高めています。これは在欧日系企業が特
に注意すべき点であり、日本のホワイトカラー労働市場を特徴付けてきた、終身雇用あるいは超長期雇用、会社へ
の強い忠誠心は、ユーロ圏にはまったく当てはまりません。ここでは油断をすると、得難い才能の流出を招くことになりま
す。
とりわけ力強い成長を示してきたセクターで働く被用者は、非常に専門的あるいは需要の高いスキルを持つ人材と並
び、キャリア形成の機会に特に敏感です。このような人材は、キャリアを純粋に金銭的報酬で測る場合もあれば、より
高度で技術的にやりがいのあるプロジェクトに従事する機会を主な動機付け要因に挙げるケースもあります。プライベ
ートとキャリア目標のバランスを保てるような環境を重視する人もやはりいるでしょう。従業員の勤労意欲を後押しする
主な要因はセクターごとに異なり、もちろん個人差もあります。ただ雇用主は一般的に、注意深く練られたキャリア形
成プランや他社に引けを取らない給与を提供し、幅広い福利厚生や忠誠心を高める制度を導入することで、従業員
の視線を外側から内側かつ上方に向けさせることができます。
従業員の採用と維持
楽観的な見方が広がる労働市場において、柔軟性や適応力、革新性をアピールしなければならないのは採用候補
者だけではありません。景気回復ペースが加速するとみられるなか、多くの企業は大幅な賃上げに踏み切れずにいま
す。実際、調査対象国の賃金上昇率は 2008 年の水準を軒並み下回っています(各セクターの賃金上昇率は、各
国の章で詳しく取り上げています)。
これは、人事・採用担当マネジャーは単なる報酬にとどまらないクリエイティブなパッケージを開発し、従業員や採用候
補者が求めるソフトな福利厚生を考慮に入れる必要があることを意味します。その中にはもちろん健康保険や育児
支援、柔軟な勤務体制が含まれますが、既存または将来の従業員に対する企業の魅力を高める上で、ほかにも極
めて迅速な採用プロセス、無限休暇制度、前向きな社内文化の醸成などが考えられます。
どの企業も、俊敏性と適合性を維持しなければならないという圧力にさらされています。従業員が勤勉さや忍耐力、
迅速さ、学ぶ姿勢をもって、自ら求められている以上の働きをしなければ、これを達成することはできません。ただ雇用
主側も同様に、自分の努力が認められ、金銭的にもより広い意味でも報われていると彼らが実感できるような職場環
境作りを目指す必要があります。この観点から、革新的な従業員の採用・維持・満足度戦略をめぐる最新の注目す
べきケーススタディーを各国の章でご紹介します。
ベルギー
I.
国のプロフィール
概観
欧州の中心に位置するベルギーは多言語国家であり、港湾、鉄道、高速道路を互いに結ぶ優れた国内・国際交通
網を誇る。このため、ベルギーの経済と産業は近隣諸国やほかの欧州諸国とシームレスにつながっている。国際貿易
はまさに同国の国内総生産(GDP)の中核的な項目であり、最大 4 分の 3 を占める。最大の輸出相手国はドイツ
で、2 番目はフランス。一方、オランダは最大の輸入相手国となっているii。
1,110 万人が住むベルギーの国土は、経済や税制、雇用、エネルギーの面で高度な自治を享受する 3 つの地域に
分かれているiii。これらの地域は互いの言語が違うだけでなく、経済も大きく異なる。オランダ語とフランス語の 2 言語を
公用語とするブリュッセル首都圏地域は、欧州連合(European Union, EU)の主要機関が集積しているほか、ワシ
ントン DC を除けば最多のロビイストが活動するなど、ビジネスマンにとって国際的な雰囲気を醸し出している。オランダ
語を話すフランデレン地域は、経済的には最も発展しており、石油化学や金属といった産業が盛んである。また港湾
活動も活発で、特にアントワープ港は世界中から欧州に輸入される物品の玄関口となっているiv。フランス語を公用語
とするワロン地域はかつて、石炭や鉄鋼、ガラスなどの重工業の中心地だった。だが 1990 年代にこうした産業が衰退
したため、変革を余儀なくされた。それ以来、同地域の経済は物流やバイオ技術といった、より利益率の高いサービス
産業にシフトしているv。
経済の現状
ベルギー経済は 2014 年から力強さを増している。2008 年の世界経済危機前の水準には及ばないものの、数年に
わたる停滞から回復しつつあるのは間違いないvi。2014 年の GDP 成長率は 1.0%で、同年には失業率が過去 10
年で最悪の 8.5%に達したが、EU 平均はなおも下回っているvii。失業率は地域間で大きな開きがある。例えば 2015
年第1四半期はブリュッセル地域が 17.8%、ワロン地域が 12.3%に達した一方、フランデレン地域は 5.5%にとどまっ
たviii。フランデレン地域はこのように、ブリュッセル地域の約半分にすぎない全国平均をさらに大きく下回っている。欧州
委員会(European Commission, EC)によると、ブリュッセル地域とワロン地域の就業率が低いのには、いくつかの要
因があるix。まず第一に、ベルギーでは雇用主に課される労働税(impôts sur le travail)が採用意欲を阻害してい
ると考えられている。第二に、労働市場には縦と横のミスマッチが存在するようだ。縦のミスマッチは、仕事を探している
低技能労働者の数の多さと、企業が雇いたくても見つけるのが難しい(したがって求人率が高くなる)高技能労働
者の数が釣り合わないために起きる。横のミスマッチは、学業を終える学生と、企業が求める技術的資格のギャップに
よるものである。例えば、科学、ハイテク、エンジニアリングを専攻した卒業生の数は、企業からの需要に比べ依然とし
て少ない。
特に外国企業にとり、ベルギーの労働市場の最も際立った特徴の 1 つが、労働税の重さであるx。これら労働税のうち
相当分は、欧州で最も高額な部類に属するといわれる社会保障制度に充てられる。2013 年には、ベルギーの 1 時
間当たり労働コストは EU で 3 番目に高かった。したがって、従業員 1 人につきかかる全労働コスト(賃金、税金、
社会保険料)と、従業員が実際に持ち帰る実質賃金には大きな開きがある。
ベルギー政府は自国の労働コストがフランスやドイツ、オランダといった近隣諸国より速いペースで上昇していることか
ら、1996 年に「賃金基準」(norme salariale xi)と呼ばれる規則を導入することを決めた。この規則は雇用を促進
し、近隣諸国に対するベルギーの競争力を維持するのが目的。これに
より、近隣諸国に先んじる形で労働コストの上昇に予防的に対応できる xii。より具体的には、賃金基準は 2 年間の
賃金上昇幅の上限を規定するもので、賃金が一定の水準を超えて伸びることはなくなる。賃金基準を規定する際
は、インフレ率や雇用主の社会保険料負担が考慮される。Conseil Central de l’Economie(閣僚や上下院議員に
助言する公的経済機関, CCE)はドイツ、フランス、オランダの労働コストに基づき、隔年の秋に労働コストの上昇幅
の許容範囲に関する報告書を公表することになっている。これに準拠して、様々な業界の代表者と労働組合が交渉
を開始する。労使は 2 か月以内に賃金基準について合意し、これが業界横断的な労働協約の不可欠な部分とな
る。合意されない場合は、政府がこれ以上の議論を待たずに賃金基準を設定する権限を有する xiii。賃金基準が一
旦設定されると、すべての民間企業に適用される。2015 年 4 月以降は、国有企業にも適用されるようになった。賃
金基準が守られているかは、企業レベルでチェックされるxiv。賃金規準に違反すると、250~5,000 ユーロの罰金が科さ
れる。ただ実際には、これまでに適用された例はない。ベルギー政府によると、罰則は強化される方向である xv。
経済の見通し
EC による 2015 年時点の予測ではxvi、ベルギー経済は成長を続ける見込み。企業投資や輸出が家計消費支出の
減速を補い、2016 年の GDP は 2014 年の 1.0%から 1.4%へと緩やかに加速すると予想される。エネルギー価格の
下落や外需の高まりを受け、ベルギー企業の競争力は改善するとみられる。財・サービスの輸出と輸入は 2013 年か
らともに伸び続けているが、2016 年もこの傾向は続きそうである。労働市場に関しては、民間部門で雇用が次々と創
出されていることから、失業率は 2014 年の 8.5%から 2016 年には 8.1%に低下する見通しという。
雇用動向
ベルギー経済は成長を続けているものの、2008 年の経済危機から完全に立ち直ったとはいえない。ベルギーの人的
資源動向に関する PricewaterhouseCoopers (PwC)の 2015 年の調査によると、ベルギー企業は求人について慎
重な姿勢を崩していないxvii。求人動向は業界によっても異なり、例えば製薬や小売・レジャー業界は 2006 年以降、
増加傾向が続いている。パートタイムや短期雇用といった「非典型雇用」は、2008 年の経済危機に柔軟に対応する
ための一手段として有効であることを示した。実際、2006 年から 2015 年にかけては、パートタイム契約が 33.9%も増
加している。ところが、手っ取り早く柔軟な採用手法を用いたこの回復メカニズムにより、企業はろくに訓練を受けてい
ない新規従業員を抱えたり、仕事のミスマッチが発生するリスクにさらされることになる。PwC の調査では、主要な国際
企業はこうした趨勢から距離を置き、むしろ採用プロセスの効率化や従業員の訓練に力を入れる傾向にある。
被用者の信頼感
従業員の幸福と勤労意欲に関する Edenred-Ipsos の 2014 年調査によると、ベルギー人労働者の多くが自分の仕
事について心配していることがわかったxviii。例えば、回答者のうち 44.0%は職を失う不安を抱えており、この割合は
2013 年を上回った。また、2013 年よりは少ないものの、31.0%が賃金水準に懸念を示している。約半数は別の仕事
を探さなければならなくなった場合、能力的に見つける自信がないと答えた。ただ現在就いている仕事に限って言え
ば、66.0%の回答者が将来を楽観視している。別の懸案事項としては仕事に費やす時間が挙げられ、78.0%が仕
事に多くの時間を捧げ過ぎていると感じている。
II.

セクター別給与
政府が新たに導入した規制により、すべての正社員に試用期間を設けなければならなくなったことで、契約
社員の需要が高まっている。

言語能力は引き続きすべてのセクターで必須とみなされている。大企業はオランダ語、フランス語、英語の 3
か国語を話す応募者を理想としているが、そのような人材は見つけるのがますます難しくなっている。

候補者不足は 2015~16 年も続く可能性が高く、企業は人材の採用・維持に向け戦略的かつ柔軟なアプ
ローチを取る必要に迫られそうだ。サインボーナスを支払ったり、転職しようとしている従業員に 10.0~15.0%
の昇給を提示するケースは、ますます一般的になっている。

有能な候補者が全般的に不足しているため、2015~16 年は正社員・契約社員とも給与の上昇が予想さ
れる。
銀行・金融サービス

求人活動は比較的活発。

フロントオフィスと営業職で健全な需要。

2015 年以降は事業変革や規制要件により求人活動が活発化する見込み。

コアマネジメント、リスクマネジメント、コンプライアンス、監査のスペシャリストの需要が高まる見込み。

報酬パッケージと併せ、より総合的な意味での従業員の満足度を考慮すべき。

トップクラスの候補者を探している企業にとり、強力な企業ブランディングも差別化に
役立つ。
正社員年間給与(€)
経験年数 5-9 年
2014 年
2015 年
経験年数 9-15 年
2014 年
2015 年
社長
財務ディレクター / 最高財務責任者
経験年数 15 年以上
2014 年
2015 年
207-400k
207-400k
102-189k
102-189k
103-195k
103-195k
155-300k
155-300k
79-137k
79-137k
103-206k
103-206k
155-300k
155-300k
リスクマネジャー / リスクディレクター
75-110k
85-125k
85-140k
93-150k
120-270k
155-300k
リーガル & コンプライアンスマネジャー
79-137k
90-150k
103-206k
111-210k
155-200k
165-230k
生保アクチュアリー / 損保アクチュアリー
74-130k
74-125k
83-142k
83-142k
106-186k
106-186k
人事マネジャー / 人事ディレクター
74-111k
74-111k
88-132k
93-150k
110-190k
104-250k
機関投資家営業マネジャー
74-105k
74-105k
83-121k
83-121k
95-222k
95-222k
会計監査役 / 財務アナリスト
60-105k
60-105k
70-121k
80-121k
80-150k
80-150k
コーポレートファイナンススペシャリスト
69-100k
69-100k
83-121k
83-121k
95-179k
95-179k
アセットマネジャー / ポートフォリオマネジャー
69-100k
69-100k
72-105k
72-105k
90-142k
90-142k
プライベートバンカー / コーポレートバンカー
69-100k
69-100k
83-121k
83-121k
95-222k
95-222k
会計マネジャー
63-111k
63-111k
88-127k
88-127k
100-148k
100-148k
53-74k
53-74k
62-84k
62-84k
72-90k
72-90k
内部監査人 / 内部監査マネジャー /
内部監査ディレクター
プロダクションマネジャー /
保険金支払マネジャー
商工業

2014 年は市場の信頼感改善に伴い、求人活動が活発化。

コスト削減に専念する必要性が低下したことで、ビジネスコントローラー、内部監査、
財務マネジャーの需要が高まっており、今後もこの傾向は続く見込み。

石油・ガス、エンジニアリング、物流の各セクターでは、2015~16 年に財務管理、プラント管理、プロジェクト
管理をはじめとする分野のスペシャリストの需要が高まる見込み。

3 か国語話者は企業にとり、引き続き魅力的な存在。

仕事とプライベートのバランスに関する候補者や従業員の期待に応えるため、
企業はキャリア開発や柔軟な勤務形態で働く機会を提供すべき。
正社員年間給与(€)
経験年数 5-7 年
2014 年
2015 年
経験年数 7-15 年
2014 年
2015 年
最高財務責任者
150-400k
150-400k
財務ディレクター
110-200k
110-200k
F&A マネジャー
内部監査
50-65k
50-70k
会計マネジャー / 会計ディレクター
2014 年
2015 年
経験年数 15 年以上
75-85k
75-90k
90-110k
90-115k
70-90k
75-100k
100-120k
100-120k
65-75k
65-80k
75-120k
80-120k
財務アナリスト / 会計監査役
50-65k
50-70k
65-90k
65-90k
90-110k
90-115k
ビジネスアナリスト / ビジネスコントローラー
50-65k
55-75k
65-90k
70-95k
90-110k
90-120k
統合マネジャー
75-85k
75-85k
90-100k
90-100k
税務マネジャー / 税務ディレクター
75-120k
80-120k
120-180k
120-180k
110-140k
110-140k
資金運用担当/グループ資金運用担当
50-70k
50-75k
80-100k
80-110k
資金運用アナリスト
50-65k
50-65k
65-80k
65-80k
80-120k
85-120k
100-190k
100-190k
85-110k
90-120k
95-120k
100-140k
法務マネジャー / 法務ディレクター
法律顧問
65-85k
65-90k
報酬の壁を超えて:従業員採用・維持・満足度戦略の革新
GSK・ベルギー 「ボランティア活動による新しいチームビルディング方法」
設立:2000 年
事業内容:製薬
本社:ロンドン(イギリス)
従業員数:7,350 人(拠点は3ヶ所)
主力商品:ワクチン、処方薬、消費者向けヘルスケア関連商品
企業受賞歴:2014 年 「ベルギーで最も働きたい企業に贈るランスタッドアワード」:民間企業部門
近年、企業の社会的責任に関する役割が拡大するにつれ、企業は社会的、慈善的な事業へますます投資し、社会にお
いてこのような事業がブランドイメージにもたらす利益に対する認識をさらに深めている。しかし、GSK・ベルギー社が証明したと
おり、慈善活動に参加するという行為には、従業員の勤労意欲を向上させるという効果もある。
GSK は、従業員を刺激し、企業理念を彼らに伝える新しい方法を開発した。同社は「オレンジデイ・プログラムを運営してお
り、希望すれば従業員なら誰でも、地域の慈善活動に年に 1 日、就労の代わりに費やすことができる。2012 年と 2013 年
には、慈善事業に最も時間をかけた企業に贈られる「社会への貢献時間賞(Time4Society Award)」を受賞した。この
賞は、企業が地元地域において社会的、環境保全的、文化的な事業に時間を捧げたことを表彰するものである。同じプロ
グラムの成功は、このようなよく組織された慈善事業に、従業員がいかに興味を持っているかを証明している。2013 年、同プ
ログラムの運営は、1,455 人の参加従業員により 1,450 日のボランティア実施日をもたらし、これは、101 の事業における 1
万 1,600 時間を超える貢献となった。
従業員の視点に立てば、ボランティアに 1 日を費やすことは、長期的に自分への投資となる。多くは、この企業プログラムに
参加することを素晴らしいと感じており、自分たちのボランティア活動が社会に肯定的で役に立つと確信している。事実、同
プログラムに参加した従業員と、彼らの助けで利益を得た地域社会両方から、GSK は素晴らしい満足度を得ている。慈善
事業の量と種類は常に拡大しており、毎年このプログラムに参加する従業員の数も増加している。
オレンジデイ・プログラムは、同社にとって企業基本理念を従業員に伝える方法でもある。従業員は、ボランティア活動や
人々を助けることに一日を費やし、その活動の現場で、自社の健康に関連した理念である「健康と長寿の促進」を具体化
する。同プログラムの成果には、直接的なものと、より深い意味を持つものがある。前者は、言うまでもないが、従業員のボラ
ンティア活動により具体的に地域社会が支えられていることである。後者は、その利益が自社にも影響を与えていることであ
る。従業員はこのようなボランティア活動日を、従来のチームビルディング用の活動の代わりになる刺激的でやりがいのある活
動だと感じている。さらに、同プログラムにより、異なる専門部署はもちろん様々な組織レベルの従業員達が意義あるプログ
ラムのために結束を固めることができ、従業員間の結びつきや企業への献身を強化することができる。
はじめに
i
World Bank, EU Regular Economic Report, May 2015.
http://www.worldbank.org/content/dam/Worldbank/document/eca/eu-rer-1-eng.pdf
ベルギー
ii
Direction Générale du Trésor, Les Services Économiques à l’Étranger: Belgique.
http://www.tresor.economie.gouv.fr/pays/belgique
iii OECD, Better Life Index: Belgium.
http://www.oecdbetterlifeindex.org/countries/belgium/
iv Direction Générale du Trésor, Les Services Économiques à l’Étranger: Belgique.
v Ibid.
vi European Commission, Country Report: Belgium 2015, June 2015.
http://ec.europa.eu/economy_finance/publications/occasional_paper/2015/pdf/ocp212_en.pdf
vii Ibid.
viii
Statistics Belgium, Le marché du travail en chiffres trimestriels relatifs.
http://statbel.fgov.be/fr/statistiques/chiffres/travailvie/emploi/trimestriels/
ix European Commission, Country Report: Belgium 2015, June 2015.
x Ibid.
xi Service Public Fédéral Emploi, Travail et Concertation Sociale, Norme Salariale pour 2015 et 2016.
http://www.emploi.belgique.be/defaultTab.aspx?id=14406
xii Ibid. E
xiii Ibid.
xiv
Ibid.
xv Securex, La Norme Salariale 2015-2016 est officielle.
http://www.securex.eu/lex-go.nsf/vwNews_de/2FD62BB9E9DBAA01C1257E37003369D3?OpenDocument
xvi European Commission, Country Report: Belgium 2015, June 2015.
xvii PWC, Key Human Capital Trends in Belgium, February 2015.
http://www.pwc.be/en/press/2015/2015-02-05-key-human-capital-trends-in-belgium.jhtml
xviii Tendances Trends, Les Salariés belges toujours inquiets pour leur employ, 20 May 2014.
http://trends.levif.be/economie/entreprises/les-salaries-belges-toujours-inquiets-pour-leur-emploi/article-normal-185061.html