G385受注2万トン突破

2015 年 2 月 4 日
株式会社セイケイ
高強度冷間プレス成形角形鋼管「P コラム G385」受注累計20,000 トン突破
超高層ビルに普及拡大
株式会社セイケイ(以下、セイケイ)が JFE スチール株式会社(以下、JFE スチール)と共同で開発
した、高強度冷間プレス成形角形鋼管「P コラム G385」の受注量が、2004 年の商品化から累計で
20,000 トンを突破しました。10,000 トン達成までに商品化から 7 年を要しましたが、その後 20,000 ト
ン達成までは僅か 3.5 年でした。設計者の方々から広く認知いただいたことが背景にあり、本商品の
受注実績は急速に拡大しています。これまでに蓄積したノウハウを活用し、今後出件が計画されて
いる多くの大型物流施設や首都圏の再開発高層ビルへの本商品のさらなる適用拡大を推進して行
きます。
R を活
P コラム G385 は、JFE スチールの先端技術であるオンライン加速冷却装置 Super -OLAC○
R 385 を素材とし、セイケイの優れたプレス成形技術・溶接技術で製造し
用して製造する厚鋼板 HBL○
た冷間プレス成形角形鋼管であり、セイケイにて 2004 年に国土交通大臣の認定を取得しています。
降伏強度 385N/mm2 以上、引張強さ 550N/mm2 以上、設計基準強度(F 値)が 385N/mm2 と高強度
であると同時に、降伏比は 80%以下、平板部でのシャルピー吸収エネルギーは 0℃で 70J 以上を保
証するなど、耐震性に優れた性能を有する商品です。高強度とともに優れた靭性・溶接性を両立さ
せた建築構造用冷間プレス成形角形鋼管であり、従来の 490N/mm2 級プレス鋼管では適用が困難
とされた超高層建築物の下層部やスパンを大きく飛ばす建築物への冷間プレス成形角形鋼管の適
用を可能としました。昨年 8 月に竣工した、大宮 JP ビルディング(*1)(事業主:日本郵便殿)に採用さ
れるなど、超高層建築物の柱材として適用事例が急増しています。
これまで P コラム G385 に関し、超高層建築物での採用事例が多いコンクリート充填鋼管(CFT)柱
の構造特性に関するデータ等の整備を進め、本商品の適用範囲拡大に努めてきました。至近では、
角部の靭性も保証する 550N/mm2 級高強度・高靭性冷間プレス成形角形鋼管「P コラム G385T」を開
発・商品化しました。同商品を柱部材とし、柱-通しダイアフラムの溶接に独自の特許技術であるN
R (*2)を適用することにより、一般的な冷間プレス成形角形鋼管に課せられる設計強度低
BFW溶接○
減等の設計制約(*3)が不要となり、鉄骨部材として安全性のさらなる向上が期待できます。また、オ
ンライン加速冷却装置を活用することで多段熱処理工程を省略し、納期短縮を実現した厚鋼板を素
材とした 590N/mm2 級冷間プレス成形角形鋼管「G440」も商品化しています。
セイケイはこれら高付加価値商品である高性能冷間プレス成形角形鋼管を注力商品として位置
付けており、その構成比率を 20%まで高めることを目標としています。今後も JFE スチールとともに高
性能商品の開発や適用範囲拡大を推進し、それらを通してさらなる品質の向上ならびにお客様の満
足度向上に努めてまいります。
1
(*1)【大宮 JP ビルディング】
所在地
建築主
CM
設計
設計協力
施工
主要用途
建築面積
延床面積
最高高さ
規模
構造種別
工期
埼玉県さいたま市大宮桜木町一丁目 11 番地 20
日本郵便
三菱地所設計
日本郵政一級建築事務所
山下設計
戸田建設
事務所・店舗・駐車場
4,331.85 m2
48,758.01 m2
91.01m
事務所棟:地上 20 階、地下無、塔屋 1 階
駐車場棟:地上 5 階、地下無
S 造(柱 CFT)、RC造
平成 25 年 4 月~平成 26 年 8 月
大宮 JP ビルディング外観写真
2
(*2)【NBFW溶接】
「NBFW溶接」は、建築土木分野等における構造部材の接合部の脆性的な破断を防止し、
耐震性能を向上させる画期的な溶接方法および溶接接合部です。溶接部は一般に溶接時
の熱影響により、鋼材の一部に材質変化(熱影響部 HAZ; Heat Affected Zone)が生じます。
この材質変化により、熱影響部の強度や靭性の低下などが生じ、その結果耐震性能に悪影
響を及ぼすことがあります。本発明は、溶接部近傍に発生した亀裂のこのような材質変化が
生じている熱影響部への伝播を防止し、亀裂の伝播を制御する全く新しい溶接方法であり、
2010 年、優れた技術が評価され、社団法人発明協会による地方発明表彰を受賞致しまし
た。
【NBFW法の概要(溶接部断面)】
NBFW 法
ダイアフラム
梁
溶接部
ダイアフラム
溶接ビードを突出させて
脆性破断の起点となる歪み集
NBFW 法
歪み集中部位
(亀裂起点)
柱
中部を主要溶接部から遠ざける
ことにより、主要溶接部への脆
性破断を防止する溶接法
(冷間プレス成形角形鋼管)
冷間プレス成形角形鋼管
(*3)【設計制約の一例】
設計制約
(一例)
G385T
[NBFW 法適用前提]
冷間プレス成形角形鋼管
(BCP325、G385 等)
部材強度の低減不要
耐震設計において部材強度(保有耐力)の
低減係数(0.8)を適用
本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
㈱セイケイ
商品技術課
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℡ 0283(22)4425