材料強度学 レポート 1 略解

2015 年 6 月 3 日
材料強度学 レポート 1 略解
1.
(1) 3 つの主応力を1,2,3,単軸引張りによる破損応力をs とすると,
最大せん断応力説による破損条件は次式で表される.
max(1 , 2 , 3 )  min(1 , 2 , 3 )  s ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (a)
平面応力の場合,3 つの主応力の大小関係は題意から 1 = 2 > 3 = 0.
したがって,最大せん断応力説による破損条件は式(a)より 1  3  1  s ・・・・・・・・・・ (b)
平面ひずみの場合, 3  3  (1  2 ) / E  0 だから 3  (1  2 )  21 (∵1 = 2)
.
 = 0.3 のとき,3 つの主応力の大小関係は 1 = 2 > 3 = 0.61.
したがって,最大せん断応力説による破損条件は式(a)より 1  3  1  0.61  0.41  s ・・・・・・・・・ (c)
式(b)と(c)より,1 の限界値の比は
1(平面ひずみ)/1(平面応力)
=
s / 0.4
 2.5 倍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
s
(2) 最大せん断応力説による降伏条件は次式で表される.
max(1 , 2 , 3 )  min(1 , 2 , 3 )  s  400 MPa
三つの主応力1, 2, 3 の大小関係は六通り考えられ,3 = 2/2 のとき,それぞれに対する降伏条件を式で
表すと以下のようになる.
① 1 > 2 > 3  2 / 2  降伏条件は 1   2 / 2  400
② 2 > 1 > 3  2 / 2   2   2 / 2  400
  2  21  800
  2  800
③ 1 > 3  2 / 2 > 2  1   2  400
  2  1  400
④ 2 > 3  2 / 2 > 1  2  1  400
 2  1  400
⑤ 3  2 / 2 > 1 > 2  2 / 2  2  400
  2  800
⑥ 3  2 / 2 > 2 > 1  2 / 2  1  400
  2  21  800
これらの降伏条件式を図示すると右図のようになり,各直線で
囲まれる六角形内部の応力状態では未降伏,外部では降伏する.
2.
教科書の式(2.19)で = 0,r = 0.0005 m とすると
KI
12
x 

 214 MPa ・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
2r
2 0.0005
KI
12
y 

 214 MPa ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
2r
2 0.0005
K II
15
 xy 

 268 MPa ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
2r
2 0.0005
3.
教科書 p. 190 の図 7.7 より降伏応力Y を推定すると,ビッカース硬さが 104 (HV)のときY = 2.5×104 = 260
MPa,ビッカース硬さが 212 (HV)のときはY = 2.5×212 = 530 MPa.
降伏応力に対して Hall-Petch の関係式(3.21), Y  0  k
260  0  k
両式を解いて
が成立すると考えると
4
k = 900 MPa・m1/2,0 = 80 MPa.結晶粒径が d = 9 m のときは
Y  80  900
4.
25 , 530  0  k
d
9  380 MPa ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
(1) 応力拡大係数の式は,教科書の表 2.1 の 4 段目.き裂成長開始試験力 PQ = 2.5×104 N = 0.025 MN に対す
る応力拡大係数 KQ は
1
  a / W  22.5 / 50  0.45,

KQ 
PQ
B W
F () 
このとき F ()  8.340
0.025 (MN)
0.025  0.05
 8.340  37.3 MPam1/2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
(2) (1)で求めた KQ と降伏応力Y = 450 MPa から,
 KQ 
2.5 

 Y 
2
 37.3 
 2.5 

 450 
2
 1.72 102 m  17.2 mm
この値は
a = 22.5 mm,Wa = 27.5 mm より小さい
→
教科書の式(3.24),つまり小規模降伏条件は満たされている.
B = 25 mm より小さい
→
教科書の式(3.25),つまり平面ひずみ条件も満たされている.
(3) 無限板の中央き裂では応力拡大係数は教科書の式(2.30a).
したがって許容条件は
K I   a  0.5KQ
 a
1  0.5KQ

  
2

 .

2
= 100 MPa のとき,許容されるき裂全長 2a は
5.
(1)   1  (2c / D)  1  4.00 / 20.0  0.8,
KI   c  F より,許容応力は
2a 
2  0.5  37.3 
 0.0221 (m)  22.1 (mm) ・・・・・・・・(答)
  100 
このとき F ( )  1.2604
KI
2 5 . 0


 250 MPa ・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
c  F
 0.002 1.2604
(2) き裂先端の状態は教科書の図 2.7(c)にあたる.モード III ・・・・・・・・・・・・・・・・・(答)
2