僕が出会った サイパンの海の 横井 彩人 目次 1 研究のテーマ … 1 2 研究の動機 … 1 3 研究の目的 … 1 4 研究の方法 … 1 5 研究の内容 … 2 6 研究のまとめ …23 7 感想と反省 …23 8 参考にした資料 …24 1 研究のテーマ 僕が出会ったサイパンの海の危険生物 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる のではないかと思った。 2 研究の動機 去年、サイパンの海の生物を調べたが、その中にも危険な生物がいた 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる ので、もっといるのではないかと思って調べることにした。 のではないかと思った。 3 研究の目的 今後のダイビングで、その生物に出会った時に、危険かどうかを見極 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる め、どのような場所に危険生物がいるかを知ることにより、安全にダイビ のではないかと思った。 ングができるようにする。 4 研究の方法 海に行って写真を撮り、撮影した危険生物の名前や、毒があれば、刺 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる された場合の症状などについて調べる。 のではないかと思った。 危険度については、自分なりに次のように分類した。 ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★ 死に至る可能性が高い生き物 早く対処をしないと死に至る生き物 場合により大けがをする生き物 まれにしか攻撃をしてこなかったり、 注意をすれば被害を受けない生き物 ★ ほとんど被害を受ける可能性がない生き物 -1 - 5 研究の内容 名前 ツマグロ 分類 軟骨魚綱メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属 体長 約 130 撮影 ポイント グロット 危険度 ★★★ いた場所 中層 cm 危険性や感想など 背びれの先端の色から「ブラックチップ」と呼ばれることもある。5年前 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる に本種を見たっきりになっていたので、とても懐かしく感じた。 のではないかと思った。 比較的穏やかなので、人を襲うことはめったにないが、恐怖を感じると 体を曲げて威嚇行動をとった後、攻撃してくることがあり、注意が必要で ある。襲われるとノコギリ状の歯により多量の出血につながる。 浅瀬でも泳いでいることがあるので、足をかまれることもある。 血のにおいに敏感なので、けがをしている時は海に入らない方がいい。 -2 - 名前 ネムリブカ 分類 軟骨魚綱メジロザメ目メジロザメ科ネムリブカ属 体長 約 150 撮影 ポイント 沈船 危険度 ★★★ いた場所 船の破片の下 cm 危険性や感想など 初めて見たが、寝ていたり、のんびりしていたので安心して写真が撮 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる れた。 のではないかと思った。 名前の通り、昼は岩の隙間などに隠れていて、夜に動き出し、集団で 餌を探すので、注意が必要である。人を襲うことはないが、刺激すると反 撃される。襲われるとノコギリ状の歯で、多量の出血を起こす。刺激しな ければ襲ってくることはない。 背びれなどの先端が白くなっているので、「ホワイトチップ」という別名 もある。 -3 - 名前 マダラエイ 分類 軟骨魚綱トビエイ目アカエイ科マダラエイ属 危険度 体長 約 150 cm 撮影 ポイント グロット,沈船 ★★ いた場所 水底 危険性や感想など 今まで見たエイの中では最大級で、尾の付け根には毒棘があり、刺激 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる すると、尾の毒棘を突き刺すことがある。刺されると毒で激痛などの症状 のではないかと思った。 が出る。死亡例もある。 海底にいて比較的近くまで寄ることができた。写真を撮っていたら、い きなり尾をたてて向かってきたので少し怖かった。 -4 - 名前 ウツボの仲間 分類 条鰭綱ウナギ目ウツボ科ウツボ属 危険度 体長 約 75 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★ いた場所 岩の隙間 危険性や感想など 今回見たのは小型だが、胴体の太さが7センチぐらいのもいる。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる いつも顔を少しだけ穴から出している。歯は鋭く顎の力も強いので、岩 のではないかと思った。 の隙間などに手を入れたりして刺激すると、噛みつかれて出血する。ま た、大きな敵が近づいた時は口を開けて威嚇し、敵が去らない場合は 噛みつく。 -5 - 名前 ダツの仲間 分類 条鰭綱ダツ目ダツ科ダツ属 体長 約 15 撮影 ポイント 沈船 危険度 ★★★ いた場所 表層 cm 危険性や感想など 光に反応する習性があり、夜のダイビングで、ヘッドライトに向かって 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 来て、突き刺さり死亡した例がある。沖縄県の漁師の間では、昔から「ダ のではないかと思った。 ツは鮫より怖い」と言われているそうである。 水中ライトに向かって来たらどうしようかと、少し怖くなった。夜のダイビ ングでは、ダツを見たらライトを消す必要がある。 写真は、ダツだと思われるが、サヨリの仲間の可能性もある。 -6 - 名前 オニオコゼ 分類 条鰭綱カサゴ目オニオコゼ科オニオコゼ属 危険度 体長 約 30 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★ いた場所 岩の上 危険性や感想など 下あごが上に向いているので、最初見た時はかわいいなと思った。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 背びれなどに太い棘があり、刺されると毒により高熱などの症状が出る。 のではないかと思った。 神経麻痺や呼吸困難などを引き起こすこともある。 オニカサゴとの区別が付きにくい。 -7 - 名前 オニカサゴ 分類 条鰭綱カサゴ目フサカサゴ科オニカサゴ属 危険度 体長 約 25 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★ いた場所 岩の下 危険性や感想など ラウラウビーチでよく見かける種類のカサゴだった。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 毒の力は強く、背中などの棘に刺されると毒により激痛が走り、患部は のではないかと思った。 紫色に腫れ上がる。痛みは全身に広がり、ひどい時は吐き気・神経マ ヒ・呼吸困難などをおこす。 少し見ただけではわかりにくいので、常に気をつける必要がある。 ビーチを素足で歩くと踏んでしまう可能性がある。 -8 - 名前 ハナミノカサゴ 分類 条鰭綱カサゴ目フサカサゴ科ミノカサゴ属 危険度 体長 約 20 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★ いた場所 岩のすぐそば 危険性や感想など 大きさや、色の違う個体が多かったのでびっくりした。幼魚にも毒があ 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる るので侮れない。背びれなどの棘には毒があり、刺されると、毒により激 のではないかと思った。 痛などの症状が出る。 ミノカサゴの仲間にしては良く動き回る方だと思う。驚かすと背びれを 立てて威嚇する。良く動くので、撮影している時に、こちらに近寄ってく るのではないかと思った。 幼魚 -9 - 名前 ネッタイミノカサゴ 分類 条鰭綱カサゴ目フサカサゴ科ミノカサゴ属 危険度 体長 約 15 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★ いた場所 岩の隙間 危険性や感想など 色鮮やかだが、背びれの棘に強い毒があり危険である。刺されると毒 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる により激痛などの症状が出る。 のではないかと思った。 穴にカメラを入れて、撮ったが、こちらの方に動いて刺されるのではな いかと思い少し怖かった。 しつこく追いかけ回すと威嚇してくる。こちらから刺激しなければよい。 -10 - 名前 オニカマス 分類 条鰭綱スズキ目カマス科カマス属 体長 約 100 撮影 ポイント グロット 危険度 ★★ いた場所 中層 cm 危険性や感想など 「バラクーダ」と呼ばれ、ダイバーには人気の魚である。今シーズンは 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる グロットに行ってに出会わなかった日はなかったというぐらい、よく出会う のではないかと思った。 ことができた。 滅多に人を襲うようなことはしないが、ごくまれに人を襲ってくると聞い たので、油断は出来ないと思った。 光を向けて点滅すると、挑発されて襲ってくることがある。 -11 - 名前 ゴマモンガラ 分類 条鰭綱フグ目モンガラカワハギ科モンガラカワハギ属 体長 約 75 撮影 ポイント グロット 危険度 ★★★ いた場所 海底~表層 cm 危険性や感想など 今回見たのは、相当な大型だった。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 気性が荒く、うかつに近寄りすぎると襲ってきて、かまれる危険性があ のではないかと思った。 る。特に、卵を守っている時にテリトリーに入ってしまうと、しつこく攻撃し てくる。噛まれたことによる負傷例も多数ある。 あまりにも、襲われた例が多いので少し怖くなってしまった。 今年の夏、父は近寄りすぎて非常に怖い思いをしたと言っている。 -12 - 名前 セダカハナアイゴ 分類 条鰭綱スズキ目アイゴ科アイゴ属 危険度 体長 約 15 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★ いた場所 海底~中層 危険性や感想など この頃は見かけなかったので、懐かしかった。二十匹ぐらいの集団で、 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる さかんに地面を突っついて捕食していた。 のではないかと思った。 背びれの棘には毒があり、刺されると毒により炎症を起こし、長時間の 痛みがある。釣りの対象魚なので針を外すときに注意が必要である。 ダイビング中に、向かってくることはないので安心だった。 -13 - 名前 アミアイゴ 分類 条鰭綱スズキ目アイゴ科アイゴ属 危険度 体長 約 15 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★ いた場所 海底~中層 危険性や感想など 普段は二,三匹で泳いでいるのを見かける。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 撮ったときはクリーニング中でひれを立てていたので、初めて棘をじっ のではないかと思った。 くり見られて良かった。思ったよりも棘が長かったのでびっくりした。 セダカハナアイゴと同じ毒を持っていると思われる。刺されると毒により 炎症を起こし、長時間の痛みがある。 ダイビング中に、この魚に触れることはないと思うが、釣りの場合は注 意が必要である。 -14 - 名前 ナンヨウハギ 分類 条鰭綱スズキ目ニザダイ科ナンヨウハギ属 体長 約 7 撮影 ポイント グロット 危険度 ★ いた場所 サンゴの周囲 cm 危険性や感想など 観賞用として、よく飼育されている魚である。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 背びれの棘には毒があり刺されると腫れたりする。 のではないかと思った。 ダイビング中、写真を撮ろうとするとサンゴに隠れるので、刺される心 配はないが、観賞魚として飼育する場合は注意が必要である。 -15 - 名前 ガンガゼ 分類 棘皮動物門ウニ綱ガンガゼ目ガンガゼ科 危険度 体長 約 7 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★ いた場所 岩の穴の中 危険性や感想など グロットでは岩の穴という穴にガンガゼがいたので、注意が必要だった。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 棘は長く鋭い。そして毒があり刺されると炎症を起こすが、もろい。なの のではないかと思った。 で、折れた棘が皮膚の下に入ってしまう可能性がある。 刺されたら食酢につけると溶けると聞いたことがある。 -16 - 名前 オニヒトデ 分類 棘皮動物門ヒトデ綱アカヒトデ目オニヒトデ科 危険度 体長 約 15 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★ いた場所 岩の穴の中 危険性や感想など 再生能力が高く、二つに切断したら二つの個体になると言われている。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 本種はサンゴのポリプを食い荒らし、骨だけにしてしまうとして、ダイ のではないかと思った。 バーの間では憎まれている。 背面の棘には毒があり刺されると激痛が走るなどの症状が出て、最悪 の場合には、ショックで死亡してしまうこともある。 -17 - 名前 ウミシダ 分類 棘皮動物門ウミユリ綱ウミシダ目 体長 約 30 撮影 ポイント グロット 危険度 ★★ いた場所 サンゴの間 cm 危険性や感想など 泳いでいる時に触れると、切れ端がマジックテープのように、ウエット 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる スーツにくっつくときがある。付くと、なかなか取れない。 のではないかと思った。 見かけは植物のようだが、夜になると動くと聞いたことがある。色彩は 色々とある。 刺されると毒により水ぶくれが出来る。肌の弱い人は注意が必要となる。 -18 - 名前 シライトイソギンチャク 分類 刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目 体長 約 30 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ 危険度 ★ いた場所 岩の上 危険性や感想など 色彩変異が色々ある。触手が細長いのでうねりがあると、大きく揺れる。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 人が触れても腫れたりすることは少ないが、魚を殺すだけの毒はある のではないかと思った。 ので注意したい。皮膚の弱い人は注意が必要である。 -19 - 名前 タマイタダキイソギンチャク 分類 刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目 体長 約 25 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ 危険度 ★ いた場所 パイプの上 危険性や感想など その名のとおり、先端に丸みを帯びた膨らみがある。サンゴイソギン 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる チャクと同種であるという説もある。 のではないかと思った。 サイパンの海ではハナビラクマノミが共生している。シライトイソギン チャクと同じ毒をもっているものと思われる。 グローブをしていれば大丈夫だが、素手で触ると腫れる。皮膚の弱い 人は特に注意が必要。 -20 - 名前 シロガヤ 分類 刺胞動物門ヒドロ虫綱軟クラゲ目ハネガヤ科シロガヤ属 体長 約 3 撮影 ポイント グロット 危険度 ★★ いた場所 岩の上 cm 危険性や感想など グロットの岩の上を一面びっしりと覆っている。こんな物に毒があるとは、 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 思わなかった。潮通りの良いところに群生している。植物のようだが、クラ のではないかと思った。 ゲの仲間であるということに驚いた。 皮膚に触れると焼けるような炎症を起こす。グローブなどに付いたまま 上がって、それを触ってしまうというケースもある。この前グローブで触っ てしまったので、今思うと背筋が寒くなる。 -21 - 名前 アオマダラウミヘビ 分類 爬虫綱有鱗目コブラ科エラブウミヘビ属 危険度 体長 約 100 cm 撮影 ポイント ラウラウビーチ ★★★★★ いた場所 砂地 危険性や感想など サイパンの海で見るのはごくまれだと父が言っていた。 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる 口が小さくウエットスーツの上から噛まれても大丈夫だが、露出してい のではないかと思った。 るところを噛まれると、呼吸困難などの症状が出る。ハブの18倍の殺傷 力がある猛毒で死に至る。 撮影していたときは砂に顔を入れていたがいきなり自分の方へ泳ぎだ したので、噛まれたら大変と思い大急ぎで後ずさりした。 調べていて、コブラ科と知ってびっくりした。 -22 - 6 研究のまとめ 一般に恐れられるサメの仲間は、今回のダイビングでは危険を感じな 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる かった。しかし、サイパンの海には「人食い鮫」と恐れられる、イタチザメ のではないかと思った。 (タイガーシャーク)も生息するので、注意は必要である。 ダイビング中は、刺されるとかなり危険な、フサカサゴ科の魚によく出 会う。岩に擬態していたりするので、気を付けなければいけないと思った。 攻撃性の強いゴマモンガラを始め、どの魚も自分や子どもを守る場合 には攻撃してくる可能性がある。むやみに刺激したり、テリトリーに入っ てしまわないようにしないといけない。 植物のように思われる物にも毒がある場合が多い。まだ出会ったことは ないが、アンボイナ貝のように猛毒を持つ貝もいる。 このように、海の生き物には危険があるので、むやみに触ったり、刺激 しないようにする必要を感じた。 7 感想と反省 今回は今まで知らなかったことがあった。いつも見逃していたシロガヤ 危険な生物を知っていれば、もっと安全にダイビングができる やウミシダに毒があるとは思わなかったので、知ったときはびっくりした。 のではないかと思った。 20年以上サイパンの海に潜っている父でさえ、めったに会えないウミ ヘビに会えた。これは非常に珍しいことだとインストラクターも言っていた。 今回は載っている生物には危害を加えられなかったが、カツオノエボ シというクラゲの仲間の、目に見えないほど細かくちぎれた足が、肌の露 出している唇に刺さってじんじん痛かった。 これからも、安全に楽しくダイビングを続けたい。 -23 - 8 参考にした資料 大方洋二 山と渓谷社 小林安雅 矢野維幾 岡田孝夫 田口哲 吉野雄輔/著 岡村収 尼岡邦夫/編 日本の海水魚 ミクロネシアの海水魚 小林安雅/著 東海大学出版会 サンゴ礁の生きもの 奥村喬司/著 山と渓谷社 危険・有毒生物 今泉忠明 学研教育出版 高橋秀男/著 世界の危険生物 今泉忠明/著 学研教育出版 WEB魚図鑑 http://zukan.com/fish/ -24 -
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