平成27年度 第69回関東高等学校男子バスケットボール大会 派遣報告書 東京都実業団連盟 嶋崎 貴 会場 使用大会 ひたちなか市総合運動公園総合体育館 派遣期間 平成27年5月29日〜5月31日 平成27年度 第69回関東高等学校男子バスケットボール大会 【男子Aブロック】 ・神奈川県:アレセイア湘南、桐光学園、厚木東 / ・埼玉県:川口北、西武文理学園 ・茨城県:土浦日大、取手第二 / ・東京都:八王子学園八王子、日本学園、東洋大学京北、早稲田実業 ・千葉県:船橋市立船橋、八千代松陰 / ・栃木県:宇都宮工業 ・群馬県:前橋育英 / ・山梨県:日本航空 参加チーム 【男子Bブロック】 ・神奈川県:横浜清風、法政大学第二 / ・埼玉県:昌平、正智深谷 ・茨城県:常磐大学、つくば秀英 / ・東京都:國學院大學久我山、足立学園、成立学園、世田谷学園 ・千葉県:柏市立柏、柏日体、習志野市立習志野 / ・栃木県:文星芸術大学附属 ・群馬県:太田市立太田 / ・山梨県:東海大学付属甲府 担当試合 対戦 日付 試合の展開 相手審判 【Aブロック 一回戦】 5月30日 厚木東高校-日本航空高校 主審:嶋崎貴 副審:木村勇 (茨城県) 試合序盤から厚木東がリードをし、そのまま厚木東が点差を広げて 勝利。 しかしながら互いに激しいコンタクトの多いプレイスタイルで、点差に 合わない激しい試合展開であった。 【Bブロック 決勝】 5月31日 正智深谷高校-柏市立柏高校 主審:針生淳男 (東京) 副審:北島寛臣 (埼玉) 副審:嶋崎貴 市立柏が先に主導権を握るが、正智深谷が追いつき、その後は一進 一退。互いに高校生らしい懸命なプレイを繰り出し、残り1秒までどち らが勝つか分からない決勝戦にふさわしい試合展開。 最後は市立柏が勝利し優勝。 日付 試合前後のミーティング プレゲームカンファレンス 2人で協力するケースを確認「エリア3、エリア5、右のローポストプレイ、ヴィオレイション、リスクマネージメント」 またビッグマンへの対応等についても確認をした。 試合後のミーティング ノーコールでいいものが、幾つか過敏になり吹いてファウルの判定をしてしまった。(接触の事実だけでなく、過程や結果等の多 くの情報を判定に加える必要があった) オフェンスの悪い手の使い方に対しても一貫性をもって判定する必要があった。(プレイの捉えを早くし、接触の責任を正しく把 握する必要があった) チームファウルの確認不足で処置に誤りがあった。(TOとの綿密な協力が必要であった) パートナーの力を最大限に引き出すだけのコミュニケーションや、不安や焦りを極力抑えるだけのゲームマネージメントが必要 であった。(ベンチからのパートナーへのアピールに対する対応、ゲーム中の声かけや表情でのパートナーへの気遣い) 次の試合へ 具体的取組み方針 現象を競技規則にだけ照らし合わせて判定するだけでなく、個人技術、戦術(チームコンセプト)等も理解し判定をしていく。 オフェンスの悪い手の使い方には寛容にならない。 接触の責任を正しく見極めるために、視野を広げ、プレイの捉えるタイミングを早くする。 TOとの協力をもっと意識する。(ファウル、ゲームクロック、ショットクロックの管理への意識を高める) パートナーやTOとより強力なチームワークを築くためへの対応が必要。 プレゲームカンファレンス タフなプレイが予測されるので、イリーガルなプレイについてはゲームの開始からしっかりと判定基準を示すこと、 但し、吹いて治めるということではなく、しっかりとプレイを見極めることが重要であることを確認した。 またリードの動きは、ボールサイドに積極的に動くということではなく、フロアバランスやチーム戦術、センターとの 協力などを把握して動きを選択することを確認した。 5月30日 5月31日 試合後のミーティング 次の試合への 具体的取組み方針 非常にエキサイティングな試合展開ではあったが、審判が勝敗に関わらなかったことがよかった。 プレイから遠いので判定がうすくなっている。ペネトレイト等を利用して正しい判定を貫くこと。 自らのエリアで起こるプレイについてはもっと細かい動きを使って常に正しい判定をしなければならない。 相手のエリアであってもスペースや責任審判員の位置を見て、時には助けにいく必要もある。 自身の思いだけでなく、周りがどのように見ているか、見えているかも判定する上での情報として持っている必要が ある。 以前、プレイに近づき過ぎるがあまりに巻き込まれ転倒することがあった、それ以来、無意識のうちにプレイから遠 ざかってしまっていた。それが判定力の低下に結びついていた。次回はポジショニングに重きをおいてプレイを捉え 判定をする。 関東指名審判員 渡邊諭氏/針生淳男氏による講義 平成27年度 第69回関東高等学校男子バスケットボール大会 派遣報告書 東京都実業団連盟 嶋崎 貴 テーマ 【ゲームの入り方/判定基準の示し方】 ◆ゲームに臨むにあたり ・プレゲームカンファレンスをし、2人ないしは3人の判定基準を確認する ・メカニックの確認をする、TOやタイマー等の管理を確認する・・・等 ◆判定基準をどのように示すのか ・「自身の判定基準を確立できていなければ、基準は示せない」 ・判定基準を確立するためには・・ 「競技規則の理解」、「競技規則をどのように適用するか」が重要 ◆競技規則の正しい理解(今回はファウルについて) ・「第33条:からだの触れ合い」をしっかり理解すること ・シリンダーの概念/リーガルガーディングポジション/スクリーンについての競技規則に書かれていることを理解すること ・上記を理解した上でどのように判定をしていくのか。 ・プレイの始まりからみる。(コンタクトが起きてから判定するのではなく、コンタクトが起こる前から見ている必要がある) ・影響を見極める。やられた方は気にしていないのか、それともやられたからプレイを止めてしまった(できなくなってしまった)のかを見極める。 この2つは外見は同じように見えるかもしれないが大きな違いである。 ・コンタクトの責任はオフェンスにあるにも関わらず、ディフェンスファウルになってしまうことがある。これはオフェンス中心の視野になってしまい、ディフェンスが視 野に入っていないことで起こることが多い。 ・コンタクトの判定に対する根拠をオフェンスやディフェンスに求めるのではなく、競技規則に求める。 ◆判定基準を示す ・ゲームで最初に起こったイリーガルなプレイを逃さずに判定するということ。それが開始1分かもしれない、または2ピリに入ってからかもしれない。 ・吹き急がない。 ・基準とは 基準=厳しく判定することではない。担当ゲームのスタンダードであること。但し質の悪いプレイは別。厳しく判定する必要がある それを一試合通して両チーム平等に判定することが大切 ◆判定基準をつくるには「瞬間」を捉える必要がある。 ・瞬間を捉えるにはには「予測」が必要である。 ・この予測は競技規則に基づくものでなければならない。 違和感や何となく気になるなどの主観にだけ頼る予測ではなく、競技規則に則る論理的な予測を行うことが正しい判定と正しい基準つくりへとつながる。 総 括 今回の派遣では、初日は主審としての割当、また2日目はBブロックの決勝という割当を頂き、大変貴重な経験を積むことができました。 これまでとは違う緊張感の中で、いつも通りのことを行う難しさを改めて感じるとともに、冷静でいられる場面もあったことについては自信へとつなげていきたいと思 います。 その中でも正しい基準作りのためには、正しい判定が必要であり、そのためには競技規則の正しい理解と正しいポジショニングでプレイを捉えることが大切である ことをとても強く感じられた大会でもありました。 また今回、男子Aブロックの決勝戦での安西聡史審判長のレフェリングはとても勉強になることはさることながら、考えさせられるものでした。 主審としての判定は、審判だけの都合ではなく、主役である選手、ベンチを一番に考えた判定でした。また審判員としてはクルーのチームワークを大切にしなが ら、仲間を尊重し配慮しながらの判定でゲームを進めておられました。 現場での見え方は、時に矛盾のように捉えられがちではありますが、本質では同じことであるとコートで表現されていたレフェリングであり、それを直接見られたこ とは何よりも代えがたい財産となりました。 私はこの方と同じ資格を目指していると自身を見つめ直したときに、己の未熟さに羞恥すると同時に、目指すべきものがより明確になり己を更に鼓舞するものを手 に入れることができました。 このような機会を与えて下さった久保委員長を始め、多くの皆様に心から感謝申し上げます。 引き続きこの経験を還元すると同時に、自身の技質を研鑽してまいります。
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