表紙 - 関西まちづくり協議会

まち・みらい倶楽部 2015 年 8 月
一般社団法人
編集・発刊 一般社団法人 関西まちづくり協議会
関西まちづくり協議会
まち・みらい倶 楽 部
活動報告誌
2015 夏
まちづくり仲 間 の出 会 い・交 流 ・活 動 を応 援 します
関 西 まちづくり協 議 会 は、まちづくりに活 躍 する仲 間 や団 体 のネットワークづくりを応 援 する中 間 支 援
組 織 です。社 会 の変 化 、住 民 及 び地 域 社 会 のニーズを把 握 し、まちづくり活 動 を推 進 するうえで必 要
となる人 材 、情 報 と各 種 団 体 を結 ぶ様 々なサービスをコーディネートする中 核 的 な機 能 を担 います。
町 たたみ
代表理事 塗田 敏夫
畳 屋 さんのお話 ではありません。駅 近 くの便 利
繰 り返 しましょう。人 と人 を紡 ぐ地 道 な努 力 なし
なエリアに集 合 居 住 をして、いままでのような団 塊
に未 来 像 が描 けないからこそ私 たちの、まちづくり
世 代 向 けニュータウン構 想 で、郊 外 広 域 にたくさ
が日 本 を支 え改 善 すると信 じて、草 の根運 動 を展
んの一 戸 建 てやら、エレベータのない公 共 の五 階
開 していくことになります。成 熟 した資 本 主 義 社 会
建 てマンション居 住 を再 考 して、『郊 外 をたたんで
の未 来 は明 るいと信 じるゆえに、子 孫 に幸 せを引
ゆく』と言 う未 来像 を推し進 める時 代 。
き継 ことが私 たちの役 割。
過 去 にあった『まちづくり概 念 』から意味 は多様
化 して、一 時 間 にわずか一 本 とか数本 のバスのみ
が高 齢 者 たちを乗 せて走 ることの是 非 が問 われて
います。地 方 は過 疎 化 拡 大 。大 都 市 近 郊 の大 規
模 ニュータウンも、自 治 会 に参 加 する住 民 が減 り
続 け、役 員 は高 齢 化 が加 速 、近 隣 セ ンターは閉
店 していく。
ややもすれば『なんとか再 生 、かんとか再 生 会
議 』 論 に託 するも 良 いけれど、ますます増 え続 け
る商 店 の閉 店 やシャッター通 りの街 並 みを目 前 に
するとき、大 都 市 繁 華 街 で海 外 からの爆 買 い 旅
行 者 頼 りだけでは、日 本 が誇 る文 化 や伝 統 を生
かす健 全 な民 主 主 義 社 会 を語 れないのではない
でしょうか。
絵 :「尻 無 川 の船 舶 」前 田 泰 弘
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まち・みらい倶楽部 2015 年 8 月
編集・発刊 一般社団法人 関西まちづくり協議会
次回は NPO 木育フォーラムさんの協力のもと、木の
活動紹介
循環サイクルの取組として間伐材を使って夏休みの木
平成 27 年度初夏の活動をご紹介します。
工・木育体験講座を行います。あべのハルカス「縁活」
平成 27 年度 第1回環境学習講座 [5 月 30 日]
も協力いただき、大人も子供も楽しめるイベントを企画
和泉葛城山ブナ林の観察・間伐体験
しています。ぜひ遊びに来てください。
●報 告
鈴木 菜穂子
いよいよ平成 27 年度の環境学習事業 4 回連続講座
「森林と都市のエコサイクルを学ぶ」がスタートしました。
第 1 回講座は「和泉葛城山ブナ林の観察並びに間伐
体験」を 5 月 30 日(土)に開催しました。
第一部は、森林インストラクター、地球温暖化防止
活動推進員でもある弘田純氏に散策前の環境講座と
大阪府立柴島高等学校出前講座
して「ブナ林と地球温暖化について」をお話しいただき、
[6 月 12 日]
地域紹介マップづくり
その後はブナ林散策へ、自然のまま残っている貴重な
天然記念物のブナ林を次世代へ残すための活動、山
●報 告
林に生息する様々な植物や、実生から経年のブナの
木や育たずに枯れてしまったもの、キノコがついている
枯れた枝、枯れて倒れたままになっている老木、山林
の状態を観測し、植樹された状況の確認など 2 時間か
けて体験・体感しました。
6 月 12 日(金)10:55から2時限終了の12:45まで
大阪府立柴島高校で出前講座を体育館にて実施しま
した。「協働マップづくり」2年生7クラス280名への講座
とワークショップ。分野は生活福祉2ブロック:商業2ブ
ロック:防災・医療1ブロック計:5ブロック。班は63班。
第二部は和泉葛城山ブナ愛樹クラブ代表藪 卓夫
氏の指導ものと、間伐の必要性をお話ししていただき、
いよいよ間伐体験。 ヘルメットなど備品を装着し、間
伐手順の説明を受けながら、実際にのこぎりで木を切
①マップづくりの基礎講座、笹井副代表
②グループ発表(各クラス内の班内で各人が発表)
③グループで取りまとめ(各クラスの班内で取りまとめ)
④③の班長が班の代表として、他のクラスの同じ分野
り、木が倒れる瞬間を体験、その後小枝を切り落とす
の各人が③の班長を中心に各人の元の班の内容を
などの処理に加わり、間伐を体験、学びました。
発表しあう
散策+間伐体験は昨年から2回目の開催でしたが、
今回は 4 回連続講座の初回講座として行いました。温
暖化講座から散策、間伐へと盛りだくさんの講座となり
ました。季節は初夏。グリーンが美しく、生息している
植物、ブナの状況も秋とは違う体感をすることができま
した。また今回は高校生の参加もあり、参加前との意
識の変化を感じていただけたようです。
喜連 厚雄
ワークショップは、高校の7クラスの正副担任の先生
14名ドキドキ考古学の浜田代表以下4名、太成学院大
学の3・4回生の学生6名、関西まちづくり協議会メンバ
ー10名での対応と成りました。同校には、3年前に1ク
ラスを対象にマップづくりの講座・ワークショップを行い
ました。この時は、各班に1名がずっと付いていて、
色々な意見をじっくり聞く事が出来ました。今回は、班
の人数も色々で、班の数が多くゆっくりと意見を聞けな
かった。しかし、前回と同様に高校生のユニークな発想
には、ただただ感心。ホワイトボードへのマップのテー
マ(キャッチコピー)、要点の整理、イラスト。ほんとにす
ばらしいに尽きます。クラスの班では、にぎやかに話し
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まち・みらい倶楽部 2015 年 8 月
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合っていたのが、分野内でばらばらになっての、元の 自覚を持ち、高校生らしい視点から地域の方々に役立
班の内容発表の時には、皆、発表者の話をよく聞き、 つ情報を発信できる力を身につける」のを目的とし、2
終わると拍手、いい感じでした。まとめでは、笹井さん 年生全員が「協働」を学ぶ授業の中で「柴島周辺のマ
がすべてのホワイトボードの内容の講評と、ブロック代 ップ作り」を何日かにわけて行っています。その「柴島
周辺のマップ作り」をするため、事前に生徒たちで街歩
表の班の班長さんの説明で締めくくりと成りました。
駆け足のプログラムでしたが、無事予定の内容を行 きをし、周辺の街並みを調べており、今回のワークショ
えました。ドキドキ考古学の皆さん、太成学院大学の学 ップでは、2 年生全員でマップ作成のグループごとに
生さん、2年生の担任の先生の皆さん、そして、最後に、 「マップのタイトル」「対象者」「目的」までを決めることに
この企画の責任者の松尾先生お疲れ様でした。マップ なりました。日ごろ様々なまちづくり実践に取り組んで
の完成を楽しみに致しております。楽しい講座・ワーク いるということで、関まちに、ワークショップの進行とサポ
ートをご依頼いただきました。
ショップを有難うございました。
体育館にて、約 290 名の高校 2 年生、63 グループを
分野ごとに 5 グループにわけ、各グループに関まちメン
バー数名がファシリテーターとしてグループワークをサ
ポート。先生方も、各グループに数名。事前に松尾さん
が作成した、プログラムデザインをもとに、関まちの笹
●報 告
猪池 雅憲
井さんがメインファシリテーターとして進行。
前半は、笹井さんが今日の流れを説明後、以前作ら
「協働」マップを作ろう!企画の一部分の講座である れた「地域のマップ」を参考に、マップ作りのポイントを
が、7 クラスの生徒(280 名?)を一堂に体育館に集め、 講義。講義後、「講義を聴いてどう思ったか」をグルー
ワークショップをするという、関西まちづくり協議会では、 プごとに話し合い、それを踏まえて、グループワークを。
初めての大規模なものであった。大学生 6 名を参加さ 「これまで街歩きで調べてきたこと」のシェアや「マップ
せていただいたが、大勢の生徒さんを目の前にして、う の対象者と利用目的」を話し合いました。
後半になると、グループワークで「マップのタイトル、
まくリードしていってくれるのか不安であった。ところが、
高校生と大学生との歳の差が近いこともあり、スムース 公開、配布方法」を話し合い、「マップのタイトル」「対象
にとけこんでいたように感じた。ある学生は、高校生か 者」「目的」をミニホワイトボードに記入。「グループごと
ら、名札に書かれたあだ名で呼ばれ、より距離感を感じ の発表」を行うため、また、参加生徒全員が責任を持っ
させない雰囲気を作り出せていたことに感銘させられた。 て参加度を高めるため、できあがったミニホワイトボード
受講者である高校生と打ち解けることで、相手がこちら を、生徒全員が携帯で写真に撮り「分野別グループ」
の指示を受け入れ、聞いてくれるんだということを学生 から「グループごとの発表」用フォーメーションに移動し
ます。新たなグループで、違うグループの人たちと、決
から学ばされた一幕であった。
●報 告
尾崎 真己
定した内容をシェアするため、ホワイトボードを撮った
写真の内容を、1 人 1 分、各グループの情報を発表し、
日ごろ、ファシリテーターの活動を理事の松尾さんと 情報共有。
最後に「全体発表」として、グループごとにリーダー
させていただいております、会報会員の尾崎真己と申
します。大阪府立柴島高等学校の「協働」ワークショッ が 1 人、壁際にホワイトボードを持って立ち、笹井さん
プにファシリテーターとして参加しましたので、ご報告さ が各グループのホワイトボードを読み上げ、マップ内容
せていただきます。
を何人かに聴いていき、各グループ盛り上がっていまし
大阪府立柴島高等学校では、「地域の一員としての た。
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ワークショップを終えて・・・、約 290 人の参加者で、 間づくりを応援することが目的で、「仲間づくりをしなが
円滑にグループワークができるのか?果たして時間内 ら豊かなセカンドライフへの準備をはじめましょう」をテ
に成果物ができあがるのか?など開始前は、さまざまな ーマに 2 時間のワークショップを企画しました。受講者
不安がありましたが、円滑にグループワークを終え、時 の方々がわきあいあいとした雰囲気のなかで仲間づくり
間内に成果物も出来上がり、全体発表までできたこと をし、連続講座を最後まで楽しく受講していただき、セ
に、驚きを隠せませんでした。ここまでできた要因は、
カンドライフをはじめるヒントを見つけていただけるよう
①メンバーが臨機応変に対応し、積極的に生徒さんに な講座を目指しました。
話しかけ、サポートしたこと。
まずは、ペアでコミュニケーショントレーニング。いつ
②メインファシリテーターが場
もどおり、リラックスした雰囲気の中で講座はスタート。
の状況に対応し、伝え方を
経験者へのインタビュー 「セカンドライフをはじめるコ
工夫したこと。
ツ」では、福本様には経験談と応援メッセージ、木下様
③すべての生徒が参加度の高い、力を発揮できるよう には女性目線で、奥田様にはプレシニアとしての思い
に、松尾さんが事前に考えてプログラムデザインして を語っていただきました。
いたこと。
仲間づくりは、共通テーマを持つ仲間で 4∼5 人のグ
④生徒たちが、日ごろから授業で、グループワークを頻 ループを作りました。健康、趣味、福祉、地域活動など、
繁に行い、発表にも慣れており、躊躇することなく、 様々なテーマでグループに。グループワークでは、皆
積極的に動いてくれたこと。
さんの好きなことや関心のあることを自由に熱く語り合
⑤先生方が、生徒の自主性を重んじ、伸ばす努力を日 い、とても盛り上がりました。最後に、皆さんのチャレン
ごろからしており、当日も、温かい目で見守り、手を ジ目標を発表。熱意や思い、とても素敵でした。
出しすぎない程度にサポートされていたこと。
今回、ワークショップのお手伝いをさせていただき、
大阪府立柴島高等学校の日ごろの取り組みや考え方、
先生のあり方や、生徒の力の素晴らしさをひしひしと感
じ、このような人材が育つことで、地域が活性化していく、
豊かな未来を予感しました。そのサポートを、関まちの
一メンバーとしてさせていただけることができ、感無量
●感 想
でした。ありがとうございました。
いちょうカレッジ入門科
望
6 月 20 日(土)平成 27 年度『いちょうカレッジ』入門
科「セカンドライフわいわい設計コース」の第 1 回目に、
[6 月 20 日]
昨年度の『いちょうカレッジ』入門科「まちづくり地域活
セカンドライフわいわい設計コース
●報 告
奥田
動デビュー講座」に引き続き参加しました。昨年度は、
松尾 法弘
大阪市立総合生涯学習センターからの依頼で、いち
ょうカレッジ入門科講座「セカンドライフわいわい設計」
の初回を今年も担当しました。講座はセカンドライフの
ヘルスケア、対人関係、地域とのかかわりなどについて、
仲間づくりをしながら学び、身近な地域とかかわりなが
ら、希望あるセカンドライフについて考える内容で連続
講座。担当した初回講座は連続講座のキックオフとし
現実的に今までの体験で話せる部分も多くあったので
すが、「セカンドライフ」と言われてピンとこないところが
多く、少し戸惑いながらも、福本さん、木下さんの経験
談を楽しみに一人の参加者として参加しようと思い席に
着きました。
今では、長寿時代で「セカンドライフ」ではなく「サー
ドライフ」だとか、50 歳代は「プチセカンドライフ」だとか
の名称が生まれていることなど知る機会となりました。
て、参加者のセカンドライフプランづくりのきっかけと仲
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「プチセカンドライフ」の過ごし方と考えて、僕の経験
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から「プチセカンドライフ」より少し前の世代の 40 歳の頃 間的色彩を持つ社会との関りの比重が増大する契機と
に、将来を考え、何をやりたいのか、何をやりたかった 言えよう。
のを考え、ちょうど開校した通信制大学で建築を学び 2.心情倫理の比重の増大
住む世界の変化とほぼパラレルに考えるべきことが、
直し、卒業制作のために地元も含めてネタ探しで「まち
歩き」を始めたのをきっかけに、「大阪市民環境調査 責任倫理から心情倫理への比重の変化である。ウェー
隊」「大阪市まちづくり担い手講座」などに参加し、実際 バーの説を乱暴にまとめると、前者は行為そのものの
に「まちづくり」に関わっている人の話を聞いたりし、実 価値を重視して結果の如何を問わず、後者は行為の
際に自分の住んでいるまちを見つめ直そうと思い、地 結果を重視し、それに対して責任を引き受けようとする
元を歩き、地元で食べ、飲みしていたところ、地元での 態 度 と な る 。 勿 論 、 これ は 典 型 で あっ て 、 ど ち ら か
「まちづくり」に関わっている知人と再会したことで、「ま 100%の形で現れることは少ないであろうが、上記のゲ
ちづくり」話す場ができたこと、現実に地元の「まちづく ゼルシャフトが責任倫理的で、ゲマインシャフトが心情
倫理的で在りがちなのは、ほぼ間違いないだろう。
り」に参加していけたことを話しました。
退職によって環境がゲマインシャフト的或は中間的
また、グループワークでも、どのようなことでもいいの
で、地元行事(清掃、廃品回収、ラジオ体操など)に参 になったのに、従前と同じく程度に責任倫理に傾くこと
加してみることや、地元地域を歩いて新たな発見をして は、周囲との軋轢を生み易く、当人は始終憤慨してい
みることや、地元で食べて、飲んでみることが大切で、 るようなこととなりがちで、健康にも余り良くないだろう。
まずは無理をせず、楽しくやろうということを話し、参加 しかし、そう急に変われるものでもない。角を矯めて牛
者の方の熱い思いを受け止め、今後も多くの人とコミュ を殺しても詰まらない。退職者を受け入れる社会や先
ニケーションをとりながら「まちづくり」への取りくむ姿勢 輩退職者側にも、責任倫理に基づく行動に対する一定
の理解が必要であろう。
を改めて考える一日となりました。
ところで、わが関西まちづくり協議会のゲゼルシャフ
ト度を PH 的に言えばどれくらいであろうか。
「みつや交流亭」見学会
●報 告
●「セカンドライフ」で思い出したこと
福本 勝好
[6 月 20 日]
杢
千秋
6 月 20 日(土)の夕方、関まちの喜連、鈴木両氏と阪
いちょうカレッジのお手伝いの途中、昔聴いた言葉を 急神崎川の駅前で待合わせし、3 名で三津屋商店街
思い出した。それを「退職後の生活」と仮に限定した の中にある「みつや交流亭(NPO 法人)」にお邪魔しま
「セカンドライフ」に当て嵌めると、次のようになるのでは した。この商店街は昭和の 30 年代に出来たようで、中
なかろうか。
に入ると昭和の懐かしい雰囲気が漂ってきました。三
1.住む(活動する)世界の変化
津屋というのは、もともとは地名ですが、みつや⇒38 の
テンニースの言う、ゲマインシャフト的社会への回帰 意味もあり、丁度東京オリンピック(S39 開催)の前年に
である。彼は、人類社会は血縁・地縁的な共同社会(ゲ 出来た建物のようです。代表の味方氏は建築士(私の
マインシャフト)から目的達成を目指した機能・利益社 大学の先輩)であり、事務局の福田氏から建物の内部
会(ゲゼルシャフト)へと進化し、個人の成長も同じであ や、運営に至るまでの経緯など、パワーポイントを用い
ると言う。となると、多くの人にとっての退職は、文字通 て詳しく説明して頂けました。
り利益追求のために奮闘した機能社会から家族や地
まちづくりという視点では似ていますが、大きな相違
域社会のような共同社会への回帰、あるいは、その中 点もあります。関まちとは違い、建物(事務局)という拠
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まち・みらい倶楽部 2015 年 8 月
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点がある事です。地域に密着し、活動を継続することの の集客は一過性のイベントで
大変さもあります。商店街の活性化という目的に向かっ 人を呼ぶのではなく店を呼ぶ
て、イベントや音楽活動を積極的に取り入れてられます。 必要性を感じておられました。
今後は、お互いの活動に参
施設の維持費を捻出するための工夫もされており、子
育て支援の事業にも関わっておられます。地域の人達 加して役割を探って行きたいと
に使ってもらう、給水器やバリアフリーのトイレもそろっ 思っています。
ています。空き店舗の活用という目的が、地元と行政、
近況報告
地域の資源との連携を促進した珍しい取り組みとなっ
ており、地元のミニコミ誌「ザ淀川」などでも紹介されて ●近況報告
います。その後、防災朝市への取組や、北前船との接
点での音楽活動(チェンバロ演奏会)、ヤカーリング、
落語会、モンゴルとの交流など幅広い活動をされてお
り、環境問題にも取り組んでいます。
味方氏が所有する「ゲル」(遊牧民の移動型住居)も
あり、サテライト的なイベントも可能です。折角の機会な
ので、地元のお店で親睦会をしていると、通りがかりの
中年女性たちが気軽に声を掛けてくれ、楽しい時間を
持つことができました。
今後、みつや交流亭を借りてイベントを行ったり、場
合によってはゲルの貸し出しにも応じてくれるとの事で、
有意義な交流会になったのではないでしょうか。
木下 真弓
公的な支援が無くなる等の諸事情で、50 余年あまり
続いた会館が閉館を余儀なくされ、約 2 年間休館とな
っていました。子どもたちの空手や英語の教室、子育
て中のお母さんの集まる場、地域の皆さんの会議や葬
儀にと、以前は結婚式にも使われていた所です。やは
り、地域に必要な場所であり、今後の社会情勢を考え
ると、まちづくりの拠点となる子どもから高齢者まで利用
できる場が必要と、みんなで力を合わせて使えるように
しようと一大決心をしました。どこからも、資金が出ない
のであれば、出せる人が出資を募り(いつ返せるかわ
からないが)、知恵と力を出し合って、開館に向けてス
タートしました。会館管理のためにも、今後の地域活動
の拠点にもなる所が必要と、以前ガレージに使ってい
た所を事務所と喫茶コーナーに増築し、会館全体を大
掃除。和室は、障子を張替えました。なにせ、2 年以上
も使われていなかった会議室の壁は、雨漏れでシミが
できているほか、増築した所はコンクリートが打ちっぱ
●報 告
鈴木 菜穂子
ヤカーリング発祥の地 大阪市淀川区三津屋商店
街にある商店街の集いの場所「みつや交流亭」。代表
の味方氏、理事の福田氏にご案内いただき、施設を見
学、活動についてお話しを伺ってきました。古い和菓
子店舗を改造され、冷水器設置にて子供を呼び込み、
まちにすっかり溶け込まれています。他の仕事を持っ
ている方々の集まりなので、昼間は地元の子育てサー
クルの活動拠点として利用。施設内での活動+商店街
そのものを使ったとても楽しいイベントなど多くを開催さ
れています。 著名なかたも楽しんで参加されているの
なしのままです。内装をなんとかしなければと考え、日
本ペイントさんの「HAPPY WALL PROJECT」に参加し
て、みんなでペンキを塗って美しく仕上がりました。み
んなで力を合わせることで一体感ができ、優しい気持
ちとワクワク感を持つことができました。なんやかんやと
迷走しながらも、2015 年 6 月 28 日に中三会館として、
リニューアルオープンすることができました。会館は地
域情報の発信基地、地域の交流の場として、 誰でもが
気軽に使っていただける
ようにと思っています。
ぜひ、ご利用ください。
で、出演料など費用面もクリアされているとか。商店街
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●「うえまち創刊10周年パーティ」
編集・発刊 一般社団法人 関西まちづくり協議会
活動計画
鈴木 菜穂子
地域情報誌「うえまち」創刊 10 周年記念パーティに ●環境学習事業について
参加しました。1 部は大阪城天守閣館長(北川央氏)の
米地 徳行
今年度は 4 回連続講座を企画しています。木と環境
講演、2部は記念パーティ。参加者(著名な方々)からの のことを「木を切り」「木を使い」「木を知り」、そして「木
お祝いメッセージ、編集長の苦労話、ゲストのパフォー を植える」という循環の中で学んでもらおうという企画で
マンスなど盛りだくさんのパーティでした。今月で123 す。春に開催の第一回講座を受けて、夏の第二階講
号。その継続力はきっと地域へしっかり溶け込み活動 座を現在準備中です。間伐材という言葉はみなさんご
されていることを証明と感じられた1日でした。
●フォト講座
存じですよね?夏の講座はこの間伐材の有効利用が
塗田 敏夫
テーマです。木は切らないで大切にすることが環境に
とって良い、という理解が広く思われています。実際に
恒例の初心者向け写真講座を初夏三回シリースで 出前授業で子どもたちと話をしてみると、ほとんどの子
行いました。対象者は約 20 名。本会の顧問で写真好き どもたちがそう思っているようです。木を切っちゃうと動
なベテラン岡本氏を筆頭にして多数の方々に講師役を 物が住むところがなくなる、とか、木を切るのはかわい
担っていただき、受講参加者とマンツーマンで写真指 そう、などなど。たしかに海外では木を切っていってし
まうと、そこが砂漠になるところがあります。砂漠がどん
導をお願いしました。
どん広がっていってしまって、そういう場所では木を切
ることはまさに環境破壊に繋がります。しかし日本では
どうでしょう?木を切っても砂漠にはなりません。草花
が生えてきたり木が生えてきたり、降雨量の多い日本
ではなんらかの植物が生えてきます。日本の森林での
6 月 1 日は、座学で「写真の基礎知識」。7 日は、南 課題は、木が切られないことです。何故木が切られな
海高野線白鷺駅前公園で「花菖蒲撮影」。15 日は、参 いかというと、木が使われていないからです。
そこで、木を使ってもらうこと、そして木の良さを知っ
加者が撮られた写真の講評。カメラもコンパクト、ミラー
レス、一眼レフといろいろ。カメラの持ち方や設定方法 てもらい、日本の森林に思いを馳せてもらおうというの
なども含めて、基礎知識を必要とする方にも。またピン が今回の企画です。具体的には、夏休みに子どもたち
ト、フォーカスなどの専門分野説明を求める参加者にも 向けの木工工作のイベントを開催し、その材料に間伐
材を使います。作るものは、かわいい家のミニチュア、
対応。
次回は 9 月 14 日から、後期講座が開かれ天王寺界 絵本「どうぞのいす」に出てくるうさぎさんのつくる椅子、
隈の実写指導なども含まれます。ぜひ機会があればご
電源いらずのエコスピーカーなどを予定しています。こ
参加ください。お世話役は、久家氏、安積氏。
のエコスピーカーというのはスマホ用のウッドスピーカ
ーです。電気をつかわず、スマホスタンドのように差し
込むだけでスピーカーのように音が大きくなり音が良く
なります。このイベントは 8 月 22 日 23 日の土曜日曜の
二日間、近鉄ハルカスで開催します。子どもたちにとっ
ては夏休みの自由研究にピッタリのイベントです。たく
さんのみなさんにご参加いただきたいと思っています
ので、お知り合いにお子さんがいらっしゃる方は是非
お知らせください!よろしくお願いします!
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まち・みらい倶楽部 2015 年 8 月
編集・発刊 一般社団法人 関西まちづくり協議会
作品紹介
●表紙スケッチ画 『尻無川の船舶』
顧問紹介
現在、アドバイザーとして、ご指導いただいておりま
前田 泰弘
江戸時代の尻無川とは、周辺には倉庫と工場が入り
混じっている今の川とはずいぶん違い、風光明媚なと
ころであり、有名な紅葉の名所でもあったようだ。そん
なことを考えながら、JR大正駅を出た。歩いて 8 分ほど
で尻無川に出る。そこからさらに 5 分位歩くと船舶はあ
った。ここでスケッチをしようと、上流を眺めると大阪ド
ームが見えるではないか。空はどんより曇っているので
雨が降れば困る。早速、仕事?にとりかかった。この辺
す顧問の皆さまをご紹介いたします。
常任顧問
岩川 恵理
一般社団法人 あだーじょ 理事
海野 正孝
アドプトロードはなみずき会 代表
岡
グローバル環境文化研究所 代表
小田
靖敏
章
和歌山大学 名誉教授
佐藤 由美
奈良県立大学 准教授
長野
医学博士
聖
りでは、夜になるとボートハウス、バーになる川に浮か
西上 孔雄
NPO 法人
すまいるセンター 代表理事
んでいる舟の中で飲食店営業があるという。
早川 泰史
堺市社会福祉事業団 理事長
松本 和明
西宮神社文化研究所主任研究員
山崎 善弘
奈良教育大学教育学部
特任准教授
湯川 まゆみ
NPO 法人 SEIN 代表理事
平成 27 年度 行事予定
★平成 27 年度 環境学習講座
∼ 森林と都市のエコサイクルを学ぶ ∼
平成 27 年 8 月現在(敬称略 五十音順)
環境学習講座を開催します。平成 27 年度は、山林から日
常の生活・温暖化との関わりを 4 回の講座で学びます。 山 顧 問
林の現状・温暖化とのかかわりを実際に見て、触れて楽しく
安積利範
稲田照美
内田有紀
学びましょう。
大澤 明
岡本 司
景井信太郎
第 2 回 親子向けエコサイクル講座と
鹿児島良夫
久家雅彦
小西一之
間伐材を使って夏休み木工体験
中屋 晃
中山久司
橋本博文
日 時 : 平成 27 年 8 月 22、23 日 11 時∼17 時
長谷川佳代
原 一
吉村晴子
吉本秀一
場 所 : あべのハルカス近鉄本店 8 階「街ステーション」
平成 27 年 8 月現在(敬称略 五十音順)
内 容 : 「木」で夏休みの宿題をつくっちゃお!
間伐材を使ってものづくりを楽しむ体験教室を
関西まちづくり協議会からお願い
開催!材料はすべて間伐材のヒノキやスギ。 大
人もこどもも楽しめる「木」使った工作体験です。
予約なしの自由参加です。ワークショップ「森林 ●『会報会員』を募集しています
と都市のエコサイクルを知ろう」も!
会報会員にご登録いただきますと、年会費 1,000 円
第 3 回 間伐からの生活へのサイクル講座と
(募集対象は関まち行事参加者限定)で楽しい行事や
間伐材を使った木育
日
内
時 : 平成 27 年 10 月 31 日 10 時∼16 時
容 : 第 1 部 間伐後の現状散策と間伐材解体体験
第 2 部 グリーンウッドワーク体験
第 4 回 エコサイクル講座と植樹体験
日
内
まちづくり情報のご案内(メール、Fax にて)のほか、オリ
ジナル冊子「活動報告誌/まち・みらい倶楽部(本誌)」
を春夏秋冬お届けします。なお、ご登録一年後には一
般会員への移行も可能です。事務局までメール、fax に
時 : 平成 28 年 3 月 6 日 10 時∼16 時
てお気軽にお申し込みください。
容 : 第 1 部 エコサイクル講座∼植樹の必然性・役
●お問い合わせ、入会申し込み等は
割を知り、生活との関わりを学ぶ
第 2 部 エコ意識アンケート
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植樹体験・しいたけ狩り
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