都立病院における患者支援センターのあり方について 平成27年3月19日 平成26年度第2回 都立病院経営委員会 ~ 患者支援センターモデル事業最終とりまとめ ~ 参考資料1 1 本とりまとめの位置づけ ○ 患者支援センター整備に関する検討委員会報告書(平成26年3月)に基づき実施した、モデル事業の結果を受けて、患者支援センターの基本的な考え方と各病院の方向性を示した。 2 患者支援センターのあり方 , (1)患者支援センターの目的 ① 患者・家族の様々な疑問、不安に対して病院が適切に対応し、患者の安心を確保 ② 地域の医療機関、地域包括支援センターなどの関係機関等と密接な連携体制を構築し、患者の地域生活への早期 復帰を支援 3 各病院の医療機能、地域特性に応じた取組 ○ 広尾病院 『外国人も安心できる相談支援の実施』 外国人を含む、あらゆる患者の相談に対応する部門を一本化し、患者・家族からの相談に関するアクセスの向上 を図る。 ○ 大塚病院 『母子から高齢者まで幅広い世代の患者に対応』 看護師を中心に人材の育成等を進め、周産期の母子に対する支援や高齢者の在宅療養移行支援を充実を図る。 (2)患者支援センター事業の四つの柱 ① ワンストップの相談支援体制 【概要】 院内各所に点在する各種の相談窓口を一か所にまとめ、相談にあたる看護師、MSW、臨床心理士等が同一場所で勤務 するワンストップの相談支援体制を構築する。施設整備に当たっては、可能な範囲で段階的に実施していく。 【主な事業内容】 ・各種相談窓口の一本化:院内各所に点在する各種相談窓口を一か所に集中配置 ・情報の集約・共有化:MSW、退院調整看護師など関係者が情報共有するための(※)患者相談支援システムの導入 【効果】 患者・家族は、一か所で様々な相談ができるので、院内の移動や同じ話の繰り返しなどの負担が軽減される。 ※ 患者相談支援システム MSW、看護相談、退院調整、医療連携など患者・家族から受けた相談や対応などを一括して記録し、患者支援センター 内で共有化することで、多職種間の連携強化、患者・家族の抱える問題に対する即応力、解決力の向上を支援するシステム。 ② 入院サポートの実施 【概要】 入院初日に病棟で行っている服用薬やアレルギーの確認などの聞き取り、入院生活、検査、手術等の説明を、入院前に一 括して行い、また、患者が抱える疑問や問題を早期に発見、解決する。 【主な事業内容】 ・入院サポートの実施:入院前に看護師、薬剤師等による服用薬の確認、入院生活、検査、手術の説明や各種の相談受付 【効果】 患者の不安軽減、入院後の手術中止や延期の減少につながり、患者の療養生活の向上が図られる。 ③ 在宅療養移行支援の強化 【概要】 医師、看護師、MSWなど多職種チームによる在宅療養移行支援や病院で不足している地域の医療・介護の状況を把握し、 地域の関係機関との意見交換や交流会等を通じて、密接な関係と在宅療養移行の協働体制を構築する。 【主な事業内容】 ・在宅療養移行サポートチームの設置、運営:医師、看護師、MSWなど多職種チームによる在宅療養移行の支援 ・地域の関係機関等との情報共有や意見交換の場の設定:地元の自治体、医師会、訪問看護等との意見交換の実施 ・交流会等の実施:地域の関係機関の様々な職種が一体となった交流会やセミナーの実施、参加、協力 【効果】 患者の個々の状況に応じたサービスが適切に受けられる在宅療養への移行の円滑化と患者・家族の負担軽減が図られる。 ④ 各病院の医療機能、地域特性に応じた取組 ○ 駒込病院 『がん患者・家族等へのきめ細かい支援』 相談支援センターと緩和ケアセンターを包含した患者支援センターを設置し、がん医療の情報提供や患者・家族 の支援の充実を図る。 ○ 墨東病院 『救急やがん、周産期、精神疾患などに幅広く対応』 増加している救急患者、がん患者、周産期、精神疾患や医療と介護の連携に関する専門相談に対応する人材を 確保・育成し、相談支援の充実を図る ○ 多摩総合 『救急やがん、周産期などに幅広く対応』 新たに設置した地域の関係機関との協議会を通じ、地域の現況把握を進める。また、在宅療養に関する研修会を 継続し、在宅療養移行に関する地域との協働体制を構築することで、切れ目ない患者支援を行う。 ○ 神経病院 『脳神経系疾患、神経・筋難病患者へ的確に対応』 神経病院の外来を実施している多摩総合医療センターの外来部門との連携を具体化し、外来から入院、退院ま での切れ目ない患者支援を行う。 ○ 小児総合 『子ども、家族に寄り添った心身両面からの支援』 『小児等の在宅療養ネットワークの構築』 小児医療は、急性期、慢性期、在宅療養の機能分化が未成熟なため、患者支援センターを中心に多摩地域にお ける小児等の在宅療養移行支援の拠点としてのネットワークを構築し、患者・家族の相談支援の充実を図る。 ○ 松沢病院 『早期介入による患者の地域移行、社会復帰への支援』 『精神疾患患者の権利擁護』 多職種による早期介入、早期支援を強化し、入院から退院まで切れ目のない支援、地域連携や在宅訪問等の強 化による相談支援の充実を図るとともに、精神疾患患者の権利擁護の視点に立った支援を継続する。 4 開設スケジュール 平成27年3月 4月 5月 ●大塚、駒込、神経、松沢 患者支援センター開設 6月 ●広尾、墨東、小児 患者支援センター開設 ●患者相談支援システムを 全病院に導入 患者相談支援システムの運用 ※ 多摩総合医療センターの患者支援センターは設置済 7月~
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