特別講演 要旨

特別講演(S会場)
LEDによるライフイノベーション
木内
陽介
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部顧問
1.背景
1993年中村修二氏(本学工学部 OB)
2.LED ライフイノベーション研究
以上の背景に基づき、LED の新分野での
による青色 LED 開発を機に LED の急速な
応用として、本学の理系である特長(工医
発展、応用が広がり、特に照明分野での活
歯薬)を生かし、医工連携で LED のライフ
用が著しいことはよく知られている。照明
分野での応用を視野に研究プロジェクトを
分野では単なる従来の照明デバイスの
開始した。
LED 化だけでなく、高機能化、高性能化に
下図に示すように LED を応用するライ
向けて進歩し、LED Japan を始め世界各地
フ分野は多岐に渡っており、様々な分野を
で LED 関連展示会が活発に開催されてい
横断する研究プロジェクトとなっている。
る。ただ照明器具出荷数量における LED 器
現在19課題が進行している。例えば医学
具の割合は 80%に迫っており
(2015 年 4 月、
臨床分野での応用を目指し、前臨床研究と
日本照明工業会)近い将来 LED 照明産業は
して、紫外 LED による花粉症のようなアレ
飽和するものと懸念される。
ルギー発症の治療、癌細胞のアポトーシス
一方徳島大学の位置する徳島県では
誘導、アフェレーシス(血液浄化の一種)
LED 生産世界一企業の立地を核に「LED バ
に応用し、免疫制御を視野にいれた動物実
レイ徳島」を構築し、LED 産業の集積化を
験等が進められている。
図っている。現在100社以上の関連企業
ま た 基 礎 医 学 の 立 場 か ら は LED
が集積している。本学もこのLEDバ
(UVA-LED)殺菌の応用等が進められてい
レイに連携して研究を推進している。
る。
3.むすび
光が生命機能へ何らか
の影響を及ぼすことは、従
来から考えられているが、
この光ライフ効果の体系的
な
応用はこれからの課題であ
る。本研究プロジェクトで
は LED 光のライフ効果の
体系的機構解明とその応用
基盤技術の開発を目指して
いる。
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