CD に未来はあるのか 学部学科:経営学部経営学科 年組番号:4 年 氏名:飯田 目次 はじめに 1. CD 不況の実体 (1)CD 不況の概要 2. CD 不況の原因考察 (1)仮説提起 (2)仮説① 音楽との関係の希薄化 (3)仮説② 入手形態の多様化 (4)仮説③ 違法ダウンロードの蔓延 (5)仮説④ 若年層の減少 (6)仮説⑤ 市場を牽引するアーティストの不在 3. 不況下における音楽業界の対応とその効果 (1)CCCD の導入 (2)AKB 商法の確立 4. CD の未来、今後の音楽業界についての考察 (1)CD に未来はあるのか (2)今後の音楽業界についての考察 おわりに はじめに 近年日本国内では、音楽業界における市場規模が縮小しており、なかでも CD の売上が 大幅に落ちている。CD 不況というワードを耳にすることも多いだろう。本論では、現代の CD 不況下において CD の未来は果たしてあるのかということについて考察していく。その 上で CD 不況の概要を実際のデータを基に分析するとともに、仮説を立てその原因を突き 止め、さらに不況下において音楽業界はどういった対応を取ってきたのかということにつ いて実例を挙げ取り上げる。そして最終的に CD に未来はあるのかという議題に結論を出 すものとする。 1. CD 不況の実体 (1)CD 不況の概要 まずCD不況とはどういうものなのかということを説明していく。国内CD産業は、1997 年~1998 年にシングル・アルバムの生産金額及び生産枚数がピークを迎え、いわゆるCD バブルと呼ばれる時期に突入した i。国内の音楽メディアの主体が、1980 年代半ば頃にレコ ードからCDへと交代してから、CD自体はその売上を順調に伸ばしてきた。さらには当時 のバブル景気もあり、1987 年以降はかなりの急ピッチで売上金額・売上枚数共に増加して いる。バブル景気は 1991 年頃には崩壊したが、CDの売上の伸びは止まらず、1997 年には、 シングルの年間販売数(日本レコード協会集計対象シングル、8cm+12cm)が 1 億 6782 万 7000 枚を記録する ii。さらに、1998 年には、CDアルバムの年間販売数が 3 億 291 万 3000 枚とピークを記録すると共に、日本国内での音楽CDの生産金額が 8cm・12cmの合計で約 5,879 億円(レコードやカセットテープを含めると約 6075 億円) 、CD生産枚数が 4 億 5717 万枚とそれぞれ国内過去最高記録を算出し、CDバブルの絶頂期となった iii。しかし、翌 1999 年からCDの売上金額は大幅に減少し、それに伴い生産枚数も縮小の一途を辿っていった(図 1)。 このような 1990 年代後半からCDの売上金額が減少している現象のことを一般的にCD 不況と呼んでいる。 音楽CD生産金額 (億円) 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 1 (図1)音楽 CD 生産金額の推移 具体的に見て行くと、シングルの年間販売数は、1997 年の 1 億 6782 万 7000 枚をピーク に漸減し続けており、10 年後の 2007 年には半分以下の 6169 万 5000 枚、さらに 2009 年 には 4489 万 7000 枚と大幅な減少となっている。2010 年代に入るとAKB48 及び関連アー ティストやジャニーズアーティスト等の活躍により大幅に回復が見られているものの、そ れ以外のシングルについては低下を続けている(図 2)。CDアルバムについても 1998 年の 3 億 291 万 3,000 枚をピークとして漸減、2006 年からは 6 年連続の減少となった。2011 年 には 1 億 3416 万 4000 枚となったので、13 年間で市場が半分以下に縮小したことになる。 1 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 (億枚) 1.7 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 音楽CD(シングル)の売上枚数 2 (図2)シングル CD 売上枚数の推移 (億枚) 音楽CD(アルバム)の売上枚数 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 3 (図3)アルバム CD 売上枚数の推移 2 3 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 その結果、かつてはよく耳にしたミリオンセラーという言葉も近年では聞かなくなってし まった。実際統計を見てみても、90 年代までは年間を通してシングル・アルバムともに 10 作品ほどは安定して、ピーク時には 30 作品ほどがミリオンセラーを出している iv。しかし 2000 年代に入るとかつての勢いはなりをひそめ、近年では多くて 5 作品ほどになっていし まっている(図 4)。 4 (図4)音楽 CD ミリオンセラーの推移 このような急激な不況下によってレコード会社だけではなく、CDを販売する店舗にも影 響を与えている。英国のCD販売店であるHMVの日本第一号店であったHMV渋谷店が 2010 年経営不振により閉店し、世間を騒がせた v。その後 2013 年、HMVは経営破綻し、イギリ ス国内の 60 店舗が閉店している vi。このようにCD不況による影響は甚大であると考える。 2. CD 不況の原因考察 (1)仮説提起 ここまで CD 不況について述べてきたが、本章ではその原因を考察していく。それにあ たり、まず CD 不況の原因と思われる仮説を立て、その仮説を検証していくという形で原 4 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 因を究明していく。一つ目の仮説は、携帯電話やパソコンなどの普及により、新たな娯楽 が生まれ、音楽そのものへの関心が希薄化しているのではないかというものだ。90 年代に 比べ、現代では様々な機器が発達してきた。なかでもスマートフォンやパソコンの発展、 普及は目覚ましく、それに伴いソーシャルサービスやネットゲームなども爆発的に増えて いる。そうした環境において人々の関心というものが音楽から離れつつあるのではないか と考えた。これを『仮説① 音楽との関係の希薄化』とする。二つ目の仮説は、昔に比べ 現代は、楽曲を手に入れる手段が多様にあり、その影響で CD の売上が落ちたのではない かというものだ。レンタルショップや中古音楽市場、さらには着うた・着メロなどの配信 音楽など現代には様々な方法で楽曲を入手することができる。さらに多くの場合、CD を新 品で購入するよりも上記のような他の手段で入手する方が安価で済むという利点がある。 CD 購入以外で楽曲を入手する人が増えたために CD の売上が減少したと考えた。 これを『仮 説② 入手形態の多様化』とする。三つ目の仮説は、正規の方法で楽曲を手に入れるので はなく、非合法的な方法で入手する人が増えたためだというものだ。インターネットの普 及によりそうした俗にいう違法ダウンロードが増加しているのではないかと考えた。これ を『仮説③ 違法ダウンロードの蔓延』とする。四つ目の仮説は、少子高齢化の影響によ り、CD 購入のメイン層である若年層が減少したために売上が減少したというものだ。筆者 のイメージとしては高齢層よりも若年層の方が CD を購入している。その若年層が年々減 少しているので単純に CD 売上も下がっていったのではないかと考えた。これを『仮説④ 若年層の減少』とする。最後五つ目の仮説は、音楽市場を背負って牽引できるようなビッ グアーティストがいなくなってしまったのではないかというものだ。かつての音楽業界で は、アルバムを出せば確実にミリオンヒットと言われるほどのアーティストが数多く存在 した。そのようなアーティストが現代では生み出されなかったのではないかと考えた。こ れを『仮説⑤ 市場を牽引するアーティストの不在』とする。以上五つの仮説を順に検証 していくことで原因を探る。 (2)仮説① 音楽との関係の希薄化 まず仮説①から検証していく。人々の音楽の関心を調査するにあたって、一般社団法人日 本レコード協会が実施した「音楽メディアユーザー実態調査 2013 年」を参考にする。この 調査は、全国の 12 歳から 62 歳の男女にインターネットアンケートを答えてもらうといっ た形で集められた計 1545 件の回答を基に行われたものである。この調査で行われた、音楽 と生活の接点に関するアンケートを見てみると全体の約 6 割以上が普段から音楽を聴いて いることがわかる(図 5)。確かに音楽に対する興味が減ったという回答も見られるが数字と しては 20%に満たずそこまでの脅威があるとは考え難い。よって、音楽への関心の低下に よるCD不況への影響は直接的にはないと考える。関心の低下より注視すべきは、 「昔はも っと音楽にお金を使っていた」という項目が 40%を越えている点だ(図 5)。音楽に対する関 心よりもこういった金銭的な問題がCD不況の原因なのかもしれない。これについては、次 の項で触れていく。 生活における音楽との接点 0 10 20 30 40 50 60 70 (%) 普段から音楽を聴いている 昔から好きなアーティストがいる テレビで音楽番組を視聴する事があ る インターネット上の動画サイト等で 音楽を視聴する事がある CD販売店やレンタルショップに行く 事がある 2013年 ラジオで音楽番組を聴く事がある 雑誌やインターネットなどで音楽に 関する記事を見る事がある 昔はもっと音楽にお金を使っていた 音楽に対する興味が減った 5 (図5)生活における音楽との接点 (3)仮説② 入手形態の多様化 次に仮説②について検証していく。これについても先程同様一般社団法人日本レコード 協会の調査を基に見ていくと、CD購入の減少の理由として多く挙がっていたのが、金銭的 な余裕が減ったというものだ(図 6)。これは図 5 でも挙がっていた問題であり、CD購入に 大きな歯止めをかけているのは事実である。なぜ金銭的な余裕が減ったのか考えられる原 因として一つは景気の悪化だと考える。これは言うまでもなく現在の日本の景気の悪さが 影響しているのである。最近で言うと消費税の増税なども関わっていると思われる。もう 一つ考えられるのが、人々の消費志向の変化である。先にも述べたが現代携帯電話やパソ コンはもはや持っていて当たり前の時代になった。インターネット利用率は、97 年は 2.6% だったのが 2000 年には 21.4%に跳ね上がっており、近年登場したスマートフォンは毎年普 及率を伸ばし 2014 年 8 月の時点で 36.9%を記録した vii。スマートフォンに関しては特に若 者の利用率が高く、7 割超もの若者が日常的に利用している viii。こうした環境の中で、人々 は携帯料金やネット料金にお金をかけるようになり、音楽や趣味にかけるお金が減ってい 5 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 るのだ。これを踏まえて図 6 を見てみるとCDのレンタル利用が 2012 年度と比べ増加して いる傾向にあることがわかる。CDの購入率とレンタル率を表した図(図 7)を見ても、新品 CD購入全体に次ぐ形ではあれどレンタルCD全体の割合が大きいことがわかる。新品CDの 値段の相場は、シングルで 1000~2000 円、アルバムで 3000~4000 円である ix。それに対 し、レンタルCDでは、新譜でも 300 円程度、旧譜のシングルなら 100 円で借りられてしま う x。CDを購入するより約 10 分の 1 の値段で全く同じ音源を入手できてしまうのだ。さら に音源を一度手に入れれば、パソコンを使いコピーすることも出来る。販売目的のコピー でなければ違法性はないので、これで好きな時に聞くことができる。CDが売れなくなるの にもうなずける。もう一つ楽曲の入手形態として挙げられるのが有料音楽配信である。着 うたや着メロなどの携帯用の配信音楽やiTunesにおけるデジタルデータ配信などがこれに あたる。配信音楽の強みは 1 曲単位で楽曲を購入することができる点にある。しかし値段 については、 1 曲あたり 100 円~300 円が相場であり、レンタルCDに比べると割高である xi。 こうした理由からか日本では未だに利用率が低く 10%ほどに止まっている(図 7)。また、着 うたや着メロに関しては、フューチャーフォンいわゆるガラケーの全盛期である 2008 年に は 10 億ダウンロードという驚異の数字を叩き出していたが、スマートフォン普及に伴い急 激に売上が減少し、現在では利用率はかなり少ない(図 7)。つまり今のところCD不況に影響 を与えているのはレンタルCDであると言える。 0 10 20 29.6 金銭的な余裕が減った 12.4 CDのレンタル利用が増えた 中古のCDの購入が増えた パソコンやスマートフォンで利用で きる無料の動画サイトやアプリで満 足している 30 40 (%) 39.4 17.2 3.3 4.8 6 14.6 6 (図 6)CD 購入の減少理由 6 出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 2012年 2013年 ここでもう一度図 6 を見てみると、パソコンやスマートフォンで利用できる無料の動画 サイトやアプリで満足しているという回答が大きく伸びていることがわかる。さらに図 8 を見ていると年々音楽にお金をかけないで視聴する層が増えているのがわかる。インター ネットが広く普及した今、音楽は無料で聴けるのだ。無料動画サイトとして有名なのが YouTube やニコニコ動画がある。ニコニコ動画は一部有料コンテンツがあるものの普通に 利用する上では基本無料、YouTube においては完全に無料である。さらにスマートフォン でインターネットの利用ができるようになり、どこにいても視聴することが可能となった。 このような動画サイトではレコード会社のプロモーションとして映像付きで楽曲がアップ されており、もちろん無料で視聴することができる。公式に音源がアップされていなかっ たとしても誰かがアップしてくれる、たとえ削除されても他の誰かがアップしてくれると いうような環境である。つまり現代は、だれでも簡単にしかも無料で音楽が聴ける時代な のだ。このような無料視聴できる環境も CD 不況の大きな原因の一つであると言える。 0 5 10 15 20 (%) 35 30 30.7 新品CD全体 19.4 レンタルCD全体 9.3 有料配信音楽 着うたフル 25 4.8 7 (図 7)CD の購入率・レンタル率 7出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 2013年 2009年 55.2 2010年 29.4 52.5 2011年 15.4 31.3 49.6 16.2 33.4 17 有料視聴層 無料視聴層 2012年 46.6 2013年 44.5 0 20 40 35.5 17.9 38.1 17.4 60 80 無関心層 100 (%) 8 (図 8)音楽との関わり方 (4)仮説③ 違法ダウンロードの蔓延 次に仮説③を検証していく。違法ダウンロードとは主にネット上に違法にアップロード された音源を違法なコンテンツと知りながらダウンロードする行為である。2012 年の 10 月以前まではダウンロードすること自体は罰則化されることはなく、アップロードする行 為のみが罰則化されていた xii。しかし、2012 年 10 月に行われた著作権法改正により、違 法なコンテンツと知りながら映像または音楽などのコンテンツをダウンロードする行為が 罰則化されることになった xiii。ダウンロードした場合、個人であっても「2 年以下の懲役、 又は 200 万円以下の罰金、あるいはその両方」という厳しい罰則が科せられる xiv。これに 関しては、国会で実質的な審議がほとんど行われないまま可決されてしまったこともあり、 ネット上で反発の声が吹き荒れた xv。また、まだ法律など理解していない子供がワンクリ ックで逮捕されてしまうなどといった危険性を示唆する意見も多数出た xvi。このような反 対意見がある中で可決された法改正であったが結果はどうであったのか。違法ダウンロー ドのファイル数を見てみると法改正前の 2012 年 9 月の時点では 44.6 億もの違法ファイル を記録しているが、その後法改正を受け半年ほど経過した 2013 年 3 月の時点では 27.3 億 ファイルとなっている xvii。確かに法改正後に違法ダウンロードの数は約 40%減少し、効果 はあったと言える。では、違法ダウンロードが減ったことによりCDの売上は伸びたのか。 音楽市場のデータをみると、2012 年まで音楽の売上金額はじりじりと減少しており、改正 著作権法施行後の 2013 年も「有料音楽配信」は約 417 億 円で前年比 77%。「音楽ソフト 8出典 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 生産金額」は約 2705 億円で 前年比 87%と、罰則化には関係なく減少を続けている xviii。 このことから、著作権法改正は違法ダウンロードの削減には一定の効果が見受けられたが、 それによってCDの売上には影響することがなかったと言える。つまりは、違法ダウンロー ドはCD不況の原因ではないと考える。 (5)仮説④ 若年層の減少 次に仮説④を検証していく。CD の年代別シェアを見てみると、中学生から 20 代社会人 までの若年層が一番大きな割合を示していることがわかる(図 9)。このことから CD 購入に おいて若年層が中核を成していることは事実である。 30代~40代 中学生~20代社会人 2013年 38% 0% 9(図 20% 34% 40% 60% 50代~60代 29% 80% 100% 9)CD購入の年代別シェア CD 売上の変化と若年層のマーケットシェアの変化において、若年層のマーケットシェアの 低下とともに、CD 売上もまた低下していることからも若年層の購買力というものが音楽産 業を支えてきたと考えられる。つまり若年層の減少によって CD の売上に直接的な影響が 出ていると言える。また、若年層が減少していることによって、90 年代に盛んだった、若 年層にターゲットを絞り、彼らのトレンドを読み取っての楽曲制作が通用しなくなった。 こういったマーケットの特徴づけの難しさは、CD 不況への要因といえると考えられている。 (6)仮説⑤ 市場を牽引するアーティストの不在 次に仮説⑤を検証していく 1990 年代の爆発的なCDの売上は、一握りの人気アーティス トによって支えられる形で起こった現象であったと考える。年間ダブルミリオン、トリプ ルミリオンを出せるヒットメーカーのようなアーティストが多く存在していたのだ。90 年 代後半のオリコンのアルバムランキングを見てみると、96 年にglobeが 376 万枚を記録、同 年安室奈美恵やB’zも 300 万枚を超えるセールスを出している xix。続く翌年もGLAY、Mr. Children、globeが 300 万枚、翌 98 年では年間ランキング 1 位と 2 位をB’zが独占 xx。計 900 万枚近い巨大なヒットを生み出した。99 年になると宇多田ヒカルの『First Love』が 前人未到の 700 万枚セールスを達成した 9出典 xxi。このようにひとたび人気に火が点けば、市場 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 を牽引できるほどのビッグセールスを生み出せる時代だったのだ。結果、CD市場の成長は 一部のアーティストの人気に頼る形になってしまった。その後、次第にレコード会社等の 力が弱まるにつれて 1990 年代の音楽界をけん引したアーティストのCDセールス力が低下 していく xxii。これがCD市場全体に影響をもたらしたと考えられる。実際に 90 年代市場を 賑わせたアーティストも 2000 年以降のオリコンランキングから影が薄くなった xxiii。流行 は何かが衰退して何かが成長するので、チャートの内容が変わるだけで、セールス枚数が 同じならプラスマイナス・ゼロだ。しかし、CD年々売れなくなっていき、年間チャートで 1 位から 10 位までのシングルとアルバムそれぞれの平均セールス枚数も少なくなっている (図 10)。つまり、CD全体の売上が落ちているだけでなく、チャートのトップを走って音楽 シーンを引っ張ってきたアーティストのCDでさえ、もう爆発的なセールスパワーはなくな ったと言える。現代では、チャートトップのアーティストですら年間 100 万セールスがや っとである。最早、音楽市場を牽引できるレベルのアーティストは存在しないのだ。 300 250 200 150 シングル 100 アルバム 50 0 10 (図 10)年間チャートトップ 10 の平均セールス枚数の推移 ここまで CD 不況の原因を探るために立てた仮説を検証してきた。結果 CD 不況の原因と しては、①レンタル事業の普及、②YouTube やニコニコ動画などの無料で音楽を視聴でき る環境が整ったこと、③少子化の進行による若年層の減少、④人気アーティストのセール ス力低下と後続のアーティストが生まれなかったこと、という 4 つの事柄であると結論付 ける。 3. 不況下における音楽業界の対応とその効果 10 出典 落合真司(2008)「音楽業界で起こっていること」青弓社 p.69。 (1)CCCD の導入 前章までは CD 不況の原因について考察してきた。本章では、こうした不況下において 音楽業界はどのような対応を取ったのか、そしてその対応はどのような成果を挙げたのか について調査、考察していく。 まず音楽業界が行ったのは、コピーコントロールCD(CCCD)の導入だ。CCCDとは音楽 データをCDからパーソナルコンピュータなどに直接読み込ませることを防ぐことを目的 にデータに意図的に間違ったエラー訂正符号を記録したCDのことである。2000 年初頭頃か ら開発の話が進み、2002 年にエイベックスが 3 月以降に発売される一部のCDにコピーコ ントロール機能を付加するという発表がなされた xxiv。その後も東芝、ビクター、ポニーキ ャニオンなど大手レーベルが歩調をそろえるようにCCCDを出すようになり、数も増加して いった xxv。このような流れになった大きな要因が違法ダウンロードである。2000 年代に入 りインターネットが普及してきたことによりCDから音源をパソコンにコピーし、それをイ ンターネット上に流す行為が急増した。音楽業界はこれがCD不況の原因と早急に決めつけ、 CCCD導入の流れになったのである xxvi。しかし、先にも述べたように違法ダウンロードが CD不況の直接的な原因ではなく、違法ダウンロードの数が減ったからといってCDの売上 が伸びるわけではない。事実、2003 年の年間TOP10 のうちCCCDは 1 枚(浜崎あゆみの『A BALLADS』 )のみで、TOP20 でも 4 枚だけであり、売り上げの向上には全くといっていい ほど影響はなかった xxvii。また、肝心のコピー防止機能も発売から数日で突破の仕方が出回 りほとんど意味を成さなかった xxviii。さらに問題だったのが、このCCCDは様々な欠陥をは らんでいたことである。CCCDはコピー防止のためにCDの盤面にエラー、つまり傷のよう なものを付けたものである。これにより、正常な再生が出来ない、再生機器が不具合を起 こしたなどといった事例が相次いだ xxix。また肝心の音質にも劣化が見られるなどかなり不 完全なものだったのだ。これらのことから消費者はもちろん、アーティスト側からも反対 の声が上がり、国内導入開始からたったの 2 年でほとんどのレコード会社が撤退していっ た xxx。現在では全くリリースされておらずCCCDによる不況対策は失敗であったと言える。 (2)AKB 商法の確立 次に取り上げる音楽業界の不況対策は AKB 商法だ。AKB 商法とは、アイドルグループ AKB48、またその関連グループが行っている特徴的な CD 販売戦略の事である。 具体的な実例としてはまず同一タイトルのシングルの複数仕様が挙げられる。これは、 タイトルや楽曲が同じでもジャケットや付属のDVDなどの違いを付けることにより、複数 種類同時に発売する手法である。CDの場合、シングル「大声ダイヤモンド」から「劇場盤」 と称する、仕様とノベルティの違う商品を併売している xxxi。また、通常盤についてもシン グル「桜の栞」からは 2 種類以上を同時発売し、同じタイトルの曲として集計している xxxii。 熱心なファンの収集欲を刺激し、同一タイトルのCDの複数枚購入を促す効果があり、今や AKBグループに止まらず多くのアーティストが行っている手法である。 2 つ目は、生写真や握手券などの特典の封入である。生写真に関しては、CD購入特典に メンバーの生写真が封入されているのだが、その写真はランダムで封入されており、メン バー分すべて集めるのなら最低でも十数枚購入する必要があるといったこちらも複数枚購 入を促す仕掛けである xxxiii。握手券に関しては、本来抽選が行われる握手会にCD購入の封 入特典である握手券を持っていれば、抽選を行わなくても参加できるというものだ xxxiv。 元々テレビの向こう側の存在だったアイドルに会えるということは画期的であり、ファン の急増をもたらしたとされる。 そしてAKB商法の看板とも言える商法が、各種投票権の付属である。この投票権という のは、AKB48 の次回のシングルを歌うことができるメンバーをファンによる人気投票で選 ぶという一大イベントである「選抜総選挙」の投票権や、ファンの投票によりライブのセ ットリストが決定する「リクエストアワーセットリストベスト 100」の投票権のことを指 この投票権なのだがやはり所定のCD1 枚につき 1 票の投票権が与えられるもので、 す xxxv。 熱心なファンの大量購入を誘うものである。実際にニュースなどでファンが一人で大量購 入し、特定のメンバー、いわゆる「推しメン」に大量投票した例が取り上げられている xxxvi。 このように同一タイトルの CD を複数種類発売したり、CD に特典という形で様々な付加 価値を与えたりする戦略を AKB 商法と呼ぶ。では、実際に AKB の CD は売れているのか。 図 11 を見て分かるように AKB の CD は現代の環境下においても十分売れている。90 年 代かつてほどの勢いはないにせよ、チャート上位は最早当たり前である。特に赤い傍線部 分、これは選抜総選挙の投票権が特典として付属したシングルの売上である。見ての通り 飛び抜けた売上を記録している。このことから AKB 商法は CD を売る上で効果があると考 える。 しかし、一方でこの売り方に対する批判も多くある。販売側が複数購入を促し、誘導し ているという点が悪質だと言われているのだ 。オリコンチャートなどは当然購入者数でな く売上枚数で判断しているため、実際の購入者数と売上数に大きなギャップを生じるとさ れている。このような戦略を取ればまだまだ CD は売れるとも言えるが、裏を返せばこう までしないと CD が売れない時代になってきているのだ。 百(万枚 ) 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 桜の花びらたち スカート、ひらり 会いたかった 制服が邪魔をする 軽蔑していた愛情 BINGO! 僕の太陽 夕日を見ているか? ロマンス、イラネ 桜の花びらたち2008 大声ダイヤモンド 10年桜 涙サプライズ! 言い訳Maybe RIVER 桜の栞 ポニーテールとシュシュ ヘビーローテ―ション Beginner チャンスの順番 桜の木になろう Everyday、カチューシャ フライングゲット 風は吹いている 上からマリコ GIVE ME FIVE! 真夏のSounds good! ギンガムチェック UZA 永遠プレッシャー So long! さよならクロール 恋するフォーチュンクッキー ハート・エレキ 鈴懸の木の~ 前しか向かねぇ ラブラドール・レトリバー 0 11 (図 11)AKB48 シングル売上推移 4. CD の未来、今後の音楽業界についての考察 (1)CD に未来はあるのか 最後にこれまでの内容から本題である CD の未来についての考察をしていく。ここまで CD 不況の現状そしてその原因の考察、それに対する音楽業界の対応を見てきたわけだが、 結論から述べると CD の未来はないと想定できる。図 1 から図 3 で表した通り、CD の生産 枚数・売上枚数は年々落ちてきており、今後もその減少は止まることはであろう。CD 不況 出典 村山涼一(2011)「AKB48 がヒットした 5 つの秘密 ブレーク現象をマーケティング 戦略から探る」角川書店 p.12。 11 の原因を 4 つ特定したが、若年層の増加に関しては意図的に操作することは出来ずどうす ることもできない。レンタル市場や無料視聴できる環境についても、CD の価値が消費者に とって対価を支払いたいと感じないまでに低下してきているのがわかる。唯一 AKB 商法と いう付加価値販売のみ消費者の CD 購入を促せる効果的な方法として紹介したが、これは CD そのものの価値は変化しておらず、付加価値のほうがメインになってきていると考えら れるので、CD の存在価値新たに見出すものではないと言える。これらのことから今後も音 楽業界のメインコンテンツとして CD 据えていくのは限界だと考える。CD はすでに時代遅 れの存在‐レガシーメディアとなってしまっているのだ。このことを裏付けるデータが国 際レコード産業連盟の 2012 年の世界音楽売上の統計だ(図 12)。 卸価格ベース 国名 US ドル 現地通貨 (百万) (百万) 収入シェア 対前年比 パッケージ 有料音楽 売上 配信売上 演奏権収入 シンクロ収入 1 アメリカ 4,481.8 4,481.8 -0.5% 34% 58% 4% 4% 2 日本 4,422.0 352,967.8 4.0% 80% 17% 2% 1% 3 イギリス 1,325.8 835.2 -6.1% 49% 39% 10% 2% 4 ドイツ 1,297.9 835.2 -4.6% 75% 19% 5% 1% 5 フランス 907.6 707.9 -2.9% 64% 23% 11% 2% 6 オーストラリア 507.4 492.2 6.8% 45% 47% 6% 2% 7 カナダ 453.5 453.5 5.8% 48% 43% 7% 2% 8 ブラジル 257.2 504.1 8.9% 62% 27% 9% 2% 9 イタリア 217.5 169.6 -1.8% 62% 27% 9% 2% 10 オランダ 216.3 168.7 -4.7% 58% 27% 14% 1% 11 韓国 187.5 211,876.8 -4.3% 55% 43% 2% 0% 12 スウェーデン 176.7 1,197.7 18.7% 32% 59% 8% 1% 13 スペイン 166.6 129.9 -5.0% 53% 27% 19% 1% 14 インド 146.7 7,888.5 21.6% 31% 60% 7% 2% 15 メキシコ 144.5 1,903.1 8.2% 63% 35% 1% 1% 16 スイス 128.5 120.8 -14.2% 61% 32% 7% ‐ 17 ベルギー 121.5 94.8 -6.3% 64% 18% 17% ‐ 18 ノルウェー 118.3 688.6 6.7% 31% 57% 11% 1% 19 オーストリア 96.2 75.0 -12.4% 65% 21% 13% 1% 20 中国 92.4 583.8 9.0% 18% 82% ‐ ‐ 16,480.6 ‐ 0.2% 57% 35% 6% 2% 世界合計 (図 11)2012 年世界音楽売上 TOP20 この統計を見ると世界の音楽売上の中心はパッケージ売上(CD 売上)からすでに有料音楽配 信売上に移り変わろうとしているのがわかる。世界首位のアメリカでは、有料音楽配信の 売上が 58%にものぼり、すでに CD よりも配信の売上が上回っており、3 位のイギリスも 39%、そのほか、各国軒並み 20%を超えているのが見て取れる。一方日本は、総売上はア メリカに次いで 2 位ながらも有料音楽配信の売上は 20%を下回りたったの 17%である。上 位 20 ヶ国中 10%を下回っているのは、日本、ドイツ、ベルギーの 3 国のみで、その中でも 日本の有料配信売上は 20 ヶ国中最下位である。世界ではすでに CD はレガシーメディアと いう認識のもと動いているのである。この事実も CD に未来はないと結論付ける一つの要 因である。 (2)今後の音楽業界についての考察 最後にCDに未来はないと結論づけた上で、今後の音楽業界について考察していく。図 11 で見た通り世界ではすでにCDはメインコンテンツではなくなっており、いずれ日本でもそ うなっていくだろう。現在日本の音楽業界はCDによって支えられているが、今後はそうは いかなくなっていくはずだ。レンタル市場や無料視聴できる動画サイトなどがこのまま発 展し続ければ、CDが淘汰されていくのは当然である。さらに、最近では月々定額を支払う ことで音楽が聴き放題になるspotify(スポッティファイ)というサービスも台頭し始めて いる xxxvii。有料ではあるがCD購入よりははるかに安く、定額制なので好きなだけ楽曲を手 に入れることが出来る。そして何より、音質も動画サイトのものよりは格段に良く、CD音 質とほぼ変わらない。まだ日本でのサービスは開始されていないが、じき開始する予定で あるという。こうしたサービスが現れれば、CD売上一辺倒の日本の音楽業界は存亡の危機 である。そうならないためにも配信音楽に力を入れ、世界の音楽情勢の流れに乗る必要が あると考える。日本はパソコンの普及率が高く、世界的に見てもネットの回線速度はトッ プクラスの速さである。こうした環境が整っていればCDから配信音楽にメインコンテンツ の座を移行させるのはそう難しくないはずだ。しかし、すでに述べてきたように日本の配 信音楽は成長を見せていない。これもひとえに日本の音楽業界がCDに執着しているためだ と考える。消費者の心が離れつつあるのにも関わらずCDに固執し続け、配信音楽に全力を 注ぐことがなかった。それだけではなく、著作権法改正などにより逆にインターネットを 介する配信音楽の流通を阻害してしまった。レコード会社の利権を守るために音楽業界全 体の発展をないがしろにしてしまったのである。このような点を見直し、今後日本の音楽 業界は積極的に配信音楽事業に取り組むべきである。具体的には先に述べたような定額配 信サービスなどを行う企業をバックアップしていくのだ。現在の音楽配信ビジネスの障壁 となっている複雑な権利処理やインフラ運用などを整備し、企業をビジネスに参入しやす くする。こうして市場全体を盛り上げる必要があると考える。 おわりに 本論では、 日本の CD 不況の現状やその原因を基に CD の行く末について考察してきた。 結論としては、CD に未来はないと断定したのだが、これは CD が完全にこの世から姿を消 すという意味ではない。音楽市場のメインコンテンツとしての未来はないだろうが、CD は これからも残り続けるであろう。姿そのものは変わらないが、コンテンツとしての立ち位 置が変わるといった意味合いだ。今後 CD はより趣味性が高いコンテンツになっていくだ ろう。国民全体の何%が CD を買うといった時代は終わり、一部のファンのみが記念品感覚 で購入するという時代になると考える。CD ショップという流通の拠点がなくなり、ファン クラブなど特定の場所で受注を受けてから生産するといった時代が来るかもしれない。こ うした時代になれば、各レコード会社が、ファンクラブ領域に進出して直販、もしくは、 楽曲の定額制販売を行う可能性もある。CD の不況により音楽業界全体が終焉に向かってい るような印象を受けるが決してそうではない。むしろこれは転換期であり、更なる可能性 が無限に広がっているのだ。音楽業界が今後も希望をもって音楽ビジネスを続けていくこ とを願いつつ、筆者はこれからもその動向に注目していきたい。 参考文献 麻生香太郎(2013)「誰が J-POP を救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記」朝日 新聞出版。 落合真司(2008)「音楽業界で起こっていること」青弓社。 津田大介(2004)「だれが『音楽』を殺すのか」翔泳社。 村山涼一(2011)「AKB48 がヒットした 5 つの秘密 ブレーク現象をマーケティング戦略 から探る」角川書店。 http://aisa.ne.jp/ (有限会社 AISA、2015/1/22 アクセス)。 http://business.nikkeibp.co.jp/ (日経ビジネス ONLINE、2015/1/17 アクセス)。 http://consult.nikkeibp.co.jp/ (日経 BP コンサルティング、2015/1/14 アクセス)。 http://news.livedoor.com/ (livedoorNEWS、2015/1/19 アクセス)。 http://thepage.jp/ (ワードリーフ株式会社、2015/1/19 アクセス)。 http://timesteps.net/ (Timesteps、中杜カズサ、2015/1/22 アクセス)。 http://www.ifpi.org/ (国際レコード産業連盟、2015/1/9 アクセス)。 http://www.jasrac.or.jp/(一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC、2015/1/17 アク セス)。 http://www.nikkansports.com/ (日刊スポーツ、2015/1/9 アクセス)。 http://www.oricon.co.jp/ (ORICON STYLE、2015/1/17 アクセス)。 http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 津田大介(2004)「だれが『音楽』を殺すのか」翔泳社 p.12。 同上。 iii 同上。 iv http://www.oricon.co.jp/ (ORICON STYLE、2015/1/17 アクセス)。 v http://www.nikkansports.com/ (日刊スポーツ、2015/1/9 アクセス)。 vi http://business.nikkeibp.co.jp/ (日経ビジネス ONLINE、2015/1/17 アクセス)。 vii http://consult.nikkeibp.co.jp/ (日経 BP コンサルティング、2015/1/14 アクセス)。 viii 同上。 ix http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 x 同上。 xi 同上。 xii 津田(2004) p.48。 xiii 同上。 xiv http://www.jasrac.or.jp/(一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC、2015/1/17 アクセ ス)。 xv津田(2004) p.49。 xvi 同上。 xvii http://www.riaj.or.jp/ (一般社団法人レコード協会、2015/1/22 アクセス)。 xviii 同上。 xix http://www.oricon.co.jp/ (ORICON STYLE、2015/1/17 アクセス)。 xx 同上。 xxi 同上。 xxii 落合真司(2008)「音楽業界で起こっていること」青弓社 p.69。 xxiii 麻生香太郎(2013)「誰が J-POP を救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記」朝日 新聞出版 p.45。 xxiv http://timesteps.net/ (Timesteps、2015/1/22 アクセス)。 xxv 同上。 xxvi 津田(2004) p.102。 xxvii 同上。 xxviii http://timesteps.net/ (Timesteps、2015/1/22 アクセス)。 xxix 同上。 xxx津田(2004) p.108。 xxxi 村山涼一(2011)「AKB48 がヒットした 5 つの秘密 ブレーク現象をマーケティング戦略 から探る」角川書店 pp.48-49。 xxxii 同上。 xxxiii 村山(2011) pp.57-58。 xxxiv 同上。 xxxv村山(2011) pp.62-63。 xxxvi 同上。 xxxvii http://thepage.jp/ (THE PAGE、2015/1/19 アクセス)。 i ii
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