今回は、給食で不動の人気を保持し、日本の国民食とされる「カレー」 についてご紹介します。 当院では、ビーフカレー、チキンカレー、シーフードカレー、ひき肉と野菜カレー、 の4種類があります。 カレーの優れている点の一つに、香辛料があげられます。 コショウは胃腸の働きを良くして食欲を刺激し、トウガラシの辛味成分「カプサイシン」も消化吸収を促進 するので、食欲が湧いてきます。別名ウコンのターメリックは、インドが原産のショウガ科の多年草植物で す。ターメリックに入っている黄色の「クルクミン」という成分が抗酸化作用や肝臓の機能を強化させる作 用があり、日本でも人気商品が出るほど浸透しています。 カリウム、鉄分、ビタミンCなどが豊富に含まれているので、ターメリックはただのスパイスとしてだけで はなく、健康の為にも摂取したいものです。 また、カレーは、一晩おいた方が断然おいしくなります。これは材料に味が染み込み、材料同士がなじむ ためのようです。しかし、気温の高い時にはテーブルの上などにそのまま置いておくと、腐ってしまうこと もあるので必ず冷蔵庫にしまっておきましょう。 カレーの注意点としては、ご飯の量が増えることでカロリーの摂り過ぎになってしまうことがあります。 そして、油を使ったカレールウに肉もプラスされると、かなり高カロリーになります。カレーだけしか食べ ていないのに、2食分のカロリーを摂ってしまうこともあるので量と頻度には気を付けたいものです 3/24(火) 昼食メニュー ひき肉と野菜のカレー 579kcal 3/14(土) 昼食メニュー チキンカレー 517kcal 2 月 12 日(木) 、13 日(金)の 2 日間、 「臨床栄養の最前線-エビデンスとガイドラインに基づいた臨床経 験の共有-」をメインテーマに、定期学術集会が開催されました。 日本静脈経腸栄養学会が催す中では一番大きい集会であり、臨床栄養関係では国内最大規模の学会で、毎年 2 月に行われ、最先端の知見や最新情報を習得できます。特別講演をはじめ、シンポジウム、パネルディスカ ッション、一般演題等有り、一般演題だけでも 1000 題を超えます。学会の会員数は約 2 万人。学会参加者は 約 1 万人と非常に多く、複数のセクションスペースを有しなければならず、会場選びも大変なようです。実際 に、今回は当初予定していた京都から神戸での開催へと急遽変更になったようです。 会場キャパシティの大きさだけではなく、高名な先生や発表慣れている方々の発表をライブで聴講すること で大変刺激を受けます。昼のランチョンセミナーや、夜の懇親会等、他院の先生方との情報交換も楽しみの一 つです。 また、企業展示ブースでの演出法も各社工夫を凝らしており、様々なプレゼンテーション法があるのだと感 心させられます。 今年は参加出来ませんでしたが、昨年の横浜開催は当院から 2 演題のポスター発表をしました。 興味のある方や、日常臨床で疑問に思ったことを発表してみたい方、来年は是非一緒に参加しましょう! お待ちしています。 ※写真は昨年のパシフィコ横浜会場での様子です。 昨年、11 月9日 国立京都国際会館にて「栄養サポートチーム(NST)専門療法士」試験が行われました。 NST 専門療法士とは、日本静脈経腸栄養学術学会が静脈・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技 能を有していると認定する資格です。 試験資格は、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、 の資格を有し、5 年の実務経験、所定の臨床実地研修、症例報告、日本静脈経腸栄養学術学会や教育セミナー等に 参加することで、認定試験を受験することができます。 一昨年に刊行された「静脈経腸栄養ガイドライン第 3 版-静脈経腸栄養を適正に実施するためのガイドライン-」 と過去問題集を中心に学習しました。 試験前後に「PEG ドクターネットワークセミナー」での発表と「大洲市駅伝大会」があり、心身共に切羽詰った 状態でした。そんな時、NST の先進 近森病院 宮澤先生の言葉を思い出しました。 「環境は与えられるものではなく創るもの」 NST 設置が全国的に広がり始めた頃、『病院栄養士会会報<H16 年>』での一文です。 せっかくの機会、たとえ望むような結果が出なかったとしても、何でも挑戦することに意義があると暗示をかけて 挑みました。 心が折れそうな時、「チャレンジしていく過程自体も必ずスキルアップに繋がる!とりあえず舞台に立ってみな いと幕は開かない!」諸先輩方の言葉で背中を後押ししていただいた受験でした。 試験会場:京都国際会館 ~岩倉川の紅葉~ これからさらに栄養療法の知識や手技を身につけ、 皆様のお力添えをいただきながら、 幅広い活動を行っていきたいと思いますので、 ご協力をよろしくお願い致します。 最後に、今回このような機会を与えて頂いた事に深く感謝申し上げます。 ~ NST 活動に寄せて ~ (第1回) 私たちは、口から食べたものを栄養にして生きています。食べるという当たり前の事が何らかの原因で、で きなくなってしまった時どうしたらよいのでしょうか?特に高齢者の方々は、低栄養になり病気も治りにくく なります。 さあ、どうしましょう? もちろん誰かに相談しますよね! 大洲記念病院では、入院患者様に対し様々な職種で構成された栄養サポートチーム(NST)が、患者様に あった栄養について検討や提案をして、 「口から食べる」 「元気になる」を目指して日々活動されています。 今回「NST活動における意見」と言うテーマで原稿を依頼され、改めてNSTニュースを読み返してみる と、患者様の低栄養状態をいかに改善できるかカンファレンスしサポートされていることや、院内での勉強会 の開催・出張講演・四国静脈経腸栄養学会への演者参加など、活動開始からの細かい内容が掲載されていて、 チーム医療の重要性を改めて強く感じました。メンバーの方々も業務をしながらの活動は大変な事だと思いま す。 最後にチームメンバーはNST発足から 3 年 余り経過しても、さらに上を目指して研修を受 けたり、平成 26 年度にはNST専門療法士認 定の資格も取得されたりしています。今年度か ら新しいメンバー2 名も加わり、大洲記念病院 の患者様は安心して入院生活を送っていただけ るのではないでしょうか?また、退院後の生活 にも援助の手が途切れないよう在宅部門や関連 施設との連携をとり「口から食べる」 「元気にな る」を目指し恕風会全体で取り組んでいくこと で、より一層地域医療にも貢献できるのではな いかと思います。 大洲記念病院 3 階師長 森 弘子 <勉強会案内> NST 勉強会は今年度より、年 6 回(火曜日)の開催と致します。 3 月の特別講演以外は、院内講師を予定しています。 明細は随時ご案内していきます。 どなたでもご参加可能ですのでぜひお越し下さい。 場所:レジデンス 1階 18時~ お薬って 大事だよ♪ 今回は低張電解質輸液(低張液)について勉強しましょう。 1.低張液を投与するとどうなるか 低張液を投与した場合 細胞内液 40% 細胞 細胞外液20% 間質液 血液 15% 5% 間質 血管 低張液とは電解質濃度が血漿成分よりも低い液体です。実際にはブドウ糖を配 合して浸透圧を等張にしていますが、ブドウ糖は前回の NST ニュースで説明した ように、代謝されると水になるので、結果的に体液より浸透圧の低い液になりま す。 当院採用の点滴製剤でいうと KN-1 号や 10%EL-3 号などがあります。 それでは人に低張液を点滴すると水の分布はどうなるでしょうか? 図① 低張液 図①に示すように、低張電解質液は細胞内液を含むからだ全体に水分を補給し ます。 2.低張液の使用目的、種類や組成について 使用目的 水と細胞外液を補充して Na 負荷を抑えたい時に使用します。 種類と組成 低張電解質は電解質濃度が低く血漿浸透圧が低張になっているため,糖質を配合し等張に保っています。 そして含有する電解質の割合で大きく 1 号液(開始液)、2 号液(脱水補給液)、3 号液(維持液)、4 号液(術後回復 液)に分かれます。 Point:生食を薄めて等張にするために 5%ブドウ糖液を加えた感じです。 番号が大きくなるにつれて電解質濃度が薄くなります。 当院採用商品:1 号液(KN1 号)、3 号液(アクチット、10%EL-3 号) 低張電解質輸液(採用品)と組成 成分名 商品名 血漿 開始液 + Na 142 電解質組成mEq/L K Ca2+ Mg2+ 4 5 1~2 + KN1号 38.5 アクチット 22.5 8.5 20 17.5 ClHCO3103 27 38.5 2.5 18.5 維持液 10%EL-3号 20 糖質% グルコース 2.5% マルトース 5% グルコース 10% 各種特徴と使用目的 ① 1 号液(開始液):KN1 号 電解質濃度が生食の 1/2~1/3 となっており、K を含まない。病態が分からない脱水症や心不全、腎機能低下 患者に使用されます。※低 K 血症に注意 ②2 号液(脱水補給液):未採用 1 号液に K、P、Mg を加えたもの。細胞内の電解質を補正する目的で使用されます。 ② 3 号液(維持液):アクチット、10%EL-3 号 電解質として Na、K、Cl の含有量が 2 号液よりも低く調整されています。乳酸リンゲル液(ラクテック注な ど)を 1/3 程度に薄めたような輸液になっています。経口摂取が不十分な患者の水分・電解質の補給に使用さ れます。 ④4 号液(術後回復液):未採用 電解質濃度が最も低く、水分の補給を目的とした輸液。腎機能低下患者や術後早期の患者に使用されます。
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