銘仙柄を活用した繊維製品試作開発

平成26年度経常研究
繊維分野
銘仙柄を活用した繊維製品試作開発
担当部所
: 栃木県産業技術センター 繊維技術支援センター
背景
編物等の試作については検討がほと
んどなされていない。編物で解し織
り調の柄表現は可能か。
ジャカード編みでは色糸と色糸の
境目が明瞭なため表現不可
(解し織り)
本織り
捺染
仮織り
たて糸整経
解し編みの検討
県内繊維産地でも地域ブランドの取り組みとして足利銘仙やこれに
使用された柄を活用した製品の開発が行われている。足利地域の銘
仙は主に解し織りという技法を用いている。今後の幅広い商品展開
のためにも、新たな商品の開発が必要となっている。
銘仙柄
繊維技術支援センター資料より
研究目標と結果
研究目標
●ニット機器の横編機を利用し、銘仙の特徴を持った編地の開発及びその可能性について検討した。
実施内容
<実験方法>
解し編みの手法
工程1 編地編成
<実験結果②>
編成条件 ①柄サイズ
②編目長
③糸使い
④組織
:152W×498C
:9.50mm(設定値)
:綿糸20/2s 2本引きそろえ
:袋編み
工程3 編地解舒
工程2 捺染
編込糸量 cm/40目
再編成編地1
ループ長(設定値)9.50
工程4 編地再編成
柄のズレ
①袋編み1コース(152編目×2コースで61/50目分のズレ
②柄が右傾している
③1ステッチの糸量を減らして編成することにより修正可
④1編目長の減少量=9.50mm×(61/50)/304編目
=0.0381mm
<実験結果①>
38.2
38
37.8
37.6
37.4
37.2
37
36.8
36.6
36.4
36.2
36
捺染編地(元柄)
ループ長(設定値)9.50
設定値
前ベッド(左行き)
後ベッド(右行き)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415
右行き編成時と左行き編成
時の編込糸量を測定
(編目数40の編込糸量)
(編目長設定値:9.50mm)
再編成編地2
ループ長(設定値)9.47
再編成編地3
ループ長(設定値)9.43
再編成編地4
ループ長(設定値)9.40
・編み方向の違いにより
若干の差が見られる。
・糸取りが左側のため右
行きの編込糸量のほう
が安定している。
コース
図1 編み方向の違いによる編込糸量(捺染処理後)
・右行きと左行きの編込糸量に若干の差があるため元柄の再現は難し
い。
・意図的に編目長を変えることにより元柄を崩した柄を得ることが可能。
まとめ
●製品化するにあたっての課題はいくつかあるものの解し編みという新規の編み手法により、
新たな柄表現方法のひとつが提案できた。
御来場の皆様へ
問い合わせ先:栃木県産業技術センター 繊維技術支援センター TEL0284(21)2138
解し編みに御興味を持たれた方は、是非御相談ください。
本成果を活用して新製品の提案に、御利用ください。
Industrial Technology Center of Tochigi Prefecture