平成27年度 知財経営定着事例創出・普及事業 仕様書 1.事業の目的 特許等の知的財産活動においては、権利取得による模倣品排除や他社参入障壁の構築といった一 般的に想起される活用方法だけでなく、出願前の先行技術調査による自社技術の見える化など、知 的財産にまつわる活動そのものにいくつかの効果があることがわかっている。 これら知的財産活動の効果は、特許庁作成の「知的財産経営プランニングブック」にまとめられ ており、こうした効果を活用し、企業における経営課題を解決することなどの企業の経営戦略と知 的財産活動(知的財産戦略)を連動させることを『知的財産経営(知的財産を活用した経営) 』と 呼び、これを企業に定着させるための手法を『知的財産経営定着モデル』と呼んで、広く周知して いるところである。 こうした中、平成26年度に当局が実施した、 「平成26年度経営者層向け知財経営定着支援事 業」において、知的財産経営の普及・定着は中小企業の経営力向上にとって有効であり、そのため の方策として、多様かつ経営的な視点を持つ専門家の派遣や、ワークショップによる経営者層への 知的財産経営の浸透が効果的であるなどの提言が示された。 これを受けて、当局では、知的財産経営を実践する企業の事例(成功事例)の創出及び周知を目 指し、専門家派遣及びワークショップを実施する。 また、本事業の実施を通じて見出された課題について委員会で議論を行い、翌年度以降における 支援施策の企画・立案に向けた提言をとりまとめるとともに、議論の結果を知財総合支援窓口と共 有することにより、今後の地域中小企業支援の一層の強化を図る。 以上により、地域中小企業による知財経営定着事例のさらなる創出を目指すとともに、これを広 く発信することで、知財経営の普及の促進を図ることが本事業の目的である。 2.事業実施期間 契約日~平成28年3月25日(金) 3.事業内容及び請負事業者の作業内容 委員及びオブザーバからなる「事業推進委員会」 (以下、 「委員会」という)を設置し、その下で 企業への専門家派遣及びワークショップを実施する。 各事業の内容については以下(1)~(3)で述べる。 また、事業実施にあたり請負業者が行うべき作業及び注意点も、本項で併せて述べる。 なお、以下において「特許室と事前協議を行う」との記載がある項目については、各委員会の1 週間以上前にメール又は会議形式で実施する(ただし、スケジュール等の事業計画、及び委員の選 定については、事業開始後速やかに特許室との協議を実施すること。 )。 (1)委員会 a)事業の内容 本事業では委員会を設置し、主に以下を行う。 1 ①第1回委員会 ア)事業全体の方針決定 イ)専門家派遣に係る、支援対象、支援回数、及び担当する委員の決定 ②第2回委員会 ア)専門家派遣の(中間)結果報告 イ)ワークショップの内容決定 ③第3回委員会 ア)事業の総括 イ)次年度以降の知財経営定着支援に関する提言とりまとめ また、委員会の詳細は以下の通り。 ①委員は4名(弁理士(中小企業への知財コンサルティング実績を有する者) 、弁護士(中小 企業への知財コンサルティング実績を有する者) 、中小企業診断士(中小企業への知財コン サルティング実績を有する者) 、中小企業支援機関担当者を想定)とし、特許室が指定する オブザーバの参加を可能とする。 ②委員の中より委員長を1名選出し、会議の議事進行を行う。 ※委員の選定にあたっては、特許室と事前協議を行うこと。 b)請負事業者の作業内容 ①請負事業者は、特許室と事前協議を行った上で、委員の選定、就任依頼、スケジュール等連 絡調整、旅費・謝金の支払い、事前の会議資料作成、会場の確保、必要な機材の調達、当日 の会場設営・後片付け、当日の議事進行、資料報告、議事録作成等を行うこと。 ア)謝金・旅費の支払いにあたっては、委員と合意の上で、適切な金額を支払うこと。 イ)中小企業支援機関担当者への謝金・旅費の支払いは不要(したがって、謝金・旅費の支 払いが想定される委員は3名となる) 。 ②会場については九州経済産業局内の会議室を使用することが可能であるが、空き状況等によ り使用できない場合があるので、その場合は請負業者の負担により会議室を確保すること。 (2)専門家派遣 a)事業の内容 知財経営定着事例(成功事例)の創出を目的とした専門家派遣を行う。 ①支援対象の選定について ア)第1回委員会において支援対象の候補となる団体を選定する。 イ)支援対象は2社程度とし、これらの団体に計6回程度の支援を行う。 ②支援は各支援対象につき委員2名で行う。担当する委員は第1回委員会において決定する。 ③想定される支援内容は以下の通り。なお、支援の詳細及び回数は、委員と相談し、支援対象 が有する課題・要望に応じて決定すること。 ア)知財戦略策定に関する支援(海外展開に伴う知財戦略策定支援を含む) イ)知財管理の仕組み作りに関する支援 2 ウ)オープン・クローズ戦略の構築支援 エ)知財を活用した経営戦略策定支援 ④支援対象となった企業の課題を把握するための事前ヒアリングを支援対象毎に各1回実施 すること。なお、事前ヒアリングは企業毎に委員1名、事業者1名で実施する。 ア)ヒアリング方法:現地ヒアリング イ)ヒアリング内容(例) : ・企業の経営内容、事業内容について ・知財活動・知財戦略の現状について ・従業員等の知財意識について ⑤この支援は、九州経済産業局特許室が実施する「平成27年度特許等取得活用支援事業」の 実施事業者が開設する「知財総合支援窓口」との共同支援とし、原則として、支援先企業が ある県の知財総合支援窓口担当者同席のもと実施する。 ※本事業終了後も必要に応じて知財総合支援窓口が継続支援を実施する予定。 ⑥専門家派遣の(中間)結果報告を第2回委員会において行う。 ⑦支援終了後、支援対象企業へのアンケートを行う。 b)請負事業者の作業内容 ①支援対象企業及び回数決定後、速やかに支援対象企業、委員、知財総合支援窓口とのスケジ ュール調整を行う。 ②資料作成、必要な機器類の準備、当日の議事進行、議事録作成、支援日時の連絡調整、支援 終了後のアンケート、委員への謝金・旅費の支払い等を行う。 ア)謝金・旅費の支払いにあたっては、委員と合意の上で、適切な金額を支払うこと。 イ)中小企業支援機関担当者及び知財総合支援窓口の担当者への謝金・旅費の支払いは不要。 ③毎回議事録を作成し、次回の支援時に前回の支援内容の報告を行うこと。また、原則として、 前回の検討内容とそれを踏まえた今回の検討内容のとりまとめ資料(例:Microsoft Power Point® や Microsoft Word®等により作成したもの)を作成する。当該資料については、適宜、 委員と協議の上作成すること。 ⑤支援の会場は、原則として支援対象者に提供させるものとするが、支援対象者による会場の 確保が困難な場合には、請負事業者の負担により用意すること。 (3)知財経営定着事例の創出、及び事例発信のためのワークショップの開催 a)事業の内容 知財経営定着事例(成功事例)の創出、及び成功事例を広く周知することを目的としたワーク ショップを1回開催する。 講師は委員及び委員以外の者(例えば、中小企業経営者や、中小企業支援の実績を有する者、 等)より構成する。 ワークショップの日時、内容、講師については、第2回委員会において決定する。 また、特許室が想定しているワークショップの内容(例)は以下のとおり。 ア)知財経営定着企業よる発表 3 イ)専門家による講演 ウ)事例検討会 b)請負事業者の作業内容 ①原案の作成 特許室と事前協議を行った上で、ワークショップの日時、内容、講師の原案を作成し、第2 回委員会へ提示する。 ②会場選定・確保、会場借料の支出 ア)福岡市内で適切な会場を選定・確保すること(会場借料については請負業者の負担とす る) 。 ※20名程度の規模を想定。 イ)事前の下見、会場レイアウト、PCやプロジェクター等の備品の事前の手配、その他準 備も行うこと。 ウ)会場の確保にあたっては、準備や撤収作業に必要な時間を試算し十分な時間を確保する こと。 ③講師との調整 第2回委員会で決定した内容にしたがい、講師へ依頼を行い、スケジュール調整、謝金・旅 費の支出、講演資料の提出期限、来場方法、議事進行などの説明等を十分に行うこと。 ア)謝金・旅費の支払いにあたっては、講師と合意の上で、適切な金額を支払うこと。 イ)中小企業支援機関担当者及び知財総合支援窓口の担当者への謝金・旅費の支払いは不要。 ④参加者の募集 ア)募集チラシ ・特許室と事前協議を行った上でチラシ原案を作成し、第2回委員会へ提示すること。 ・第2回委員会で決定した内容にしたがいチラシを作成し、400部程度を配布し広報を行 う。 ・チラシは、原則としてカラーA4版1枚とし、グリーン購入法の基本方針の判断の基準を 満たすこと。 ・チラシは、文字等の編集が可能な電子媒体を、開催日の1ヶ月前までに特許室へ提出する こと。 イ)ホームページ及びメールマガジン ・特許室が持つ広報ツールである、 「九州知的財産活用推進協議会ホームページ」及び「メ ールマガジン」を活用するため、事業者は、ホームページ用原稿、メールマガジン用原稿 を作成し、特許室へ提出すること。 (ホームページ及びメールマガジンへの掲載作業は特 許室が行う。 ) ウ)広報先としては、中小企業、専門家等を想定し、これらの者が組織する組合・団体等へ 周知する等の効果的な広報を行うこと。 エ)上記のほかに、適切な広報手段を有する場合は、特許室に提案を行うこと。 ⑤申込受付 原則としてFAX、メール等による事前参加申し込み制とする。また、参加者数の把握を 4 行い、開催日の1ヶ月程度前より、週に一回以上の頻度で、定期的に特許室へ報告すること。 ⑥参加者アンケート ア)特許室と事前協議を行った上で、参加者へ配布するアンケート(案)を作成し、第2回 委員会へ提示すること。 イ)第2回委員会で決定した内容にしたがいアンケートを必要部数作成し、配布及び集計を 行うこと。 ⑦講義資料、配布資料の準備 ア)講師作成の講義資料を事前に電子媒体等で入手し、当日のスクリーン等に投影する資料 及び配布資料等の準備を行うこと。入手した電子媒体の講義資料は、会場での投影が円滑 に行えるよう事前に動作確認を行うこと。また、配付資料の有無、配付方法等について講 師と事前調整を行うこと。 イ)講義資料(電子媒体)は、事前に特許室へ提出すること。 ウ)配布資料は、原則として、Microsoft Power Point®データ等を白黒(必要に応じてカラ ーも可)両面印刷したものとする。 エ)知的財産に関連した各種広報を実施するため、九州経済産業局が用意するチラシ、パン フレット等配布用資料の有無を特許室に事前確認し、当日配布できるよう事前の送付を依 頼すること。また、事前入手した配付用資料を、説明会会場において参加人数分配布する こと。なお、資料配付のための封筒については特許室から提供する。 ⑧当日の準備・運営 ア)第2回委員会で決定した内容にしたがい、ワークショップを開催すること。 イ)当日は、原則として案内看板、受付を設置すること。 ウ)講師及び受講者が当日使用する機材(プロジェクター、PC、マイク、レーザーポイン タ等)、及び消耗品について確認を行った上で、事前調整を含め、手配準備すること。 エ)講師が当日使用する電子データについては必ずPCの中に準備するとともに、バックア ップデータを当日持参しておくこと。 オ)当日は、会場の事前準備や受付作業(資料手交等含む) 、司会、総合調整を含め必要な 人員を配置すること。また、報告書用写真撮影、アンケートの実施・回収、後片付け等を 行うこと。 カ)参加者、講師、事業者等にけが等が無きよう、安全性の確保及び緊急時の対応方法を運 営スタッフに対し徹底すること。 (参考)スケジュールの例 平成27年 7月下旬 第1回委員会 平成27年 8月上旬~ 事前ヒアリング、地域ブランド構築支援 平成27年 12月 第2回委員会 平成28年 1月~2月 ワークショップ 平成28年 3月 第3回委員会 平成28年 3月25日 事業完了 5 4.納品物について 以下の納品物を作成し、期限までに納品すること。 ①事業実施報告書 ア)事業目的、事業概要、事業実施内容・結果、まとめなどを盛り込むこと。 イ)仕様は、A4版、くるみ製本、白黒、50ページ程度(添付資料を除く)とする。 ウ)10部作成し、平成28年3月25日までに特許室に納品すること。 ②その他資料等 その他、以下に例示するような、事業中に発生する資料等については、全て事業実施報告書 の添付資料として納品すること。 <例> ア)委員会 報告資料、議事録 イ)専門家派遣 支援記録(支援用プレゼン資料、議事録) ウ)ワークショップ 開催案内チラシ、カリキュラム、参加者名簿、講義資料(配布資料) 、アンケート関係資料 (アンケート用紙、回答、集計結果など) ③納品物の電子データ 全ての納品物の電子データをCD-R又はDVD-Rに格納し、平成28年3月25日まで に特許室へ一式納品すること。 5.その他 ①請負業務の実施にあたっては特許室と密な連携を図り、定期的に事業の進捗状況等を特許室に 報告するとともに、事業の詳細については適宜相談して指示を仰ぐこと。 ②契約締結後直ちに、知的財産関連事業経験を有する事業担当者を2名置き、別紙様式1(事業 担当者選任届け)により登録を行うこと。 ③事業担当者を変更する場合は、変更する日の原則2週間以上前に、別紙様式2(事業担当者変 更届け)を提出し、事前に了承を得る事。なお、交代の際には充分な引継ぎを行い、事業に支 障が出ないようにすること。 ④事業の実施にあたり、トラブルが生じないよう十分に注意すること。万一、トラブルが生じた 場合は速やかに特許室に連絡すること。 ⑤契約締結後、特許室と調整した上で、速やかに実施項目やスケジュール等の事業計画を作成し、 提出すること。 ⑥請負業務により知り得た情報を許可なく外部に漏らし又は他の目的に使用しないこと。 ⑦納品物についての著作権は九州経済産業局に帰属するものとする。 (ただし、講義資料などの 事業者以外の者による著作物は除く。 ) ⑧印刷物の作成に当たってはグリーン購入法の基本方針の判断の基準を満たすこと。 ⑨印刷物に写真等を掲載する場合には、著作権者・肖像権者等から承諾を得ること。 ⑩請負業務の実施に当たって疑義が生じた場合には、必ず事前に特許室の指示を受けること。 6 (様式1) 平成 年 月 日 九州経済産業局総務企画部長 殿 住所 商号又は名称 代表者氏名 印 事業担当者選任届 「平成27年度 知財経営定着事例創出・普及事業」に係る事業担当者を、下記のとお り選任します。 記 【主任担当者】 氏 名 : 部署名 : 連絡先 :TEL FAX e-mail 【副主任担当者】 氏 名 : 部署名 : 連絡先 :TEL FAX e-mail ※副主任担当者の選任は、本事業請負先にて必要性を判断し、必要な場合に選任 することとする。 7 (様式2) 平成 九州経済産業局総務企画部長 年 月 日 殿 住所 商号又は名称 代表者氏名 印 事業担当者変更届 「平成27年度 知財経営定着事例創出・普及事業」に係る事業担当者を、下記のと おり変更します。 記 【主任担当者もしくは副主任担当者】 氏 名 : 部署名 : 連絡先 : TEL FAX e-mail 8
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