3. 取り付け

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3. 取り付け
3.1 取付面の設計
リニアガイドは、通常、2 本のレールを平行に配置し、各レールに 1 個または複数のランナーブロックを取り付けて
使用します。以下に示す一般的な使用例では、平らな固定面上(機械ベッドなど)に所定間隔でリニアガイドを配置し、
ランナーブロックを連結するように可動ステージを取り付けます(図 3.1)。
ランナーブロックの押しねじ
ランナーブロックの接触面
可動ステージ
従動側ガイド
基準側ガイド
機械ベッド
レールの押しねじ
レールの接触面
図 3.1 平行に 2 列のリニアガイドを配置した使用例
レール及びランナーブロックの基準側面の接触部となる肩は、リニアガイドの正確な設置に有効です。同時に、周囲
機構部全体の組立を簡素化します。レールの肩高さ Hr(図 3.2)と、ランナーブロックの肩高さ Hs(図 3.3)の寸法
を、表 3.1 と表 3.2 に示します。
図 3.2 レールの肩高さ
図 3.3 ランナーブロックの肩高さ
表 3.1 LGB シリーズの肩高さと隅部
表 3.2 LGM シリーズの肩高さと隅部
最大隅 R 部
Ra1=Ra2
[mm]
レール
最大隅 R 部 最大隅 R 部 レール部 ランナーブロック部
肩高さ 取付ボルト *
Ra1=Ra2
Ra2
肩高さ
[mm]
[mm]
Hr [mm] Hs [mm]
レール
レール部 ランナーブロック部
肩高さ
取付ボルト *
肩高さ
Hr [mm] Hs [mm]
LGB…15
0.6
3.1
5
M4×16
LGM…09B
0.1
0.3
0.5
4.9
M3×6
LGB…20
0.9
4.3
6
M5×20
LGM…09W
0.1
0.5
2.5
4.9
M3×6
LGB…25
1.1
5.6
7
M6×25
LGM…12B
0.3
0.2
1.5
5.7
M3×6
LGM…12W
0.3
0.3
2.5
5.7
M3×8
LGB…30
1.4
6.8
8
M8×30
LGB…35
1.4
7.3
9
M8×30
LGM…15B
0.3
0.4
2.2
6.5
M3×8
LGB…45
1.6
8.7
12
M12×35
LGM…15W
0.3
0.3
2.2
6.5
M3×8
LGB…55
1.6
11.8
17
M14×55
* 最小ボルト長さ
28
* 最小ボルト長さ
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 29
3.2 リニアガイドの識別
同一面で使用されるリニアガイド(基準側ガイドと従
SNR ロゴ
動側ガイド)は、すべて同じ製造コードをマーキングし
基準面
てあります。基準側ガイドと従動側ガイドは同一仕様の
ため識別表示はありません(図 3.4)。
基準側リニアガイド
マーカライン
(U 溝 )
SNR ロゴ
基準面
従動側リニアガイド
マーカライン
(U 溝 )
図 3.5 リニアガイドのマーキング例
図 3.4 基準側ガイドと従動側ガイドのコード表示
ランナーブロックの基準側面は、SNR ロゴと製造コ
標準リニアガイドのレールは最長 4m 仕様まで対応
ードが記されている面の反対側です。またレール裏面に
可能ですが、4m を超える場合は、分割状態での納入と
は基準側を表すマーカライン(U 溝)があります。(図
なります。図 3.6 に示すように、それぞれのレール連接
3.5)。
部には接合マーク「J」があります。複数のレールを連結
基準面の配置を変更したい場合は、NTN にご相談く
ださい。
する場合、両端のレールを除いて自由に組み合わせ可能
です。
図 3.6 レールの接合マーク
29
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3.3 リニアガイドの配置
以下に、リニアガイドの一般的な配置例を示します(図 3.7)。
レールとランナーブロックの数及び配置は、装置全体の要求剛性、負荷荷重、精度、寸法により決まります。
1 軸仕様
(レール本数記号:̶1)
2 軸仕様
(レール本数記号:̶2)
4 軸仕様
(レール本数記号:̶4)
3 軸仕様
(レール本数記号:̶3)
図 3.7 リニアガイドの配置例
3.4 リニアガイドの取付姿勢
リニアガイド(レールとランナーブロック)の取付姿勢は、機械/装置の基本構成により決まります(図 3.8)。取
付姿勢に適した潤滑方式(潤滑剤、給脂周期、供給方法)の検討が必要となります。
X 軸回りに回転
水平に設置
逆向きに設置
水平に設置
逆向きに設置
傾斜状態で設置
(0 ∼ 180°)
Y 軸回りに回転
図 3.8 リニアガイドの取付姿勢例
30
傾斜状態で設置
(0 ∼ 180°)
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3.5 取付手順
NTN-SNR のリニアガイドは、精密部品です。リニアガイドを取り付ける際は、以下の手順に沿って実施してくださ
い。機械ベースへの取り付け、あるいは他の構成部品との組み合せ時は、衝撃を加えないように気を付けて安全面に注
意しながらおこなってください。
¡必ず作業手順を守って、取り付けをおこなってください。
¡適切な工具や治具、測定機を使用してください。
¡作業経験者からの指導を受けた作業者が、取り付けをおこなってください。
¡防錆油が塗布されていないリニアガイドの取り付けは、必ず手袋を装着してください。素手で作業をおこなうと、錆
が発生する恐れがあります。
¡機械ベースにレールを完全に固定してください。仮組み付けした状態のままランナーブロックを取り付けないで
ください。
■ステップ 1 取付面の清掃
■ステップ 2 取付面へのレール配置
取付面の凹凸、ばり、汚れを油砥石、ウエス等で取り
基準側レールを取付面に静かに載せ、レール底面のマ
除いてください。次にリニアガイドを清浄な状態にして
ーカライン(U 溝)がある側(基準面)を、機械ベース取
ください。お客様の指定や特別な条件がない限り、リニ
付面の肩に押し当ててください。
アガイドには防錆油を塗布していますので、ウエスや不
織布等で拭き取ってください。汚れが付着している場合
には、ベンジン等を使用し汚れを落とした後、実際に使
用する潤滑剤を薄く塗布してください。汚れ落としの際
は、シール等の部品を破損する恐れがあるため、アセト
ン等の強力な溶剤は使用しないでください。
図 3.10 レールの配置
■ステップ 3 レールの仮取り付け
レールの取付穴と取付面のボルト穴と合わせ、取付ボ
ルトを軽く仮締めしてください。
図 3.9 取付面の準備
図 3.11 レールの仮取り付け
31
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 32
■ステップ 4 押しねじの締め込み
レール押し付け用の押しねじ等を使用する場合は、レ
ールの基準側面を機械ベース取付面の肩に密着させな
■ステップ 6 従動側リニアガイドの取り付け
従動側のリニアガイドを、ステップ 1〜5 と同様の手
順で取り付けてください。
がら、押しねじを均等に締め込んでください。
■ステップ 7 可動ステージの取り付け
ランナーブロック上に可動ステージを静かに載せ、取
付ボルトを慎重に仮締めしてください。ステージの取付
面の肩に押し当て、ステージの位置決めをおこなってく
ださい。図 3.14 のように基準側、次に従動側、そして
また基準側の順に、可動テーブルの取付ボルトを対角線
で順に締め付けてください。
図 3.12 レールの位置決め
■ステップ 5 トルクレンチでのボルト締結
トルクレンチを使用して取付ボルトを規定トルク
(3.7 章参照)で締め付けてください。取付ボルトは、レ
ールの中央位置から軸端に広げる方向で順番に締め付
けてください。
図 3.14 可動ステージの取付ボルトの締め付け順序
■ステップ 8 組み立て完了
レールキャップの取り付けや使用環境に応じたシス
テム全体の保護を行ってください。
図 3.13 レールの固定
32
*編集_リニア 15/08/31 10:54 ページ 33
3.6 許容取付誤差
リニアガイドの取付状態が推奨誤差内であれば、一般
的な使用における寿命への影響はありません。
平行度許容誤差
は、
2 軸のリニアガイドの平行度許容誤差 e(
1 図 3.15)
リニアガイドの種類と予圧、及び機械や装置の要求精度
により異なります。最大許容誤差を、表 3.3 と 3.4 に示
図 3.16 2 軸のリニアガイドの高さ許容誤差 e2
します。
表 3.5 LGB シリーズの変換係数 x
図 3.15 2 軸のリニアガイドの平行度の許容誤差 e1
LGB…15
LGB…20
LGB…25
LGB…30
LGB…35
LGB…45
LGB…55
表 3.3 LGB シリーズの平行度許容誤差 e1 [μm]
LGB…15
LGB…20
LGB…25
LGB…30
LGB…35
LGB…45
LGB…55
Z0
25
25
30
40
50
60
70
予圧記号と平行度の許容誤差 e1
Z1
Z2
̶
18
18
20
20
22
27
30
30
35
35
40
45
50
Z3
̶
15
15
20
22
25
30
表 3.4 LGM シリーズの平行度許容誤差 e1 [μm]
LGM…09
LGM…12
LGM…15
Z0
0.26
0.26
0.26
0.34
0.42
0.50
0.60
Z1
0.17
0.17
0.17
0.22
0.30
0.34
0.42
Z2
0.10
0.10
0.14
0.18
0.24
0.28
0.34
Z3
̶
0.08
0.12
0.16
0.20
0.20
0.25
表 3.6 LGM シリーズの変換係数 x
Z0
0.18
0.25
0.30
LGM…09
LGM…12
LGM…15
Z1
0.03
0.06
0.10
長手方向の高さ許容誤差
2 個のランナーブロックの長手方向の高さ許容誤差
e3(図 3.17)は、式[3.2]から求めることができます。
予圧記号と平行度の許容誤差 e1
Z1
Z0
4
3
9
5
10
6
幅方向の高さ許容誤差
2 軸のリニアガイドの幅方向の高さ許容誤差 e2(図
図 3.17 長手方向の高さ許容誤差 e3
3.16)は、レール間の距離に比例します。e2 は式[3.1]
…………………………………………[3.2]
から求めることができます。
…………………………………………[3.1]
e2 :幅方向の高さ許容誤差[μm]
e3 :長手方向の高さ許容誤差[μm]
l0 :ランナーブロック間距離[mm]
y :変換係数
l1 :レール間の距離[mm]
x :変換係数
33
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表 3.7 LGB シリーズの変換係数 y
Z0
…BS/FS
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.14
0.12
0.11
0.10
…BS/FS
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.15
0.13
0.12
0.10
…BS/FS
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.17
0.15
0.14
0.12
…BS/FS
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.21
0.18
0.16
0.14
…BS/FS
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.29
0.25
0.23
0.20
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.30
0.27
0.24
…BN/FN
…BL/FL
…BE/FE
0.35
0.32
0.28
Z1
LGB_…15
0.11
0.10
0.09
0.08
LGB_…20
0.12
0.11
0.10
0.09
LGB_…25
0.14
0.12
0.11
0.10
LGB_…30
0.17
0.15
0.13
0.12
LGB_…35
0.24
0.21
0.19
0.17
LGB_…45
0.25
0.22
0.20
LGB_…55
0.29
0.26
0.23
Z2
Z3
0.09
0.08
0.07
0.07
0.07
0.06
0.06
0.05
0.10
0.09
0.08
0.07
0.08
0.07
0.06
0.06
0.12
0.10
0.09
0.08
0.09
0.08
0.07
0.06
0.14
0.12
0.11
0.10
0.11
0.10
0.09
0.08
0.20
0.17
0.15
0.14
0.15
0.13
0.12
0.11
0.20
0.18
0.16
0.16
0.14
0.13
0.24
0.21
0.19
0.19
0.17
0.15
3.7 締付トルク
リニアガイドの取付部の材質や表面粗さ、潤滑状態に
よって、取付ボルトの締付トルクは大きく変わります。
参考として、強度区分 10.9 と 12.9 の取付ボルトの推
奨締付トルクを、表 3.9 に示します。
表 3.9 取付ボルトの締付トルク(μ=0.14)
締付トルク [N・m]
強度区分 12.9
強度区分 10.9
0.5
0.6
1.0
1.2
1.8
2.2
4.4
5.1
8.7
10
15
18
36
43
72
84
125
145
200
235
310
365
M2
M2.5
M3
M4
M5
M6
M8
M10
M12
M14
M16
動作量が多い、あるいは頭上(天井への吊り下げなど)取り付けの場合、
また、取付面に肩がない場合は、衝撃荷重による横ずれ防止のため、強度区
分 12.9 のボルトと締付トルクを選択してください。
フラットタイプ
フランジタイプ
図 3.18 ランナーブロック取り付け例
表 3.8 LGM シリーズの変換係数 y
Z0
…BN/WN
…BL/WL
0.10
0.09
…BN/WN
…BL/WL
0.13
0.12
…BN/WN
…BL/WL
0.17
0.15
LGM_09
LGM_12
LGM_15
ザグリ穴(L タイプ)
Z1
タップ穴(C タイプ)
0.08
0.07
0.11
0.10
0.14
0.13
図 3.19 標準レール取り付け例
ザグリ穴(L タイプ)
タップ穴(C タイプ)
図 3.20 ミニアチュアレール取り付け例
34