先週(11月22日)の説教要旨 「これから種を蒔く」 山下慶親牧師

先週(11月22日)の説教要旨 「これから種を蒔く」 山下慶親牧師 マルコによる福音書4章1~20節 日本の教会で祝っている収穫感謝日はアメリカのサンクスギビング・デー(11月第4木曜日)に
ルーツがある。1620年9月、ピューリタン(清教徒)たちは宗教的迫害を逃れ、イギリスのプリ
マスからメイフラワー号で船出した。彼ら102名は、66日後、アメリカ大陸に上陸した。11月
末で、すでに寒い時期であった。彼らはニューイングランドの厳冬を耐えながら、土地を開墾して種
を蒔いた。初めての収穫を祝ったのは上陸から1年後であった。このことを考えると、収穫感謝日は
単に自然の恵みを神に感謝するのではなく、ピューリタンたちが信仰の自由を求めてアメリカに渡り、
「涙と共に」種を蒔き、初めての収穫を祝ったことに原点がある。彼らはまさにゼロからスタートし
たのであった。 本日の聖書では、種を蒔く人の譬えが語られている。イエスは「道端」や「石地」や「茨の中」に
落ちた種の事例を挙げながら、宣教を妨げる要因がいかに多くあるのかを語っている。福音の宣教は
現代においても難しい課題である。しかし、たとえの主眼は、良い土地に落ちた種が成長し、30倍、
60倍、百倍もの豊かな実を結ぶことにある。4章後半の「成長する種」と「からし種」のたとえも
そのことを告げている。 32年の歴史を経たKLJCFは、これから先、どのように福音の種を蒔いていくのだろうか。
「良
い土地」に落ちる種があることを信じて、イエス・キリストの福音を、単に言葉だけでなく、挨拶や
笑顔や優しさや感謝の気持ちの表現などをとおして蒔き続けていきたいと思う。また、個々人の生活
においては、ピューリタンたちが困難な状況下でゼロからの出発をしていったこと、そして豊かな実
りにあずかるようになったことを憶えていたい。