2015.03 付き添い消費~商品選択時における外部意見の影響編

付き添い消費に関する
マーケティングデータ
~商品選択時における外部意見の影響 編~
朝日大学マーケティング研究所
調査概要
P.1
■調査手法
:
WEBリサーチ
■調査期間
:
2015年2月12日(木)~2月13日(金)
■調査対象
:
首都圏在住の30歳~69歳の既婚者で配偶者が同居している層
■有効回答
:
410名
【内訳】
男性
合計
30代
50名
40代
30代
50名
50名
40代
52名
50代
51名
50代
52名
60代
53名
60代
52名
204名
女性
206名
※本WEBリサーチでは 小物 については、「身の回りの小物(靴、バッグ、財布など)」と
表示して、アンケートを実施している。
1.アパレル商品を店で選ぶ際に重視する意見や評価
P.2
• 「自分自身の好み」が最も重視されるが、外部からの指摘のなかでは「同伴者の意見や評価」の重視比率が最も
高い。「自宅で待つ家族の評価」の重視度は低く、実際に買う局面での指摘のほうが影響力が強い。
• 男性は女性に比べて、「自分自身の好み」の重視度が弱く、「同伴者の意見や評価」の重視度が強い。男性は、同
伴者からの指摘に判断が揺らぎやすい。 ※男性の同伴者は主に妻(買い物行動編をご参照)
• 女性には、「友人知人」「店員」からの指摘を重視する特性が見られる。女性は商品選択に際して、外部に向けた
体面を配慮する。
■アパレル商品を店で選ぶ際に重視する評価
Q.ご自身で着用する衣類や身の回りの小物をお店で選ぶ際、次の各点はどの程度、重視しますか?
それぞれあてはまるものを選んでください。(各SA)
とても重視する
やや重視する
【自分自身の好み】
男性(n=204)
50.5%
35.3%
女性(n=206)
72.8%
25.2%
【同伴者の意見や評価】
男性(n=204)
10.8%
54.9%
女性(n=206) 6.8%
65.7%
46.1%
52.9%
【自宅で待つ家族の評価】
男性(n=204) 5.9%
女性(n=206) 3.4%
27.9%
23.3%
33.8%
26.7%
【身に着けた際の
友人知人の評価】
男性(n=204) 2.9%
女性(n=206) 7.8%
25.0%
27.9%
36.9%
44.7%
【店員のお薦めや評価】
男性(n=204) 4.4%
女性(n=206) 2.9%
29.9%
36.9%
85.8%
34.3%
39.8%
98.1%
2.アパレル商品に対する自分と同伴者の評価が異なる場合の対応
P.3
• 誰かと一緒にアパレル商品を買いに店に出掛けて商品を選ぶ際、商品に対する評価が自分と同伴者で異なる場
合、相対的に、男性は同伴者の意向を採用しやすく、女性は自身の意向を採用しやすい。
• 自分の評価が悪くても、同伴者の評価が良ければ、商品購入に踏み切ることが多い比率は、男性(47.4%)と女
性(28.1%)で約2割の差がある。男性が同伴者(=主に妻)からの指摘に揺らぎやすい傾向は、実際の選択行
動にも表れている。
• 女性60代は、自分もしくは同伴者の商品に対する評価が悪い場合、その商品の購入を諦める傾向が、他に比べ
て強い(=ケチが付いた商品は買わない)。
■自分が選んだアパレル商品に対する同伴者の評価が悪い場合の対応
Q.ご自身で着用する衣類や身の回りの小物をお店で買う際、自分が選んだ商品に対する同伴者からの評価が悪い場合、
どうしますか?(SA)
自分の評価を優先して、そのままその商品を購入することが多い
同伴者の評価を優先して、その商品は購入しないことが多い
男性(n=156)
43.6%
女性(n=121)
男30代(n=42)
56.4%
53.7%
46.3%
45.2%
54.8%
男40代(n=38)
42.1%
57.9%
男50代(n=35)
42.9%
57.1%
男60代(n=41)
43.9%
56.1%
女30代(n=35)
57.1%
女40代(n=34)
女50代(n=29)
女60代(n=23)
42.9%
61.8%
38.2%
51.7%
48.3%
39.1%
60.9%
■同伴者が選んだアパレル商品に対する自分の評価が悪い場合の対応
Q.ご自身で着用する衣類や身の回りの小物をお店で買う際、同伴者が選んだ商品に対する自分の評価が悪い場合、
どうしますか?(SA)
自分の評価を優先して、その商品は購入しないことが多い
同伴者の評価を優先して、そのままその商品を購入することが多い
男性(n=156)
52.6%
女性(n=121)
男30代(n=42)
47.4%
71.9%
28.1%
59.5%
40.5%
男40代(n=38)
47.4%
52.6%
男50代(n=35)
48.6%
51.4%
男60代(n=41)
女30代(n=35)
女40代(n=34)
女50代(n=29)
女60代(n=23)
53.7%
46.3%
68.6%
31.4%
64.7%
35.3%
69.0%
31.0%
91.3%
※上記の2票とも、 n = 衣類や小物を家族、 友人知人と一緒に買いに出掛ける人
8.7%
3.通販でアパレル商品を購入する際の外部意見の影響力
P.4
• 通販でアパレル商品を買う際に「自分独りで決めている」比率は、男性(46.4%)と女性(77.2%)で、3割以上
の差がある。男性には、通販でアパレル商品を買う際も、家族からの指摘を参考にする傾向が見られる。
• 女性は、低年代層ほど家族からの指摘を参考にする傾向が強まる。
• アパレル商品の購入場所は、今も店が中心であり、通販は少数派。通販のなかでは、インターネットの利用率が圧
倒的に高い。女性はカタログ通販も比較的よく利用する。
※ただし、調査方法がWEB調査であることには留意が必要である
■通販でアパレル商品を購入する際の外部意見の影響力 ※n = 衣類や小物を通販で購入することがある人
Q.通販で買う衣類や身の回りの小物を選ぶ際は、自分独りで決めますか?
それとも家族などに画面やカタログを見てもらって意見や評価を聞いてから決めますか?(SA)
自分独りで決めている
家族などの意見や評価を聞くことが、たまにある
家族などの意見や評価を聞くことが、よくある
家族などの意見や評価を、必ず聞いている
男性(n=97)
46.4%
33.0%
女性(n=127)
17.5% 3.1%
77.2%
男30代(n=29)
18.1%
41.4%
男40代(n=24)
31.0%
45.8%
男50代(n=25)
52.0%
男60代(n=19)
47.4%
女30代(n=32)
8.3% 4.2%
54.2%
28.0%
16.0% 4.0%
48.0%
15.8%
18.8%
75.7%
5.3%
9.4%
18.9%
79.4%
女60代(n=24)
22.8%
41.7%
31.6%
女50代(n=34)
53.6%
58.6%
27.6%
71.9%
女40代(n=37)
3.1%
1.6%
家族などの
意見を聞く計
83.3%
5.4%
52.6%
28.1%
24.3%
20.6%
20.6%
12.5% 4.2%
16.7%
〈 参考 〉 アパレル商品の購入ルート
Q.ご自身で着用する衣類や身の回りの小物は、お店と通販(カタログ、インターネットなど)では、どちらで買うことが多いですか?(SA)
ほぼお店のみを利用する
どちらも同じくらい利用する
男性(n=204)
どちらも利用するが、お店のほうが多い
どちらも利用するが、通販のほうが多い
52.5%
女性(n=206)
27.0%
38.3%
35.4%
お店中心
通販中心
3.4%
1.0%
79.4%
4.4%
7.3%
4.4%
73.8%
11.7%
16.2%
14.6%
〈 参考 〉 アパレル商品の購入に利用する通販の種類 ※n = 衣類や小物を通販で購入することがある人
Q.ご自身で着用する衣類や身の回りの小物は、お店と通販(カタログ、インターネットなど)では、どちらで買うことが多いですか?(SA)
92.8%
93.7%
男性(n=97)
女性(n=127)
36.2%
7.2%
15.5%
9.4%
テレビ通販
インターネット通販
カタログ通販
4.家族に相談せず、独断で買い物できる限度金額
P.5
• 「いくらであっても、相談なしに購入できる」とした比率は男女とも約2割だったが、「いくらであっても、相談しないと
購入できない」は、男性(11.8%)と女性(1.9%)で格差がある。
• アパレル商品に関わらず、配偶者に相談してからでないと買い物をできない人は、女性(=妻)よりも男性(=夫)
に多い。
• 高年代層ほど「いくらであっても、相談なしに購入できる」の比率は増加し、一存で購入できる買い物の限度額(加
重平均)も増える。
■家族に相談せず、独断で買い物できる限度金額
Q.衣類や身の回りの小物に関わらず、あなたが買い物で商品を買おうとする際、いくらくらいまでなら、
配偶者など家族に相談せずあなたの一存で買うことができますか?(SA)
家族に相談せず
一存で買える限度額
(加重平均)
いくらであっても、相談しないと購入できない
いくらであっても、相談なしに購入できる
11.8%
男性(n=204)
女性(n=206)
1.9%
16.0%
8.0%
男50代(n=51)
7.8%
¥102,050
22.0%
¥102,598
21.6%
15.1%
男60代(n=53)
¥116,557
24.5%
4.0%
女30代(n=50)
女60代(n=52)
¥56,950
10.0%
男40代(n=50)
女50代(n=52)
¥102,269
21.4%
男30代(n=50)
女40代(n=52)
¥94,902
19.6%
¥77,050
16.0%
1.9%
¥84,038
17.3%
0.0%
¥94,760
19.2%
1.9%
32.7%
¥152,260
※加重平均で平均金額を計算、換算値は以下の通り
・いくらであっても、相談しないと購入できない = 0円
・6~8万円未満 = 70,000円
・5千円未満 = 2,500円
・8~10万円未満 = 90,000円
・5千~1万円未満 = 7,500円
・10~15万円未満 = 125,000円
・1~2万円未満 = 15,000円
・15~20万円未満 = 175,000円
・2~4万円未満 = 30,000円
・20万円以上 = 200,000円
・4~6万円未満 = 50,000円
・いくらであっても、相談なしに購入できる = 400,000円
まとめ
P.6
付き添った妻からの指摘は、夫の買い物に大きな影響を与える
アパレル商品の購入選択時には、「自分自身の好み」が最も重視される。「自分自身の好み」をと
ても重視する比率は、男性(50.5%)と女性(72.8%)で2割以上の差があり、特に女性に強く
見られる特性である。
外部からの指摘では、同伴者からの指摘が最も重視される。その重視比率は男性で65.7%、
女性で52.9%となっており、男性のほうが高い。男性は商品選択にあたり、自分の好みを重視
する傾向が弱く、同伴者からの指摘を重視する傾向が強い。“買い物行動の実態編” で見たよう
に、男性がアパレル商品を店で買う際は、妻を伴うことが多い。夫の服選びには、妻が強く関わ
る。実際的に、男性は自分が気に入っても同伴者の評価が悪ければ買わないことが多く、自分が
気に入らなくても同伴者の評価が良ければ買ってしまうことが多い。
一方の女性には、「身に着けた際の友人知人の評価」や「店員のお薦めや評価」を重視する特性
が見られる。商品は自分自身の好みを重視して選ぶが、頭のなかでは友人や知人からの反応を
想定している。自分主導とは言え、外から向けられる目に気を配りながらの商品選択であるよう
だ。
男性は通販で買い物をする際にも家族に助言を求める
男性は店だけでなく、通販でアパレル商品を買う際も、家族などに意見や評価を求める傾向があ
る。通販での購入時に、「自分独りで決めている」のは、男性(46.4%)は半数未満だが、女性
(77.2%)は約8割と大差がある。逆に「家族などの意見や評価を聞くことがある」のは、男性(5
3.6%)が女性(22.8%)を大きく上回っている。
購入ルートがどこであれ、アパレル商品を買う際に自分独りで選べる男性は少数派であり、多数
は妻を中心とした家族からの助言に頼りながら、商品を選択する。
10万円までなら、家族に相談せず一存で買える
アパレル商品に限らず、配偶者などの家族に相談せず、自らの一存で購入できる限度額(加重
平均)は、男性が94,902円、女性は102,269円であった。高年代層ほど限度額は高い。
限度額には性差は見られなかったが、「いくらであっても、相談しないと購入できない」の比率は、
男性(11.8%)と女性(1.9%)で格差が見られた。既婚者家庭において、配偶者に相談しない
と買い物ができない人は、妻より夫に多い。
アパレル商品の場合、自らのセンスに自信がないことが男性が同伴者(=主に妻)から助言を得
る一番の理由であった(“買い物行動の実態編”をご参照)。男性のなかには、家計を預かる妻へ
の配慮から、買い物に付き添ってもらい、妻からの承認や同意を得たい理由もあるようだ。
センスだけでなく経済的な観点からも、妻の承認や同意は夫の消費行動に影響を与える。
トピックスリサーチ
付き添い消費に関するマーケティングデータ
~商品選択時における外部意見の影響 編~
発行日
2015年3月20日
発行・調査分析
朝日大学 マーケティング研究所
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