耕そう!! しまねの大地

しまね農業戦略
耕そう!
!しまねの大地
ダイジェスト版
平 成 2 7 年 1月
島根県農業協同組合設立委員会
目 次
1. はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2. 基本方針
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3. 主な「JAしまね」農業戦略 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1∼6
(1)JAしまねの一体的な営農体制
(2)島根県産農畜産物の評価向上と販売・生産の多様化
(3)販売の強化
(4)農家の生産・販売コストの低減対策
(5)担い手の育成
(6)共同利用施設の広域利用推進
(7)営農指導業務の強化
(8)農家経営支援業務の強化
(9)農地活用対策に向けたJAの役割発揮(JAによる農業経営)
(10)労働災害対応(農業労災)
(11)行政、関係団体との連携
4.「JAしまね」の農業振興支援事業の実施
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
5.「米穀部門」の具体策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8∼13
6.「園芸部門」の具体策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14∼22
7.「畜産部門」の具体策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23∼28
JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
「JAしまね」農 業 戦 略
1. はじめに
平成27年3月のJAしまね設立にあたり、組合員、生産者の農業所得の安定・向上に向け、更には農業を通じて地域
活性化に寄与すべき総合的な農業振興方策および営農、販売、経営指導の体制確立と実践をもって、担い手への支援
強化はもとより、JAが果たすべき役割の再認識と実行を基本として取り組みます。
米穀、畜産、園芸の各事業別に、取り組み方針と重点振興施策、振興すべき品目をより具体的に目標化し、
「JAしまね
農業戦略」として策定することにより、島根県や各関係機関とも連携・一体感をもって取り組むこととします。
2. 基本方針
島根県の農業は、米を中心とした水田営農で農家所得を確保してきたましたが、生産調整の見直しや米価の低迷
により、個々の農家による営農から、地域での農地集積をすすめ、集落営農組織(法人)や大型担い手による効率性
と、主食用米以外の品目を組み合わせた農地の高度利用を行うことで、農家所得の向上、地域の労働力活用を通じ
て、農業を通じた地域活性化対策をすすめます。
主食用米以外の品目取り組みは、米穀・雑穀類中心の組み合わせによるブロックローテーションによる農地高度
利用や、園芸、畜産への品目転換による高付加価値農業への経 営移行をすすめることが求められており、JAしま
ねとしてリーダーシップを発揮し、仕組みづくりや自ら行うサポート体制確立、広域連携による施設等の利用拡大
をすすめます。
3. 主な「JAしまね」農業戦略
(1)
JAしまねの一体的な営農体制
組合員の期待以上の機能発揮するため
に、地区本部の体制は維持強化し、本店と
地区本部が一体となった農業振興・販売
事業・指導事業を展開します。
(2)
島根県産農畜産物の評価向上と販売・生産の多様化
① 生産や品目の特徴を前面に押し出した契約、予約販売の比率
向上
②【米穀】食味、品質等の評価向上を目的に、特別栽培米でのつ
や姫を含めた主食用米の品種別面積計画などの県域戦略を
策定、必要な施設改修等の実施
③【畜産】和牛繁殖事業の活性化に向けたしまね和牛の評価向
上につながる産肉能力実証
④【畜産・米穀】耕畜連携の取り組みによる飼料用米の活用促進
⑤【米穀・園芸】共同利用施設の広域活用や必要となる施設導入
をすすめ、地域内での栽培選択肢の拡大と拡大品目への誘導
とロットの確保
1
JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
(3)
販売の強化
①地区本部連携販売体制を確立し、ロット確保による契約販売等による価格の安定化をすすめます。
②県内の卸業者、青果市場や量販店、店舗と連携し、島根県産の需要拡大と産地としての生産拡大をすすめます。
③食育活動や消費宣伝活動を強化し、島根県産農畜産物の消費拡大をすすめます。
④青果物では瀬戸内地域と京阪神地区を重点販売地域と位置付け、京阪神には県外事務所の設置を検討し、県内
産地への栽培候補品目の提案や、全農青果センターや大手量販店等との契約販売による品目提案を行い、島根
県内の農業振興に直結した機能をもたせます。
また、瀬戸内地域は近郊販売地域と位置付け、高速道路網の整
備により時間距離が短 縮したことから、消費地情報に基づく産地
化・販売対応を行います。
⑤農商工連携、異業種連携も含め、島根農畜産物や加工品の輸出対
応も視野に入れた産地化、6次産業化、販売対策を取り組みます。
(4)
農家の生産・販売コストの低減対策
①スケールメリット発揮のため、指導部門において生産資材の品目集約・統一に向けた試作・試験の実施
②生産資材(肥料・農薬・園芸資材等)の県域仕入先対応を本店に一元化し、品目統一にもとづくロット拡大と交渉
力発揮等、仕入機能の強化
③県域での物流体制の構築、一元的な在庫管理、取引条件の改善により、価格に反映できる事業効率化
現状の11JAの取り組み
新JAのしくみ(機能集中による事業効率化)
○
△
□
JA
JA
JA
JAしまね
本 店
取絡め
取絡め
取絡め
発 注
発 注
発 注
在 庫
在 庫
在 庫
配 送
配 送
配 送
組合員
組合員
組合員
各地区本部
取絡め
▶
取絡め
発注(取引条件整備)
管理経費低減による
価格の低減効果
在庫(集中在庫管理)
(生産者コスト低減)
配送(県域物流体制)
組合員
2
JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
生産資材を通じた農家のコスト低減の進め方
①事務・流通等の効率化 …… JAの管理コスト低減を価格に反映
②予約、大口購買の推進 …… 計画仕入、流通コスト低減による値引き対応
③振興品目に対する奨励 …… 県域、地域品目の振興に対する価格奨励の実施
④ホームセンター等対 策 …… 価格調査の実施による仕入先との交渉や価格の見直し対応の実施
上記の実施策の早期実践を通じて、
組合員の農業経営の安定化に努めていきます。
(5)
担い手の育成
①集落営農組織等の組織化推進と担い手への農地集積をすすめ、
水田営農での効率的収益性の上がる農業実践
②園芸品目や和牛繁殖においては、後継者や新規就農者の育成に
よる担い手づくりが必要であり、JAとして農業従事者の確保に
向けた栽培品目、経営提案
(6)
共同利用施設の広域利用推進
①共同利用施設の広域利用による産地拡大・生産コスト低減の取り組み
②効率化と機能強化を進める新たな共同利用施設の新設や改装等の実施
③農地の有効利用に向けた品目選択の拡大や、
ロットの拡大による販売面でのメリット発揮
新JAのしくみ(広域活用方式)
現状の共同施設の利用
○JA組合員
□JA組合員
JAしまね
○地区本部
組合員
利用
利用
利用
利用
利用
利用
産地拡大
労力 軽 減
面積拡大
コスト低 減
JAしまね
○地区本部
組合員
共乾施設
共乾施設
共乾施設
共乾施設
共乾選果場
共乾選果場
共乾調整場
共乾調整場
共乾調整場
共乾調整場
具体例:出雲地区本部と斐川地区本部の広域施設利用
米穀乾燥調製保管施設の広域活用計画
3
地区本部名
施設名(仮称)
広域利用品目
目 的
出雲
米穀低温倉庫(集約新設)
飼料用米
斐川
カントリーエレベーター(機能強化)
つや姫
振興すべき品目の
JA施設の効率活用
JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
(7)
営農指導業務の強化
①営農指導体制の強化、販売の多様化等、JAが統合することで農家組合員の期待に応えること
②営農指導担当者、販売担当者の育成と技術・知識向上
③本店に専任部署を設置することでの体制強化
④営農指導員は地区本部配置を基本とし、本店の総合指導課が島根県や市町村
と連携し地区本部支援、営農指導員の育成等を担う
⑤産地の広域化を目的とした先進地区本部の営農指導員の他地区本部での指導
会への参加や、産地育成への助言等が行える仕組みづくり
【営農指導のイメージ】
農家組合員
振興品目の連携
営農指導
現地指導の支援
経営指導
営農指導
他の地区本部
経営指導
地区本部
県・市町村
指導員の育成・指導計画支援・助言
農業振興連携
指導員育成支援
指導連携等
本店 総合指導課(米穀・園芸)・畜産部
(8)
農家経営支援業務の強化
①青色申告支援にとどまらず、農家経営の安定化・健全化をはかるための経営分析・
診断ならびに農業経営コンサルを含めた農業経営支援事業の実践
②農家経営指導員の資格取得や研修会での基礎知識の習得
③本店によるJA全体での資格取得と従事担当者の研修・育成
④青色申告会等の会員を対象とすることが基本となるが、JA全体の機能として白色
申告収支決算の組合員研修会の実践
(9)
農地活用対策に向けたJAの役割発揮(JAによる農業経営)
①JA自らが地域と連携して農地を活用する事業を展開することが
求められることから、JAしまねの農業経 営の方法や果たすべき
役割の協議をすすめる。
②JAによる農業経営に期待される役割
⑴ 地域の担い手不足を補い遊休農地を解消することで、地域環境
の保護や景観維持、災害等から地域を守ることにつながる。
⑵主力品目の生産や農作業受託を行うことにより、生産数量を確保
し、産地基盤の維持や、ブランド化の推進につながる。
⑶農地を預かることにより、組合員との関係維持、農業の大規模化
や法人化が進むことに加え、農業法人としての経 営・生産管理の
ノウハウを蓄積でき、大規模農家、農業法人に対する対応力の向
上につながる。
4
JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
③農業経営の機能例
⑴農地の利用権設定などによりJAとして営農を行う「農業経営機能」
○利用権設定による水田、畑地、樹園、工芸、施設園芸作物の栽培、畜産の生産
○遊休農地及び遊休ハウス施設、JA保有施設(RC・育苗施設等)の有効活用
⑵担い手育成のための研修事業等を行う「新規就農者育成機能」
○農業後継者、U・Iターン者・定年帰農者の研修受入や、研修目的による雇用
○研修生の就農希望者への施設や農場の紹介・譲渡、職員の独立支援(のれん分け)
⑶高齢農業者や地域住民の雇用を行う「雇用機会拡大機能」
○高齢者等が持つ生産・販売・機械操作・修理等の技術及び経理・管理能力の活用
○兼業農家・サラリーマン世帯の主婦・高齢者等の労働力の有効活用
⑷新規品目・品種、新技術、大規模経営確立を行う「農業経営実証機能」
○試験場等が開発した新たな品目・品種・作型や防除方法・肥料等の試験栽培
○地域ブランド確立のための新品目、新品種、普及品種の採種、採苗事業
○農家コスト低減に向けた資材等の開発、試験
○加工、流通などの六次産業化の実践や販売先の開拓
⑸農作業受託など、地域農業の営農支援事業等を行う「地域農業補完機能」
⑹地域及び都市住民との交流や食農教育体験等を行う「農業理解促進機能」
(10)労働災害対応
(農業労災)
①JAしまね設立を機会に本店に労働保険事務組合・特別加入団体
機能を集中
②地区本部を取扱窓口機能とすることにより、加入希望があっても対
応できなかった地域でも加入できる仕組みづくり
③集落営農組織、農業生産法人を中心に、労働災害の未然防止と
発生時の従事者支援ができる環境づくり
(11)行政、
関係団体との連携
①県域の視点での島根県、県域団体との振興連携
②県とJA、関係機関が連携した営農指導体制を構築し、
目標・計画の共有化と農業振興計画達成に向けた取り組み
の実施
③地区本部においても、県域振興と連携しながらも、市町村や地域関係団体と連携した農業による地域活性化の推進
④県域振興と地域振興の組み合わせや特性を生かした対策の仕組みづくり
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JA Shimane
主な﹁JAしまね﹂農業戦略
島根県の広域農業振興に対する補助事業の活用
(参考:平成26年度事業)
1.
広域的利用に向けた米共同乾燥調製施設整備事業
①施設の効率運用による生産者メリット(農家
経営のコスト削減)の発揮
②米の品質向上と農業者の利便性向上
③上記① ②の実現に向けた米共同乾燥調製
施設の高度化・再編整備への支援
2.
園芸産地再生担い手育成事業
①新規就農者の育成、既存生産者の規模拡大
を通した産地の再生
②近年の気象災害の頻発に対応する気象災害
に強い施設づくりの促進
③ 新たに開設 する果 樹、野菜 、花等 のリース
ハウス団地を対象
④上記① ②の実現に向けた施設リースによる
初期投資の軽減への支援
3.
肉用牛低コスト生産対策事業
① 新たな繁殖和牛経 営体として集落営農等に
よる省力化・低コスト化をすすめるための放
牧による和牛繁殖を推進
②導入しやすいJA・市町村・集落営農組 織等
によるリース方式での導入システム
③上記①②による繁殖雌牛に対する購入支援
上記の事業については、生産者や地域の話し合いで活用ができる事業ですので、
JAは県や市町村と一体となって、地域農業活性化に向けて取り組みます。
6
JA Shimane
4.「JAしまね」の農業振興支援事業の実施
JAしまね設立にあたり、過去2年間実施してきた「島根農業・農村振興支援事業」を発展的に見直し、
「JAしまね
農業戦略」に掲げた組合員の農業経営安定化や地域農業の活性化の実現に向かって、組合員が有効に活用できる支援
策を実施します。
また、引き続き国や島根県、市町村と連携し、島根農業及び農村の活性化に向けた取り組みを強化し、新たな農村
﹁JAしまね﹂
の農業振興支援事業の実施
システム作り、地域間での農業連携プログラム等の実現を通して、島根県全体の活性化に努めます。
1.
島根農業モデル対策支援事業
(1)JAしまねの農業生産振興・販売強化のためのモデル事業に対する支援
(2)地区本部を跨る広域的な農業施設利用に対する支援
例1・・主食用米および飼料用米等の水田利活用米穀の共同乾燥調製貯蔵施設の広域利用に
対する生産者負担費用の低減に対しての支援
例2・・園芸品目の出荷 調整 施 設や共選 施 設、育 苗施 設 等の広域 利用に対 する利用料に対
する生産 者負担費用の低減に対しての支援
(3)県域で重点的に振興を図る施策への支援
2.
県域品目生産拡大支援事業
(1)県域品目の規模拡大に伴う施設・農機具(生物含む)の導入支援
(2)県内農家向け水稲採種機械整備の導入支援
(3)酪農農業協同組合の生産基盤拡充と生産性向上のための支援
3.
地域農業振興対策支援事業
(1)地区本部で行う地域振興農畜産物の生産基盤強化に対する支援
(2)地区本部で行う地域振興農畜産物の品質向上施策に対する支援
(3)新たな地域振興農畜産物の導入に対する支援
(4)その他、地域振興農畜産物の生産性・収益性の維持向上につながる支援
4.
担い手と新規就農者
(新規UIターン者含む)
に対する支援
(1)新規就農者の生産に係る施設、農機、生物等(リース含む)の新規導入に対する経費への支援
(2)島根農業の担い手育成確保のための学費貸与(県立農林大学校生への奨学金制度)
(3)担い手の継続就農に向けた健康対策(担い手としてJAで認定されている団体等構成員および
個人に対しての健診受診料への支援)
詳しくは、最寄りの営農センター、営農指導員にお問い合わせください。
JAは組合員の皆様のための組織ですので、アイデアを出し合って取り組みましょう。
7
JA Shimane
5.「米穀部門」の具体策
1.
具体的な施策と手法
(1)
生産指導・販売対策
①「売れるものを作る・求められているものを作る」視点へ移行し、指導から販売までを1JAで行える強みを発揮します。
主食用米の播種前・収穫前契約比率目標
平成24年産実績
単位:数量/トン
平成25年産実績
平成29年産目標
集荷数量
契約数量
契約比率
集荷数量
契約数量
契約比率
集荷数量
契約数量
契約比率
42,570
19,915
46.8%
38,300
21,845
57.0%
43,250
28,100
65.0%
②主力品種である「コシヒカリ」「きぬむすめ」「つや姫」の品質面・食味面の向上に向け、平成29年産受入までには
全カントリーエレベーター・ライスセンターのふるい目を変更することを目指したモデル事業の取り組みを実施します。
③モデル事業の結果により、JAの施設を率先して更新し、生産者へも順次1.9㎜への更新依頼を行います。
【参考データ】H23∼26 島根県農業技術センターでの試験データ(試験品種:つや姫)
試験データ
項 目
データからの判断
1.85㎜
1.9㎜
整粒比率
72.1%
69.0%
乳白比率
3.7%
4.3%
検査等級数値
1等の下
2等の上∼中
タンパク含有率
6.3%
6.4%
食味値
73.4ポイント
72.6ポイント
1.85㎜
﹁米穀部門﹂
の具体策
1.9㎜
ふるい目の変更により、整粒比率が高まり、外観品質が向上し、
玄米タンパク含有率が低下し食味が向上する。
試験考察
平成24年産農家等が使用した1.9㎜以上のふるい目比率
宮城 97.9%
地域名
ふるい目の
1.9㎜以上の比率
地域名
ふるい目の
1.9㎜以上の比率
鳥取
0.6%
山形 79.7%
全国
33.7%
東海
13.8%
島根
9.2%
福島 38.3%
北海道
83.6%
中国
7.3%
岡山
1.2%
東北
80.9%
九州
6.9%
広島
7.6%
新潟 29.2%
北陸
57.3%
関東
3.6%
山口 18.6%
富山 88.6%
近畿
20.0%
四国
0.7%
秋田 72.2%
石川 41.4%
平成24年産農家等が使用したふるい目の統計データより
福井 97.5%
滋賀 67.9%
④食味計は統一したメーカーの導入・更新を行い、タンパク質含有率等の数値を活用した販売に向けたモデル事業を実施
し、他県よりも優れた面をPRし、事前契約比率の向上に取り組みます。
⑤日本穀物検定協会開催の食味コンテストの「特A」評価に向けて取り組み、島根県産米の認知度アップにつなげます。
⑥「島根県産つや姫」の販売にあたり、後述する生産振興と合わせて、平坦地域のコシヒカリからの品種転換による増産
に対応できるよう販売先の確保に努めます。
⑦実需者より要望のある中食・業務用向けの多収性品種についても、平坦地域の担い手を中心に試験栽培に取り組み
ます。
8
JA Shimane
(2)
モデル事業の実施
ふるい目の1.9㎜への変更並びに、食味計等の数値を活用した販売について、平成27年度より石見銀山地区本部、島
根おおち地区本部をモデル地区として、島根県や市町村と連携し、新たな視点での「島根県産米」の試験販売を行い、
「販売を起点としたものづくり」を進めます。
平成27年度水稲モデル事業の取り組み内容
平成30年からの生産調整の見直しが検討されている中、今後はますます産地間の競争が激しくなり、
消費者や実需者に選ばれる「島根県産米」を生産、販売をしていくことが重要となる。
よって、平成30年を見越し「販売を起点としたものづくり」を実践するため、
「1.9㎜のふるい目への変
更」と「食味計の導入」により、以下の取り組みを実施することとする。
【1.9㎜へのふるい目の導入について】
(1)現在の販売環境と進め方
①全国的に見ても30%以上の割合で1.9㎜のふるい目が使用
②米の主産県である北海道・東北等では80%以上が変更
③全農・
JAが販売している一部の取引先からも1.9㎜への変更の要望あり
④1.9㎜が市場では当たり前になってきているとの視点で、産地間競争を勝ち抜くために、
まずは他県と
﹁米穀部門﹂
の具体策
肩を並べるための変更
⑤西日本では1.9㎜への変更は先行的であるため、取引先の評価を踏まえて、
モデル地区本部を中心に
すすめる
(2)取り組み内容
①販売面では1.9㎜と1.85㎜でふるった同産地の米を取引先へ販売
し、外観・歩留まり
・食味等の評価実証
②生産面では1.9㎜でふるった場合の歩留まりの調査
【食味計の導入について】
(1)現在の販売環境と進め方
①指導部門の活用は多くのJAで実施しているが、販売面・集荷面で
の活用はほとんど実施していない
②取引先や消費者からは「美味しい米」が求められており、農産物
検査の等級による品質以外の食味等が一つの基準
③食味値やタンパク値等による概算金の価格設定の要望もある
④食味計で数値を計測し、基準値以上のものをトップ商品として位置づけた販売を行い、取引先の評価も踏
まえながら、平成28年産以降の概算金の価格設定ならびに買取り等の検討
⑤トップ商品との位置づけであり、上記の取り組みは1.9㎜のふるい目で選別したものを条件とする
(2)取り組み内容
①取引先の意向も踏まえながら品種を限定して、食味計で数値を計測し、一定基準以上のものを別仕分けし
て販売し、取引先からの評価を受ける
②トップ商品として、
「ごはん」にこだわる消費者をターゲットとし、食味や品質重視の米穀専門店や百貨店等
での販売が行える体制を構築する
※品種の選定と食味計で計測する基準(項目・数値)
については、
販売先の意向も踏まえて決定する。
9
JA Shimane
(3)
主食用米の品質向上に向けた対策
①品質向上に向けた品種誘導目標
将来的な島根県の主要うるち米(極早生品種は除く)の品種割合を「コシヒカリ」
50%、
「きぬむすめ」
30%、
「つや姫」
20%と設定し、
その目標達成のために4地区本部の平坦地域においてコシヒカリからの品種誘導を重点的にすすめ、当
面目標として、品種割合を平成29年産目標として取り組みを行います。
主なうるち米のJA別品種割合目標
JA名
単位:%
コシヒカリ
H24
H29
きぬむすめ
H24
H29
つや姫
H24
平坦地域
63.0
23.5
3.1
やすぎ
59.4
34.4
0.8
いずも
65.6
斐川町
28.0
51.7
9.7
平 均
57.0
33.7
2.9
雲南
89.0
8.7
0.4
隠岐
89.2
7.4
0.6
隠岐どうぜん
96.6
1.1
2.3
石見銀山
78.0
島根おおち
79.4
いわみ中央
77.4
18.1
0.1
西いわみ
78.8
18.5
0.9
平 均
83.1
13.0
0.5
県域全体
70.9
35%
70%
55%
31.5
20.1
9.3
22.6
40%
20%
30%
1.2
0.8
0.2
1.6
25%
﹁米穀部門﹂
の具体策
中山間地域・離島
くにびき
H29
10%
15%
②一等米比率目標
効率的作業の実践と担い手への集積を基本とし、
効率作業機械への更新による機能性向上と、
地域の労働力の有効活用
と効率作業化により適期作業、
適期収穫を実現することにより品質、
収量の向上を果たします。
(4)
「つや姫」の生産振興
①島根県産米の品質向上対策、生産者所得の向上対策としてコシヒカリから「つや姫」の品種誘導を図り、平坦地域を
中心にした県域での作付推進
②担い手で8割以上を作付するよう品種誘導と合わせた農地集積の実施
③生産者組織(部会)等の立ち上げにより統一した栽培暦の作成
④栽培方法の統一と合わせ、
タンパク含有率等の数値を基にしたトップ商品をつくり、条件をクリアした「米」については買取
りの実施、
「島根県産米」のPRによる生産者の生産意欲の向上対策の実践
10
JA Shimane
【JAしまねの「つや姫」栽培の考え方について】
1.
肥料・農薬(栽培暦)
の統一
販売先からの要望も強く、平坦地域を中心に品種誘導を図ってきていることか
ら、平坦地域を主眼において一定のロットを確保するために、特別栽培米として
肥料・農薬品目を初めとした栽培暦の統一に向けてすすめます。
2.
生産資材でのメリット発揮
肥料・農薬の大口ロットでの仕入れによる価格メリットや、販売面では「島根県産つや姫」としての
ブランド確立に向けた品目(肥料・農薬)の統一をすすめます。
3.
販売による差別化
統一品目(肥料・農薬)の使用と合わせ、食味計で数値を計測し、一定の基準以上のものについて、
概算金での価格差・買取り等の差別化を取り組みます。
(1.9㎜のふるい目の使用も合わせて検討を行う。)
4.
平成27年産以降のスケジュール
(案)
【平成27年産】①地区本部を超えた複数の地域での試験栽培と効果検証
②生産者組織の立ち上げ・栽培暦の作成
﹁米穀部門﹂
の具体策
③取引先への意向調査(精米表示、食味計での数値等)・周知
④食味計を活用した試験販売
【平成28年産】①栽培暦に準じた統一品目による栽培
②「島根県産つや姫」としての特別栽培米の販売
③食味計を活用した買取販売等の集荷対策ならびに販売
(5)担い手対策
耕地利用率の向上や、農地集積による効率的な農地利用に向け、集落営農組織や農業生産法人の育成ならびに農
地集積円滑化団体・農地中間管理機構と連携を取った農地集積・担い手集積率を向上させて、生産者自らが効率的
農業の実現を進め、地域農業の活性化と農地の有効活用が行えるよう取り組みます。
平坦地域では担い手集積率を50%、中山間地域・離島においては40%を目標とし、第1段として集落営農組織、農
業生産法人の立ち上げを中心に進めます。
なお、中山間地域等の担い手自体が不在の地域については、関係機関や地域と連携はもとより、JA出資型法人を
はじめとするサポート経営体による農地の維持に取り組みます。
(6)水田の有効活用
①生産調整による主食用米の面積減少が確実な中、主食用米と同様に「販売を起点としたものづくり」に重点を置き、実需
者からの要望を達成するために飼料用米(H29目標1,500ha)
・加工用米(H29目標400ha)
を重点戦略作物と位置づけ、
県域での取り組みを実施します。
②加工用米・飼料用米と麦・大豆等、地域特性を生かした品目でブロックローテーションによる効率的な農地活用・耕地利用
率の向上をすすめます。
③園芸品目への移行や繁殖用和牛の水田放牧等の他部門での水田活用により、水田の有効活用と地域の特徴を生かし
た水田農業の確立につとめます。
④県内の養鶏事業や肥育事業と連携し、飼料用米の生産拡大につとめます。
⑤広域での産地化を進めるにあたり、必要となる乾燥・調製・保管等の施設について、既存施設の広域利用を進め、生産者・
産地の施設の整備に係る投資低減と施設の利用率向上・生産者への利用料の低減メリット発揮につとめます。
11
JA Shimane
(7)販売手数料の統一
米穀に関する販売手数料においては、県域品目は統一設定し、一部の地域品目においては地区本部設定することとし
ました。当初、「うるち米・もち米・醸造用米」は540円/60㎏、「加工用米・備蓄米」は420円/60㎏の設定をしていました
が、米価相場の下落を勘案し見直しました。
県域品目の統一手数料基準については以下の通りとします。
品 目
設定方法
対 象
手数料基準(税別)
うるち米・もち米・醸造用米
定額制
60㎏あたり
490円
加工用米・備蓄米
〃
〃
365円
大豆
定率制
販売金額
4.5%
飼料用米・米粉用米
〃
〃
7.7%
採種(稲、大麦、大豆)
〃
〃
6.0%
なお、地域品目としている、大麦、小麦、はだか麦、特定米穀、規格外米、黒大豆、小豆、そば、ハトムギ、ひまわり種
子、その他雑穀については、地区本部販売のみの場合は、地区本部で手数料基準を設定できることとしました。
(8)倉庫保管料(案)
の統一
島根県の認可により決定となりますが、倉庫基準保管料は以下とおり統一することとしています。
基準保管料
適用品目
米 穀
30.09円/100㎏
米、籾
18.94円/100㎏
大麦、ビール麦
19.42円/100㎏
小麦
19.46円/100㎏
はだか麦
30.09円/100㎏
大豆、小豆、そば、その他豆、雑穀類
17.35円/100㎏
ハトムギ
麦 類
豆類雑穀
﹁米穀部門﹂
の具体策
種 類
(9)農産物検査料(案)
の統一
農林水産省の認可により決定となりますが、農産物検査料は以下のとおり統一することとしています。
種 類
も み
飼料用もみ
玄 米
飼料用玄米
大 麦
はだか麦
小 麦
大 豆
そ ば
量 目
20㎏以下
単 位
1包装あたり
金額(税別)
50円
上記以外のもの
1トン当たり
1,650円
―
1トン当たり
632円
30㎏以下
1包装あたり
35円
上記以外のもの
1トン当たり
1,115円
30㎏以下
1包装あたり
25円
上記以外のもの
1トン当たり
790円
25㎏以下
1包装あたり
15円
上記以外のもの
1トン当たり
470円
30㎏以下
1包装あたり
15円
上記以外のもの
1トン当たり
470円
30㎏以下
1包装あたり
15円
上記以外のもの
1トン当たり
470円
30㎏以下
1包装あたり
20円
上記以外のもの
1トン当たり
630円
22.5㎏以下
1包装あたり
40円
上記以外のもの
1トン当たり
840円
12
JA Shimane
(10)産地品種銘柄の検査対応
農林水産省の認可により検査対応の可否決定となりますが、以下の産地品種銘柄の検査対応を行います。
﹁米穀部門﹂
の具体策
13
種 類
銘柄区分
品 種 水稲うるち
もみ及び玄米
必須銘柄
きぬむすめ、コシヒカリ、ハナエチゼン、ヒノヒカリ
選択銘柄
つや姫、LGCソフト、春陽、夢の華、夢十色
水稲もち もみ及び玄米
必須銘柄
ココノエモチ、ヒメノモチ、ミコトモチ、ヤシロモチ
醸造用玄米
必須銘柄
改良雄町、改良八反流、神の舞、五百万石、佐香錦、山田錦
普通小麦
選択銘柄
農林61号
普通大粒大麦
選択銘柄
アサカゴールド、サチホゴールデン
普通はだか麦
選択銘柄
イチバンボシ
普通大豆及び
特定加工大豆
(大粒及び中粒)
必須銘柄
サチユタカ、タマホマレ
選択銘柄
ナカセンナリ、トヨシロメ、フクユタカ、青丸くん
JA Shimane
6.「 園芸部門」の具体策
1.
具体的な施策と手法
(1)生産基盤対策
①施設品目
⑴重点対象品目
県域基幹品目
ぶどう、メロン
広域拡大品目
いちご、トマト、ミニトマト、生しいたけ、青ねぎ、トルコギキョウ
⑵重点対策
リースハウスによる面積拡大を基本に、リース料の負担軽減に対する国、県及びJAと
して支援の仕組みづくりを行い、農地の流動化や集積等を組み入れた対応を進めます。
②露地品目
⑴重点対象品目
県域基幹品目
柿、梨、いちじく
広域拡大品目
キャベツ、たまねぎ、ブロッコリー、白ねぎ、枝豆、アスパラガス、あすっこ
⑵重点対策
圃場での管理作業の機械化体系をマニュアル化し、集落営農組織、土地利用型担い手での新規栽培、規模拡大
を基本とした低コスト栽培が可能となるよう県及びJAとしての支援の仕組みづくりを進めます。
(2)
販売の強化
①共通品目、振興品目は、本店において地区本部を超えた県域共同販売品目と位置付け、多様な販売手法で農家所得の
確保につとめます。
②県域共同販売品目は、選果場や調製施設の広域利用の拡充に合わせ品目拡大を進めます。
③県域でロットを集めることにより、契約販売、生協対応、全農青果センター等との継続取引を強化します。
④地域独自の品目や販売先が限定されている品目については、地区本部が引き続き販売します。
﹁園芸部門﹂
の具体策
(3)産地の体質強化
①担い手の育成・確保
担い手の育成・確保に努め、各産地での新規就農者の受入体制の整備策を実施し
ます。認定農業者や集落営農組織、農業生産法人、生産組織(部会)等へは、産地
において推進する品目ごとに振興策を設定し進めます。
(生産団地等を育成)
就農者育成研修受講者等への斡旋に向けて、遊休農地、遊休ハウス等の把握を行
い、就農や規模拡大の仕組みづくりを行います。
②生産コスト低減と経営安定対策支援
国、島根県、市町村と連携した施設・機械導入支援及びJA独自の支援を実施し、
計画的な産地育成と農家の経営安定を図り、さらなる産地拡大と地域の活性化を
進めます。
③野菜価格安定対策事業の活用
国をはじめ島根県、市町村と連携した価格安定事業を活用し、生産農家の経営安
定の下支え策としての取り組みを進めます。また、品目の広域拡大による複合産地で
の国事業の産地指定拡大に取り組みます。
14
JA Shimane
(4)施設の広域利用による産地拡大
(労力補完体制の整備)
①出荷調製作業の集約化(選果場・調製(整)施設)
県域での集約は距離的に課題が多いことから、東西に区分しての施設の集約、
効率化、農家支援を行える整備、利用計画とします。
【重点対策(例)】
JA西いわみ選果施設の活用による西部3JAの複合産地化での、
新たな産地化と生産者の拡大
トマト
JAいずもパッキングセンターとJAやすぎ調製場への選別調整
作業集約、県域共販の実施による計画出荷・契約販売の対応強化
アス パ ラガ ス
野菜・果実選果・調製施設(例)
柿・薬用人参
隠岐の島町
松江市
松
江市
たまねぎ・ねぎ
アスパラガス・枝豆
西ノ島町
斐川町
斐
川町
海士町
柿・花・きゅうり
アスパラガス・ねぎ
菌床しいたけ
知夫村
安来市
出雲市
奥出雲町
大田市
メロン・柿
飯南町
美郷町
柿・梨・栗
川本町
江津市
江
津市
邑南町
浜田市
浜
田市
益田市
益
田市
﹁園芸部門﹂
の具体策
メロン・トマト・柿・栗
メロン・柿・白ねぎ
西部地区での、選果場集中化
メロン、トマト、柿、梨
津和野町
津
和野町
吉賀町
吉
賀町
②育苗作業集約化(育苗施設の広域活用)
県域での集約は距離的に課題が多いことから、東中西に区分して施設の集約、
効率化、農家支援を行える整備、利用計画とします。
【重点対策】
・品目振興にかかる拠点育苗施設の設定(東中西の3拠点育苗センターの設定)
・良質苗を安定供給するための拠点育苗施設の高度化
15
梨・アスパラガス
雲南市
東部地区での、選果場集中化
たまねぎ、メロン、柿
JA Shimane
園芸育苗施設
隠岐の島町
松江市
松
江市
西ノ島町
●
●
斐川町
斐
川町
●
海士町
海
士町
●
出雲市
知夫村
夫村
●
安来市
雲南市
●
●
奥出雲町
大田市
●
飯南町
美郷町
江津市
江
津市
●
川本町
●
邑南町
●
浜田市
浜
田市
●……既 存 施 設
●
益田市
益
田市
…広 域 連 携 範 囲
津和野町
津
和野町
吉賀町
吉
賀町
育苗施設の広域活用
①県域での集約は距離的に課題が多いことから、東中西に区分して施設の集約、効率化、農家支援を行える整備、
利用計画の策定
②必要な施設の拡充にあたっては、産地拡大計画と並行して設計し、早期に実現できる体制確立
﹁園芸部門﹂
の具体策
③農家のコスト低減と良質苗生産の実践
(5)販売を起点としたものづくり
①農産物の高付加価値化による生産振興
産地縮小の要因の一つとして市場価格の低迷があり、従来の青果としての販売だけではなく、消費動向や実需者ニーズ
をふまえ、品目特性と付加価値販売の手法を組み合わせ、農家所得の向上による産地の活性化、産地再生を進めます。
【付加価値対策例(JAいずも)】○西条柿⇒あんぽ柿生産拡大への取り組み強化
・遊休園地の掘り起こしによる原料供給圃場の確保を検討
・リース化園地の事前開園
・生産量拡大にかかる加工施設の新設を検討
②加工業務用野菜の取り組み
集落営農組織や農業生産法人等の園芸品目の取り組み強化をはかるためには、従来の市場出荷だけでなく収入が安定
する契約的加工業務用野菜の取り組みを機械体系の導入と併せ推進し、
それにより新規産地育成や産地拡大を進めます。
16
JA Shimane
【加工業務用キャベツの取り組み事例】
JA
平成24年度
出荷先
重量
平成25年度
金額
単価
くにびき
青果市場
817,540
67,278,005
82.3
541,170
加工用
92,700
5,562,000
60.0
910,240 72,840,005
青果市場
516,730
加工用
20,400
計
斐川町
計
金額
重量
単価
重量比
25/24
出荷方法
57,131,034 105.6
66.2
80,100
4,806,000
60.0
86.4 12㎏コンテナ
79.9
621,270
61,937,034
99.7
68.2
38,101,466
73.7
248,910
24,157,716
97.1
48.2
1,224,000
60.0
52,500
3,150,000
60.0
537,130 39,325,466
73.2
301,410
27,307,716
90.6
257.4 300㎏コンテナ
56.1
(6)販売手数料の統一
JAしまねの設立にあたり、園芸に関する販売手数料は県域品目で統一設定し、地域品目においては地区本部設定する
こととしました。
県域品目の統一手数料基準については以下の通りとします。なお、地域品目としているものは地区本部で手数料基準を
設定します。
品 目
設定方法
対 象
手数料率
定率制
販売金額
3.5%
〃
〃
4.0%
入札手数料
〃
〃
2.0%
販売手数料
〃
〃
2.0%
ぶどう、キャベツ、あすっこ
たまねぎ、ブロッコリー、青ねぎ、白ねぎ、アスパラガス、
枝豆、生しいたけ、柿、メロン、トルコギキョウ
緑 茶
﹁園芸部門﹂
の具体策
(7)
出荷資材、
流通等のコスト低減策
販売の一元化による出荷資材の統一や、本店を核とした県域での共同購入体制によるロットメリット対応により、生産者
のコスト低減に努めます。
また、県内需要を補う生産量がないことや、東西に長いことや消費市場の偏りにより輸送等の流通が課題となっており、
流通業界や青果市場と連携し、県内輸送体制確立に向けた協議と、産地振興による出荷品目数、数量等の拡大を取り組み
ます。
(8)
出荷資材への表示の統一
①「JAしまね」に変更し、
「島根県産」は必須記載とし、産地の表示は
「地区本部名」で記載、市町村、行政名は任意表示とします。
②検査印の表示事項は右記の通りとします。
③「共撰」の表示は「共販」表示
検査印
検査済
JAしまね
地区本部名
現在の出荷ダンボール、出荷資材等は、基本的には継続使用
できることとしています。
詳しくは、JAの担当指導員、販売担当者にご確認ください。
17
JA Shimane
2.
県域基幹品目の振興方策
(1)施設・園地の流動化促進
利用権設定等を活用した、施設、園地の流動化を促進し、産地としての財産を次代の
生産者が有効に活用できる仕組みづくりを行います。
施設流動化に向け、リース料等に関する貸出農家と借受農家の調整が必要であるこ
とから、島根県と市町村、JAが連携しモデル事業等を検討します。
(2)継続栽培者の生産性向上対策
果樹に関しては、施設の老朽化、樹体の老木化が深刻な課題となっていることから、
生産者組織を中心に優良系統および推奨品種への更新作業をすすめ、園地の若返り
を進めます。
(3)
ハウス施設、
棚施設等の新規団地の開設
果樹、メロン等で、土壌病害等の蔓延や都市化による廃作も面積減少の原因となっ
ているので、新たな園芸、果樹団地の設置によるハウスリース化を進め、後継者・新規
就農希望者を新たな産地化誘導者として環境整備を進めます。
島根県と連携した県域での振興計画と、市町村を含めた産地協議会での農業振興
策として充分検討し、リース料の負担軽減策等も検討します。
県域基幹品目「ぶどう」
振興具体策
1.栽培面積の維持・拡大
①就農者育成研修の県域普及による担い手の育成・確保
②リースハウスの設置(補助事業活用)
③遊休園地の把握と就農者への斡旋による栽培面積の減少を最小限に
食い止める施策の実践
﹁園芸部門﹂
の具体策
④既存栽培者の施設更新への支援
⑤栽培面積、生産目標(平成24年3月策定 島根県果樹農業振興計画より抜粋)
品目名
平成22年度実績
平成32年度目標(H22対比%)
栽培面積(ha)
生産量(t)
栽培面積(ha)
294
2,700
234(80) 2,520(93)
ぶどう
生産量(t)
2.単収、品質向上
①改植を進めることによる生産性の向上(デラウェア)
②農業振興支援資金による苗木代助成や改植事業実施
③養液土耕栽培の普及拡大(補助事業活用)による単収向上
④産地維持を図る複合経営としてのシャインマスカットの導入推進を進める
シャインマスカットの生産状況
項 目
H23年実績
H24年実績
H25年実績
H25/H23
面積(ha)
17
20
23
135%
出荷量(t)
18
44
67
372%
販売金額(千円)
31,533
61,207
84,609
268%
18
JA Shimane
県域基幹品目「柿」
振興具体策
1.販売対策の見直し
京阪神における生果の西条柿需要は、近隣産地からの
入荷による充足感もあり伸び悩み傾向にあり、販売単価の高値安定はなかなか見込めない状態にある。
反面、
「あんぽ柿」の評価は、贈答用での対応要請が増していることから、加工重視の視点と加工・冷蔵保管
管理の整備を行い、歳暮商戦や次年度の中元商戦での販売を強化することにより、農家所得の向上を図る。
県内では各産地において干し柿加工が行れていることから、県内で「あんぽ柿ブランド」を統一し、計画的な
取り組みを行う。
また、既存の系統から、加工に向いている品種の選抜を行い、高接ぎ方式等による系統更新を計画的に実施
する。
2.栽培面積の維持・拡大
園地の維持拡大に向けて、栽培希望者への園地流動化対策として、事前の園地造成や廃作園地の把握を行
い、新規栽培者の早期所得対策を実施する。
柿の生産状況
単位:ha、t、百万円
項 目
S60
H2
H7
H12
H17
H22
H22/S60 H22/H12
面 積
680
786
801
663
572
478
70.3%
72.1%
生産量
3,180
3,000
3,390
3,340
2,770
2,050
64.5%
61.3%
産出額
722
723
965
648
512
600
83.1%
92.6%
県域基幹品目「メロン」
振興具体策
1.メロンを核とした輪作体系の確立
輪作体系を策定し、メロンの後作品目を導入することにより施設費等の生産コストを補える経営体系とする。
﹁園芸部門﹂
の具体策
例:メロン輪作体系(JA西いわみ)
1
2
3
※◎播種 ▲定植 ■収穫期間
4
5
6
7
8
9
10
11
12
アムスメロン
秋作アールス
ちぢみ小松菜
2.栽培面積の維持・拡大
①現状各JAで取り組まれている就農者の育成研修体制等の効果的事例を
県域に普及、拡大することでの担い手の育成・確保
②リースハウスの設置(補助事業)とリース料補助
③遊休ハウスの把握と就農者への斡旋による栽培面積の維持
④既存栽培者の施設更新への支援
メロンの生産状況
項 目
19
単位:ha、t、百万円
S60
H2
H7
H12
H17
H22
H22/S60 H22/H12
面 積
76
122
100
81
66
54
71.1%
66.7%
生産量
1,860
2,920
2,300
1,990
1,630
1,120
60.2%
56.3%
産出額
611
1,144
1,051
816
615
500
81.8%
61.3%
JA Shimane
3.
広域拡大品目の振興方策
(1)共同販売体制等の整備
契約販売率の向上に向け、複数地区本部での共同販売体制を確立し、本店を中心とした販売強化による所得向上対策
をすすめます。
(2)選果施設や調製施設の広域利用化
既存の選果施設や調製施設の広域利用をすすめ、作業分担の明確化、労力軽減、規模拡大の条件の整備により生産
拡大を取り組みます。
(3)県内青果市場との連携
県内での物流体制の整備を含め、県内青果市場と連携し栽培品目、栽培時期等の協議の場を設置し、県内への安定
供給をすすめます。
(4)営農指導によるバックアップ
広域拡大品目の振興にあたっては、本店総合指導課による機能発揮に加え、地区本部を超えた既存産地の営農指導
員の技術の広域展開を行い、先進産地技術の導入が図りやすい支援体制を確立します。
広域拡大品目「キャベツ」
1.生産目標と振興対象者
生産面積 平成25年度 86.6ha ⇒ 平成29年度 120.0ha
振興対象 集落営農組織、農業生産法人、水稲単作農家
2.振興具体策
(1)機械化体系の導入と作業受委託組織の体制整備
定植、収穫労力の軽減のため定植機・収穫機・防除機等の導入により栽培者毎の面積拡大や集落営農組織
等の取り組みに向けて、共同利用も視野に入れた導入を進める。
機械導入に合わせ労力補完を目的とした作業受委託組織の体制整備を進める。
(2)広域共同育苗
﹁園芸部門﹂
の具体策
東、中、西に拠点育苗施設を設定し、栽培計画に連動した苗供給体制を拡充する。
(3)加工業務用への取り組み
全農本所、全農青果センターと連携し、夏秋キャベツの出荷を検討するとともに、新たな販売先の開拓に向け
て協議を進める。資材経費低減の取り組みとして、通いコンテナによる出荷のシステム導入を進める。
加工用キャベツの取り組み事例(JA斐川町)
栽 培 品 種: 青果市場用品種を基本に、加工専用種「冬まどか」を採用した
取 引 先: アグリ島根⇒MCプロデュース
栽 培 管 理: 専用圃場での取り組みで、株間を40㎝に広げ大玉栽培用の指針を作成し栽培しているが、肥培管理等
でまだ改良の必要がある。市場出荷規格の6∼8玉規格中心で3.5t/10aとなっていることから、4∼7玉
規格とし5t/10aの実現に向け取り組む
今後の方法: 集落営農等の取り組みにより、今後も拡大の見込み
近年の加工用キャベツの実績(冬キャベツの4月へのずれ込みを含めた実績)
単当換算
年度
区分
栽培面積
(a)
出荷数量
(kg)
単価
(円/kg)
販売金額
(円)
H24年度
実績
55.0
20,400
60
1,224,000
3,709
222,545
H25年度
実績
165.0
58,000
60
3,480,000
3,515
210,909
H26年度
計画
300.0
150,000
60
9,000,000
5,000
300,000
収量(kg)
販売金額(円)
20
JA Shimane
広域拡大品目「トマト」
1.生産目標と振興対象者(西部地区)
生産面積 平成25年度 9.0ha ⇒ 平成29年度 15.0ha
振興対象 集落営農組織、農業生産法人、リースハウス団地参入者
2.振興具体策
(1)販売手法の広域化
西部の3JAを中心に夏秋作をメインとした複合産地化を進め、出荷市場の集約と東部地区への輸送による
県内充足率の向上を進める。東部地域においても、個選での産地拡大を地区本部別に進める。計画出荷、コン
テナ利用等コスト低減策を実施する。
(2)リース団地による集団化
西部地区を中心に個々の農地で点在していたハウスを、ハウス団地を整備し生産技術の徹底や、新規生産者
への指導の徹底も図れる生産環境を整備する。
(3)補助従事者、労力補完体制での支援
選果選別の共同選果場利用の上に、収穫・管理作業の労力補完体制を整備し、規模拡大が図れる環境整備
を進める。
(4)県内市場への充足率の向上
ミニトマトも含めて、西部地区から東部の市場への出荷や、東部地区での栽培拡大による計画出荷を行い、
県内市場への供給責任を果たす。
(5)集落営農組織、農業生産法人での取り組み強化
水稲育苗の後作として、夏作(7∼9月収穫)の導入を進め、将来的には地域の女性組織員等の就農の場と
して専用ハウスによる栽培への移行を促す。
品目的には、ミニトマトも視野に入れた検討を行う。
広域拡大品目「アスパラガス」
1.生産目標と振興対象者
﹁園芸部門﹂
の具体策
生産面積 平成25年度 9.8ha ⇒ 平成29年度 18.0ha
振興対象 集落営農組織、農業生産法人、リースハウス団地参入者
2.振興具体策
(1)選別調整作業の集約化
アスパラガス選別調整作業の集約計画(平成29年度計画) 単位:㎏、ha
集約施設
地区本部名
くにびき
やすぎ地区本部
調製場
出雲地区本部
パッキング
センター
やすぎ
取扱(H24) 調整量計画(H29) 面積計画
105
6,195
雲南
32
出雲
55,993
斐川
6,696
石見銀山
2,895
西部地区
合 計
21
71,916
18,000
6.0
(2)空きハウスの有効活用
県単事業を活用した遊休施設
の新規栽培者への活用斡旋
(3)補助従事者、労力補完
体制での支援
80,000
10.0
6,000
2.0
104,000
18.0
共同選果場利用と収穫・管理
の労力補完体制整備による規模
拡大への環境整備
(4)県域(西部)への生産拡大
西部地域における地元市場出
荷を目指した産地振興を共同利
用調整施設の拠点新設で対応
JA Shimane
広域拡大品目「トルコギキョウ」
1.生産目標と振興対象者
生産面積 平成25年度 8.9ha ⇒ 平成29年度 15.0ha
振興対象 集落営農組織、農業生産法人、女性就農者
2.振興具体策
(1)栽培対象者(県プロジェクト資料より抜粋含む)に対するアプローチ
当面の間は技術指導面を県との連携事業としての重点事項と位置付け、栽培から所得の確保までの支援体
制をもって、県域を振興モデルとして取り組む。
(2)広域共同育苗
東部、中部、西部地区に拠点育苗施設を設定した広域共同育苗体制に集約し、施設間の技術交流による育
苗技術の向上と育苗作業の労力軽減、栽培計画に連動した良質苗供給体制を拡充する。
(3)流通対策
現在、複数JAによる連携輸送体制がスタートしていることから、JAの合併による総合物流改革による更な
る効率化連携を取ることが可能となる。
(4)県との連携
県のトルコギキョウプロジェクトがJAも含めた体制で振興方針・振興課題を整理しながら、現場対応も行っ
ている。
明確な課題に対しては、県農技センターはもとより農業普及部がリーダーとなり対応策の研究、普及に努めて
いることや、販売環境としても島根オリジナル品種の評価が高いことをから、個人はもとより集落営農組織等の
育苗ハウスの後作品目としての品目振興をはかる。
﹁園芸部門﹂
の具体策
22
JA Shimane
7.「 畜産部門」の具体策
1.
和牛産地再生に向けた具体的な施策と手法
(1)繁殖和牛産地再生に向けての目標に掲げ、
対策を講ずる。
①平成29年度の子牛市場出荷目標は6,000頭
項 目
H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 H29年度
5,441
出荷頭数(頭)
5,308
5,450
5,600
6,000
②稲わらの活用や堆肥還元等による地域内循環農業の実現と、放牧による低コスト・省力化、及び獣害の軽減
③集落営農組織等による、米と畜産の複合経営での集落維持対策の提案
④地域とJA・畜産農家が一体的な取り組みを行うことで、和牛子牛の増頭による畜産の所得安定(酪農事業での受精卵
移植による和牛子牛生産等)
⑤JAの繁殖センター、キャトルステーション、肥育センターの広域活用を行うことによる飼養農家の維持拡大対策と、担い
手育成支援の実施
島根県の和牛繁殖事業の産地再生計画イメージ図
共同利用施設を活用した循環型和牛繁殖産地化と施設を活用した担い手育成
肥育事業
繁殖事業
酪農事業
肥育センター
繁殖農家
★ 優 良 種 雄牛の評価試験
★ し ま ね 和牛の市場評価
★ 県 有 種 雄牛産肉能力実証
集落営農組織(放牧)
★受精卵移植による和牛子牛生産
での所得確保
★和牛子牛の増頭対策
採卵
受精卵移植事業
(ET事 業 )
酪農家との作業機能分担
採卵
繁 殖 センター 機 能
① 繁殖事業の維持対策
② 放牧事業との複合対応
③ 採卵牛(供卵牛)
④ 農家の繁殖牛の一時預かり 等
キャトル ス テ ー ション 機 能
①子牛管理の農家労力軽減
②統一管理による生育の良い子牛生産
③繁殖農家の維持、増頭対策 等
地域とJA・畜産 農 家 が 一 体 と な っ た 和 牛 子 牛 の 増 頭 対 策
﹁畜産部門﹂
の具体策
しまね和牛の産地再生!
和牛子牛市場
全国へしまね和牛を発信!
・・各施設を活用し、就 農 希 望 者 研 修 や ア パ ー ト 牛 舎 方 式 で の 飼 養 実 践 ・ ・
23
JA Shimane
(2)繁殖産地維持対策
①JA施設を活用した飼養農家の維持拡大対策と担い手育成
②集落営農組織等を新たな繁殖経営参入対象と位置付けた繁殖基盤整備
③堆肥を活用した循環型農業への取り組み
④集落営農組織等との連携による稲わら収集等の体制確立
(3)生産者の省力化支援と経営拡大(高齢者、
集落営農組織、
担い手対象)
農家の飼養管理に係る作業労力の省力化と生産コストの低減に向け、水田や緑地帯、遊休農地等を活用し、広域利用
が可能な放牧場への整備を行います。
放牧飼養の拡大と和牛ヘルパー制度の拡充を進め生産基盤の拡大を図ります。
(4)繁殖センターの設置による繁殖基盤確保
①親子分離による省力化と母牛の分娩間隔の短縮実証(早期離乳)
②妊娠後期の給餌管理徹底実証
③県種雄牛の活用による繁殖率の向上実証と放牧によるコスト低減実証
④繁殖雌牛に係わる農家の労力軽減と繁殖雌牛の維持対策
⑤繁殖農家の雌牛一時預かり(マザーステーション機能)と後継・新規就農者の研修育成
⑥受精卵移植のための供卵牛の飼養(採卵)
⑦繁殖素牛の供給(マザーステーション機能)
(5)施設の有効活用
(肥育・繁殖を含めた広域施設活用)
隠岐の島町
松江市
西ノ島町
斐川町
海士町
安来市
出雲市
知夫村
雲南市
奥出雲町
大田市
飯南町
美郷町
広域畜産センター整備計画地域
江津市
川本町
邑南町
浜田市
肥育施設
益田市
繁殖施設
キャトルステーション予定
津和野町
﹁畜産部門﹂
の具体策
吉賀町
畜産共同利用施設
①現在計画中の「雲南総合畜産センター」を、産地である雲南地区本部をモデル地区と位置付け設置する。
②統合後の畜産施設については、効率化運用と将来的な県域活用を本店と地区本部が連携し進める。
③隠岐・隠岐どうぜん、石見銀山・島根おおち、いわみ中央・西いわみの3広域地域での「広域畜産センター」設置を
検討する。
24
JA Shimane
(6)
モデル事業としての畜産総合センターの設置
畜産事業で対策を講ずる必要のある機能を集約した「畜産総合センター(仮称)」計画を受けて、平成27年度に雲南地
区をモデル地区に設定し、機能整理、施設改修を行い、島根県や市町村と連携し、地域内における飼養農家と畜産セン
ターの機能分担による畜産産地活性化に向けた取り組みを行います。
平成28年度以降に、隠岐地区(隠岐、隠岐どうぜん)、石見銀山・島根おおち地区、いわみ中央・西いわみ地区におい
て、複合機能を有する広域畜産センターの設置希望があり、雲南地区本部でのモデル事業が重要となってきます。
雲南地区本部管内での「畜産総合センター」による波及効果
1.
取組
①改良対策
・繁殖牛の台帳整備を行うことにより、戦略的交配種雄牛の指定交配の指導を実施し、生産子牛の
斉一化や産肉能力の高位平準化を図る。
②増殖対策
・集落営農等による新たな繁殖基盤や遊休畜産施設を活用した繁殖センター等を整備し、繁殖基盤の
拡大維持を図るとともに、キャトルステーションの設置による繁殖農家の労力削減、生産された子牛の
斉一性を図り、良質な繁殖素牛・肥育素牛の生産体制を構築する。
③肥育・加工流通対策
・肥育素牛として指定交配産子の積極的導入を行うとともに、定期的な指導・検討体制の再構築によ
り、枝肉成績の高位平準化を図る。
・消費者がわかりやすい、おいしさの目安の数値化等を行うことにより、新たな「しまね和牛肉」の
ブランド化強化を図る。
﹁畜産部門﹂
の具体策
25
JA Shimane
(7)繁殖雌牛の改良対策
①血統、能力及び体型調査に基づく台帳の整備
②新たに選抜された県有種雄牛の血統に基づく交配の推進
③雌産子の保留の実施(保留指導)
(8)肥育事業(肥育センター)
との連携
①県有種雄牛の産肉能力実証
②産肉能力実証により、しまね和牛のブランド化をはかり、子牛市場の活性化
③繁殖和牛の子牛価格下支えの役割
(9)担い手育成
①JA施設を活用した、新規就農希望者の研修対応
②研修後のアパート牛舎方式による飼養実践
③飼養頭数拡大に向けた導入支援と預託方式による対応強化
④JA施設での飼養農家の後継者就農までの繁殖雌牛の預かり飼養管理の実施
(10)受精卵移植事業による増頭対策
①受精卵移植による酪農家との連携(酪農事業の副産物収入の拡大)
・乳牛に和牛の受精卵移植(県内の乳牛10,000頭の内2,000頭)
・補助施策の導入により、受精卵移植の農家負担軽減
・キャトルセンターを活用し、産子を統一した飼養管理による
子牛生産の実践
②育種価情報により繁殖雌牛を繁殖農家へ供給
③繁殖センターと連携した供卵牛の飼養(採卵対策)
2.
酪農、
養鶏、
養豚事業に対する具体的な施策と手法
(1)酪農事業
JAしまね設立後は、本店機能で中国生乳販売農業協同組合連合会と
一体となって県域生乳販売の機能発揮を行います。
産地振興面では、引き続き乳用雌牛の導入支援や預託事業により経営
の安定化につとめ、販売面では、JAしまねとして関係団体と連携し牛乳
の消費拡大運動を継続します。
﹁畜産部門﹂
の具体策
また、酪農経営の安定を目的として、乳用雌牛の借り腹による和牛の受
精卵移植での和牛子牛生産による副産物収入の拡大に向けたシステム作
りを畜産総合センターモデル事業により行い、複合的な畜産産地化を目指
します。
26
JA Shimane
(2)養鶏事業
飼料高騰による経営への影響がある中で、より安全で安心して食卓に上
がる鶏卵の生産に向けて、県内産飼料用米の流通効率化による適正価格
の維持を取り組みます。販売面では、県内のJAグループの店舗での島根県
産鶏卵の販売を促進し、地産地消、島根県産飼料用米による養鶏事業の
安定をすすめます。
また、県内産のシェア拡大に向けた商系スーパー等との商談を強化し、安
定的な販売先確保の実現による経営の安定化と、伝染病対策としての飼養
施設の高度化等をすすめます。
(3)養豚事業
国の振興している飼料用米の利活用については、新たな需要者としての
期待が高く、県内産飼料用米を生かした島根県産豚肉の生産・販売を促進
し、島根県産飼料用米の利活用と地産地消の推進による養豚事業の安定
をすすめます。
また、県内産のシェア拡大に向けた商系スーパー等との商談を強化し、安
定的な販売先確保の実現による経営の安定化と、伝染病対策としての飼養
施設の高度化等をすすめます。
3.
畜産事業全般での考え方
(1)販売手数料の統一
県域品目の統一手数料基準については以下の通りとします。
品 目
手数料基準
子 牛
1.0%
成 牛
1.0%
肉 牛(枝肉)
1.0%
肉 豚
1.0%
備 考
生乳は、現状の手数料体系を基本とします。
鶏卵は、販売先や販売手法による現状の手数料体系を継承します。
(2)預託事業の実施
﹁畜産部門﹂
の具体策
JAしまね設立後は、繁殖用雌牛、肥育用子牛、乳用牛の導入に対する預
託事業を実施する。なお、預託利率は県下統一とし2%とします。
また、預託頭数の限度頭数は肥育牛と乳用雌牛においては現状の経営規
模を上限とし、繁殖雌牛は経営規模の2倍を限度頭数と設定します。
27
JA Shimane
(3)家畜市場の開設と手数料
現在開催している、県内6か所(中央、西部、西郷、浦郷、海士、知夫)の家畜市場はJAしまねが開設者となり、継続し
て地域畜産振興につとめます。
各市場機能に対する市場手数料は現状を踏襲し、以下の通りとします。
区 分
市 場
徴収料金
項 目
料率・金額
徴収先
和 牛
4%
販売申込者
乳牛・雑種牛
2%
販売申込者
売 買
1%
販売申込者
本人取り
0%
初せり
0円
再せり
300円
販売申込者
購買手数料
2,000円
購買者
売買手数料
0%
売買手数料
子 牛
全市場
再セリ手数料
市場入場料
一 般
中央市場
市場入場料
(成牛)
一 般
中央市場
(ヌレ子)
初せり
3,000円
当日再せり
0円
当日決済手数料
1%
販売申込者
購買手数料
1,000円
購買者
売買手数料
0%
市場入場料
初せり
3,000円
当日再せり
0円
売買手数料
隠岐市場
(成牛・馬)
市場入場料
1,000円
購買者
売 買
1%
販売申込者
本人取り
0%
初せり
300円
販売申込者
当日再せり
300円
販売申込者
購買手数料
肉 牛
枝 肉
売買手数料
販売申込者
(対象外)
当日決済手数料
購買手数料
一 般
販売申込者
0円
県内市場
2.5%
販売申込者
県外市場
1.5%
販売申込者
﹁畜産部門﹂
の具体策
28
しまね