救 急 統 計 - 倉敷中央病院

救急統計
2013 -2014
年度
年度
ご挨拶
平素より倉敷中央病院の救急医療にご理解、ご支援いただき心より感謝申し上げます。
今回、2013年度、2014年度の救急医療活動を「救急統計」として報告できますことを
光栄に存じます。
従来から当院の救急センターには数多くの救急患者さんが医療を求めて来院してくださ
いましたが、2013年4月16日、「救命救急センター」として認可されて以来、より多く
の重症・重篤な患者さんの救急搬送を受けるようになりました。これは当院の救急対応能
力の質的向上と同時に、地域住民の皆様、地域医療機関の皆様、救急搬送に関与する皆様
の厚いご信頼の賜物と感謝申し上げます
今回の救急医療活動報告では、救命救急センター受診患者数の季節変動、どの地域から
救急搬送されているか、どの時間帯に受診しているか、トリアージを必要とする患者さん
はどのような症状で来院しているか、救急ICUにはどのような疾患で入院しているのか、
重篤な患者さんはどのような疾患が多いのかという点にも注目していただきたいと思いま
す。皆様のお役に立つことができれば幸いです。
院長 小笠原 敬三
ご挨 拶
日頃より当センターの救急診療にご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
倉敷中央病院は、2013年4月16日付で岡山県内5番目の救命救急センターとして認可
されました。この救急統計は、2013年から2014年の2年間の実績と取り組みをまとめた
ものです。この2年間はチャレンジの連続でした。そしてすばらしい2年間でした。
救命救急センター開設に向けて、多職種で部門横断的な打ち合わせを繰り返しました。
また、開設後も様々な課題に気づき、それについて話し合いや調整を繰り返してきまし
た。この経過を通して感じたことは、「患者さんのために」「この地域の救急診療のため
に」と、難しい課題をも自らのものとして積極的に解決に一緒に取り組んでもらえる、院
内や関連施設の職員の熱意と確かなプロ意識でした。
開設から2年たち、救命救急センターからの入院は年間9000人を越え、救急搬入件数は
年間1万人に迫っています。また、新設した救急ICUには年間約500例の入院があり、重
症外傷に関しても超緊急輸血や外来での緊急手術など、迅速な対応が実現しました。
人材の採用と育成も進んでいます。2015年4月には救急専従医は28名となり、救命セ
ンター外来の医師3交替勤務が実現しました。また救命士を目指す大学の卒業生が職員と
して採用され、様々な診療補助を担当しています。
このような体制整備の一方で、安全で有効な診療を提供するために、診療の質の評価と
改善を継続的に続けています。部内では、医療安全・倫理問題に関する多職種でのカンフ
ァレンスや、各診療科との症例検討会を定期的に開催しています。
さらに、先進的な取り組みも行いました。重症外傷患者に対しては転院後訪問に加え
て、倉敷ERnetという地域カンファレンスを定期的開催しています。また年間約5万人の
ウォークイン来院患者さんのトリアージについては、評価の検証や個人へのフィードバッ
クが可能なシステムを開発・運用しています。これらの取り組みもこの中で紹介します。
最後に、「年報」が2年間のまとめとなりましたことをおわびします。これからは毎年
の発行を目指して進めてゆきたいと考えています。
この冊子をご覧の上、お気づきの点やご要望の点がありましたら、ぜひご教示くださ
い。今後とも、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
救命救急センター センター長 福岡 敏雄
目 次
ご挨拶
小笠原 敬三 (院長)
福 岡 敏 雄 (救命救急センター センター長)
救命救急センターのご紹介
過去10年間(2005年-2014年度)の実績
1
2∼3
受診患者数・紹介患者数
救急搬送数・モービルCCU出動数
処置等内訳
2013年度-2014年度救急統計
受診患者数・入院患者数
4∼5
救急搬送状況
6∼7
地域別救急搬送状況
6∼7
診療科別救急患者数
8∼9
診療科別救急入院患者数
10∼11
時間帯別患者数
12∼13
時間帯別患者数(1日平均)
14
地区別紹介患者数
15
トリアージ
16∼17
救急ICU入院患者数
18∼19
年間重篤患者数(来院時)
20∼21
topics
救急医の人材育成
22
倉敷ERnet
23
転院後訪問
24
救命救急センター
従来から、倉敷中央病院の救急外来は、24時間体制で医師が常駐しており、救急車の搬送や時間外受
診に対応していました。2012年9月に新しい救急センターへ移動し救急病棟の稼動を始めました。さら
に、2013年4月から救急用の集中治療室(ICU)を稼動させ24時間体制で救急専従医が院内に常駐する
体制が整いました。そして、2013年4月 岡山県5番目の救命救急センターとして認可されました。
救急待合(一般救急受診の患者さん用)
救急診察室裏(一般救急受診の患者さん用)
救急CT
救急CT操作室
救急観察室(救急車搬送・重症の患者さん用)
救急ICU
ー1ー
救急処置室(救急車搬送・重症の患者さん用)
救急病棟
救急統計2013-2014
過去10年間(2005年-2014年度)の実績
01
受診患者数・紹介患者数
*受診患者数は複数科を受診した場合、それぞれを1件としている
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年度 2014年度
受診患者数
66,480
68,711
71,704
66,142
70,981
66,662
66,820
63,659
64,249
63,887
紹介患者数
5,477
5,571
5,806
5,862
6,036
6,306
6,179
5,755
5,603
5,687
人数
80,000
70,000
受診患者数
71,704
68,711
66,480
70,981
66,662
66,142
紹介患者数
66,820
63,659
60,000
64,249
63,887
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
6,306
6,036
5,862
5,806
5,571
5,477
6,179
5,755
5,687
5,603
0
2005年
02
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年度
2014年度
救急搬送数・モービルCCU出動数
救急搬送数
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
7,077
7,554
7,805
7,731
8,217
8,527
8,415
8,423
9,229
9,919
632
587
517
490
435
488
437
445
506
508
(うちモービルCCU)
2013年度 2014年度
件数
12,000
救急搬送数
モービル CCU
10,000
8,000
9,919
9,229
7,805
7,554
7,077
8,527
8,217
7,731
8,423
8,415
6,000
4,000
2,000
632
0
2005年
587
2006年
517
2007年
490
2008年
435
2009年
ー2ー
488
2010年
437
2011年
445
2012年
506
2013年度
508
2014年度
救急統計2013-2014
03
処置等内訳
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年度 2014年度
77
83
76
108
115
103
126
115
155
183
手術
292
345
351
365
433
446
456
466
578
638
内視鏡
303
354
369
389
370
416
378
452
461
465
カテ
616
564
489
593
539
591
544
587
578
632
蘇生処置
140
165
140
153
189
187
186
190
237
339
CPA受入数
件数
700
616
564
600
591
354
303
345
369
389
351
365
140
153
140
100
0
446
370
77
83
76
2005年
2006年
2007年
CPA受入数
416
456
638
578
466
461
452
465
339
378
237
292
165
578
544
539
433
400
200
587
489
500
300
632
593
189
187
108
115
103
2008年
2009年
2010年
手術
内視鏡
186
190
155
126
115
2011年
2012年
カテ
183
2013年度 2014年度
蘇生処置
Point
過 去 1 0 年 間 を 振り返ると、受 診 患 者 数 は 2 0 0 7 年 、2 0 0 8 年 に 7 万 人 を 超えて い ました 。そ の
後 徐々に 減 少 傾 向 で す 。救 急 搬 送 数 は 1 0 年 間 増 加してきており、2 0 1 3 年 の 救 命 センター 化
以 降 は 増 加 は 顕 著 に なりました 。2 0 1 4 年 度 は 1 万 台 に 迫っています。
重 症 患 者 の 受 け 入 れ 増 加 に 伴 い 、救 命 救 急 センター からの 手 術 件 数 は 急 増しています。
また 、緊 急カテーテ ル 検 査 や 蘇 生 処 置( 緊 急 気 管 挿 管 など)も増 加してきています。
ー3ー
救急統計2013-2014
2013年度-2014年度 救急統計
受診患者数 ( 実 数 )・入 院 患者 数
2013 年度
01
受診患者数(実数)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合 計
受診患者数
4,944
5,797
4,637
5,071
5,090
4,834
4,282
4,576
5,295
5,559
4,391
5,260
59,736
(外来)
4,189
5,050
3,980
4,346
4,409
4,121
3,521
3,844
4,546
4,755
3,717
4,474
50,952
(入院)
755
747
657
725
681
713
761
732
749
804
674
786
8,784
救急搬送数
754
779
694
876
842
737
745
733
788
776
704
801
9,229
15.3% 13.4% 15.0% 17.3% 16.5% 15.2% 17.4% 16.0% 14.9% 14.0% 16.0% 15.2%
15.4%
救急搬送率
521
紹介患者数
472
444
461
477
459
479
458
464
466
423
479
5,603
*救急搬送=救急車、モービルCCU、ヘリ、他院車両の合計
台数
人数
7,000
1,200
5,797
6,000
5,000
5,071
4,944
4,637
754
4,000
5,090
876
4,834
4,282
842
694
779
5,295
745
737
5,559
5,260
4,576
733
4,391
788
776
1,000
801 800
704
600
3,000
400
2,000
200
1,000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
受診患者数
02
入院患者数
11月
12月
1月
救急搬送数
ウォークイン⇒入院
4,373人 救急搬送⇒入院
4,411人 2月
50%
ー4ー
50%
3月
0
救急統計2013-2014
救命救急センターからの入院患者数は増加傾向であり、2014年度は9000人を超えました。受診患者数に占める救
急搬送患者の割合も少しずつ増えてきており、2014年度は18.4%となっています。月別ではゴールデンウイーク
のある5月、年末年始の12月1月が多い月になります。2014年度はインフルエンザのピークとなった1月が受診患
者、救急搬送患者ともに急増しました。救命救急センターからの入院患者はウォークインと救急搬送とがほぼ同数
となっています。
2014年度
01
受診患者数(実数)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合 計
受診患者数
4,303
5,079
4,003
4,267
4,280
4,020
3,889
4,389
5,128
6,462
3,928
4,217
53,965
(外来)
3,545
4,279
3,263
3,515
3,565
3,313
3,133
3,661
4,348
5,603
3,190
3,391
44,806
(入院)
758
800
740
752
715
707
756
728
780
859
738
826
9,159
救急搬送数
768
791
780
859
856
783
799
786
896
1,001
783
817
9,919
17.8% 15.6% 19.5% 20.1% 20.0% 19.5% 20.5% 17.9% 17.5% 15.5% 19.9% 19.4%
18.4%
救急搬送率
紹介患者数
509
504
473
477
418
429
482
461
477
518
457
480
5,685
*救急搬送=救急車、モービルCCU、ヘリ、他院車両の合計
台数
人数
7,000
6,462
6,000
5,079
5,000
4,000
1,200
780
791
4,303
768
4,003
859
4,267
856
4,280
783
4,020
799 4,389
786
3,889
1,001
5,128
896
1,000
783
3,928
817
4,217
800
600
3,000
400
2,000
200
1,000
0
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
受診患者数
02
12月
1月
2月
救急搬送数
ウォークイン⇒入院
入院患者数
4,444人 救急搬送⇒入院
4,715人 11月
51%
ー5ー
49%
3月
救急統計2013-2014
救 急搬送状況
2013 年度
救急車
モービルCCU
他院
ヘリ
合計
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
666
57
28
3
754
717
33
21
8
779
634
40
15
5
694
820
41
11
4
876
778
41
17
6
842
679
44
8
6
737
680
36
22
7
745
673
39
16
5
733
731
42
11
4
788
717
33
22
4
776
638
42
17
7
704
(件数)
救急車
1,000
900
800
754
700
600
3
28
57
779
8
21 694 5
33
15
40
モービルCCU
他院
合計
8,458 91.6%
5.5%
506
2.2%
202
0.7%
63
9,229 100.0%
ヘリ
876 4 842
6
11
745
17 737
7 733 5
6
41
16
22
8
36
44
39
41
3月
725
58
14
4
801
788 4 776
4
11
22 704
42
33
801 4
14
58
7
17
42
500
400
300
666
717
4月
5月
820
634
778
679
680
673
731
717
9月
10月
11月
12月
1月
638
725
200
100
0
6月
7月
8月
2月
3月
地 域別救急搬送状況
2013 年度
倉敷
4月
278
5月
312
6月
258
7月
354
8月
319
9月
263
10月
292
11月
312
12月
319
1月
277
2月
262
3月
297
玉島
97
100
93
118
121
117
78
83
98
110
88
82
1,185
14.0%
児島
80
81
73
87
77
80
70
69
78
80
81
76
932
11.0%
総社
70
71
59
89
78
68
73
65
82
84
50
94
883
10.4%
水島
52
61
48
54
58
56
57
51
43
62
53
62
657
7.8%
笠岡
17
21
25
36
31
23
37
27
30
24
28
32
331
3.9%
岡山
19
20
21
19
32
16
16
23
26
21
16
23
252
3.0%
高梁
10
16
13
21
21
18
20
12
19
24
15
24
213
2.5%
井原
6
9
12
5
2
4
8
8
12
11
10
8
95
1.1%
新見
8
4
13
8
4
7
8
11
5
4
8
8
88
1.0%
その他県内
17
15
16
22
27
21
14
7
15
13
22
17
206
2.4%
県外
12
7
3
7
8
6
7
5
4
7
5
2
73
0.9%
合計
666
717
634
820
778
679
680
673
731
717
638
725
8,458
100%
ー6ー
合計
3,543
41.9%
救急統計2013-2014
救急搬送の内容は救急車が特に増えています。モービルCCUや他院患者搬送車はほぼ横ばいです。占める割合は小
さいですが、ドクターヘリの受け入れ台数は増加傾向です。
2014 年度
救急車
モービルCCU
他院
ヘリ
合計
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
697
48
9
14
768
730
41
12
8
791
728
36
8
8
780
801
36
14
8
859
810
34
8
4
856
735
28
15
5
783
747
34
9
9
799
738
33
12
3
786
830
49
14
3
896
931
47
18
5
1,001
707
54
11
11
783
(件数)
1,100
1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
救急車
768
14
9
48
791 8 780 8
12
41
859
8
36
697
730
728
4月
5月
6月
8
14
36
856
801
810
7月
8月
モービルCCU
他院
ヘリ
799
4 783
5
9 786 3
8
12
15
9
34
33
28
34
896
830
735
747
738
9月
10月
11月
12月
3月
736
68
8
5
817
合計
9,190 92.7%
5.1%
508
1.4%
138
0.8%
83
9,919 100.0%
1,001
5
18
47 783
3
14
49
11
11
54
817
5
8
68
931
1月
707
736
2月
3月
2014 年度
倉敷
4月
306
5月
320
6月
341
7月
324
8月
352
9月
288
10月
288
11月
314
12月
336
1月
377
2月
325
3月
318
玉島
91
88
77
99
96
88
99
93
108
108
81
84
1,112
12.1%
児島
82
84
85
113
100
96
86
96
94
114
84
72
1,106
12.0%
総社
54
76
65
98
77
94
75
62
111
96
61
79
948
10.3%
水島
68
60
67
57
61
63
66
59
65
82
49
54
751
8.2%
笠岡
22
32
23
29
39
31
40
25
40
44
23
42
390
4.2%
岡山
25
23
18
25
21
17
22
25
16
34
24
28
278
3.0%
高梁
12
9
11
19
25
9
26
20
19
17
16
21
204
2.2%
井原
8
6
15
14
4
15
6
5
9
16
11
7
116
1.3%
新見
2
4
2
5
8
5
11
12
5
9
7
8
78
0.8%
21
23
18
15
18
23
24
23
21
32
21
17
256
2.8%
県外
6
5
6
3
9
6
4
4
6
2
5
6
62
0.7%
合計
697
730
728
801
810
735
747
738
830
931
707
736
9,190
100%
その他県内
ー7ー
合計
3,889
42.3%
救急統計2013-2014
診 療科別救急患者数
2013 年度
内科*
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
合計
1,932
2,265
1,851
2,069
2,131
1,942
1,814
1,877
2,266
2,558
1,974
2,209
24,888
362
377
332
332
294
330
339
330
352
353
337
377
4,115
21
28
30
33
30
31
29
33
36
25
27
21
344
循環器内科
神経内科
小児科
1,455
1,801
1,202
1,409
1,374
1,317
1,096
1,329
1,518
1,506
1,253
1,595
16,855
外科
105
130
93
124
115
114
114
101
111
98
89
101
1,295
整形外科
540
587
560
532
538
455
436
482
487
533
324
453
5,927
脳神経外科
185
215
214
188
171
186
155
177
176
170
166
178
2,181
脳卒中科
91
98
79
72
78
86
78
71
82
84
53
83
955
皮膚科
70
109
138
158
168
138
104
61
67
67
39
62
1,181
泌尿器科
49
89
63
54
72
63
40
48
53
61
43
59
694
産婦人科
99
114
87
92
78
109
87
87
120
117
86
110
1,186
眼科
67
103
68
71
69
63
48
52
94
84
56
68
843
耳鼻科
133
142
111
118
125
124
91
107
146
132
116
121
1,466
形成外科
150
167
125
165
164
163
158
140
146
157
122
123
1,780
29
21
22
21
22
37
28
22
26
26
19
37
310
1
3
1
2
8
13
15
14
13
8
9
4
11
5
135
25
59
84
4,740
5,661
64,249
心臓血管外科
精神科
呼吸器外科
歯科
1
1
15
20
9
1
1
救急科
合計
5,305
6,267
4,983
5,451
5,445
5,175
4,631
4,927
5,689
5,975
*専門診療科も内科に含まれる
人数
30,000
25,000
24,888
20,000
16,855
15,000
10,000
5,927
4,115
5,000
1,780
955 1,181 694 1,186 843 1,466
310
84
救急科
1
歯科
135
呼吸器外科
9
精神科
心臓血管外科
形成外科
耳鼻科
眼科
ー8ー
産婦人科
泌尿器科
皮膚科
脳卒中科
脳神経外科
整形外科
外科
小児科
神経内科
循環器内科
内
*科
0
2,181
1,295
344
救急統計2013-2014
受診患者の診療科別の集計です。2014年2月から救急科としての多部位外傷患者の受け入れを始めていて、2014年
度は月100人を超えるようになりました。一方、小児科の受診患者はやや減少傾向です。
2014年度
内科*
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
2,000
2,092
1,807
1,981
2,027
1,835
1,775
1,956
2,397
3,384
2,059
1,998
25,311
332
366
316
324
336
294
338
275
344
400
337
366
4,028
循環器内科
神経内科
20
32
44
24
34
31
33
23
20
43
32
18
354
1,362
1,708
1,144
1,219
1,126
990
1,000
1,340
1,655
1,998
1,064
1,200
15,806
外科
105
111
86
103
82
117
103
102
94
105
65
100
1,173
整形外科
348
485
438
493
528
561
473
505
500
543
396
474
5,744
脳神経外科
小児科
191
159
153
155
161
164
187
167
160
160
116
135
1,908
脳卒中科
77
81
76
73
78
79
77
92
72
87
69
89
950
皮膚科
68
109
108
147
168
118
86
81
59
77
41
41
1,103
泌尿器科
64
74
53
54
70
55
49
61
69
65
40
36
690
産婦人科
87
134
115
80
109
88
93
89
109
110
95
84
1,193
眼科
60
95
71
80
58
73
61
52
78
82
44
59
813
耳鼻科
111
137
119
114
90
133
119
135
136
129
105
128
1,456
形成外科
129
162
104
149
123
114
123
132
149
116
104
117
1,522
27
37
29
15
21
19
24
19
30
22
22
23
288
4
2
2
13
15
11
心臓血管外科
精神科
呼吸器外科
歯科
1
8
8
1
16
10
10
17
17
15
16
12
158
1
救急科
合計
1
73
70
109
107
116
116
136
130
135
127
106
154
1,379
5,071
5,870
4,785
5,126
5,136
4,803
4,688
5,176
6,024
7,463
4,711
5,034
63,887
*専門診療科も内科に含まれる
人数
30,000
25,000
25,311
20,000
15,806
15,000
10,000
5,744
4,028
5,000
1,522
950 1,103 690 1,193 813 1,456
288
158
1,379
救急科
1
歯科
呼吸器外科
10
精神科
心臓血管外科
形成外科
耳鼻科
眼科
ー9ー
産婦人科
泌尿器科
皮膚科
脳卒中科
脳神経外科
整形外科
外科
小児科
神経内科
循環器内科
内
科
*
0
1,908
1,173
354
救急統計2013-2014
診 療科別救急入院患者数
2013 年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月
内科*
252
222
206
233
246
228
260
245
266
292
241
244
2,935
(消化器内科)
116
111
112
117
130
131
132
137
136
133
126
125
1,506
(呼吸器内科)
80
65
56
64
54
57
76
64
84
93
77
75
845
(糖尿病内科)
9
15
7
13
15
9
18
7
9
12
10
8
132
(腎臓内科)
12
4
3
6
9
7
2
6
5
8
4
6
72
(血液内科)
20
19
18
21
24
11
23
18
18
33
16
15
236
(内分泌代謝・リウマチ内科)
15
8
10
12
14
13
9
13
14
13
8
15
144
159
138
142
123
106
134
126
146
139
152
129
166
1,660
7
12
12
16
11
13
13
14
12
12
17
15
154
小児科
75
92
56
57
49
58
86
77
74
72
63
76
835
外科
61
78
45
89
57
71
75
60
55
58
55
59
763
整形外科
49
42
58
61
56
43
52
43
45
61
42
54
606
脳神経外科
28
16
18
24
29
23
18
24
23
20
20
10
253
脳卒中科
56
67
47
48
37
54
53
47
52
44
34
63
602
3
1
3
7
4
8
1
1
2
2
3
35
診療科
循環器内科
神経内科
皮膚科
10月 11月 12月 1月
2月
3月
合計
泌尿器科
9
12
9
5
16
13
6
7
4
10
4
5
100
産婦人科
32
26
22
26
24
28
31
23
26
34
25
32
329
1
1
5
4
1
12
7
3
7
8
79
3
4
2
27
眼科
耳鼻科
5
5
12
9
4
6
4
9
形成外科
4
4
2
2
1
1
2
2
心臓血管外科
8
7
7
7
8
14
10
9
8
8
5
12
103
呼吸器外科
6
9
6
8
14
5
4
7
5
3
7
4
78
救急科
4
14
14
13
15
18
13
18
27
26
19
32
213
755
747
657
725
681
713
761
732
749
804
674
786
8,784
合計
*( )内の数字は専門診療科入院内訳
ー 10 ー
救急統計2013-2014
入院患者の診療科別集計です。多部位外傷患者などを受け入れる救急科の入院が増加し2014年度は381例でした。
内科系や小児科の入院患者数は横ばいです。
2014年度
4月
5月
7月
8月
9月
内科*
246
251
255
250
260
220
247
240
253
287
267
285
3,061
(消化器内科)
122
123
129
127
130
114
124
121
129
119
129
144
1,511
(呼吸器内科)
84
72
87
55
63
58
65
65
69
100
80
80
878
(糖尿病内科)
12
11
8
12
7
8
5
7
10
8
5
5
98
(腎臓内科)
2
12
4
24
19
9
14
16
15
17
14
17
163
(血液内科)
17
20
16
19
25
20
26
18
17
27
26
27
258
9
13
11
13
16
11
13
13
13
16
13
12
153
148
150
115
142
129
104
146
104
141
162
146
148
1,635
9
12
20
6
18
19
17
12
16
20
11
9
169
小児科
72
79
65
81
52
67
64
70
80
76
59
70
835
外科
72
71
55
66
48
77
72
64
55
66
40
72
758
整形外科
44
47
49
48
44
49
37
46
39
51
44
37
535
脳神経外科
13
22
17
21
19
15
15
15
22
17
13
18
207
脳卒中科
49
52
52
47
53
56
55
74
59
66
53
70
686
4
9
5
6
4
3
5
4
1
3
44
診療科
(内分泌代謝・リウマチ内科)
循環器内科
神経内科
皮膚科
6月
10月 11月 12月
1月
2月
3月
合計
泌尿器科
12
10
9
9
6
8
7
12
14
11
12
14
124
産婦人科
33
38
39
24
32
36
34
28
29
34
34
28
389
1
2
1
1
1
12
7
6
5
10
5
2
1
1
4
3
眼科
2
耳鼻科
4
5
6
10
形成外科
1
2
1
2
12
19
9
7
9
4
8
10
16
9
9
12
6
6
3
7
9
8
7
34
24
33
28
28
26
32
38
758
800
740
752
715
707
756
728
心臓血管外科
呼吸器外科
救急科
合計
8
*( )内の数字は専門診療科入院内訳
ー 11 ー
8
7
85
2
19
10
14
127
8
12
9
96
34
34
30
40
381
780
859
738
826
9,159
救急統計2013-2014
時 間帯別患者数(実数)
2013 年度
4月
日勤帯
(8:30~16:30) 1,841
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
2,097
1,667
1,714
1,827
1,909
1,469
1,790
2,166
2,318
1,682
1,967
22,447
準夜帯
2,447
2,854
2,282
2,546
2,498
2,275
2,180
2,173
2,409
2,539
2,143
2,596
28,942
深夜帯
656
846
688
811
765
650
633
613
720
702
566
697
8,347
4,944
5,797
4,637
5,071
5,090
4,834
4,282
4,576
5,295
5,559
4,391
5,260
59,736
(16:30~0:30)
(0:30~8:30)
合計
人数
35,000
割 合
28,942
30,000
25,000
深夜帯
8,347
14.0%
22,447
準夜帯
28,942
48.4%
20,000
15,000
8,347
10,000
5,000
0
日勤帯
(8:30~16:30)
準夜帯
(16:30~0:30)
ー 12 ー
深夜帯
(0:30~8:30)
日勤帯
22,447
37.6%
救急統計2013-2014
時間帯別患者数は、準夜帯(16:30∼0:30)がほぼ半数を占めています(2013年度48.8%、2014年度49.1%)。
2014年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
合計
1,460
1,837
1,467
1,531
1,636
1,515
1,435
1,693
2,001
2,628
1,478
1,419
20,100
準夜帯
2,242
2,554
2,017
2,146
2,043
1,967
1,906
2,085
2,397
3,025
1,929
2,199
26,510
深夜帯
601
688
519
590
601
538
548
611
730
809
521
599
7,355
4,303
5,079
4,003
4,267
4,280
4,020
3,889
4,389
5,128
6,462
3,928
4,217
53,965
日勤帯
(8:30~16:30)
(16:30~0:30)
(0:30~8:30)
合計
人数
30,000
26,510
深夜帯
25,000
20,000
割 合
7,355
13.6%
日勤帯
20,100
37.2%
20,100
準夜帯
26,510
49.1%
15,000
10,000
7,355
5,000
0
日勤帯
(8:30~16:30)
準夜帯
(16:30~0:30)
ー 13 ー
深夜帯
(0:30~8:30)
救急統計2013-2014
時 間帯別患者数(1日平均)
1時間あたりの受診患者数を平日、休日別に集計しました。ウォークイン患者はいずれも準夜帯にピークがありま
すが、休日では10時台にもピークがあります。休日と平日の10時台のピークの差は10人近くになっていました。
救急搬送に付いては休日平日の差はほとんどありませんでした
01
時間帯別ウォークイン患者数(1日平均)
2013 年度
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
時間帯
平日
2.3
休日
5.1
4.5
5.5
10.4 12.3 12.0
2.8
9.3
9.9 10.5
5.3
4.5
9.6
7.1
5.3
3.6
2.8
2.0
1.7
1.5
1.5
1.5
1.8
1.8
9.9 10.5 11.7 14.4 15.6 13.5 11.3
4.9
5.0
7.6 10.7 11.3
8.3
6.2
4.2
3.5
2.7
2.5
2.2
1.9
2.5
3.8
6.8
2014年度
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
時間帯
平日
3.0
休日
3.4
5.5
11.2 13.4 12.2
5.3
9.3
7.5
5.5
3.9
2.8
2.4
1.9
1.9
1.4
1.8
2.1
2.4
9.6 10.8 11.3 11.1 11.3 12.5 15.2 15.1 14.0 11.5
5.9
5.7
5.4
5.3
5.6
7.6 11.0 11.3
9.1
7.3
4.9
3.7
3.0
2.7
2.3
2.4
2.7
3.9
7.1
平均人数
18.0
16.0
2013 年度平日
2014 年度平日
2013 年度休日
2014 年度休日
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
02
時間帯別救急搬送患者数(1日平均)
2013 年度
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
時間帯
平日
1.4
1.7
1.7
1.7
1.7
1.4
1.3
1.2
1.4
1.4
1.4
1.3
1.1
0.9
0.8
0.6
0.5
0.5
0.5
0.4
0.5
0.7
0.9
1.2
休日
1.2
1.5
1.4
1.4
1.4
1.2
1.1
1.0
1.2
1.0
1.4
1.1
1.2
1.0
1.1
0.6
0.5
0.6
0.5
0.5
0.6
0.5
0.7
0.9
2014年度
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
時間帯
平日
1.3
1.6
1.6
1.8
1.6
1.4
1.4
1.3
1.3
1.7
1.5
1.4
1.2
1.1
0.9
0.8
0.6
0.6
0.5
0.5
0.5
0.8
0.8
1.2
休日
1.3
1.4
1.7
1.4
1.3
1.5
1.2
1.3
1.3
1.6
1.3
1.4
1.3
1.1
1.1
0.9
0.7
0.6
0.6
0.6
0.5
0.6
0.9
1.0
平均人数
2.0
1.8
2013 年度平日
2014 年度平日
2013 年度休日
2014 年度休日
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台 19時台 20時台 21時台 22時台 23時台 24時台 1時台 2時台 3時台 4時台 5時台 6時台 7時台 8時台
ー 14 ー
救急統計2013-2014
地 区別紹介患者数
救命救急センターへの紹介患者さんの紹介元の集計です。倉敷市内からが半数以上を占めています。
それ以外にも広島県や香川県からの紹介患者さんもいらっしゃいます。
2013 年度
倉敷
水島
児島
玉島
真備
船穂
その他
合計
1, 746
575
374
427
152
18
2,311
5, 603
倉敷
水島
児島
玉島
真備
船穂
その他
合計
1 , 810
557
432
399
141
26
2,320
5, 685
2014年度
人数
2,500
2013 年度
2,000
2014 年度
1,500
1,000
500
0
倉敷
水島
児島
玉島
真備
Area Map
船穂
その他
その他エリア内訳 TOP15
2013 年度
真備地区
倉敷中央病院
船穂地区
倉敷地区
玉島地区
水島地区
児島地区
ー 15 ー
2014 年度
エリア
件数
エリア
件数
総社市
579
総社市
565
高梁市
304
高梁市
278
浅口市
251
笠岡市
265
笠岡市
242
浅口市
244
岡山市南区
171
岡山市南区
139
新見市
136
岡山市北区
127
岡山市北区
110
新見市
120
井原市
98
井原市
111
小田郡
70
小田郡
111
都窪郡
61
都窪郡
53
広島県福山市
61
広島県福山市
45
玉野市
47
玉野市
43
香川県
42
香川県
33
広島県
27
浅口郡
28
浅口郡
21
真庭市
25
救急統計2013-2014
トリアージ
ウォークイン患者さんのトリアージの主訴の集計です。年齢層で大きく変化しています。
発熱が最も多い主訴ですが、高齢者ではそれ以外の主訴が増加します。
2013 年度
0-14歳主訴トップ5
15-64歳主訴トップ5
(対象:19,569人)
No.
65歳以上主訴トップ5
(対象:20,471人)
主訴
(対象:15,514人)
1
発熱
3 ,8 4 7
件数
No.
1
発熱
主訴
1,821
件数
No.
1
発熱
主訴
2
嘔吐・嘔気
1 ,0 1 2
2
腹痛
1,071
2
息切れ
497
3
咳嗽・鼻閉
801
3
嘔吐・嘔気
763
3
腹痛
472
4
腹痛
507
4
頭痛
545
4
嘔吐・嘔気
295
5
頭部外傷
398
5
咳嗽・鼻閉
400
5
動悸・不整脈
267
発熱
腹痛
発熱
発熱
3,847
497
腹痛
472
頭痛
嘔吐・嘔気
545
咳嗽・鼻閉
295
咳嗽・鼻閉
その他
801
13,004
息切れ
763
1,012
その他
510
嘔吐・嘔気
1,821
嘔吐・嘔気
510
1,071
件数
400
15,871
動悸・不整脈
その他
267
13,473
腹痛
507
頭部外傷
398
2014年度
0-14歳主訴トップ5
15-64歳主訴トップ5
(対象:17,123人)
No.
65歳以上主訴トップ5
(対象:17,704人)
主訴
(対象:10,413人)
1
発熱
6 ,6 1 3
件数
No.
1
発熱
主訴
3,094
件数
No.
1
発熱
主訴
件数
2
嘔吐・嘔気
1 ,3 8 6
2
腹痛
1,924
2
息切れ
861
3
咳嗽・鼻閉
1 ,2 4 1
3
嘔吐・嘔気
985
3
腹痛
839
4
腹痛
785
4
頭痛
906
4
嘔吐・嘔気
413
5
頭部外傷
781
5
咳嗽・鼻閉
634
5
動悸・不整脈
395
950
発熱
950
発熱
3,094
発熱
6,613
その他
6,317
腹痛
その他
その他
1,924
10,231
6,955
嘔吐・嘔気
985
頭痛
906
頭部外傷
781
腹痛
785
咳嗽・鼻閉
1,241
嘔吐・嘔気
咳嗽・鼻閉
1,386
634
ー 16 ー
息切れ
861
腹痛
839
嘔吐・嘔気
413
動悸・不整脈
395
救急統計2013-2014
当 院で行っているトリアージ
当院には年間 6 万人程度の受診患者さんがいらっしゃいます。これらの患者さんが、その緊急性に応じて安
全に効率的に診療が受けられるようにするのが院内トリアージの目的です。
当院では 2010 年から院内トリアージを開始しました。2012 年より Japan Triage Acuity Scale(JTAS)
を導入したトリアージを実施しています。トリアージを実施する看護師の資格要件は、看護部ラダーレベル
Ⅱの後半以上(自ら自立して看護業務を遂行し、後輩指導が行えるレベル)、救急経験 2 年以上でトリアー
ジナース教育プログラムを修了した者としており、
専門的教育を受けた看護師が実施しています。
トリアージの流れとしては、まず、患者さんに問
診票を記載してもらい、受付、トリアージ、診察
という流れで進んでいきます。トリアージは「患
者さんが診察まで安全に待てる時間と場所を決定
する」という概念であり、トリアージナースのア
セスメントのもと、患者さんの状態に応じて、観
察室、処置室のリーダーと連携をとりながら行って
います。
トリアージの質の確保するための取り組みとして、認定看護師と医師との事後検証を開催しています。トリ
アージレベル 1、2、3 全症例を認定看護師が検証し、トリアージレベル 4、5 で入院になった症例を医師が
検証するようにしました。医師の協力を得ることで、医学的視点でのフィードバックがもらえ質の向上につ
ながっています。さらに、2014 年からは、自分のトリアージの事後検証結果や検証者からのコメントなどを
閲覧できる画面を作成し、タイムリーにフィードバックが行えるようになりました。このしくみ作りの結果、
アンダートリアージ件数は減少傾向にあり、一定の質を確保しながらトリアージを行うことができています。
■MyTriage 画面
■トリアージ画面
トリアージナースが各自、自身のトリアージを検証できる。
コメント欄には検証者によるフィードバックが記入される。
的確なトリアージがなされた場合は「ナイストリアージ」マークもつけられる
ー 17 ー
救急統計2013-2014
救 急ICU 入院患者数
2013 年度
疾
患
分
類
入室患者数:433名
入院時担当科
0%
その他
整形外科
外傷 149
27
39
20%
入
室
経
路
救急科 114
外科 84
20%
転
帰
200
143
100
73
41
80%
100%
術後 89
60%
80%
60%
80%
入院経過
(入院患者433名)
40%
31
25
20%
0%
100%
人工呼吸期間
100%
(対象204名)
80%
60%
60%
40%
40%
20%
20%
0%
0%
平均
13 .85
5 .1
36 .35
95% 信 頼 区 間
13. 01- 14. 70
4. 67- 5. 52
34. 76- 37. 93
NPPV期間
(対象41名)
80%
外傷重症度
AKI分類
stage1
43
stage0
301
ー 18 ー
病棟
10
100%
死亡 28
60%
100
0
スコア
A P ACHEⅡ
S OFA
S A PSⅡ
40%
100%
128
104
39
60%
40%
80%
150
50
20%
処置・特殊治療
204
40%
その他
意識障害
生存 405
0%
250
45
96
救急外来 334
0%
内科 169
呼吸不全
敗血症
stage2
21
stage3
24
ISS15以上
81
ISS15未満
68
100%
救急統計2013-2014
救命救急センターのICUの集計です。年間の入室患者は500人程度、その40%程度が外傷です。生存率は93%
程度です。入室患者の約半数は4日程度で退室となっています。重症度スコアや急性腎障害スコア、外傷ISS
スコアもまとめました。
2014年度
疾
患
分
類
入室患者数:503名
入院時担当科
整形外科
24
0%
その他
24
外科 62
救急科 195
内科 198
92
20%
入
室
経
路
40%
0%
20%
20%
40%
100%
282
20%
36
38
術後 75
60%
80%
60%
80%
入院経過
20%
35
0%
100%
人工呼吸期間
(対象204名)
80%
100%
60%
60%
40%
40%
20%
20%
0%
0%
平均
1 5.4
5.1
3 2.1
95% 信 頼 区 間
14. 6- 16. 2
4. 8- 5. 4
30. 5- 33. 6
NPPV期間
(対象41名)
80%
外傷重症度
AKI分類
stage1 stage2
31
46
stage3
49
stage0
377
ー 19 ー
病棟
11
100%
死亡 37
40%
0%
スコア
APACHEⅡ
S OFA
S A PSⅡ
100%
60%
183
73
80%
(入院患者503名)
80%
80%
40%
126
生存 466
処置・特殊治療 437
261
その他
47 呼吸不全
37
60%
40%
転
帰
100%
意識障害
救急外来 417
0%
60%
敗血症
外傷 201
ISS15以上
114
ISS15未満
87
100%
救急統計2013-2014
年 間重篤患者数(来院時)
2013 年度
No.
疾病名
基準
患者数
生存
死亡
1
病院外心停止
病院前心拍再開例、外来での死亡確認例を含む
155
9
146
2
重症急性冠症候群
切迫心筋梗塞、急性心筋梗塞又は緊急冠動脈カテーテル施行例
529
504
25
3
重症大動脈疾患
急性大動脈解離又は大動脈瘤破裂
82
75
7
4
重症脳血管障害
来院時JCS 100以上、開頭術、血管内手術施行例又はtPA療法施行例
25
20
5
5
重症外傷
Max AISが3以上又は緊急手術施行例
23
20
3
6
重症熱傷
Artzの基準による
6
5
1
7
重症急性中毒
来院時JCS 100以上又は血液浄化法施行例
15
15
0
8
重症消化管出血
緊急内視鏡施行例
383
373
10
9
重症敗血症
感染性SIRSで臓器不全、組織低灌流又は低血圧を呈する例
93
83
10
10
重症体温異常
熱中症又は偶発性低体温症で臓器不全を呈する例
14
10
4
11
特殊感染症
ガス壊疽、壊死性筋膜炎、破傷風等
3
2
1
12
重症呼吸不全
人工呼吸器管理症例(1から11までを除く)
120
108
12
13
重症急性心不全
人工呼吸器管理症例又はSwan-Ganzカテーテル、PCPS若しくはIABP
使用症例(1から11までを除く)
222
200
22
14
重症出血性ショック
24時間以内に10単位以上の輸血必要例(1から11までを除く)
2
0
2
15
重症意識障害
JCS 100以上が24時間以上持続(1から11までを除く)
9
9
0
16
重篤な肝不全
血漿交換又は血液浄化療法施行例(1から11までを除く)
1
1
0
17
重篤な急性腎不全
血液浄化療法施行例(1から11までを除く)
1
1
0
18
その他の重症病態
重症膵炎、内分泌クリーゼ、溶血性尿毒症性症候群などで持続動注療法、
血漿交換又は手術療法を実施した症例(1から17までを除く)
0
0
0
1,683
1,435
248
合計
600
529
死亡
生存
500
383
400
300
200
100
222
155
120
93
82
25
23
6
15
14
0
ー 20 ー
3
2
9
1
1
0
救急統計2013-2014
救命救急センターが集計で求められる年間の重篤患者数です。
急性冠症候群、重症消化管出血、重症急性心不全、重症外傷が多い疾病名でした。
2014年度
No.
疾病名
基準
患者数
生存
死亡
1
病院外心停止
病院前心拍再開例、外来での死亡確認例を含む
183
12
171
2
重症急性冠症候群
切迫心筋梗塞、急性心筋梗塞又は緊急冠動脈カテーテル施行例
571
540
31
3
重症大動脈疾患
急性大動脈解離又は大動脈瘤破裂
106
98
8
4
重症脳血管障害
来院時JCS 100以上、開頭術、血管内手術施行例又はtPA療法施行例
22
19
3
5
重症外傷
Max AISが3以上又は緊急手術施行例
231
220
11
6
重症熱傷
Artzの基準による
0
0
0
7
重症急性中毒
来院時JCS 100以上又は血液浄化法施行例
12
12
0
8
重症消化管出血
緊急内視鏡施行例
395
381
14
9
重症敗血症
感染性SIRSで臓器不全、組織低灌流又は低血圧を呈する例
83
67
16
10
重症体温異常
熱中症又は偶発性低体温症で臓器不全を呈する例
10
8
2
11
特殊感染症
ガス壊疽、壊死性筋膜炎、破傷風等
3
3
0
12
重症呼吸不全
人工呼吸器管理症例(1から11までを除く)
75
69
6
13
重症急性心不全
人工呼吸器管理症例又はSwan-Ganzカテーテル、PCPS若しくは
IABP使用症例(1から11までを除く)
202
182
20
14
重症出血性ショック
24時間以内に10単位以上の輸血必要例(1から11までを除く)
1
1
0
15
重症意識障害
JCS 100以上が24時間以上持続(1から11までを除く)
9
9
0
16
重篤な肝不全
血漿交換又は血液浄化療法施行例(1から11までを除く)
1
1
0
17
重篤な急性腎不全
血液浄化療法施行例(1から11までを除く)
3
2
1
18
その他の重症病態
重症膵炎、内分泌クリーゼ、溶血性尿毒症性症候群などで持続動注療
法、血漿交換又は手術療法を実施した症例(1から17までを除く)
1
1
0
1,908
1,625
283
合計
600
571
死亡
生存
500
395
400
300
200
100
0
231
183
202
106
83
22
0
12
75
10
ー 21 ー
3
1
9
1
3
1
救急医の人材育成
2006年に2名の救急医からスタートした救命救急センター所属医師は、現在28名に
なりました。
当センターは、ER医、救急診療に習熟した集中治療医、急性期外科医、総合診療
医がそれぞれの専門性に立脚しながら緩やかに結合して診療しているのですが、こ
のような体制を敷くことで、特に重症患者対応において初療から集中治療管理、緊
急手術まで切れ目のない診療ができるようになり治療効果が上がっています。同時
にこの体制は、後期研修医の教育にも有用で、上記各専門分野の医師から直接指導
救急科主任部長
池上 徹則
を受けながら救急医として成長することができますし、その知識を後輩または初期
研修医に伝えるという作業を経てさらに成長するという良い循環を生んでいます。
また、後期研修期間中は3か月程度の院外
研修期間を設け、当院以外の診療の場を経験することで、臨床的な
幅が広がるように配慮しています。その結果2011年からはコンス
タントに毎年複数名の後期研修医を採用できるようになりました。
今後は、臨床研究体制の整備、国際医療協力や地域メディカルコン
トロールへの積極的関与、急性期外科医や集中治療医の育成などに
力を注ぎ、地域への貢献を高めていきたいと考えています。
救急 ICU でのモーニングカンファレンス
救命救急センター所属医師数
30
28
25
23
20
19
15
9
18
14
11
10
7
5
0
0
0
2
2
2
2
4
4
4
4
4
4
6
10
5
2
9
10
5
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
後期研修医
救急専任医師
ー 22 ー
倉敷ERnet
当院では重症外傷患者に関する多職種の地域カンファレンスを行っています。
名称を倉敷ERnetといい、ERとはEmergency Room, Early Rehabilitation, Early Recoveryという
3つの言葉の頭文字です。
倉敷ERnet立ち上げの背景
重症外傷患者は病態やケアの個別性が高く、また医師、看護師だけでなくリハビリスタッフやソーシャルワ
ーカーなど多職種によるチームアプローチを必要とします。加えて、重症多発外傷患者の多くが長期間のリ
ハビリ期間を必要とし、これは主に転院先病院で行われることがほとんどです。
一方で、救命救急センターなどで行われる急性期医療の現場では、患者さんの救命率や在院日数などの短期
的予後はある程度認識されているものの、社会復帰率や最終的なADLなど長期的予後への関心が薄れてしま
う危険性を感じます。しかし、患者さんやその家族にとっての本当の予後は長期的予後であるはずです。
このようなことから、重症外傷患者の長期予後を改善させることを目標に掲げ、地域内での多職種間の連携
を推し進める機会を作ろうと考え、この「倉敷ERnet」を立ち上げました。
実際の倉敷ER net
2014年6月25日に第1回を開催し、以降ほぼ4か月おきに2015年7月3日までに計4回開催しました。各回、
160-200名の地域の救命士、医師、リハビリスタッフ、看護師、MSW、検査技師などの方々に参加いただい
ています。実際の症例を取り上げ、関わった救命士、急性期医療スタッフ、回復リハビリ医療スタッフによ
るプレゼンテーションを聞き、患者さんの社会復帰にいたる経過を参加者皆で共有しています。毎回、「外
傷診療における地域連携の重要性」と「退院後の生活にも目を向けた医療提供の必要性」を再確認します
が、社会復帰された患者さんや、懸命にリハビリに励んでおられる姿を拝見して、何よりわれわれ医療者が
エネルギーをいただいています。
ー 23 ー
転院後訪問
転院後訪問の目的と実際
2014年4月から、当院から転院された重症外傷患者さんを対象に、転院後訪問を実施しています。
転院後訪問の目的は、「転院後の患者・家族の医療や社会的な問題を把握すること」、「当院での治療や看
護の結果を認識し振り返ること」、「地域診療システムの問題点を把握すること」、「顔の見える関係を構
築すること」であり、現在(2015年7月)までに8病院、22名の患者さんを訪問しました。
訪問先では、患者さんの転院後の生活やリハビリの状況を直接見ることができ、当院からの申し送り内容
が、訪問先の治療や看護に活かされていることを知ることができました。このことから、地域の人や環境と
連携しながら「継続的な外傷診療」を行えていることを実感しました。
また、訪問先の職員からも転院に関する意見や要望を確認することができました。その結果、「電子カルテ
相互閲覧システムへの参加促進」、「看護添書形式の改善」、「問い合わせ経路のスリム化」を行うことが
できました。
訪問後の報告会
他にも、当院の救急ICU看護師には、訪問後の報告会を行っています。そこでは、訪問時の動画や写真を用
いて、患者さんの状況を報告しています。満面の笑みを浮かべながら喜びを共有している姿と共に、「入院
中には想像できなかったほどの回復ぶりに驚きました」「私達も患者さんに支えられながら頑張れているこ
とを実感しました」という言葉も聞かれています。救急ICU看護師にとっても転院後訪問は、「看護師とし
ての誇り」「モチベーションの向上」にも繋げることができていると感じています。
今後は、これらの取り組みをPDCAサイクルに沿って継続させていきたいと思っています。また、QOLや職
場復帰率の向上も視野に入れた、治療・看護の体制作りにも努めていきたいと思っています。
転院後訪問先
倉敷紀念病院
高梁市
倉敷第一病院
倉敷平成病院
総社市
倉敷リハビリテーション病院
井原市
しげい病院
矢掛町
高梁中央病院
倉敷市
倉敷中央病院
浅口市
玉島中央病院
福山市
福山リハビリテーション病院
ー 24 ー
笠岡市
里庄町
救急統計 2013年度 - 2014年度
編集発行
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構
倉敷中央病院
発行日
2015年9月1日
編集責任者
小笠原 敬三(院長)
福岡 敏雄(救命救急センター センター長)