冬の伊吹山(三島池から望む) 【江姫とゼイシル博士】

発行 湖北地区租税教育推進協議会事務局
冬の伊吹山(三島池から望む)
【江姫とゼイシル博士】
関係各位におかれましては、平素から湖北地区租税教育推進協議会の運営及び租税教室の開
催につきまして、深い御理解と御協力を賜り厚くお礼申し上げます。
当協議会は、平成4年6月に設立されて以来、地方公共団体・教育関係機関・近畿税理士会
長浜支部・公益社団法人長浜納税協会等多方面の方々の御支援を得て、長浜市及び米原市の児
童、生徒及び社会人に対する租税教育の推進とその充実を図ることを目的として各種の活動に
取り組んでおります。
この「湖北地区租推協だより」は、平成26年度に当協議会が実施した租税教室の状況や税に
関する中学生や高校生の作文・標語など、各種行事の様子を紹介したものです。
今後とも、租税教育のより一層の推進に向け、当協議会の活動を充実させていきたいと考え
ておりますので、皆様方の御協力をよろしくお願い申し上げます。
湖北地区租税教育推進協議会
会長 (長浜税務署長)
宮脇 泰高
当協議会では、次代を担う児童・生徒の皆さんに、租税の意義や役
割などを正しく理解していただくため、長浜市及び米原市内の小学
校、中学校及び高等学校のうち26校において、租税教室を開催しま
した。
今年度は、公益社団法人長浜納税協会から11校、近畿税理士会長
浜支部から10校、滋賀県東北部県税事務所、長浜市役所及び米原市
役所からそれぞれ1校ずつ講師を派遣していただきました。
開催年月日
開催年月日
学 校 名
学 校 名
26.10.17
杉
野 小
学
校
26.11.21
朝
日 小
学
校
26.10.23
び わ 北 小
学
校
26.11.25
山
東 小
学
校
26.10.28
田
根 小
学
校
富
永 小
学
校
26.10.30
速
水 小
学
校
長 浜 北 小
学
校
26.11. 4
息
長 小
学
校
26.12. 2
虎
姫 小
学
校
26.11. 6
神
照 小
学
校
26.12. 4
七
尾 小
学
校
26 11 10
26.11.10
高
時 小
学
校
26 12 5
26.12.
古 保 利 小
学
校
26.11.13
七
郷 小
学
校
26.12. 8
湯
田 小
学
校
26.11.14
伊
吹 小
学
校
26.12.12
木 之 本 小
学
校
26.11.19
小
谷 小
学
校
27. 1 .14
坂
田 小
学
校
26.11.20
永
原 小
学
校
26. 11 . 28
税金とは、
みんなの社会を支える
会費のようなものじゃよ!
開催年月日
学 校 名
26. 7 .14
び
わ 中
学
校
26. 7 .16
大
東 中
学
校
26. 7 .17
柏
原 中
学
校
開催年月日
学
校
名
26.11.20
長浜北星 高 等 学 校
26.12.10
虎
姫 高 等 学 校
【慎吾君】
【ゼイシル博士】 【沙織ちゃん】
26.7.16 大東中学校 嶋田税理士
26.11.14 伊吹小学校 居林税理士
26.11.04 息長小学校 改田千秋氏
26.7.17 柏原中学校 高津税理士
26.12.4 七尾小学校 小林貴子氏
26.11.20 長浜北星高等学校 大塚良彦氏
26.11.06 神照小学校 上羽輝明氏 26.10.23 びわ北小学校 鷲見税理士
26.12.5 古保利小学校 森税理士
26.11.21 朝日小学校 鹿城律人氏
26.11.10 高時小学校 上田聡氏
26.10.28 田根小学校 中川嘉隆氏
26.12.8 湯田小学校 中村浩敏氏
26.11.25 山東小学校 髙山洋子氏
26.12.10 虎姫高等学校 藤居税理士
26.11.13 七郷小学校 松宮税理士
26.10.30 速水小学校 林章浩氏
26.12.2 虎姫小学校 中村彰男氏
租税教育の推進及びその基盤整備等について、特に
功績のあった学校及び関係民間団体に贈られます。
今年度は、租税教室への講師派遣及び地域イベント
への参加による租税教育とe‐TAX普及推進活動に熱
心に取り組んでいただいた「公益社団法人 長浜納税協
会」に、長浜税務署長より感謝状及び記念品が贈呈さ
れました。
国税庁が主催する「税に関する高校生の作文」に、今年度は、高等学校4校から525作品
の応募がありました。
優秀作品として、次の皆さんに賞状及び記念品が贈呈されました。(敬称略)
★滋賀県租税教育推進連絡協議会賞★
★湖北地区租税教育推進協議会賞★
「税の使い道」
「税について」
長浜北高等学校 阪東 響子
長浜高等学校 真川 仁
★長浜税務署長賞★
★長浜税務署長賞★
「税について思うこと」
「税について思うこと」
長浜北星高等学校 川地 夏帆
伊香高等学校 堀井 美月
滋賀県租税教育推進連絡協議会賞
『税の使い道』
滋賀県立長浜北高等学校
三年
阪東
響子
「働かなくても暮らせます」
そんな一文が、新聞を読んでいる私の目に飛び込んできた。これは、名古屋市の
建設会社が、勧誘したホームレスを無料低額宿泊所に住まわせ、生活保護費を一律
管理しているという記事だ。
ホームレスは室内で暮らせるし、建設会社も利益を得る。結果的に国民が豊かに
なる。しかも、ホームレスと建設会社の双方の扶助になる。
私の住む市では、今年の四月より、0歳から中学生までの子ども達の通院費・入
院費が無料になった。
私は小学五年生のとき、二週間以上熱が下がらず、咳も続いた。だが、私は長い
間病院へ行かなかった。私は風邪だと思い、医療費をかけずに治したかったからだ。
しかし、病院へ行ってはじめて、肺炎になっていると診断され、入院した。子ども
達の通院費・入院費が無料になったことで、私がかかったものよりももっと深刻な
病気にかかっている子どもが救われるかもしれない。小さな子どもは、どんなに些
細な身体的変化でも、重い病気になりかねない。だから、子どもの医療機関への受
診の機会を増やすことは重要であると言える。ゆえに、この制度は、子どもやその
家族の扶助になる。
二つの事例を挙げたが、両者にはどのような差異があるのだろうか。どちらも、
国民の扶助となっている。しかし、前者は、建設会社がホームレスの生活保護費を
管理する必要はないということが言える。生活保護費は生活困難な人々のために支
給される。したがって、経済的に困窮していない建設会社にまで国民の税が回って
いることはいわば「税の余剰」だ。これは税の使い方として間違っている。後者は、
子ども達に医療を受ける機会を平等に与えることになる。それだけでなく、医療費
が多額になった場合、子どもの家族にとって大きな援助になりうる。したがって、
この税の使い道は道理的である。
税は、国民の扶助となるべきである。それは、経済的弱者への扶助だ。税によっ
て平等でより豊かな国にする、という言葉を口先だけのものにしてはならない。そ
のためには、まず、国民一人ひとりが税の使い道を経済的弱者の視点から考えるこ
とが必要だ。そして、税の無駄使いを減らし、本当に必要なことに使える税を増や
さなければならない。
今年度は、高等学校5校から1,187作品の応募があり、優秀作品として、次の皆さんに賞状及び
記念品が贈呈されました。また、優秀作品については、所得税の確定申告期間の間、滋賀銀行長浜
支店のロビーに展示させていただきました。(敬省略)
全国納税貯蓄組合連合会と国税庁が共催する「中学生の税についての作文」に、今年度は、
中学校18校から1,147作品の応募がありました。
優秀作品として、次の皆さんに賞状及び記念品が贈呈されました。(敬称略)
表
彰
区
分
学
校
名
受賞者氏名
作
品
名
滋賀県知事賞
浅
井 中学校
安
田
実
加
義務教育の終わりに
近畿税理士会会長賞
鏡
岡 中学校
桐
畑
千
晴
私の税金に対するイメージ
長浜北 中学校
谷
口
高
月 中学校
廣
部
日
菜
税金を大切に
滋賀県東北部県税事務所長賞
長浜北 中学校
杉
野
咲
菜
私たちが納める税金の役割
長浜市長賞
び
わ 中学校
前
川
香
恋
税と公共
米原市長賞
河
南 中学校
山
口
真
実
税と向き合う
長浜西 中学校
北
川
珠
由
私の身近にあるもの
長浜南 中学校
柴
田
大
成
税とこの国のあり方
西浅井 中学校
北
方
一
誠
消費税
虎
姫 中学校
服
部
エリカ
税による助け合い
木之本 中学校
髙
橋
美
優
暮らしを支えているのは・・・
西浅井 中学校
藤
谷
真
子
自分のために
杉
野 中学校
木
下
大
翔
税の作文
湖
北 中学校
細
江
祐
希
「税」について
双
葉 中学校
庄
司
創
伊吹山 中学校
児
玉
有里紗
わたしたちと税
大
東 中学校
布
施
麻
鈴
嫌なものから大切なものへ
長浜東 中学校
杉
江
唯
子
税について思うこと
柏
神
部
彩
乃
税について考える
私達の幸せと税金
舞
長浜税務署長賞
近畿税理士会長浜支部長賞
長浜納税協会長賞
湖北納税貯蓄組合連合会長賞
原 中学校
税の必要性とこれからの課題
滋賀県知事賞
『義務教育の終わりに』
長浜市立浅井中学校
三年
安田
実加
ある日、父が高校受験を控えた私が勉強もしないでいる姿を見て、
「高校は義務教育と違
うから、何となく行きたいだけやったら自分で学費払いや。」と怒鳴った後、義務教育の「義
務」は誰に対するものか尋ねてきた。私は自信を持って「私ら子ども。」と答えたが、あっ
さり否定された。
「今の実加に義務なんか何もない。守るべきルールはあるけど、それは人間として当た
り前のルールだけや。実加が中学を卒業することは、親の手を離れても大丈夫、社会に出
てもやっていける教養を身につけた、と国に認められることなんや。」と言った。
過去において国も貧しい時代があり、ごく一部の階級にいる子ども以外は、学校に行く
こともできず肉体労働を強いられていた。
戦後、国民自身の能力を高めることで国の力を高めようと、国家予算による教育制度が
整備され、親にも学校に行かせることを義務化した、これが義務教育の根本である。
振り返ると、これまで学校に行くのに授業料は不要であり、高校生の姉は教科書を購入
しているが私は無償、この夏、姉と行った国立美術館でも、私は入館料が無料であった。
見回せば、国は私たちが平等に教育を受けられる環境整備を行ってくれているが、私は
子ども料金になっている程度の気持ちしかなく、有効な活用もせず、日々過ごしていた。
一方、先日も平均寿命が延びたとの報道がなされ、ますます少子高齢化社会となってき
ており、将来、大人になった私たち一人当たりの負担は今以上に厳しくなる。本音を言え
ば、今の大人たちがもっと子どもを産んで育ててくれれば負担が減るのに、自分の暮らし
を守るために子どもを作らないなんて身勝手、私の家は四人兄弟で、みんな我慢して暮ら
しているのに、と愚痴をこぼしそうになる。
しかし、世界の国々の現状は違っていた。
何時間もかけて学校に通うケニヤやアルゼンチンの少年たち。野生動物のいるサバンナ
を駆け抜け、石ころのアンデスの道を歩きながら、自分の夢を叶えるために『学校』に行
き、色々なことを学ぶために、前に前に、と歩み続けている姿がある。
そんな情報に触れると、私たちは十分恵まれた環境の元で教育を受けており、これに関
しては、もっと真剣に感謝すべきであろう。
義務教育の終わり間際に、このことに気づいた今、進学の目的のひとつを決意した。
それは、しっかりした大人に成長し、この国に恩返しをするために勉強すること。
そして、自分のなりたい職業に就き「勤労」し、「納税」し、子を産み「教育」を受けさせ
ること。国民の三大義務であり、当たり前のことではあるが、当たり前のことがしっかり
とできるよう、高校で色々と学び、また、税による国家政策にも関心や意見の持てる大人
に成長していきたいと強く感じている。
近畿税理士会会長賞
『私の税金に対するイメージ』
長浜市立鏡岡中学校
二年
桐畑
千晴
私は税金のことにはあまり興味がなく、税金といわれるとディズニーの名作「ロビン=
フッド」に出てくるプリンスジョンを思い出します。プリンスジョンは、どんなに貧しい
人からも税金を巻き上げるよくばりで自己中心的な王様です。彼は、たくさんの人の税金
を 自 分 勝手 に 使 って いま し た 。私 の 中 での 税金 の イ メー ジ は 、あ まり 良 い もの で は なく 、
「何のための税金なんだ。」と心の中でさけんでいました。
最近ニュースで話題になった男性議員は、政府調査費・政務活動費収支報告について、
説明できない不適切な支出がありました。これらの費用は、すべて税金によるものからな
のです。ますます、私の税金に対するイメージが、悪くなりました。私は、
「こんなことが
あるなら、将来税金を納めたくないな。」と思いました。
また、消費税についても、二〇一四年四月に五パーセントから八パーセントに上がり、
さらに十パーセントにまでなるといわれています。もしも税金がこの国からなくなったら
私たちの暮らしはどう変わるでしょうか。そこで、私は、税について調べてみることにし
ました。
税金は消費税の他にもいろいろな種類があります。給料をもらう時にかかる所得税、車
を持っていると自動車税、温泉に入る時にかかる入湯税など私にとっては初めて知る税が
ほとんどでした。
また、税金は憲法で定められていて、税に関する法律や、税の使い道は、国会で決めら
れています。国の財政は、国民の生活の安全のための警察や消防などの公共サービスや、
学校や公園などの公共施設の設置などを行っています。滋賀県の財政は、教育や文化の向
上、社会福祉の向上のために、道路や川、公園を整備するために、さらには、琵琶湖森林
づくり事業のためにも使われています。また、災害対策や社会保障にも使われています。
最近、私の通っている中学校にエアコンが取り付けられましたが、それはきっと税のおか
げだと思います。
私は税についていろいろ調べましたが、初めて知ることがほとんどでした。そして、今
まで思っていた税金へのイメージが変わってきました。私たちは、さまざまな税とかかわ
って生活しています。税金は、私たちの暮らしをサポートするための会費のようなものと
書かれていました。税金がこの国からなくなるということは、ありえないということです。
私たちが健康で文化的な生活を送るためにも税金は必要です。そして、ただ、納めるだ
けではなく税金が何に使われているのか、社会に関心を持って、税の果たす役割を正しく
理解して、納めるべきだと思います。また、公平な税負担かどうかなど、考えることも大
切です。私は、将来税金を納めるときは、しっかり理解した上で納めようと思います。
《事務局からのお知らせ》
湖北地区租税教育推進協議会では、児童・生徒の皆さんに租税の意義や役割
などを正しく理解していただくため、各学校で租税教室を開催しています。
また、税に関するビデオ、DVDを貸し出しています。
御希望の方は、事務局までお問い合わせください。
小学生用
中学・高校生用
詳しくは国税庁ホームページにアクセスください。
http://www.nta.go.jp/
湖北地区租税教育推進協議会事務局
(長浜税務署総務課内)
℡ 0749 - 62 - 6144