セラミックフィルタ (セラフィル )

セラミックフィルタ
(セラフィル ®)
Application Manual
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
はじめに
現在セラミックフィルタ(以下セラフィル ®とする)は各種電
子機器に不可欠な部品です。
当初は軍需、宇宙用に開発されたICも現在では通信機、ステレ
オ、テレビ、カーラジオなど様々な民生機器分野に普及し、そ
の性能向上とともにIF回路の選択素子についてますます小型集
中化が要求されています。さらに通信網の発達による混信問題、
昨今のデータ伝送速度の高速化により、高選択度、広帯域を持
つフィルタの必要性が増しています。よって、今後もますます
能動素子のIC化が進み、IF部は高選択度化、無調整化、小型化、
広帯域化の要求が高まるものと思われます。このような中でセ
ラフィル ®は最適の商品として多くの機器にご使用いただいて
おります。
しかし実際にセラフィル ®をご使用いただくとなると、使用方
法についての参考書も少なく、ご使用になられる側でとまどい
を感じられる点も多くあるようです。そこでセラフィル ®の特
性をより効果的に、また支障なくご使用いただけるようにと、
セラフィル®アプリケーション マニュアルをまとめました。セ
ラフィル ®の原理・特長・最適な使い方から、各用途における
機器への応用回路例などを述べてあります。
セラフィル®をご検討いただく際にぜひお役立てください。
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2015.03.06
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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2015.03.06
1
Con t e n ts
記載内容は2015年3月現在のものです。
セラフィル®は村田製作所の登録商標です。
1 セラフィル®の主なラインアップ ………………………
P2
2 フィルタ……………………………………………………
P3
1.フィルタの定義
………………………………………
2.フィルタの動作原理と特徴
P3
…………………………
P3
3 セラフィル®の原理 ………………………………………
P4
1.圧電体とは
……………………………………………
2.圧電セラミクスとは
…………………………………
3.電気機械振動子とその等価回路
……………………
P4
P4
P5
1. 振動モード ………………………………………………
P5
2. 等価回路 …………………………………………………
4.セラフィル® …………………………………………………
P5
P6
4 セラフィル®用語説明 ……………………………………
P7
1.セラフィル®の周波数特性とその用語 ………………
P7
2.その他の用語 …………………………………………
P8
1. 入出力インピーダンス ……………………………………
P8
P8
2. インピーダンス・マッチング ……………………………
4. dBµ(ディビィマイクロ) ………………………………
P8
P9
5. 群遅延特性 …………………………………………………
P9
3. dB(デシベル) ……………………………………………
5 セラフィル®の特長 ………………………………………
1.高選択度設計が容易
3.小型化に最適
P10
………………………………………
P10
…………………………………………
P10
4.集中フィルタ化に最適
………………………………
5.ソリッドステート化に合致
P10
…………………………
P10
6 セラフィル®の正しい使い方 ……………………………
P11
1.インピーダンスマッチング
2.スプリアス対策
…………………………
P11
………………………………………
P12
3.回路利得配分の考慮
…………………………………
4.バイアス回路の追加不要
P14
7 ディスクリミネータ………………………………………
P15
2.検波方式
……………………………
P15
………………………………………………
P16
2. クワドラチャ検波 …………………………………………
P16
P17
3. ディファレンシャルピーク検波 …………………………
P17
1. レシオ検波 …………………………………………………
8 セラミックディスクリミネータの応用例………………
P18
9 トラップ……………………………………………………
P20
1.トラップとは
…………………………………………
2.セラミックトラップについて
………………………
3端子型セラミックトラップ …………………………………
10 付録
4
5
6
P13
……………………………
1.ディスクリミネータとは
3
P10
…………………………………
2.無調整化が可能
2
P20
P20
7
8
9
P20
……………………………………………………
P21
1.セラミックディスクリミネータの使用上の注意 …
P21
2.セラミックディスクリミネータの適用IC …………
P21
10
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1 セラフィル®の主なラインナップ
1
業務用無線
コードレス電話
携帯電話
無線データ通信
RKE/TPMS
テレビ/VTR
カーオーディオ
代表
中心周波数
ホームオーディオ
主なセラフィル®
ポータブル
オーディオ
各種機器にご使用いただけるよう豊富なバリエーションを揃えております。
SMD タイプ
リードタイプ
セラミックフィルタ
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
450kHz
455kHz
SMD タイプ
セラミック
ディスクリミネータ
セラミック
トラップ
SMD : Surface Mount Device.
2
○
10.7MHz
4.5MHz
5.5MHz
6.0MHz
6.5MHz
○
4.5MHz
5.5MHz
6.0MHz
6.5MHz
○
○
450kHz
455kHz
10.7MHz
○
○
○
○
○
○
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2 フィルタ
1.フィルタの定義
2
特定の周波数以上または以下の周波数エネルギーを通過さ
せるか、特定周波数帯のエネルギーのみを通過(または遮
断)させ、その他の周波数のエネルギーを遮断(または通
過)させる機能をもった電子部品のことをいいます。
2.フィルタの動作原理と特徴
フィルタはそれぞれ構成材料により呼称が異なりますが、
現在使用されているフィルタの種類・原理・特徴は以下の
通りです。
■各種フィルタの動作原理と特徴
フィルタ種類
適用周波数範囲
特性
動作原理
特徴
セラミック
10kHz
フィルタ
∼100MHz
B.P.
B.E.
圧電セラミクスを電気−機械素子変換および機 ・LCフィルタに比べ小型化。
械共振系として利用したもので、電気機械系を ・IF回路FM検波回路の無調整化が可能で、高
同一素子内で同時に得ることにより所定の特性
選択度を有する。
をだす。
・機械振動のためスプリアス特性を有する。
LCフィルタ
100Hz
∼150MHz
L.P.
H.P.
B.P.
B.E.
・中心周波数、通過帯域、振幅特性、遅延特性
コイル(L)とコンデンサ(C)とのもつ正負
など設定の自由度が大きい。
リアクタンス特性を組み合わせて所定の特性を
・振動子型フィルタに比べて形状が大きく減衰
得る。
傾度が劣る。
水晶フィルタ
3kHz
∼200MHz
L.P.
H.P.
B.P.
B.E.
水晶振動子の共振点付近の周波数特性を利用し ・損失がきわめて少なく、遮断特性が非常に急
て、直列、並列共振周波数の組み合わせにより
峻でかつ安定度が高い。
所定の特性を得る。
・Qが高いため広帯域のものが作りにくい。
メカニカル
100Hz
フィルタ
∼800kHz
B.P.
周波数特性を有する機械的振動フィルタ部と電 ・損失が少なく、遮断特性が急峻でかつ安定度
が高い。
気−機械変換部、外部電気回路の整合部からな
り、金属製共振子に圧電セラミクスを接着しエ ・機構は複雑である。
ネルギー変換を行う。
・スプリアス特性を有する。
アクティブ
100Hz
フィルタ
∼80kHz
L.P.
H.P.
B.P.
B.E.
動作原理は種類により異なるがOPAmpの性質 ・あらゆるフィルタ特性が得られ、LC、メカニ
を利用してOPAmpとRCの組み合わせ回路を伝
カルフィルタに比べ低周波領域で小型・軽量
達関数に対応させ回路を動作させる。
化したものが得られる。
RCに高精度を要するためハイブリッドICが用い ・振動衝撃性に強い。
られる。
・他のフィルタに比べて電力を消費する。
L.P. : Low Pass Filter, B.P. : Band Pass Filter, H.P. : High Pass Filter, B.E. : Band Eliminate Filter
各フィルタについて使用可能周波数と帯域幅の関係を図に
示すと図2-1のようになります。
100
アクティブフィルタ
LCフィルタ
セラミック
フィルタ
比帯域 (%)
10
1
10-1
メカニカルフィルタ
水晶フィルタ
10-2
10-3
100
1k
10k
100k
1M
10M
100M
1G
周波数 (Hz)
図2-1 各種フィルタの使用可能周波数と帯域幅の関係
3
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3 セラフィル®の原理
セラフィル ®は圧電セラミクス(チタン酸バリウム磁器、
チタン酸ジルコン酸鉛磁器など)を、電気−機械変換素子
および機械共振系として利用したフィルタで、電気機械系
を同一素子内に同時に得るものです。
1.圧電体とは
3
結晶に応力を加えると結晶格子に歪を生じますが、そのう
ち対称中心を持たない結晶群は、歪の他に分極を生じます。
この現象は1880年キュリー兄弟により発見されたもので、
誘電体
圧電気直接効果(またはCurie効果)と呼ばれています。
圧電体
また逆にこのような結晶に電界をかけると歪または応力を
生じます。この現象は圧電気逆効果(またはLippmann効
焦電体
果)と呼ばれます。すなわち、機械的力(応力)を電気的
信号に(電界)に、また逆に電気信号を機械的力に変換で
強誘電体
きるということです。この2つの現象を総称して圧電効果
といい、このような特性を有する物質を圧電体といいます。
圧電性を示す結晶のうち、特に対称性の低い結晶群は、電
界または応力の加わらない状態ではじめから有限の大きさ
の分極を有しており、これを自発分極といいます。このよ
うな結晶では、温度を変えると原子の熱振動状態などで結
晶が歪むので、自発分極の大きさも変化して、この変化分
が電位差を生じます。これを焦電気現象といいます。また
自発分極を持つもので、外部電界によりその方向を反転で
きるものを強誘電体といいます。これらの関係は図3-1の
ように書き表せます。
2.圧電セラミクスとは
圧電性結晶のうち一部のものは多結晶体である磁器(セラ
ミクス)に焼成することが可能です。このような圧電性セ
ラミクスは、その内部の微結晶に自発分極があっても全体
としては打ち消しあって、セラミクスとしては圧電性を示
しません。
しかしこれに直流の高電圧を加えると、自発分極の向きが
揃えられ圧電セラミクスが得られます。現在では若干の添
加物を加え、周波数温度特性や経年変化において非常に安
定したものがセラフィル®の材料として用いられています。
圧電セラミクスは単結晶に比べ次のような種々の利点を
持っています。
1. 量産性に富んでいて安価に製造できます。
2. 任意の形状にできます。
3. 分極の方向が自由です。
4. 化学的・物質的に安定しています。
5. 加工が容易です。
4
図3-1 圧電性、焦電性、強誘電体の関係
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セラフィル®の原理 3
3.電気機械振動子とその等価回路
1. 振動モード
分極処理を行ったセラミック共振子には、先にのべたよ
うな圧電現象があるので、これらの共振子に電極を付け
電極の両端に正弦波電圧を加えて励振させると、いろい
■振動モードと利用可能周波数帯
周波数(Hz)
振動モード
1k
10k
100k
1M
10M 100M
1G
屈曲振動
ろな振動モードで振動します。代表的な振動モードと形
状およびその利用可能周波数帯を右に示します。
3
長さ振動
拡がり振動
厚みすべり
振動
厚み縦振動
[注]
:←̶→は振動方向を示す
2. 等価回路
電気回路中では電気機械振動子として図3-2のような記号
を使用します。また2端子型では、利用する振動モードは
異なっても共振点近傍での等価回路は図3-3のようになり、
それぞれの変数は図3-4のバネ振り子にあてはめて考える
ことができます。
2端子振動子
C0:電極間容量で並列等価容量と呼ばれます。
3端子振動子
図3-2 振動子電気回路記号
C1:機械的にはバネやゴムの弾力に相当するもので等価
コンプライアンスと呼ばれます。
L1:機械的には慣性力(質量やモーメント)に相当する
C1
R1
L1
もので等価質量や等価インダクタンスと呼ばれます。
R1:摩擦抵抗で等価抵抗と呼ばれます。
C1:等価コンプライアンス
L1 :等価質量
R1:等価抵抗
C0:並列等価容量
C0
図3-3 2端子型等価回路
壁
バネ係数 κ ≒1/C1
おもり
質量M≒L1
床
摩擦抵抗 ƒ≒R1
図3-4 バネ振り子と電気機械振動子の関係
5
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3 セラフィル®の原理
理想的な電気機械振動子で2端子の場合はインピーダンス
変化が図3-5のようになり、これらの各定数と図3-3の等価
fr =
回路の各定数は図3-5内のような数式により関係づけられ
Za
ます。
1
L1・C1
1
2π L1・C1・C0
C0+C1
インピーダンス
fa =
2π
3
fr :共振周波数
fa :反共振周波数
Zr :共振インピーダンス
Za:反共振インピーダンス
Zr
fr
fa
周波数
図3-5 2端子型のインピーダンス特性
4.セラフィル®
以上で述べた圧電セラミクスを利用し、これに電極をつけ
所要の振動モードで励振できるように分極処理をし、適当
入力(駆動電極)
出力(引き出し電極)
なマッチングインピーダンスにて動作させるとセラフィル®
ができあがります。
一例として、AM用450kHzセラフィル®のモデル図を図3-6
に示します。
(セラミクス)
アース
図3-6 AM用450kHzセラフィル®
6
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4 セラフィル®用語説明
セラフィル®の特性に関していろいろな用語が用いられます
が、それらの用語について説明します。
1.セラフィル®の周波数特性とその用語
セラフィル®の周波数特性について図4-1の代表例を用いて、
下表に用語を説明します。
入力レベル
[dB]
③
0
④
3
(または6)
減衰量
②
4
⑦
⑥
⑧
20
(または40)
⑤
①
周波数
図4-1 セラフィル®の周波数特性例
■セラフィル®の用語
図4-1中の番号
用語
記号
単位
用語解説
①
中心周波数
(Center Frequency)
f0
Hz
フィルタ作用として働く中心となる周波数で、通過帯域幅の中心で示します。
ただし、一部品種には挿入損失点の周波数で示すこともあります。
②
通過帯域幅
(Pass Band Width)
(3dB)
B.W.
Hz
最小損失レベルより3dB減衰する周波数の差で示します。
③
挿入損失
(Insertion Loss)
Loss
dB
最小損失点での入力レベルと出力レベルとの比をdBで示します。一部品種に中
心周波数での入出力レベル比で表すことがあります。
④
リップル
(Ripple)
−
dB
通過帯域内での隣り合う最大の山と谷を電圧比dBで示します。
⑤
減衰帯域幅
(Stop Band Width)
(20dB)
B.W.
Hz
減衰量が最小損失レベルより呼称のdBとなる周波数の差で示します。
(例:10.7MHzフィルタの場合は20dB減衰点での帯域幅)
⑥
選択度
(Selectivity)
−
dB
中心周波数より離調点での減衰量で示します。
(例:AM用450kHzフィルタの場合±9kHz離調点での減衰量)
⑦
スプリアス レスポンス
(Spurious Response)
sp
dB
帯域外の減衰域(範囲は各フィルタ毎に規定)におけるピーク点と通過帯域内
の最小損失点との電圧比で示します。
⑧
スプリアス
(Spurious)
−
−
基本振動以外の周波数において寄生(不要)振動にもとづく周波数応答のこと
をいいます。
ボトムレベル
(Bottom Level)
−
dB
規定周波数範囲内における、スプリアス以外の最小または平均的な減衰量をい
います。
形状比
(Shape Factor)
−
−
選択度を表現する一方法で(減衰帯域幅/通過帯域幅)で表わしこれが1に近
い程、急峻な選択特性を示すことになります。
その他
7
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4 セラフィル®用語説明
2.その他の用語
1. 入出力インピーダンス
セラフィル®の中心周波数における内部インピーダンスの
入力側と出力側の値をΩで表わします。セラフィル®の場
合入出力インピーダンスがほぼ同じ値の対称形となって
いますので、入出力を逆に使用しても特に問題はありま
せん。
2. インピーダンスマッチング
電気回路と電気回路、部品と部品、あるいは電気回路と
部品を接続する場合、信号源インピーダンスと負荷イン
4
ピーダンスが同じであるときに、最も効率よく信号源か
ら負荷に電力が供給されます。これがずれると電力はイ
ンピーダンス不整合による反射となって他に逃げてしま
います。このように信号源インピーダンスと負荷イン
ピーダンスを合わせることをインピーダンスマッチング
といいます。
セラフィル®の場合、インピーダンスマッチングは最も重
要な問題で、これをしないと種々のトラブルの原因とな
ります。
(
『8-1インピーダンスマッチング』の項をご参照
ください。
)
3. dB(デシベル)
デシベルは2つのレベルを対数比で比較した値です。
セラフィル®でも周波数特性、挿入損失、スプリアスを表
わすときに使用します。
電力、電圧、電流の比によりdBは次のように定義、計算
されます。
〔電力比dB〕=10log10P2/P1(2点の電力をP1,P2とする。
)
〔電圧比dB〕=20log10E2/E1(2点の電圧をE1,E2とする。
)
〔電流比dB〕=20log10I2/I1 (2点の電流をI1,I2とする。
)
<デシベルを使う利点>
このようにデシベルは対数を使って表わしていますので
(1)増幅度や減衰度が加減算のみで簡単にゲインの算出
ができます。
(2)大きな変化や広範囲の変化が小さい数字で表わせま
す。
8
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セラフィル®用語説明 4
4. dB µ (ディビィマイクロ)
前項のdBは電力比、電圧比、電流比など二つの量を比較
する場合に限られていました。しかし電力や電圧などの
大きさを表わすのにある基準量を決めて、これに対する
デシベルとして表わすこともできます。
セラフィル ®では、入出力レベルなどを表わす量として
dBμ を使用します。
これは1μ V=0dBμ が基準となっています。
すなわち60dB μ は1mVというようにレベルを表わす量と
なります。dBとdBμ は十分区別して使用する必要があり
ます。
<その他レベルを表すデシベル>
4
dBm:600Ωの1mWを0dBとしてこれを基準にします。
(ディビィエム)
-
(電圧では0dBm= =0.775Vrmsとなる)
600×1×10 3
dBs:1Vrms=0dBswを基準にします。
(ディビィエス)
5. 群遅延特性
伝送素子のもつ重要な特性のひとつに、信号をできるだ
け小さな歪で伝送するということがあげられます。この
振幅特性
振幅特性
の位相推移の非直線性を表わすのに便利な表わし方が群
減衰量
推移が周波数に対して非直線である場合に生じます。こ
減衰量
歪は信号がある伝送系を通過するとき、その信号の位相
群遅延特性
遅延特性です。
これは群遅延特性をT D、入出力の位相差をφ 、その時の
周波数をωとすると
dφ
dω
となり、位相の傾斜を周波数で微分したことを表わして
群遅延特性
周波数
(a)バターワース特性
周波数
(b)ガウシアン特性
TD
図4-2 振幅特性と群遅延特性
います。すなわち、通過帯域内において群遅延時間が一
定であるとき、信号は歪なく伝送されます。
FMステレオチューナなど歪率特性を重視する機器には、
振幅特性の他に通過帯域における位相が直線であること、
すなわち群遅延時間が平坦であることが望まれます。な
お群遅延特性は振幅特性と相関を持っており、図4-2のよ
うに振幅特性が通過帯域内においてフラットな特性を持
つものをバターワース特性、群遅延特性がフラットな特
性を持つものをガウシアン特性といいます。
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5 セラフィル®の特長
1.高選択度設計が容易
機械的振動を使っているセラフィル®はIFTに比べQが高く、
従って高選択度が得られます。セラフィル®1個でIFT2∼3個
の選択度に匹敵し、周波数温度係数も良く高選択度、高安
定度のフィルタです。
2.無調整化が可能
セラフィル®は機械的共振を使っているため周辺付加回路に
影響されることがほとんどなく、またプリント基板に配線
していただくだけで特性がずれることもなく、調整の必要
もありません。
3.小型化に最適
セラフィル®は各アプリケーションに対応するため、種々の
5
形状のものを揃えています。省スペース・低背化に貢献し
ます。
4.集中フィルタ化に最適
増幅部にICを使用した場合は一段あたりの利得が大きいた
め、選択素子を集中させる必要があります。集中フィルタ
をLCで組む場合には選択度にもよりますが5∼8段は必要と
なり、各段の調整・バラツキ・温度特性を考慮すると非常
に大型となり調整が複雑です。その点セラフィル®を使用し
ますと簡単に集中フィルタ化ができ、高選択度が得られま
す。
5.ソリッドステート化に合致
現在のエレクトロニクスはICで代表されるように固体内の
電子を応用するもので、それぞれの機能をバラバラに分割
できないソリッドステート化の方向にあります。
セラフィル ®も圧電セラミクス内の電子を応用するもので、
従来のIFTのように、コイルやコンデンサの単一部分に分解
できないソリッドステート型のまったく新しいフィルタで
す。従ってIC回路に最適でICとともに成長してゆきます。
10
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2015.03.06
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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2015.03.06
6 セラフィル®の正しい使い方
セラフィル®は前述のようにIFTに比べて多くの特長を持っ
ていますが、セラフィル®をご使用いただく上で注意してい
ただきたい点がいくつかあります。ここではそれらの点に
ついて解説します。
セラフィル®の機能や特性を十分に認識いただき、最良の状
態でご使用ください。
1.インピーダンスマッチング
回路と回路、部品と部品、あるいは回路と部品を継ぎ合わ
せる時は必ずインピーダンスのマッチングを考えなければ
0
なりません。
R1+Rg=R2=150Ω
R1+Rg=R2=200Ω
セラフィル®の場合には最も基本的なことであり、マッチン
R1+Rg=R2=330Ω
10
グさえとればカタログの規格通りの特性が得られます。
インピーダンスマッチングといってもセラフィル の場合は
別に難しい問題ではありません。カタログや規格に入出力
インピーダンスとして最良の波形が得られる抵抗値が記さ
れています。この値と一致するように信号源インピーダン
R1+Rg=R2=470Ω
R1+Rg=R2=680Ω
Attenuation (dB)
®
20
30
ス、負荷インピーダンスを合わせていただければ良いだけ
です。
図8-1に10.7MHzセラミックフィルタの抵抗値変化による周波
40
10.4
10.5
数特性の変化を示します。
10.6
10.7
10.8
10.9
11.0
Frequency (MHz)
入出力インピーダンス(R1, R2)を規格値(330Ω)より小
R1
さくすると、図8-1のように中心周波数は低い方へとずれて
6
リップルが増大します。また入出力インピーダンス(R1, R2)
を規格値(330Ω)より大きくすると、中心周波数は高い方
Rg
へとずれリップルが増大します。
しかし図8-1でおわかりのようにミスマッチングによる特性
R2
S.S.G
RF
ɜɫɈɡĘȿ
変化はそれほど大きいものではなく、機種の性能や用途に
よって幾分異なりますが、インピーダンスマッチングを規
測定回路
格値の±50%の値に入れていただければ実使用上問題はあ
りません。
図8-1 10.7MHzセラミックフィルタの入出力抵抗による特性変化
11
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
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6 セラフィル®の正しい使い方
2.スプリアス対策
セラフィル®は機械振動を利用しているので基本振動以外に
0
他の励振状態で、あるいは高次振動で振動したりするため
スプリアスの問題があります。10.7MHzや4.5MHzのセラフィ
ル®ではエネルギー閉じ込め振動を用いていることもあり実
きます。
スプリアスの対策としては次のようなことが考えられます。
Attenuation (dB)
用上あまり問題となるスプリアスはありませんが、450kHz
フィルタの場合はスプリアスに対する対策が必要となって
20
40
60
<対策>
(1)セラフィル®をIFTと併用することにより、コイルでス
80
プリアスを抑圧します。
0
2
6
8
10
Frequency (MHz)
(2)セラフィル®を2個以上組み合わせて併用し、スプリア
スを互いに打ち消し合うようにします。
4
図8-2 450KHzセラミックフィルタのスプリアス特性
(3)固定のLCのローパスまたはハイパスフィルタを設け、
スプリアスを抑圧します。
0
これらのうち最も一般に用いられているのが(1)の方法で
す。図8-2に450KHzセラミックフィルタ単体での、図8-3に
450KHzセラミックフィルタとIFTとの併用でのスプリアス特
6
Attenuation (dB)
性を示してあります。これによりスプリアスは十分抑圧され
ます。
20
40
60
80
0
2
4
6
8
10
Frequency (MHz)
図8-3 450KHzセラミックフィルタ+IFTのスプリアス特性
12
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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セラフィル®の正しい使い方 6
3.回路利得配分の考慮
セラフィル®のインピーダンスは入出力対称で低インピーダ
ンスのため回路の利得配分を考慮する必要が出てきます。
8-1項で述べたようにインピーダンスマッチングをとるため
に抵抗を用いますが、この抵抗による直流損失があり、利
得が下がりセットの増幅部に余裕がない場合に問題となる
ことがあります。対策としては次のようなものが考えられ
ます。
<対策>
(1)セラフィル®を段間に入れるのではなく、集中して使用
し、増幅段は利得本位の設計をします。
(2)回路とのマッチングロスを少なくし直流損失をなくす
ためIFTを併用します。ただしこの場合のIFTは単なる
整合トランスと考えて選択度はセラフィル®に依存しま
す。
6
13
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6 セラフィル®の正しい使い方
4.バイアス回路の追加不要
トランジスタを動作させる場合はバイアスを与えなければ
なりませんが、セラフィル®には直流を通すことはできませ
ん。そのためバイアス回路は別に必要となります。
しかしセラフィル®にはマッチング抵抗が必要ですから、こ
れをバイアス抵抗と共用して利用できます。
(図8-4)この
VB
場合バイアス抵抗によりトランジスタの内部抵抗もかわり
ますから、セラフィル®から見たインピーダンスとしては常
マッチング用
①直流は流れません。
にバイアス抵抗とトランジスタ内部抵抗の並列回路を考え
てこれが規格値になるようにしてください。
またICを用いる場合はIC内部にバイアス回路を内蔵してい
VB
ますので、バイアス回路の追加は必要ありません。しかし
MIX段と結合する場合は、直流が流せないことや、セラフィ
バイアス用
®
ル の入力インピーダンスが低く変換利得が十分に得られな
いという点を考慮して、この部分にはIFTを併用するのが
一般的でしょう。
(図8-5)
マッチング用
② バイアス用抵抗を追加し、
直流が流せます。
6
バイアス用
マッチング用
③ バイアス用抵抗とマッチング
用抵抗を共用します。
図8-4 トランジスタとの結合
C.F.
IFT
OSC.
Mix.
IF
Amp.
VB
図8-5 MIX段との結合
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7 ディスクリミネータ
ここまではフィルタ特性について述べてきましたが、セラ
フィル®の位相またはインピーダンス特性を利用した様々
な検波方式に合ったディスクリミネータもあります。
1.ディスクリミネータとは
FM波の検波は周波数対出力電圧の関係が直線である回路
を通して行われます。そこで、周波数の変化を音声信号に
変える働きをするのがディスクリミネータであり、これは
FM放送独自の検波方式です。
FM検波方式としてはレシオ検波、フォスターシーレ検波、
クワドラチャ検波、ディファレンシャルピーク検波があり
ます。
7
15
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7 ディスクリミネータ
2.検波方式
1. レシオ検波
レシオ検波は最もポピュラーな方式で多くの機器で採用
されています。その簡単な動作原理を図5-1に示します。
ダイオードD1,D2に加えられる電圧e1,e2は1次電圧V1と
M
D1
V
入力
V 2 /2
R3
+
出力
C2
2次電圧V2の1/2が重なったもの、すなわち図5-1(b)中
の式のような電圧になります。この高周波電圧によって
C3
C1
C4
V 2 /2
R4
V1
D2
ダイオードD1の整流電流I1はC3の両端にE1の電圧を生じ
させます。同様にC4の両端には、E2の電圧が生じます。
(a) 回路図
R3とR4の両端には電流I1,I2によりE1+E2が現れますから、
R3とR4の両端には(E1+E2)/2の電圧となります。ここ
I1
D1
でディスクリミネータの同調周波数をfo、入力周波数をf
とすると、
(1)f=foのときE1=E2でE0=0
(2)f<foのときI1<I2(I1+I2=一定)で
R3
E1
C3
V2/2
V1
-V2/2
C4
E1+E2
1
− E1 = (E2−E1)
2
2
(3)f>foのときI1>I2となり
E0 =
E1+E2
E0
R4
E2
D2
e1 = V1+V2/2(D1の電圧)
e2 = V1-V2/2(D1の電圧)
I2
E1+E2
1
− E2 = (E1−E2)
2
2
となり、周波数特性は図5-1(c)のようなS字特性となり
(b) 電圧分布
E0 =
V
ます。セラミック共振子のインピーダンス特性を利用し、
E1+E2
図5-1(d)のような回路構成で検波コイルは不要となり
E2
無調整となります。
E1
fo
I
E1–E2
7
(c) 周波数特性
セラミック
ディスクリミネータ
(d) セラミックディスクリミネータの検波回路
図5-1 レシオ検波器
16
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ディスクリミネータ 7
2. クワドラチャ検波
この検波方式はもともとテレビの音声の検波器として開
出力
発されたものですが、現在では普及型FMチューナ、カー
ラジオにも用いられるようになっています。
図5-2に基本的な構成を(b)
(c)に動作原理を示してあ
ります。この検波方式は位相特性を利用したもので、IC
マルチ
プライヤ
位相回路
ローパス
フィルタ
入力
eo
オーディオアンプ
ei
リミッティングアンプ
を用いたマルチプライヤの一方の入力にFM波の信号を直
(a) クワドラチャ検波器の構成
接加え、他方の入力には、位相回路とFM IFの周波数に
Vcc
同調したタンク回路を通した信号を加えます。
iL
RL
図5-2(b)
(c)に示したようにe1と位相器を通ったe2との
i4
ローパスフィルタを通すことにより平均値が変化し、位
Vout
i3
間の位相差により、出力i Lのパルス幅が変化し、これを
is
位相
回路
入力
相検波を行います。
i1
i2
e2
従来より位相器としてコイルが用いられていますが、セ
e1
ラミック共振子の位相特性を利用することによって、FM
IF回路の完全無調整化が可能となります。
I0
(b) 回路
+
e1 0
–
i1
i2
i1
i2
i1
i2
i1
i1
i2
0
+
e2 0
–
Iav
iL
0
i4
is
i4
is
i4
is
(c) 局部波形
図5-2 クワドラチャ検波器
7
3. ディファレンシャルピーク検波
この検波方式は、RCAがTVの音声用に開発したもので、
同調回路が1個の同調コイルで済み、出力が大きいという
Vcc
特徴があります。動作原理を図5-3に示します。これは同
調回路はそのインピーダンス変化により、A点ではf2にB
A
B
D
C
点ではf1に共振するようになっています。そこでこれら
の端子に生ずる中間周波電圧を整流して差動的に加えれ
ばそれぞれの同調特性の非直線部を補正し合い、図5-3
(b)に示すa線のような直線特性を得ることができます。
(a) 回路
V
f1
f2
f
a
(b) Sカーブ
図5-3 ディファレンシャルピーク検波器
17
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8 セラミックディスクリミネータの応用例
次にセラミックディスクリミネータの応用回路と特性デー
タを示します。小型ラジオ、VICS、RKEなどに最適でIF回
路は検波部も含めて無調整化が図れます。
(ご検討のICをご連絡ください。それに適したディスクリミ
ネータの最適使用条件を当社で検討いたします。
)
■CDSCB10M7GA105A-R0
主な用途:小型ラジオ,ヘッドホンステレオなど
■CDSCB10M7GA113-R0
主な用途:小型ラジオ,ヘッドホンステレオなど
Vcc (3.0V)
0.1μ
48 47 46 45 44 43 42 41 40 39 38 37
1
36
2
35
3
34
4
33
5
32
TEA5757HL
(PHILIPS)
30
29
28
27
26
25
23
22
21
20
29
9
28
27
11
26
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
10
C.D.
25
R:Ω
C:F
AF OUT
0.01μ
0.1μ
0.1μ
AFC (p)
AFC (n)
0.22μ
0.01μ
C.D.
150
+
0.47μ
4.7μ
18
17
12
13
14
16
15
+
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
330p
19
30
8
10
12
DC OUT
2.2μ
D.C. OUT AF OUT
R:Ω
C:F
S.S.G.
C.D. : セラミックディスクリミネータ
C.D. : セラミックディスクリミネータ
TEA5757HL測定回路
TA2154FN測定回路
1000
100
1000
100
100
10
100
10
10
1
10
1
Output Voltage [mV]
1
AF output Voltage (mVrms)
T.H.D.
T.H.D. (%)
Output Voltage
AF output Voltage (mVrms)
24
TA2154FN (TOSHIBA)
T.H.D. [%]
0.1
1
0.1
Input =100dBμ
fdev. =±75kHz
fmod. =1kHz
Vcc =3.0V
0.1
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
10.9
11.0
Input =100dBμ
fdev. =±75kHz
fmod. =1kHz
Vcc =1.2V
0.01
11.1
0.1
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
10.9
11.0
0.01
11.1
Frequency (MHz)
Frequency (MHz)
周波数−復調出力電圧および復調歪率特性
周波数−復調出力電圧および復調歪率特性
8
1.4
1.2
Input =100dBμ
Vcc =3.0V
1.0
1.0
Output Voltage (V)
Output Voltage (V)
1.2
0.8
0.6
0.4
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
Frequency (MHz)
10.9
周波数−出力D.C.電圧特性
18
0.6
0.4
Input =100dBμ
Vcc =1.2V
0.2
0.2
0.0
10.3
0.8
11.0
11.1
0.0
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
Frequency (MHz)
10.9
周波数−出力D.C.電圧特性
11.0
11.1
T.H.D. (%)
7
100k
S.S.G.
31
680p
6
0.01μ
10μ
+
+
100μ
0.01μ
Vcc (1.2V)
0.01μ
0.1μ
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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セラミックディスクリミネータの応用例 8
■CDSCB10M7GF072-R0
主な用途:VICSなど
■CDSCB10M7GF107-R0
主な用途:RKE,TPMSなど
Vcc (3.0V)
820
0.01μF
0.01μF
+
4.7μ
0.01μ
0.01μF
100μF
0.01μ
AF-OUT
AF OUT
Vcc (5.0V)
C.D.
24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13
TA31272FN (TOSHIBA)
14
13
12
11
10
3
4
5
9
TA31161 (TOSHIBA)
1
2
3
4
5
0.01μ
6
7
6
7
8
9
10 11 12
C.D.
R
8
0.01μ
R:Ω
C:F
L :H
+
33μ
IF-IN
0.01μ
0.01μF
15
2
0.01μF
16
1
1000μF
10p
0.01μF
S.S.G.
C.D. : セラミックディスクリミネータ
R:Ω
C:F
L :H
C.D. : セラミックディスクリミネータ
TA31161測定回路
TA31272FN測定回路
1000
100
1000
100
10
100
10
1
100
T.H.D.
1
Output Voltage
10
1
T.H.D.
0.1
1
0.1
Input =100dBμ
fdev. =±80kHz
fmod. =1kHz
Vcc =3.0V
0.1
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
10.9
11.0
Input =100dBμ
fdev. =±40kHz
fmod. =1kHz
Vcc =5.0V
0.01
11.1
0.1
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
10.9
11.0
0.01
11.1
Frequency (MHz)
Frequency (MHz)
周波数−復調出力電圧および復調歪率特性
周波数−復調出力電圧および復調歪率特性
2.0
3.0
1.8
Input =100dBμ
fmod. =1kHz
Vcc =3.0V
1.4
Input =100dBμ
fmod. =1kHz
Vcc =5.0V
2.5
Output Voltage (V)
1.6
Output Voltage (V)
10
T.H.D. (%)
AF output Voltage (mVrms)
T.H.D. (%)
AF output Voltage (mVrms)
Output Voltage
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
2.0
1.5
1.0
0.5
8
0.2
0.0
10.3
10.4
10.5
10.6
10.7
10.8
Frequency (MHz)
10.9
11.0
0.0
10.3
11.1
周波数−出力D.C.電圧特性
10.5
10.6
10.7
10.8
Frequency (MHz)
10.9
11.0
11.1
周波数−出力D.C.電圧特性
12.0
fdev. =±80kHz
fmod. =1kHz
Vcc =3.0V
10.0
10
8.0
AF output voltage
T.H.D. [%]
6.0
20
T.H.D. (%)
AF output voltage (dB)
0
10.4
4.0
2.0
30
0.0
20
40
60
80
Input level (dBμ)
100
120
入出力−歪率特性
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9 トラップ
1.トラップとは
これまで述べてきた特定の周波数を通過させるフィルタと
は逆に、特定の周波数だけを阻止あるいは減衰させる作用
を持つB.E.F(バンドエリミネータフィルタ)をトラップと
呼びます。主な使用例としてはテレビの音声トラップがあ
げられます。
テレビ受像機では映像検波回路のあと映像信号は次段の映
像増幅回路に使用され、ここにセラミック共振子を挿入し
てトラップ回路を形成し映像信号中に含まれる音声信号を
除去します。
2.セラミックトラップについて
3端子型セラミックトラップ
3端子型は2個の共振子をモノリシックに形成した構造となっ
15μ H
ています。図6-1に示す測定回路の場合は、2個の4.5MHzの
共振子が信号源(S.S.G.)に対して並列に挿入しており、2
330Ω
端子型トラップを2回通した特性となります。
Rg=50Ω
図6-2の周波数特性をみると、基準点(D.C.点)を0dBとす
ます。3端子型セラミックトラップでは、外部にコイルLが必
RF
ボルトメータ
1.0KΩ
50Ω
ると4.5MHz点の周波数を約50dB減衰していることがわかり
セラミック
トラップ
(4.5MHz品)
S.S.G
要となりますが、減衰量を大きくとることができるのでカラー
テレビやVTRなどに使用されています。
図6-1 3端子型セラミックトラップの測定回路
0
Attenuation (dB)
10
20
30
40
50
60
70
4.0
4.1
4.2
4.3
4.4
4.5
4.6
4.7
4.8
4.9
5.0
Frequency (MHz)
図6-2 3端子型セラミックトラップの周波数特性
9
20
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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2015.03.06
10 付録
1.セラミックディスクリミネータ使用上の注意
使用回路上でマッチングが正しくとられていない場合、規
格通りの特性が得られませんので、適用ICおよび回路条件
を十分ご確認のうえご使用ください。
2.セラミックディスクリミネータの適用IC
例:CDSCB 10M7 GA 027 - R0
①
②
③ ④ ⑤
ATMEL
① シリーズ名を表わしています。
Infineon
例:SMD品
IC Manufacturer
CDSCBシリーズ
Panasonic
② 中心周波数を表わしています。
例:10M7 → 10.7MHz
Freescale
③ タイプ/周波数ランクを表わしています。
IC Part Number
④Suffix Number
U4313B
081
U4490B
034V
TDA1576T
051
TDA6160X
038
AN7004
011
AN7232
053
MC13156
049
MC13158
073
Renesas
μPC1391M
056
NXP
NE604
020
④ 適用IC名を表わしています。
SA605
042
例:SONY製
SA626
047
TOSHIBA製 TA2149N → 100
SA636DK
096
※適用ICについては右以下の一覧表を参照ください。ただ
SA639
085
し、商品化されていないものもございますので、必ずお
TDA1596T
120
問い合わせください。一覧表に記載のないICへの適用に
TEA5710
ついては、当社までお問い合わせください。
TEA5757HL
CXA1238 → 027
⑤ 包装仕様コードを表わしています。
⑤ 包装仕様コードを表わしています。
コード
包装仕様
-B0
バラ品
-R0
エンボステーピング品φ=180mm
ROHM
040
105A
TEA5762 / 5757
061
UAA3220TS
098
BA1448
060
BA4230AF
005
BA4234L
004
テーピングの場合、リードタイプはラジアルテーピング、
SAMSUNG
S1A0903
118A
チップタイプはエンボステーピングとなります。
SANYO
LA1225M
108A
LA1814M
115
LA1823
101
LA1827M
083
LA1831
043
LA1832/M
046
LA1833
086
LA1835/M
048
LA1838/M
079
LA7770
023
LV23000M
114
LV23100V
121
10
21
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
10 付録
IC Manufacturer
SONY
IC Part Number
④Suffix Number
CX1691M
078
CX-20029
001
CXA1111
093
CXA1238
027
CXA1238N
027N
CXA1343M
032
CXA1376AM
054
CXA1538M/N/S
069
CXA1611
075
CXA3067M
076
T.I.
TRF6901
119
TOKO
TK14570L
122
TK14583V
112
TK14588V
109
TA2003
031
TOSHIBA
TA2007N
033
TA2008A/AN
045
TA2022
050
TA2057
057
TA2099N
082
TA2104AFN
080
TA2104F
10
22
080A
TA2111N/F/FN
077
TA2132
092
TA2132BP
092D
TA2142FN
102
TA2149AN
100A
TA2149N
100
TA2154FN
113
TA2159F
116
TA31161
072
TA31272F
107
TA7303P
008
TA7640AP
006
TA8122AN/AF
016
TA8132AN/AF
018
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2015.03.06
お願い ・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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付録 10
■主要各国の映像中間波周波数
地域/国名
周波数[MHz]
アジア
AP
S
C
P
AS
P-S
カラー方式
日本
52.75
54.25
55.17
58.75
60.25
4.5
NTSC
韓国
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
台湾
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
香港
31.50
33.50
35.07
39.50
41.50
6.0
PAL
アセアン
中国
30.00
31.50
33.57
38.00
39.50
6.5
PAL
インド
31.50
33.50
35.07
39.50
41.50
6.0
PAL
フィリピン
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
北南米
欧州
マレーシア
31.50
33.50
35.07
39.50
41.50
6.0
PAL
カナダ
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
アメリカ
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
メキシコ
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
NTSC
ブラジル
39.75
41.25
42.17
45.75
47.25
4.5
PAL
ドイツ
31.90
33.40
34.47
38.90
40.40
5.5
PAL
イギリス
31.50
33.50
35.07
39.50
41.50
6.0
PAL
フランス
40.70
39.20
37.10
32.70
31.20
6.5
SECAM
その他
ロシア
30.00
31.50
35.57
38.00
39.50
6.5
SECAM
オーストラリア
29.875
31.375
37.445
36.875
38.375
5.5
PAL
ニュージーランド
31.90
33.40
34.47
38.90
40.40
5.5
PAL
ナイジェリア
29.875
33.40
34.47
38.90
40.40
5.5
PAL
サウジアラビア
31.90
33.40
34.47
38.90
40.40
5.5
SECAM
P :映像信号
C :カラー信号(クロマ信号)
S :音声信号
AP:隣接チャンネル 映像信号
AS:隣接チャンネル 音声信号
10
23
Cat No.P11-4
本
営
業
本
社/〒617-8555 京都府長岡京市東神足1丁目10番1号
電話:075-951-9111
本
社/〒220-8119 神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目2番1号 横浜ランドマークタワー19階
電話:045-225-6350 Fax:045-225-6355
部/〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目29番12号
:0120-443-015
販 売 1 課 ・ 2 課/〒220-8119 神奈川県横浜市西区みなとみらい2丁目2番1号 横浜ランドマークタワー19階
電話:045-225-6360 Fax:045-225-6365
仙 台 営 業 所/〒983-0852 宮城県仙台市宮城野区榴岡4丁目5番22号 宮城野センタービル4F
電話:022-256-8411 Fax:022-256-8410
中部日本営業所/〒460-0008 名古屋市中区栄2丁目4番1号 広小路栄ビルディング4階
電話:052-232-0780 Fax:052-232-0781
水 戸 出 張 所/〒310-0011 茨城県水戸市三の丸1丁目4番地73 水戸三井ビル9F
電話:029-231-7651 Fax:029-231-7650
西 日 本 営 業 所/〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1丁目23番101号 大同生命江坂ビル9階
電話:06-6369-3100 Fax:06-6369-3103
営業1部大宮販売課/〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目10番地16 シーノ大宮ノースウィング11階
電話:048-643-6900 Fax:048-643-6910
営
業
1
部/〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目29番12号
電話:03-5469-5188 Fax:03-5469-6139
西 東 京 営 業 所/〒190-0012 東京都立川市曙町2丁目20番5号 立川日生AHビル9F
電話:042-521-1411 Fax:042-521-1419
長 野 営 業 所/〒399-8204 長野県安曇野市豊科高家1020
電話:0263-72-6114 Fax:0263-72-5190
静 岡 出 張 所/〒430-0928 静岡県浜松市中区板屋町110番地の5 浜松第一生命日通ビル10F
電話:053-454-9981 Fax:053-455-1899
営業2部名古屋販売課/〒465-0093 名古屋市名東区一社1-60 ナリタビル1F
電話:052-702-8111 Fax:052-702-8166
営
業
2
部/〒617-8555 京都府長岡京市東神足1丁目10番1号
電話:075-955-6599 Fax:075-955-6901
神 戸 営 業 所/〒650-0044 神戸市中央区東川崎町1丁目3番3号 神戸ハーバーランドセンタービル13F
電話:078-362-4801 Fax:078-362-4830
岡 山 営 業 所/〒700-0907 岡山市北区下石井2丁目2番5号 ニッセイ岡山スクエア7F
電話:086-227-3555 Fax:086-227-3553
九 州 営 業 所/〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3丁目23番22号 博多DNビル4F
電話:092-471-5621 Fax:092-471-5610
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①航空機器
②宇宙機器
③海底機器
④発電所制御機器
⑤医療機器
⑥輸送機器(自動車、列車、船舶等)
⑦交通用信号機器
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記載内容について、改良のため予告なく変更す
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記載内容にご不明の点がございましたら、弊社
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3 製品によっては、お守りいただかないと発煙、
発火等に至る可能性のある定格や 注意(保
管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、
取扱上の注意)を記載しておりますので、必ず
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4 当カタログには、代表的な仕様しか記載してお
りませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様
が記載されている納入仕様書の内容をご確認く
ださい。
⑧防災/防犯機器
⑨情報処理機器
⑩その他上記機器と同等の機器
www.murata.com
2015.3.0.2K EKO
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権の許諾を行うものではありません。
6 当カタログに記載の製品のうち、「外国為替及
び外国貿易法」に定める規制貨物等に該当する
ものについては、輸出する場合、同法に基づく
輸出許可が必要です。
7 弊社の製造工程では、モントリオール議定書で
規制されているオゾン層破壊物質(ODS)は一
切使用しておりません。