第45号:2015年2月

とよしん
海外貿易投資ニュース
第45号
発行日:2015.2.16
インドネシア語能力試験を義務化の方針−外国人労働許可に関する規定改定へ− (インドネシア)
ハニフ・ダキリ労働移住相は1月2日、インドネシア語を母国語としない外国人労働者を対象にインドネシア語能力試験を義務付け
る方針であることを発表した。2015年2月までに外国人労働許可に関する労働移住大臣令を改定し、同試験を実施する方針を示
している。試験の具体的な内容は現時点で示されていないものの、政府側は説明会などを実施した上でのスムーズな導入開始を
目指しており、今後の動向に注目が集まる。
<試験内容は検討段階>
ハニフ労働移住相によると、外国人労働者が就労ビザにあたる外国人就労許可(IMTA)を取得する際の要件の1つとして、インドネ
シア語能力試験により当該外国人が一定の語学能力を有していることを証明することを義務付けるという。労働移住省はこの内容を
プレスリリースとして公表した。
これまで、外国人雇用に関する労働移住大臣規定2013年第12号では、外国人労働者の条件として第26条に以下規定が定めら
れていた。
a.外国人労働者が就く予定の役職の要件に応じた学歴を有していること
b.外国人労働者が就く予定の役職に応じた、能力認証によって証明される能力あるいは5年以上の職歴を有していること
c.付き添い(指導相手の)インドネシア人労働者に対し、専門性を移転する旨の表明書を作成する用意があること
d.インドネシア語でコミュニケーションが可能であること
労働移住省は同法令を改定し、上記d.の語学要件を強化する中でインドネシア語能力試験を義務化する意向という。労働移住省
では2013年第12号の改定作業をしており、2015年2月までに同省で制定後、法務人権省で法制化される予定としている。
インドネシア語能力試験の具体的な内容は明らかにされていないが、同省プレスリリースによると現在、インドネシア大学の言語研
究機関(LPB)と共同で試験内容を検討しているようだ。また、既存のTOIFL(Test of Indonesian as foreign language、インドネシア
語名はUKBI、TOIFLウェブサイト参照)のようなイメージだという。
2013年第12号の改定内容案は、インドネシア語要件以外にも、手続き申請のオンライン化による許認可の迅速化が含まれる。学
歴、職歴要件については、最終学歴が短大卒、職歴が5年以上という条件を引き続き厳格化するほか、技術移転義務について、移
転先のインドネシア人労働者を指定して、名前、住所、役職、業務内容を記述することをこれまで以上に徹底させるようだ。これら
は、取締役、コミサリス(監査役)を除く全ての外国人労働者が対象で、また、興行サービス分野、一時的業務では適用されない。
<近年、外国人労働者数は減少傾向>
労働移住省が発行するIMTAを取得した外国人労働者数は2014年10月時点では6万4,604人で、2012年の7万2,427人、2013
年の6万8,957人から徐々に減少している。国別では、中国(1万5,341人)、日本(1万183人)、韓国(7,678人)、インド(4,680人)、
マレーシア(3,779人)、米国(2,497人)の順。業種別にみると、サービス業(3万8,540人)、工業(2万3,482人)、農業(2,582人)の
順に発行数が多い。労働移住省は近年、2015年に発足するASEAN経済共同体(AEC)による外国人労働力の流入に備え、インド
ネシア人労働力の強化を図る目的で外国人労働者の就労許可を制限する傾向にある。
(出所:ジェトロ通商弘報2015年1月29日 54c72b1388f68「インドネシア語能力試験を義務化の方針−外国人労働許可に関す
る規定改定へ− (インドネシア)」)
第45号
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カンボジア初の日本人学校設立が正式決定−2015年4月にプノンペンに開校− (カンボジア)
2014年12月11日、プノンペン日本人学校の設立が文部科学省により認可され、2015年4月に開校することが決定した。在留邦
人約2,300人(12月時点、在留届ベース)の期待に応えるのみならず、新規にカンボジアへの進出を検討する日系企業にとっても
駐在員人事の幅が広がることが期待される。
<駐在員の人選の幅広がる>
これまで、カンボジアなら単身赴任を選択する駐在員が多かった。家族
の帯同を考えた場合、生活環境の中で最もネックになるのが教育の問題
だった。プノンペンには複数のインターナショナルスクールがあるが、日本と
同レベルの教育を受けられる日本人学校がなかったため(現在は、土曜
日のみ開校する補習学校のみ)、子女の日本語教育に不安感を持ち、家
族が同行しない駐在員が多い。
プノンペンにおいては、2013年から当地日本人会会長をトップとし各方
面から有志を募った日本人学校設立準備委員会が設置され、寄付金な
どの運営資金の調達と資金計画の作成、学校設置場所の確保、校舎の
建設、教員の確保など、認可取得に向けた具体的な活動を行ってきた。
2014年10月末に文部科学省の調査員による最終的な審査を受け、12
月11日に正式に認可された。
在留邦人に対するアンケートによると、12月現在35人程度が4月から入
学する予定だが、1月10日に開催された1回目の学校説明会には15∼
16人の出席があり、関心の高さがうかがえた。中には日本から参加した保
護者もおり、スクールバスや給食などについて質問があった。また、「子供は6月に学期末を迎えるインターナショナルスクールに通っ
ているが、4月が学期初めの日本人学校に編入する際の問題は」といった具体的な手続きなどについて、多くの質問があった。今後
も、3月までに数回の説明会が開催される予定だ。
また、学校設立が決定した12月は、企業の人事担当者にとって4月以降の人事を決める時期であり、ちょうどよいタイミングでの認
可となった。当地への進出を検討している企業の人事担当者にとっても、駐在員の人選の幅が広がったようだ。
継続的に入学する生徒がどの程度見込まれるかにより、授業料が変動する可能性があるなどまだ不確定材料は多いが、昨今の円
安、最低賃金の上昇などで日本からの進出に向けた機運が停滞しつつあったカンボジアにおいて、今回の日本人学校の設立は良い
影響をもたらすかもしれない。
(出所:ジェトロ通商弘報2015年1月29日 54c731062f9b8「カンボジア初の日本人学校設立が正式決定−2015年4月にプノンペ
ンに開校− (カンボジア)」)
次のセミナー等をご案内させていただきました。
セミナー等名称
シリコンバレー活用法セミナー
開催地
名古屋
主催者
ジェトロ名古屋
メコン地域・カンボジア投資セミナー
名古屋
経済産業省 中部経済産業局
東南アジア知財戦略セミナー (インドネシア)
名古屋
愛知県知財総合支援協議会
タイ投資セミナー
名古屋
タイ投資委員会
中国ビジネスセミナー
名古屋
LTコンサルティンググループ
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ジェトロ名古屋
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