マーケティングデータテクノロジー︓ 複雑性の軽減

マーケティングデータテクノロジー︓
複雑性の軽減
Winterberry Groupホワイトペーパー 2015年1月
協力
協賛
LiveRamp
はじめに 今日、広告およびマーケティングの分野でデータが論じられる場合、革
新的な発見によってもたらされた、デジタルセントリックな時代の産物
である新しい考え方のことだと思われがちです。それは、「情報から学
ぶことができ、そのインサイトを活用すればより適切なマーケティング
の意思決定ができる︕」という考え方であり、「オムニチャネル」や
「プログラマティック」といった言葉が登場し、流行語の三つどもえの
戦いが幕を閉じた頃に生まれたものです。
無論、事実はまったく異なります。「データドリブンマーケティング」
として現在私たちが思い浮かべるものの起源は、数百年も前、文字通り
初の予約購読雑誌や通信販売カタログの時代にさかのぼるのです。
こうした媒体を通じた消費者データの保存は、ダイレクトマーケティングという分野全体の成長
を実現しました。ダイレクトマーケティングは、米国における経済活動で年間何十億ドルものビ
ジネスを生み出し、新しいデジタル経済における商習慣や原則の基盤を築き上げました。
歴史の教訓はさておき、消費者データの真の力は、過去に関連するものではありません。今後の
可能性に関わるものであり、広告主やマーケター、メディアプロバイダが、よりインパクトのあ
るメッセージを発信し、無駄な出費を減らし、新製品の開発を最適化し、顧客体験の質や形を改
善する機会に繋がるものです。さらに、未開拓の市場や新たなターゲットとなる消費者への扉を
開くことで、何兆ドルもの新たな価値を引き出します。
これこそが、まさに「データ」が持つ機会創出の力なのです。有力で新しいデータセットが市場
に登場すると、マーケティング関係者が騒ぎ立てるのはこのためです。なぜテクノロジー企業や
投資家が昨年、より大規模で優れた情報インフラの構築のために企業買収や製品開発に巨額を投
じたのか。規模の企業にかかわらず、マーケターが、ターゲットオーディエンスの全体像を構築
するためにプラットフォームやプロセス(DMPやオンボーディングソリューションなど)を活
用して、既存またはデジタルの様々な入力データを積極的に関連付ける理由は何か。
これらの共通点は何か︖どれもが、データの展開により、従来型のマーケティングの枠組み(数
百年前の前例に基づくものも含まれる)を変えようとしています。また、そのための原動力とし
て、周到にテクノロジーを導入する必要があります。
マーケターの多くは、「データ」という物語を聖書の一節のように引用します。しかし、多くの
場合、実用的なテクノロジーのビジョン(どのように使われ、どこで開発され、時代とともにど
う進化していくか)を述べることは、非常に困難な課題です。当ホワイトペーパーが、こうした
根本的な課題に対する業界の理解と解決を促進する一助となることを願います。消費者データが
持つ輝かしい将来的な可能性に挑戦するために、なくてはならないものと考えます。
Winterberry Group
マネージング・ディレクター
Jonathan C. Margulies
[email protected]
© 2015 Winterberry Group LLC. 2
謝辞
当ホワイトペーパーは、50人以上のエグゼクティブクラスの有識者(広告、マーケティング、
メディア、テクノロジーの各業界を代表する寄稿者、後援各社、レビュアーの皆さま)の多大な
貢献なしには実現しませんでした。Winterberry Groupとりわけ、調査パートナーである
Interactive Advertising Bureau、ならびに当調査に惜しみないご支援をいただいた下記の後援
各社に御礼申し上げます。
LiveRamp
また、当調査に対し、時間、インサイト、熱意を寄せていただいたマーケター、媒体、技術開発
者、サービスプロバイダーの皆さまに心より感謝を申し上げます。当ホワイトペーパーでは個々
のお名前には言及していませんが、Allstate、AKQA、Assurant Health、eBay、Epsilon、
Foursquare、Havas Media、IXI Services(Equifaxの一部門)、Kum & Go、Marriott、
MediaLink、Scripps Networks Interactive、Sq1 、Starwood Hotels and Resorts、Zoro
Toolsをはじめとする、データドリブンマーケティングおよびメディアの業界における革新的な
一流企業です。
注
当レポートに記載されている、広告、マーケティング、メディア、テクノロジー業界に関連し
た特定の簡潔な情報および分析は、Winterberry Group LLCがInteractive Advertising
Bureauの協力を得て制作したものです。当レポートは包括的なものではなく、予想されるマ
ネージャー、投資家、金融関係者などが必要とするすべての情報を含むものでもありませ
ん。当レポートに記載されている予測や意見は、第三者から提供された情報に基づいて作成し
たものです。情報は、各業界のリーダー(広告主、マーケティングサービス事業者、媒体、技
術開発者、代理店など)の自己申告データに基づいており、Winterberry Group、 Interactive
Advertising Bureau、および両社の後援各社は、情報が完全または全面的に正確であると表明
または保証するものではありません。Winterberry Group、Interactive Advertising Bureau
(あるいはその役員、従業員、代理人、管理者)は、当レポートまたはその内容の正確性や完
全性について表明するものではなく、当レポートに記載された情報または提供された情報を利
用した結果に関する責任を負いません。
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序論および データとテクノロジーが一つになり、広告業界とマーケティング業界を一変します。
エグゼクティブ
消費者データはもはやダイレクトマーケターだけの管轄ではなく(また、急成長中の「プログ
サマリー
ラマティックマーケティング」の要と認識され)、ほぼすべてのデジタルメディアおよび既存
メディアにわたるさまざまなプログラムに必要なものに成長しました。同様に、熱狂的なペー
スで行われる新規投資(投資銀行Petsky Prunier LLCによると、2014年に米国のマーケティ
ングテクノロジー業界では978件の契約が締結されており、その総計は194億ドル)が、貴重
な情報資源を活性化させるツールの革新をいまだかつてないほど推進しています。
大局的には、マーケターの新たな任務は明白です。それは、このテクノロジーの変化の潮流を
完全に掌握することです。さもなければ、俊敏な競争相手に対して形勢が不利になります。
しかし実務レベルでは、今日のテクノロジー業界の動向は、圧倒されるほどに複雑化していま
す。対応可能なデータの量と速度が増し、マーケターたちが現状維持にも苦労している一方
で、サプライヤー統合や新しい破壊的ツールがひっきりなしに登場し、それを取り巻く業界の
様相が一変しています。マーケター、媒体、エージェンシーには(そしてテクノロジー企業自
体にさえ)苛酷な戦略の選択肢が突き付けられているのです。
当社のビジネスに固有の目標に対処するため、特注システムを構築するべきか。中立的なサー
ドパーティーのツールをカスタマイズした「スタック」を寄せ集めるのがよいのか。また、単
一インターフェースで複雑なプログラムを管理するには、統合(グローバルな親会社が「クラ
ウド」と「製品スイート」を盛んに売り込んでいる)をうたい文句にするソリューションを採
用すべきか。
今日、世界中の企業がこれらの3つのアプローチを次々に試しています。このいずれかを普遍
的な「ベストプラクティス」と宣言するのは時期尚早であるものの、2つの明白な真実がすで
に浮上しています
•
テクノロジーに関していえば、「万能サイズ」の単一ソリューションがすべてのマーケター
のニーズを満たすことはあり得ません。
•
データに本来備わっている大きな価値を引き出すには、データ活用の原動力となるツールを
形式的に評価するだけでは不十分です。むしろ、ユーザーは相互に接続するさまざまなプ
ラットフォームの役割や貢献を綿密にマッピングし、「データテクノロジー」という新しい
領域に精通しなければなりません。
当ホワイトペーパーでは、マーケターが広告やマーケティング活動の支援に用いる消費者データ
テクノロジーを活用するにあたり、こうした課題をいかに解決すべきかを明らかにすることを目
的としています。エグゼクティブレベルの徹底したアウトリーチによってまとめられた当ホワイ
トペーパーは、データテクノロジーの導入がマーケターおよび企業技術者の両者にとって変革的
な進歩となることを示しています。具体的には、次のことを説明しています。
© 2015 Winterberry Group LLC. 4
•
マーケターは過去10年間に広告およびマーケティングの新しいテクノロジーを幅広く
導入するようになりましたが、最も力を入れているのは基本的に、顧客データの利用
と展開です。
•
エンタープライズクラスのデジタルデータテクノロジーの第一世代は、主にオープン市場の
リルタイム入札という視点から、プログラマティックマーケティングの促進を念頭に置いて
導入されました。しかしその過程に目を移すと、いまだ実現されないクロスチャネル統合の
可能性(つまり「どこでもプログラマティックであること」)が最優先の事例となるとマー
ケターたちは述べています。
•
今日、企業のマーケターたちは顧客データの集約、オンボーディング、管理、展開のために、
平均で10数種以上もの個別のツールセットを活用しており、小規模な(しかし重要性が低い
わけではない)サブセットが常に30以上のツールと連動して稼働しています。
•
エンタープライズデータのテクノロジープラットフォームを初めて導入したときは、
ツールが長期的ニーズの解決にいかに役立つものであるかにかかわらず、パイロットマー
ケティング事例を支援し、レポートと評価に関する明白なギャップを解消する、という最
優先のニーズによって推進されました。
•
足元に目を移せば、マーケターは多岐に及ぶ事例をサポートし、オーディエンスの
エンゲージメントの取り組みを継続的に成長させるため、データの共通ルートを通じてさま
ざまなツールセットの統合を目指しています。(そして彼らはすべてのツールセットが包括
的な評価とレポートをサポートすることを期待しています)
•
「統合型か独立型か」のジレンマを考えた場合、マーケターの意見は二分されます。
ほぼ同数の人々がバンドルとポイントソリューションという2つのアプローチに分かれます
が、圧倒的多数は、特定のテクノロジー調達戦略に合わせたいからではなく、クラス最高の
性能をサポートしたいという願望に動かされていると主張しています。
•
統合ツールは、データの管理、監視、ガバナンスに一体性をもたらし、導入にあたって意義
ある効率性が実現するとユーザーは捉えています。
•
独立した複数のデータツールセットへの依存は通常、(キャンペーンの設定や展開の面で)
著しい複雑性をもたらすものの、ユーザーはイノベーションの推進とビジネスリスクの軽減
においてこれらのツールが重要な役割を果たすとも答えています。
•
マーケターが手元のデータから価値を引き出す上で役立つものは何か。皮肉なことに、それ
はテクノロジーだけではありません。成功を実現するには、ツールを統制する人間とプ
ロセスが極めて重要になり、それらへの先行投資は、おそらくテクノロジー投資よりも必要
性が高いと考えられます。
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調査の方法 当ホワイトペーパーは、マーケターや媒体などが、広告、マーケティング、顧客エンゲージメ
ントのためにデータを集約、管理、展開する際に使用するさまざまなプラットフォームとアプリ
ケーションをはじめとする、急速に進化しているデータテクノロジーの分野を考察するものです。
Interactive Advertising Bureauの協力を得て、LiveRamp、Signal、Turnの後援により作成
した当ホワイトペーパーの研究成果は、大々的な調査に基づいています。調査は、50人以上の
広告主、マーケター、媒体、技術開発者、マーケティングサービスプロバイダー(主として
北米に拠点を置いている)に対し、電話、オンライン、対面で、2014年8月~12月に実施しました。
あなたの主たる役割とビジネス上の重点は何ですか。
データ提供者やその他の
マーケティングサービス
16.7%
その他 1.9%
マーケター、広告
主、媒体(またはそ
れらの代理として仕
事をする代理店)
59.3%
マーケティングや
広告の実施を支援
する技術開発者
22.2%
N=54
※調査におけるすべての(あるいは、実質的にすべての)詳細な質問に回答したパネリストを含
み、その回答は当レポートの各所で報告されています。
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データ 「データテクノロジー」とは何か︖ツールは依然として急速なペースで進化しているもの
テクノロジー︓ の、マーケターは通常、下記のアプリケーションの1つ(または数種)を念頭に置いて
用語集 プラットフォームを調達・導入しています。
 ツールセット
 機能
広告配信
オンライン広告の在庫と展開を統制し、適切なクリエイティブを適切なオー
ディエンスに提供できるよう管理します。
分析
データを活用して顧客行動の適切な理解を推進するとともに、顧客
オーディエンスをターゲットに絞ったメッセージの発信先となる実用
的な集団にセグメント化します。
属性
価値を評価し、望ましい成果を支援する個々の行動(または「イベント」)
に割り当てます。通常、所定のメディアミックスの測定と最適化に関連して
います。
キャンペーン管理
マーケターが、マーケティングメッセージの計画、スケジュール、展開を行
えるようにします。通常は複数のチャネルや顧客セグメントにわたります。
コンテンツ管理
コンテンツの制作、変更、公開を可能にします。
CRM/顧客データベース
管理
各種分析やターゲットマーケティングのさまざまな用途のために、オーディ
エンスをセグメント化して保管できるよう顧客記録を整理します。
データマネジメントプラッ
トフォーム(DMP)
分散したデータの展開に向けて、集約、統合、準備します。これにはさま
ざまなチャネルおよび環境からの第一者、第二者、第三者のデータが含ま
れます。
データ
オンボーディング
従来型の構造化された顧客データセットを、主に匿名化された顧客記録を
オンライン端末にマッチングさせ、オーディエンスセグメントを複数の宛
先に割り振り、デジタルのデータセットに結び付けます。
データ
ビジュアライゼーション
データセットを視覚的に説得力がある方法で提示し、他の方法では識別が困
デマンドサイドプラット
フォーム (DSP)/
サプライサイドプラット
フォーム(SSP)
広告主(需要側)と媒体(供給側)の取り組みをそれぞれ支援し、
Eメール/ESP(Eメール
サービスプロバイダー・
ツール)
ターゲットとなる顧客リストに送付するEメールのマーケティング
マーケティング
リソース管理(MRM)
標準化されたキャンペーンの展開を支援するため、マーケティング販促物
(画像、メッセージ、オファーなど)の制作、収集、配布を行います。
難なトレンドやインサイトを明らかにします。
(「オーディエンス」の代理人として)資金の準備状態、需要、データ
に基づいて、事前に設定したビジネスルールに則り、デジタルメディア
の購入と販売を管理します。
メッセージの作成と展開を可能にします。通常、キャンペーンの効果測定
とレポートもサポートします。
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回答者の
コメント
 ツールセット
 機能
モバイルマーケティ
ングツール
モバイル端末でのオーディエンスエンゲージメントを支援します。これには、
アプリやSMS環境へのターゲットメッセージの送付、ジオターゲティング
(または「ビーコニング」)の実行、端末の独自IDの管理などの機能が含まれます。
リターゲティング
行動データに基づいたデジタルメディア購買を推進します。コンテンツはユー
ザーの過去の活動に基づき、推察されるユーザー意図にマッピングされ、購入を
検討しているかもしれない品物を「思い出させる」ようにします。
ソーシャルメディア
ツール
ソーシャルメディア活動からオーディエンスのインサイトを集約する作業
と、オーディエンスをプラットフォームにエンゲージする作業の両方を支援
します。これにはリスニング、メディア購買の表示(CRMおよび「ネイティ
ブ」広告を含む)、コンテンツ管理の各アプリケーションが含まれます。
タグマネジネメント
所定のウェブサイトに関連しているかもしれないサードパーティーのタグを
管理します。そしてこれらのタグの結果として得られたデータを収集、管
理、統合、実行しますが、その際の目標はデータ利用の合理化、サイトの機
能の向上、より関連性のあるコンテンツの推進です。
動画コンテンツ/
マーケティングツール
動画マーケティングおよび関連するソリューション(プレロールおよびポ
ストロールの動画広告の展開、閲覧者分析、実績レポートなど)を支援し
ます。
ウェブ分析
ウェブサイトやオンライン資産上の活動を、ユニーク訪問者とクリック数
を含めて追跡およびレポートします。データはオーディエンスのエンゲー
ジメントおよび興味を理解する上で使用されます。
ウェブサイトコンテン
ツ/パーソナライゼー
ション
ウェブサイト訪問者を認識し、場合によっては適切にキュレーションした
コンテンツ、オファー、メッセージを訪問者に提供します。認識は、クッキー、
タグ、登録/ログインを通じて行われます。
「現在当社はすべてのデジタルデータを1カ所にまとめているだけです。これを整
理できれば、一方ではエンタープライズのビッグデータの幅広い取り組みがあるの
で、我々にとって価値があります。当社が保有しているデータの量は膨大です。オ
フライン環境で見つけなくてはいけないことがまだたくさんあるのですから。ひと
たびデータを集中化する方法が分かれば、リアルタイムのインサイトをより定期的
に抽出するプロセスに取り掛かれます。」
-デジタルマーケティングプログラムディレクター、大手保険会社
「当社にとって最も重要なのは顧客について学び、より良いエンゲージメントがで
きるようにすることです。当社には目まぐるしく動く、大量のデータがあります
が、それをまとめることができれば素晴らしいことです。最終的には、誰かが今日
何かを購入すると、2カ月後には、もう1つ必要になるかもしれないということを知
りたいのです。データを使用して予測的インサイトを引き出す能力は非常に重要で
す。」
-マーケティング業務担当シニアディレクター、工業メーカー
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インサイトの背景 過去10年間にマーケターは広告とマーケティングの幅広い新しいテクノロジーを採用する
にある原動力︓ ようになりましたが、最大の取り組みは顧客データの活用と展開のために取り置かれていま
データテクノロジーと した。
進化する
アプリケーション
下記の機能のサポートに使用される専用テクノロ
ジーについて、どの程度詳しいですか(つまり、そ
の目的を理解し、使用経験がありますか)?
非常に詳しい
(そのテクノ
ロジーを大々
的に使用した
経験がある)
5.0
リソース管理)
 MRM(マーケティング
 動画コンテンツ/マーケティング
2.00
3.06
 Eメール展開
 コンテンツ管理
レポートツール
 ソーシャルメディア(リスニング、コンテンツ管理、
3.06
3.17
3.28
地理位置情報ツールなどを含む)
常に」詳しい)のうち4.17となりました。
 モバイルマーケティング(アプリ、
が最も一般的であるとパネリストは語ります。指標にす
ると1~5段階(5はそのアプリケーションに関して「非
3.36
ディエンスセグメント化および予測的モデル化を実行)
 ウェブサイトコンテンツ/パーソナライゼーション
 タグマネジネメント
導入されたものの中では分析プラットフォーム(オー
3.42
3.72
 データオンボーディング
直接依存しています。これらのうち、ツールボックスに
 CRM/顧客データベース管理
3.78
 ウェブ分析
のうち3つを含む)は消費者データの持続的なフィードに
3.50
3.81
 キャンペーン管理/マーケティング自動化
マーケターに最もなじみのあるプラットフォームテクノ
ロジーのうち圧倒的多数(パネリストが言及した上位4つ
 データビジュアライゼーション
3.81
 属性、評価、レポート
マーケターの貢献度および現在の導入率のおかげで、
3.53
3.83
 DSPまたはSSP(需要または供給サイドのプラットフォーム)
 リターゲティング
3.89
3.94
 DMP(データマネジメントプラットフォーム)
1.0
4.06
まったく
詳しくない
 広告配信
2.0
4.14
3.0
 分析(予測的/モデル化とセグメント化に重点)
ある程度詳しい
(詳しいが、使
用したことがあ
るわけでは
ない)
4.17
4.0
現在の任務に関しては、マーケターは「データを実用的な
ものにする」という全般的な目標に言及しています。実務
者は分析を活用してインサイトを引き出し、セグメント化
とターゲットマーケティングを推進していると答えていま
す。また、データソースが継続的に拡大していると指摘し
ており、独立したデータストリーム(オンボーディング
サービスやデータマネジメントプラットフォームなど、異
種のデータフィードをダウンストリームで利用するために
集約および管理する「DMP」)を接続するさまざまなソ
リューションは、今後も自社のデジタルマーケティングの
中枢として中心的な役割を担っていくとみています。
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エンタープライズクラスのデジタルデータテクノロジーの第一世代は、主にオープン市場のリア
ルタイム入札という視点から、プログラマティックマーケティングの促進を念頭に置いて導入さ
れました。しかしその過程を見ると、マーケターたちは「いまだ実現されないクロスチャネル統
合の可能性(「どこでもプログラマティックであること」)が最優先の事例となるだろう」と述
べています。
貴社(またはクライアント)がテクノロジーを活用して
データドリブンマーケティングおよび広告を支援するの
は、下記のどの事例ですか?
82.9%
80.0%
75.0%
61.1%
60.0%
55.6%
45.7%
45.7%
41.7%

クロスチャネルマーケティングのメッ
セージング/オーディエンスエンゲー
ジメント(オムニチャネルの最適化)
グ支出の属性
 クロスチャネル評価/マーケティン

オウンドメディアコンテンツ(ウェ
ブサイト、Eメールなど)の最適化/
パーソナライゼーション
ソーシャルなど)の統合
 新しいメディア(モバイル、
プログラマティックメディア購入)
 プライベート市場(または「予約型」
/パーソナライゼーション
 デジタル広告コンテンツの最適化
オファー開発の支援として)
 オーディエンス分析(製品開発または
メディア購入(「RTB」)
 オープン市場のプログラマティック
よびターゲティングの支援として)
 オーディエンス分析(セグメント化お
オーディエンス分析(デジタルマーケティングと従来型マーケティング、CRMの橋渡しをす
る包括的なビジネス機能)は、データドリブンな事例において最も一般的なもので、今日
マーケターの82.9%は、このようなアプリケーションを積極的に利用して全般的なセグメ
ント化やターゲティングに役立てています。
約75%のマーケターが、製品またはオファーの開発に分析的なインサイトを適用し、マー
ケティング部門に具体的な「領域横断的」な貢献を果たしています。(そうしたケースでは、
自分が学んだことを活用して、組織の他の部門が管理する本社機能を支援しています)
実務者の大多数(80%)は、日々の広告およびマーケティングの業務に正面から取り組ん
でおり、オープン市場のプログラマティックメディア購入業務(「RTB」)がデータ関連の
取り組みの中心的な重点項目だと答えています。一方、それより小規模な多数派(それぞれ
61.1%、60%)は、デジタル広告コンテンツ最適化の相互接続的な事例と、プライベート
市場のプログラマティックな購入を支持しています。
クロスチャネルの取り組みのために、「現在データやテクノロジー(ターゲティング、エン
ゲージメント、測定を含む)を活用している」と答えたのはマーケターの半数以下ですが、
パネリストの大多数は、データや先進テクノロジーツールの活用で継続的に経験を積むにつ
れ、こうした取り組みが最大の関心事になったと述べています。「長期的には、クロスチャ
ネル支援ツールの能力向上に伴い、このようなクロスチャネルの取り組みの重要性は増す
一方だろう」とパネリストは述べています。
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回答者の
コメント
「今や、オーディエンスが誰で、どのようにリーチすべきかを理解するための表示
機能はかなり確立されていますが、モバイルなどのチャネルは大幅な後れを取ってい
ます。マーケターはこうした環境で自分たちが何をやっているのかよく分かっていない
のです。それが今後の優先事項になります。彼らはプログラマティックということを
根本的には理解しているようですが、どう見せるかという観点でしかアプローチしていま
せん。彼らは徐々にモバイルをよく理解するようになると思います。」
—収益担当ディレクター、検索および推奨プラットフォームの現地企業
「当社はこの分野では発展の初期段階にありますが、すべてのチャネルにわたり
シームレスな体験を提供することを目指しています。ほんの数カ月前に、いくつか
の商品のオンライン化を開始しました。現在は、消費者がいつでもどこでも、希望
通り買い物できるよう、チャネル統合という一大事業に乗り出したところです。」
—オムニチャネル担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、米国量販店
「当社が将来目指しているのは因果属性という考え方です。マルチタッチまたは
クロスチャネル属性には大きなギャップがあります。評価機能がある場合もあります
が、推奨機能はありません。これが鍵となります。テクノロジーは、まだ提供す
る段階に至っていませんが、今後数年間に注目の分野となります。」
— デジタルマーケティングテクノロジー担当マネージャー、グローバルホスピタリティ企業
© 2015 Winterberry Group LLC. 11
今日、企業のマーケターたちは顧客データの集約、オンボーディング、管理、展開のために、平
均で10数種以上もの個別のツールセットを活用しており、小規模な(しかし重要性が低いわけ
ではない)サブセットが常に30以上のツールと連動して稼働しています。
貴社(またはクライアント)は、現
在、データドリブンマーケティング
や広告を支援するために個別のツー
ルセットをいくつ使用しています
か?
貴社(またはクライアント)のどの職
務や部門が、それらのツールセットの
少なくとも1つを使用していますか?
デジタルマーケティング
90.9%
分析/ビジネスインテリジェンス
51.5%
87.9%
メディア購入(表示および検索)
72.7%
CRM/顧客管理
63.6%
ダイレクトマーケティング
27.3%
混合平均︓ 12.4
6.1%
51.5%
メディア購入(従来型メディア)
45.5%
IT
45.5%
運用/製品管理
9.1%
3.0%
3.0%
42.4%
Eコマース
39.4%
ブランド管理
39.4%
顧客サービス
36.4%
財務
1-4
5-10
11-20
21-30
31
以上
1つも使用
していない
21.2%
店頭体験/販売
上記以外
18.2%
0.0%
パネリストの多数派(51.5%)は、マーケティングデータを展開する上で、5から10程度の個別の
ツールセットしか使用していないと答えています。また40%近くのパネリストは、より多くのツール
セットを使用しており、マーケターは平均して10数以上の独立したプラットフォームを使用していま
す。
少数派ではあるものの注目すべきグループ(パネリストのわずか9.1%)は、「自社では31以上の独
立ツールを用いてデータ利用を支援している」と答えています。ここから、多くの組織は依然として、
断片化した、あるいはデータを集中化するのではなく優先順位に基づいて管理する、テクノロジー
戦略を取っていることが分かります。
また、5つの社内部門や職務(デジタルマーケティング、分析/オーディエンスインサイト、メディ
ア購入、CRM/ロイヤルティ管理、ダイレクトおよび従来型マーケティング)が、他部門に比べて、
これらのデータツールによくアクセスしていると述べています。
マーケターは、こうしたさまざまなプラットフォームを(組織の他のプロセスと歩調を合わせて)結
び付けることがますます重要になると主張していますが、現在、マーケティング部門では幅広いテク
ノロジーエンゲージメントのモデルが優勢を占めています。例えば、一部の企業ではさまざまな社内
グループが共通ツールのネットワークにアクセスしてそれを使用しています。これと対照的に、別の
企業では(冗長性とリスク管理手段を評価または容認する大企業がその典型例)「職務に最適なツー
ル」というテクノロジーの導入アプローチに重点を置き、個々のシステムのネットワーク(時には直
接並行して運用されている)が、個別のポイントソリューションとして存在します。
© 2015 Winterberry Group LLC. 12
回答者の
コメント
「私の考えでは、ウェブ分析ツール、パーソナライズされたソフトウェア、オフラ
インオンボーディングが必要です。これらはどれも、DMPを効率よくフィードする
か、DMPの一部となるものです。またDSP、検索、Eメール、属性ベンダーも必要
です。オンサイトではおそらくタグマネジネメントシステムがあります。メディアで
は動的なクリエイティブ最適化ベンダーがあります。ウェブサイトではCMSシステムが
あります。これは今日のマーケターの最も基本的なニーズを満たすにすぎないので す。」
—デジタルメディアソリューション担当バイスプレジデント、大手マーケティングサービスプロバイダー
「当社の『スタック』にあるコンポーネントを数えたところ、データマネジメント
プラットフォーム、タグマネジネメントソリューション、複数のデマンドサイドプ
ラットフォーム、属性プラットフォームがありました。広告配信プラットフォーム
も数えられると思います。当社には有料検索入札プラットフォームとウェブ分析も
あります。これが中核だと思いますが、動的クリエイティブ最適化、ランディング
ページツール、サイト側では多変数テストおよび最適化など、他にも多数の補助プ
ラットフォームがあります。これらは多少分離していますが、今のシステムに組み
込まれています。」
—デジタルマーケティング担当プログラムマネージャー、大手保険プロバイダー
「私のグループが直接使用しているのは大体、4から5のツールですが、分析などの
チームが使用するデータ用ツールもあります。当社には約10種の異なるテクノロジー
がありますが、その大部分は顧客を理解してサービスを提供する上で非常にユ
ニークなデータセットを提供してくれます。」
—マーケティング業務担当シニアディレクター、工業メーカー
「さまざまなオウンドプロパティにおいて複数のDSPを使用し、リターゲティング
のデュアルタグマネジネメントテクノロジーを実施しているクライアントがいま
す。また、2つのウェブ分析ソリューションを導入しているクライアントもいま
す。このように混乱しているのは、企業が社内的に整合性を取っていないからで
す。部門のサイロ化が進み、テクノロジーの能力を生かしきれないため、自分のグ
ループが必要なことを行えないのです。これはとりわけ、フランチャイズの多国籍
企業で顕著です。」
—最高分析責任者、グローバルメディアエージェンシー
「把握するのが大変になるので、多数のパートナーは望んでいません。現在、当社
の約15社のパートナーが、業務、セールス、マーケティングなど約5つのチームと
関わっています。そのため、可能な限りセルフサービスを行うようにしています。
ブラックボックスは好みません。当社のチームは価値を提供し、行動に責任を持つ
ためには、どのようにしたらいいのか知りたいのです。」
—オーディエンスセグメント化担当ディレクター、ライフスタイル出版ネットワーク
© 2015 Winterberry Group LLC. 13
エンタープライズデータテクノロジーのプラットフォームを初めて導入したときは、ツールが
長期的ニーズの解決にいかに役立つものであるかにかかわらず、パイロットマーケティング事
例を支援し、レポートと評価に関する明白なギャップを解消する、という最優先のニーズに
よって推進されました。
現在の技術投資の評価において、下記の特長はどの程度重
要ですか?
非常に
重要
5.0
3.31
ある
 独自または革新的なアプローチで
メディア調達の支援
 柔軟性/モジュール性
 より効率的で低コストのデータおよび
3.80
 導入のスピード/容易性
3.69
3.81
 大量/高速データ処理のサポート
ションである
4.15
 社外の広告およびマーケティングテクノロジー
(ビジネスパートナーが使用するものなど)との統合
 「そのジャンルで最高」のポイントソリュー
4.15
 技術購買/導入のコスト
3.84
4.15
 現行のメンテナンス費と管理費
3.85
4.16
 幅広いデータ事例をサポートする
ティングテクノロジー(自身の組織が使用
するものなど)との統合
4.19
 ROIを測定できる
 他のライセンス済みまたは独自の広告・マーケ
4.23
1.0
 使い勝手
まったく
重要でない
4.27
2.0
 拡張性
3.0
 レポートツール
ある程度
重要
4.42
4.54
4.0
ポテンシャルデータテクノロジーを評価する作業は容易ではないとパネリストは指摘してい
ます。マーケティングを支援するプラットフォームを選定するにあたっては、10数以上の検
討事項を考慮する必要があります。
多数の検討事項のうち現時点で最重要事項は、マーケターがさまざまなマーケティングイニ
シアチブのインパクトを測定、分析すること(そして次段階として、より大規模なオーディ
エンスに向けて展開する)の難しさでした。パネリストは、現行のデータテクノロジーソ
リューションの評価において、レポーティングツールの存在と品質が最も重要な要因である
と述べています。指標にすると1~5段階(5は「非常に重要な」評価基準)のうち4.54とな
りました。僅差で基盤プラットフォームの拡張性(4.42)が続いています。
意外なことに、これまでの技術投資において、イノベーションはプラットフォーム選定の最
重要要素ではなかったとパネリストは答えています。これは、データ投資の最初の波は、大
きなビジネスリスクからのニーズでなく、経済的、機能的、かつ実用的な事例にリンクした
ソリューションの導入を重視することで加速した、というエピソードを裏付けるものです。
また、「第一世代」のシステム導入においては、ソリューションを長持ちさせ、迅速にテス
トを始める能力が主な優先事項だったと答えています。過度に長期間を要する複雑な導入は
「最高責任者」クラスの支持を得る上での障壁となる、とパネリストは説明しています。そ
のため、組織内で支持を維持するには早期の改善を実現してその成果を早い段階で見せるこ
とが得策となるのです。
© 2015 Winterberry Group LLC. 14
回答者の
コメント
「当社は現在、企業目標の達成に向けて会社と人員の体制づくりの最中で、プロセス
の初期段階にあるため、暫定的に対応をしています。実現したいアイデアはいくつか
あり、目標を達成するべく、取りまとめているところです。」
—マーケティング担当マネージャー、米国コンビニチェーン
「テクノロジーに関していえば、自社が成熟カーブのどこにいるかを考慮する必要
があります。最初からあれもこれも必要というわけではないのです。ビジネスを始
めるにあたっては、いくつかの標準的製品で十分です。そして成長に伴いカスタム
化のニーズが高まっていきます。」
—デジタルメディアソリューション担当バイスプレジデント、大手マーケティングサービスプロバイダー
「最大の課題は、サービスの観点からでさえCMOに『それで?』と言われる可能性
があることでした。上級エグゼクティブはROIと最終損益に関して鋭いインサイト
がなければなりません。部門単独での業績報告書は良さそうに見えますが、全体像
の理解や全体論的インサイトに欠けています。CMOがROIを証明できる、または予
算配分の意思決定を支援する技術を探しています。」
—最高マーケティング技術者、デジタルマーケティング代理店
「当社には無駄にできるものはないので、何が効果的であるかを絞り込み、それに
専念することで、それ以外を捨てる必要があります。そのため、ツール評価に
あたってはツールを選定してその働きを確かめるという先行投資の意味合いが強くな
りますが、長期的には、それが価値創造なのだと考えています。」
—マーケティング担当マネージャー、米国コンビニチェーン
「統計学者とデータ科学者がディスカッションに参加し、主要な意思決定者となり
ました。彼らはステークホルダーでもあり、この情報は彼らが当社の現行システム
に関与させ、適用、統合しなければならないものです。そのため、採用するすべて
のツールが分析、測定、レポートの要求事項にかなったものであることを確信して
もらうことが重要でした。」
—マーケティング業務担当シニアディレクター、工業メーカー
© 2015 Winterberry Group LLC. 15
マーケターは多岐に及ぶ事例をサポートし、オーディエンスのエンゲージメントの取り組みを継
続的に成長させるため、データの共通ルートを通じてさまざまなツールセットの統合を目指して
います。(そしてすべてのツールセットが包括的な評価とレポートをサポートすることを期待し
ています)
貴社(またはクライアント)が今後2年間に行う技術投資の
評価において、下記の性質はどの程度重要ですか?
非常に
重要
5.0
3.35
ソリューションである
 「その種で最高」のポイント
 導入のスピード/容易性
である
4.08
 柔軟性/モジュール性
 独自または革新的なアプローチ
4.12
 幅広いデータ事例をサポートする
3.56
4.21
 使い勝手
メディア調達の支援
4.21
 社外の広告およびマーケティングテクノロジー
(ビジネスパートナーが使用するものなど)
との統合
 より効率的で低コストのデータまたは
4.24
 技術購買/導入のコスト
3.80
4.24
 他のライセンス済みまたは独自の広告・
マーケティングテクノロジー
(貴社が使用するものなど)との統合
 現行のメンテナンス費/管理費
4.29
 ROIを測定できる
3.96
4.36
1.0
 大量/高速データ処理のサポート
まったく
重要でない
4.38
2.0
 レポートツール
3.0
 拡張性
ある程度
重要
4.46
4.56
4.0
将来的なテクノロジーへの投資を推進するものとしてマーケターが期待する考慮事項は、基盤となるツー
ルセットと歩調を合わせて進化してきたものの、現在までのプラットフォーム選択の考慮事項と同様に複
雑で幅広いものだとパネリストは指摘しています。とりわけ、ユーザーはデータドリブンなデジタルの取
り組みが幅広いエンタープライズマーケティング戦略を支援するための今後の取り組みに向けて、可能な
限り大規模な準備をしているところであると語っており、可能な限り大規模な準備しています。それに合
わせて、ユーザーは、テクノロジーが過去より大幅に「拡張性」および「大量/高速データ処理のサポー
ト」を推進する度合いを検討しています。こうした優先事項は1~5段階(5はその事項がプラットフォー
ム選定において「非常に」重要である)の指標にすると、それぞれ4.56と4.38になりました(過去にはそ
れぞれ4.42と4.15)。
ユーザーは依然としてレポート機能をプラットフォームの価値の重要な指標と考えているようですが、全
体的なレポート機能の向上の結果(そして、同じ機能がほぼすべての対応可能なプラットフォームに組み
込まれていくという期待が高まるにつれ)、その相対的重要性は将来的に徐々に低くなっていきます。
「レポートツール」の今後の重要性について、パネリストが出した指標は4.46ですが、これは、前回の検
討サイクルのベンチマークである4.54から下落しています。
テクノロジーユーザーも、今後はソリューションを現在ほど「その種で最高」かどうかで評価しなくなる
と述べています。重要性のベンチマークは、1~5段階で3.35になりました。これは現在の購買優先度であ
る3.84より低いものです。
データテクノロジーの数が急増したことで、マーケターはこれらの独立したツールセットの統合にいっそ
う熱心に集中するようになりました。マーケターは、プラットフォーム統合の未来における重要性を、社
内(他のライセンス済みツールと統合)および社外(パートナーおよびサードパーティーサプライヤーの
ツールと統合)に関して、それぞれ4.29および4.24と評価しています。これは前回の検討時の3.85および
4.15から上昇しています。
© 2015 Winterberry Group LLC. 16
回答者の
コメント
「進展するにつれて相互運用性がより重要になってきます。なぜなら、すべての
システムが互いにやり取りできるようになるべきだというビジネス上の期待があるから
です。お客様は我々がシステムをどのような名称で呼ぼうが誰のスタックを使用して
いようが無関心であり、メリットを享受したいだけなのです。ですから、この取り組
みを続ける中で、相互運用性はますます重要となります。初期段階では、相互運用は
なかったのでそれほど問題になりませんでしたが、現在ではそれが期待されています。」
—マーケティング担当マネージャー、米国コンビニチェーン
「現在当社にその種で最高の(たとえぎごちないものであっても)スタックがあると
私が考える理由は、大企業がオールインワン型の有望なスタックを持つ前から、
当社がこの取り組みを始めていたためです。その結果、当社は上位のソリューション
を特定し、それらを組み合わせることができました。今ではこれは統合と呼ばれ、
誰もが取り組んでいます。それはマーケターたちが今日求めているもので、
大規模プロバイダーの大半はいずれそこにたどり着きます。」
—デジタルマーケティング担当プログラムマネージャー、大手保険プロバイダー
© 2015 Winterberry Group LLC. 17
「統合型か独立型か」のジレンマを考えた場合、マーケターの意見は二分されます。ほぼ同数
の人々がバンドルとポイントソリューションという۲つのアプローチに分かれますが、圧倒的
多数は、特定の技術調達の戦略に合わせたいからではなく、クラス最高の性能をサポートした
いという願望に由来すると主張しています。
過去数年間のマーケティングデータの急増を受けて、マー
ケターがデータテクノロジーを調達、ライセンス、利用す
るためのさまざまなアプローチが注目を集めてきました。
例えば、ある開発者は、同一の中核プラットフォームによ
り複数の機能をサポートする統合(「スタック」)型アプ
ローチを推進しました。一方、別の開発者は、1つまたは
少数の機能のみをサポートする極度に専門化されたツール
の提供に専念する独立(「ポイント」)モデルを推進しま
した。
貴社(またはクライアント)のデータテクノロジーに対す
るアプローチについて考えたとき、統合型かまたは独立し
たソリューションのどちらがその程度好ましいでいますか?
30.4%
17.4%
1
「統合」型
ソリュー
ションの採
用が大変好
ましい
13.0%
指標スコア︓ 3.00
13.0%
17.4%
2
3
「統合」型
または「独
立」したソ
リューショ
ンのどちら
でもよい
8.7%
4
5
「独立」し
たソリュー
ションの採
用が大変好
ましい
よく分からない
© 2015 Winterberry Group LLC. 18
昨今の技術開発者の情勢はM&A活動によって統合されました。
この統合は、エンドユーザー(マーケター、広告主、媒体)
にどの程度メリットをもたらすと思いますか?
47.8%
26.1%
1
統合型はエン
ドユーザーに
大幅な不利益
をもたらしそ
うである
2
指標スコア︓ 3.28
8.7%
4.4%
3
エンドユー
ザーに大幅な
利益または不
利益をもたら
すことはない
だろう
8.7%
4.4%
4
5
エンドユー
ザーに大幅
な利益をも
たらしそう
である
よく分からない
「パネリストの好みについての回答が完全に分散し、回答者の多数はどちらのテクノロジーモ
デルにも固有の好みはないと答えていることは、「統合」型テクノロジーか「独立」したテク
ノロジーかという現在の議論でコンセンサスがないことを裏付けています。そして同数(とも
に30.4%)が、それぞれ「ポイント」および「製品スイート」ソリューションにある程度の
好みを感じると述べています。それと対照的に、さまざまなツールセットが互いに調整されて
いることよりも、現況のマーケティング目標を支援する上での基本的な機能がより重要な検討
ポイントだと答えました。
マーケターは「スタック」または「独立」したテクノロジーモデルに対して格別偏見は示しま
せんでしたが、データテクノロジー業界全体にわたる継続的な統合の動きが自社の事業や組織
にメリットをもたらすことには、控え目ながら自信を持っています。1~5段階(5は統合がエ
ンドユーザーに「大幅な」メリットをもたらすとパネリストが考えている)の指標にすると、
マーケターの「統合への自信」は3.28で、複雑性が低下すれば、最終的により多くの事例、機
能、プラットフォームオンボーディングに力を入れることができ、構成が入り乱れて最新の動
向を追跡するのに空回りしがちなサプライチェーンの解読に費やすエネルギーを減らせると考
えています。
© 2015 Winterberry Group LLC. 19
回答者の
コメント
「究極的には、所定のテクノロジーモデルを選ぶのでなく、一緒に仕事をする相手を
(自社のビジネスニーズに基づいて)適切に選んだ上で、パートナーが継続的に革新
をもたらし自社のニーズを満たすよう、常にプレッシャーをかけていく必要があります。」
—オーディエンスセグメント化担当ディレクター、ライフスタイル媒体ネットワーク
「出来合いのスタックを使用するか否かは、全面的にマーケターの判断に任されて
います。どちらにも賛否両論があります。アナリストがDMPなどのツールについて、
問題を簡素化し報告するのには閉口します。こうした問題はマーケターや事例
によって根本的に異なるものです。」
—デジタルメディアソリューション担当バイスプレジデント、大手マーケティングサービスプロバイダー
「エンドユーザー、小売業者、あるいは顧客の視点からすると、私の希望は、管理
しなくてはならない会社が少なければ少ないほど助かるということです。ワンス
トップでサービスを受けられるなら、20の異なるリレーションを管理し、それらを
統合するより、はるかに良いです。つまり、手持ちの卵を全部1つのかごに入れるの
はリスクがあるということです。より多くのソリューションを導入すると、それら
に大きく依存することになり、切り替えのコストが増大します。結局、自分に最も
合ったツールだけを選ぶ必要があります。」
—オムニチャネル担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、米国量販店
「マーケターの役割や働きを簡素化するためには、集約が必須です。ベンダーのあ
り方が複雑で乱雑なものになればなるほど、広告主や代理店はこれらの統合型シス
テムへ投資し、データエンジニアが解明できるようにします。統合が進み複雑性が
低下していれば、マーケターは技術的なエンジニアリングや統合にわずらわされる
ことなく、オーディエンスエンゲージメント(およびマーケティング)に集中でき
るのです。」
—最高分析責任者、グローバルメディアエージェンシー
© 2015 Winterberry Group LLC. 20
統合ツールは、データの管理、監視、ガバナンスにシームレス性をもたらし、導入効果が大きく
向上するとユーザーは捉えています。
「統合」型または「独立」したデータテクノロジーモデル
に取り組む際に、下記の事柄はどの程度説得力のある理由
になると思いますか?
「統合」型
ソリューションに
取り組む上で非
常に説得力のあ
る理由になる
1.0
2.0
2.95
3.00
 現行のメンテナンス費と管理費
 幅広いデータ事例をサポートする
 より効率的で低コストのデータまたは
 独自または革新的なアプローチである
2.82
 拡張性
2.86
2.77
 使い勝手
メディアソーシングの支援
2.77
 大量/高速データ処理のサポート
 導入のスピード/容易性
2.73
2.68
5.0
 技術購買/導入のコスト
「独立」した
ソリューションに
取り組む上で非
常に説得力のあ
る理由になる
2.68
4.0
 ROIを測定できる
3.0
2.68
「統合」型または
「独立」したソ
リューションに取
り組む意思決定に
ほとんど影響を及
ぼさない
注︓当チャートは統合アプローチを支持する回答だけを表示しています。
2つのテクノロジーアプローチに対する熱意が二分されていることを反映して、回答者は「統
合」プラットフォーム戦略を9つ(選択肢は15項目)の潜在的メリットに関連付けています
が、その関連付けの度合いは低いです。とりわけ、マーケターはレポートおよびプラット
フォームの効率性を実現する要因の組み合わせに強くひかれています。「ROIを測定できる」
「購買/導入のコスト」「導入のスピード/容易性」は1~5段階の指標(1~3は、そのメリッ
トが「統合」ソリューションを採用する理由になり、3~5は「独立」したソリューションを採
用する理由になる)で等しく2.68となりました。
プラットフォーム統合に関するその他の議論は、効率性に関する議論と一致したものになりま
した。マーケターは、大量処理、使い勝手、拡張性、低コストデータ調達をサポートする統合
ツールが持つ潜在力に対して前向きです。効率性の潜在的メリットについて、パネリストは分
析に関わる潜在的なメリットについて言及しています。さまざまなデータストリームを緊密に
統合すれば、分析によるインサイト(およびダウンストリームでの実用性)のレベルはさらに
向上すると指摘する人もいます。
© 2015 Winterberry Group LLC. 21
回答者の
コメント
「統合スタックは自分にとって理にかなったものです。それには価値があり、大規模
な組織が新しいプログラムやソリューションを利用して行動を起こしやすくなります。
なぜなら、信頼できるパートナーが別の機能を追加し、CMOにとって、ソリュー
ションのテストが簡単になるからです。」
—最高マーケティング技術者、デジタルマーケティング代理店
「統合スタックの価値はその簡潔性にあり、経済性とシナジーにも優れていますが、
自社のビジネスにも依存しています。例えば、グローバル企業かどうかは重要
なポイントであり、そうであればテクノロジーの導入はいっそう厄介で骨の折れる
ものとなります。100のブランドを持ち15の地域に展開する企業なら、事業の各部
門にまたがって高レベルの複雑性に耐えるのは難しく、1つのスタックが最善と
なります。」
—デジタルメディアソリューション担当バイスプレジデント、大手マーケティングサービスプロバイダー
「『スタック』を全面的に導入したクライアントは、大変順調です。異なるテクノ
ロジーの統合、接続、リンクの複雑性と労力が、スタックによって取り除かれ、ど
のような行動を取ったらよいかが分かります。クライアントが単一のソリューショ
ン(良い、悪い、無関心)を利用している事例では、誰もが同じ方向に向かって動
いていくため、意思決定が容易になります。」
—最高分析責任者、グローバルメディアエージェンシー
「大規模なリレーションを持ち、すべてが۱つの傘下に収まっている大企業では、
ロジスティクスと意思決定の観点で確実に理にかなっています。」
—収益担当ディレクター、ローカル検索および推奨プラットフォーム
© 2015 Winterberry Group LLC. 22
独立した複数のデータツールセットへの依存は通常、(キャンペーンの設定や展開の面で)著し
い複雑性をもたらすものの、ユーザーはイノベーションの推進とビジネスリスクの軽減において
これらのツールが重要な役割を果たすと答えています。
「統合」型または「独立」したデータテクノロジーモデル
に取り組む際に、下記の事柄はどの程度説得力のある理由
になると思いますか?
「独立」した
ソリューション
に取り組む上
で非常に
説得力のある
理由になる
5.0
4.0
3.00
「そのジャンルで最高」のポイントソリューションである
 幅広いデータ事例をサポートする
 レポートツール
 社外の広告およびマーケティングテクノロジー
(ビジネスパートナーが使用するものなど)との統合
注︓当チャートは独立アプローチを支持する回答だけを表示しています。
3.05
3.09
3.18
1.0
 柔軟性/モジュール性
「統合」型
ソリューション
に取り組む上
で非常に説得
力のある理由
になる
3.27
2.0
3.32
3.0
 他のライセンス済みまたは独自の広告・
マーケティングテクノロジー(自身の
組織が使用するものなど)との統合
「統合」型また
は「独立」した
ソリューション
に取り組む意思
決定にほとんど
影響を及ぼさない
マーケターは、関連するメリットについてどちらにも適度なレベルの熱意を示しているものの、「独立」アプローチの
メリットは「統合」プラットフォームのメリットより若干下回ると答えています。これらのポイントソリューションを
採用する説得力のある理由としては、他のツールと統合できそうである(直接ライセンス、またはサードパーティーに
よる使用)ということが挙げられています。パネリストはまた、全般的な「柔軟性/モジュール性」を説得力のある理
由として挙げています。
回答者の圧倒的多数が、長期的にすべてのテクノロジーを統合するというケーススタディに言及していますが、多
くがツールセットの断片化の維持は、最終的に重要なビジネスの目的に役立つと述べています。プラットフォーム
の流動的な組み合わせをサポートすることは、技術開発者の継続的なイノベーションを促進し、プラットフォーム
価格を市場の標準に保つとともに、平行するデータガバナンスの目標もサポートする(いずれかのデータセットが
外部からの攻撃にさらされた場合、データの「意図的」なサイロ化は自然な防御策となる)と回答者は述べていま
す。革新的でクラス最高のツールを調達すべきという現行の社内プレッシャーは、全面的に統合されたインフラ開
発の防壁になるとさえ語る人もいます。
© 2015 Winterberry Group LLC. 23
回答者の
コメント
「当社にとって柔軟性は、俊敏で独立したソリューションを採用する主な理由です。
パートナーが大々的なAPI群を持たない場合、そのパートナーとは組まないこと
にしています。なぜなら、当社は技術インフラを重視し、独自のニーズを満たすた
めに他のツールと合わせて設計できるからです。」
—収益担当ディレクター、ローカル検索および推奨プラットフォーム
「私の見解では、最終的に正しい判断とは、『将来性がある』企業または最新テ
クノロジーを有する企業を活用することです。なぜなら、テクノロジーを再度購入
する必要があったり、再導入しなければいけなかったりするのは本意でないためで
す。先端を行くべきです。独立した企業は1つのことに集中することができ、見事
な仕事をします。当社はそこを目指します。」
—デジタルマーケティングテクノロジー担当マネージャー、グローバルホスピタリティ企業
「テクノロジーはじっとしているわけでないことは誰もが知るところです。スタ
ンドアロン製品は1つのことに重点を置いているため、ソリューション上で実によ
く効果を発揮し、改善と進化を実現します。これらは私たちが「クラス最高」と呼
ぶものであり、これからもそうであり続けるでしょう。」
—マーケティング業務担当シニアディレクター、工業メーカー
「柔軟性とクラス最高であるかどうかという点で、統合された大規模スタックが
将来あるべき姿とは思いません。専門化する必要があると思うのです。これら大企
業は大きくなり過ぎたことで、イノベーションについていけなくなるでしょう。」
—デジタルマーケティング代理店、最高マーケティング技術者
「これらのテクノロジーソリューションでは、ユビキタスであることは最善の答え
ではないと思います。ユビキタスなスタックが提供されないなら、ビジネスニーズ
に合わせたカスタマイズを頼まねばならず、長い目ではよりコストがかかります。
最初から自分に合った異なるソリューションを見つけたほうが実用的です。」
—デジタルマーケティング担当プログラムマネージャー、大手保険プロバイダー
© 2015 Winterberry Group LLC. 24
マーケターが手元のデータから価値を引き出す上で役立つものとは何ですか?皮肉なことにそれ
はテクノロジーだけではありません。成功を実現するには、ツールを統制する人間とプロセスが
極めて重要になり、それらへの先行投資は技術投資よりも必要性が高いといえます。
貴社(またはクライアント)における現在の慣行やビジネ
スのニーズを振り返り、マーケティングと広告をサポート
するデータテクノロジーをよりよく活用するにはどうすべ
きでしょうか?あてはまるものを全部選んでください。
既存ツールのより良い統合
60.9%
さまざまなツール間でのデータ共有プロセスの改善
60.9%
より経験豊富な実務者が取り組みを主導
60.9%
56.5%
社内プロセスとの調整
テクノロジーをサポートするための予算拡大
47.8%
最高責任者クラス/エグゼクティブによる支持を強化
47.8%
43.5%
より正確かつパフォーマンスに優れたデータで取り組みを推進
プライバシーおよびデータガバナンスのベストプラクティスを明瞭化
39.1%
データテクノロジーがサポートするアプリケーション/事例に関するさらなる研修
39.1%
21.7%
テクノロジーベンダーからのさらなるサービス/サポート
17.4%
サードパーティーのテクノロジーのより良い/詳細な分析
それ以外
よく分からない
無回答
0.0%
4.3%
0.0%
データテクノロジーから価値を引き出すことについては、そのツールセットの出所がどこであれ(あるい
はツール開発者の取り組みが統合の唯一のルートであっても)統合が大事だと回答者は述べています。
パネリストの60%以上は「既存ツールのより良い統合」が、データから大きな価値を引き出す上での
一助になると答えています。
組織プロセスと、さまざまなプロモーションチャネルにまたがるデータの展開に従事する経験豊かな人材
に関しては、マーケターは同程度の必要性を示しました。多数のパネリストは、分析人材に関わる目下の
「激しい競争」を、いくつかの組織における懸念事項だと述べています。また、「デジタルとデータ優
先」の未来に向けたビジネスプロセスの開発は、その他多数に勝る優先事項となっています。
掘り下げると、経験豊かな人材(そして、より良い研修の取り組み)は、データドリブンなインサイトの
引き出しとそれに基づく行動を推進する(そしてその取り組みに力を与えるツールのネットワークを管
理、進化させる)と回答者は述べています。そして今日、そうした人材の開発は、広告およびマーケティ
ングの実施の長期的モデルをサポートするために確立されたインフラ(報酬モデル、人員配属、コラボ
レーションのモデルを含む)と根本的に結び付いています。
© 2015 Winterberry Group LLC. 25
回答者の
コメント
「当社ではおそらく25の異なる業務と部門が、メンバーに関する異なるデータを使
用しています。そのため、会社のビル内で接続性の問題が出てきています。当社は非
常に規模が大きく、組織内の多くの人がデータを利用しているため、お互いに衝突し
てしまうような状況です。プロセスの観点から、それを整理する必要に迫られていま
す。」
—リワード取得担当ディレクター、グローバルなホスピタリティチェーン
「当社にテクノロジーの問題があるかと聞かれたら、答えはノーです。当社にあ
るのは『人間とプロセス』の問題です。現在は多くのタスクを処理することが可能
なテクノロジーが豊富にありますが、組織でその機能を活用することが課題となっ
ています。組織の再構築を迫られている世代の節目にいるといえます。」
—マーケティングおよびテクノロジーソリューション担当シニアバイスプレジデント、
メディアおよびエンターテイメントコンサルティング会社
「統合に関しては大きなギャップがあります。誰もが統合は可能だと言いますが、
それに着手したプラットフォーム、ベンダー、企業はありません。当社はサー
ビス事業者としてクライアントのために取りまとめを行っていますが、一緒に提供
できるテクノロジーやソリューションがないのです。今の時点でそれをするには工
数がかかり過ぎます。」
—最高マーケティング技術者、デジタルマーケティング代理店
「私は、テクノロジーや、デジタルメディア、分析を『理解』できます。通常、
これらはサイロ化されていますが、それぞれ独自で価値があるものは理解できま
す。しかし大半の企業では、一人ですべてを取り扱い理解している人材がいないの
で、経験豊富な人材を確保することが非常に重要です。」
—デジタルマーケティングテクノロジー担当マネージャー、グローバルホスピタリティ企業
「当社が統合マーケティングまたは統合テクノロジースタックを売り込みに行く
と、そのアイデアは誰にも好まれますが、契約を最後まで遂行できるクライアント
はおそらく5%です。なぜなら組織にプロセスを阻害する構造的な問題があるから
です。マーケティングおよび予算を全体論的に統括する人がおらず、それが大変な
フラストレーションなのです。」
—事業開発担当ディレクター、デジタルイノベーションおよびメディアエージェンシー
「データを掘り下げる人材が不足しています。これまでのところ、アトリビュー
ションプロバイダーから入手したインサイトを活用してきましたが、正直なとこ
ろ、差別化を図るために当社のビジネスを掘り下げてよく理解しているとは思えな
いのです。社内でそれができる人材が必要なのですが、それを見つけるのは困難で
す。」
—Eコマースおよびデジタルマーケティング担当マネージャー、健康保険プロバイダー
© 2015 Winterberry Group LLC. 26
結論
今日、広告およびマーケティングは、近年の歴史上かつてないほど、「プログラマティック」、
「ネイティブ」、「モバイル」、「オムニチャネル」、「ビッグデータ」といった変革的な
領域を活用したいという要求によって特徴付けられています。これらの領域は、データや利用
可能なメディアをより適切に、より影響力のある方法で使用すれば、既存のパラダイムを覆す
(そしてニューリッチへの道を切り開く)ことができるといわれています。
これらの領域のいくつか(将来的には他のものも)に関する流行語は未熟で、消費者の大部分
に対するエンゲージメントや即応性の活性化という面では、依然としてその価値を検証する段
階にあります。しかし、まだ証明されていないものはすべて、ある観点ではすでにしっかりと
確立されています。つまり、どれもが根本的に、テクノロジーの戦略的導入に依存しているの
です。
当然のことながら、市場は大挙してそれに反応し、データの結集、管理、標準化、移送のため
のさまざまな手段を提供する新しいツール(そしてツールセットの「製品スイート」や、ツー
ルセットの「クラウド」、「統合」ツールセット、「ポイントソリューション」のツールセッ
ト)を多数輩出しました。長期的には、このような断片化した情勢は、M&Aの自然な力学に反
応するだけでなく、消費者、市場、クロスメディア交流に関する、より実用的で大規模な情報
レポジトリを構築したいというマーケターの切なる願いに応え、小規模で管理可能な数の
プラットフォームに集約されていく定めにある、というのは理にかなっています。
とはいえそれは長期的なビジョンです。短中期的に見ると、「統合」型および「独立」した
プラットフォームの併存(いくつかは互いに補完関係にあり、いくつかは完全に破壊的である)
に特徴付けられる市場です。どのモデルが最善なのか? これはストレートな答えのない、さらな
る質問を呼び起こすだけの質問です。しかし、こうした質問に挑戦する(ビジネス戦略をデータ
およびテクノロジーの貢献にマッピングする)見識のある組織は、データおよびテクノロジー
の可能性を活用する上で最も有利なポジションにあるといえます。
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Winterberry Groupは、広告、マーケティング、メディア、情報組織の成長を支援するユニークな戦
略コンサルティング会社です。当社のサービス内容は以下のとおりです。
企業戦略︓戦略的開発プロセスである「機会マッピング」により、市場インサイトおよび徹底した社内
分析の統合から情報を得て、お客様の顧客、チャネル、能力成長オプションの優先順位付けを支援しま
す。
マーケットインテリジェンス︓業界動向、垂直市場、バリューチェーンの総合的調査により、成長戦略
または取引戦略の前段階として、顧客、市場開発、潜在的機会に関する詳細な分析を提供します。
マーケティングシステム最適化およびアラインメント︓プロセスマッピング、市場ベンチマーク、総体的
システムエンジニアリングの取り組みは、業界に関する深いインサイトと「現実世界」の理解に根差した
ものです。提供にあたっては、広告主、マーケター、媒体が中核的資産をよりよく活用できるようにする
ことに力を入れています。
M&Aデューデリジェンスサポートサービス︓企業アセスメントおよび業界展望レポートが、トレンド、
予測、および信頼できる財務モデルのインプットに必要なトランザクション比較データに関するインサ
イトを提供します。これにより、戦略的および財務的な買収者が十分な情報に基づいて投資の意思決定
を行い、価値に重点を置いたオーナーシップの基礎固めをするというニーズを満たします。
さらに、Winterberry Groupは、テクノロジー、メディア、マーケティング、Eコマース、医療の各業
界にサービスを提供する主要投資銀行であるPetsky Prunier LLCとの提携により、他社との差別化を
図っています。潜在的なニーズに対して最大かつ最も経験の豊富な戦略およびトランザクションのサー
ビスを提供しています。
詳細は、www.winterberrygroup.comをご覧ください。
パートナー
企業︓
The INTERACTIVE ADVERTISING BUREAU(IAB)は、デジタル経済におけるメディアおよび
マーケティング業界を支援します。IABは、デジタル広告やマーケティングキャンペーンの販売、提
供、最適化に従事する650以上の主要なメディアおよびテクノロジー企業で構成される団体です。これ
らのメンバー企業を合わせると、米国のオンライン広告売り上げの86%を占めます。IABはメンバー
企業とともに、インタラクティブ広告の標準や慣行の評価および推奨のほか、研究活動を行っていま
す。また、専門的能力の開発と、デジタルマーケティング業界に従事する人々の知識、スキル、専門知
識向上に取り組んでいます。IABはまた、マーケター、代理店、メディア企業、その他の幅広いビジネ
スコミュニティに対して、インタラクティブ広告の価値に関する啓蒙活動を展開しています。IABは
1996年に設立され、ニューヨーク市を本拠地としています。
詳細は、www.iab.netをご覧ください。
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プレミア
スポンサー︓
LiveRamp
LiveRampは、120以上のデジタルマーケティングアプリケーションおよびメディアプラットフォームに
わたり、データを結び付けています。LiveRampは、パートナーが開発した、ターゲティング製品、評価製
品、パーソナライズされた製品に顧客データをオンボーディングすることで、主要ブランドがデータのサ
イロ化を解消し、いっそう効果的なマーケティングプログラムを実施できるようサポートします。
詳細は、www.liveramp.comをご覧ください。
Signalは、リアルタイムのクロスチャネルマーケティングテクノロジーのグローバルリーダーです。Signal
のオープンデータプラットフォームは、マーケターによるさまざまなオフラインやオンラインのデータ収
集、あらゆる顧客タッチポイントを横断したデータの同期、マーケティングや分析エンドポイントへのデー
タ配信を、すべてリアルタイムで実現します。Signalのプラットフォームはエコシステムとして中立であ
り、データやマーケティングテクノロジーを効率よく連動させ、エンゲージメント、ロイヤルティ、コン
バージョンを高めることができます。Signalのテクノロジーは、158カ国において4万件以上のデジタル化
された資産で利用されています。Signalのプラットフォームは、月間数十億のリクエストに対応し、
Allstate、Audi、Crate & Barrel、DeVry University、GAP、JetBlue Airways、Macyʼs、1-800Flowers.com、Starcom MediaVest Group、Starwood Hotels and Resortsなど、1.5兆ドル以上の売り
上げを創出する世界のトップブランドをサポートしています。
詳細は、www.signal.coをご覧ください。
Turnは、主要な広告代理店や企業におけるマーケティングの意思決定の方法を変革するリアルタイムの
インサイトを提供します。Turnの統合クラウドプラットフォームでは、データマネージメント、クロス
チャネルの広告配信、高度な分析を1度のログインで行い、1クリックで、150以上の統合テクノロジー
パートナーにアクセスできます。シリコンバレーに本社を置くTurnは、製品とサービスを世界中に提供
しています。
詳細は、www.turn.comをご覧ください。
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