シグマ アルドリッチ独自の 固相抽出のノウハウを伝授します! © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 固相抽出カラム(前処理)が必要な理由 matrix ・ analyte 膨大な量のマトリクスに含まれる、微量な分析対象物を測定するために 「前処理」という工程が必要 2 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 固相抽出(Solid Phase Extraction)とは? ・液液抽出の代替手法 ・液体クロマトグラフィーの一種 固相抽出カラムで、 膨大なマトリクスから分析対象物を・・・ 精製する 濃縮する →マトリクスを保持させ除去する →分析対象物を保持させる コンディショニング サンプルロード 分析対象物溶出 3 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 本日の内容 • コンディショニングの目的 - チャネリングの予防 - 充填剤間・フリッツの気泡を抜く - 充填剤の活性化 • 自然落下を快適に使いこなすテクニック - 通液速度と回収率の関係 - ディスポーサブルライナーの活用 4 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 固相抽出カラムの性能を最大限に発揮するには? →「コンディショニング」をしっかりと行うことが大切 ・固相抽出カラムの洗浄 →ブランク低減 ・チャネリングの予防 →充填剤と溶媒をしっかり接触させる ・充填剤間・フリッツの気泡を抜く →通液速度の安定化 ・充填剤(順相系)の活性化 →保持挙動の安定化 5 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -チャネリングの予防 固相抽出: C18 1g/6mL 左:コンディショニング無し 右:アセトニトリル5mL、 水5mL×2回で コンディショニング チャネリング サンプル: アズレンスルホン酸ナトリウム水溶液 40mg/mLを2滴(うがい薬)を添加 コンデイショニング 無し 洗浄: 水 5mL コンデイショニング 有り サンプルが均一なバンドを形成しないと、 適切なクロマトグラフィーが行えない 6 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡を抜く カーボンの固相抽出カラムにヘキサンを流した →通液速度・・・・・0.9mL/min 気泡が存在したので除去した →通液速度・・・・・2.3mL/min 気泡除去により、通液速度は約2.5倍に 気泡 気泡の存在で通液速度が大幅に異なった。 この実験ではカラム出口付近に気泡があったため除去できたが、 充填剤間やフリッツ中の気泡は、どう対処するか? 7 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡を抜く • 気泡を除去して、通液速度を安定化させる • 固相抽出カラムごとの通液速度のバラツキを無くす • 充填剤と溶媒・サンプルの接触効率を向上させ、負荷量を最大化する ユニークな気泡の除去方法をご紹介します。 バキュームマニホールドが使用できる環境を ご用意ください。 8 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡抜き ②コンディショニング溶媒を 固相抽出カラムに入れる ①必要な本数の固相抽出カラムを バキュームマニホールドの 付属ラックにセットする 9 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡抜き ③付属ラックごと真空槽に入れる ④減圧する 10 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡を抜く ⑤減圧する およそ30秒~1分間 細かい気泡が上昇 下部からも気泡が抜ける 充填剤とフリッツ中の気泡が、ほぼ完全に除去できる 11 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤間・フリッツの気泡を抜く 各コンディショニング方法による比較 固相抽出カラム:C18 1g/6mL A B 自然落下による通液速度比較 C アセトニトリル 5mL通液時間 コンディショニング方法 Tube#1 Tube#2 A:マニホールド気泡除去 4m19s 4m17s B:吸引法 3m51s 5m02s C:加圧法 4m47s 5m06s 5mLアセトニトリルを用い、3つの方法でコンディショニングした後、 5mLアセトニトリルを自然落下で通液させその時間を測定 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 均一である ばらつきがある 12 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 シリカゲル 1g/6mL(同一ロットで保管条件が異なる2本を比較) ヘキサン 3mL ヘキサン 3mL追加 コンディショニング: n-ヘキサン 3mL ↓ サンプル: 200µL アズレン 2mg/mLヘキサン溶液 ↓ 溶出:n-ヘキサン 3mL × 2回 順相系充填剤では、活性度の違いが保持挙動に表れやすい 13 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 一般的な順相系固相抽出の コンディショニング ヘキサン 水 順相系ではヘキサンを流しても水分は除去できず、活性度は上がらない © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 14 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 順相系充填剤(シリカ・アルミナ・フロリジルなど)の 活性度を高く一定にするには? ・従来法 充填剤を130℃のオーブンで一晩乾燥させる →カートリッジ充填されているカラムは、加熱不可能 →充填剤のみを乾燥させて、使用前にカートリッジへ充填する ・代替案 アセトン通液後、ヘキサンで平衡化する 第21回農薬残留分析研究会 1998年シリカゲルカラムの前処理効果 (財団法人残留農薬研究所、杉本、島村、小林、加藤)でも、一定した 活性度と固相抽出由来の妨害物質の低減化が可能との報告あり。 15 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 改良した順相系固相抽出の コンディショニング アセトン ヘキサン 水 アセトンで水を除去することで、活性度を高く一定にする © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 16 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 水分測定 アセトンを流し溶出液を分画捕集した。 溶出液中の水分量をKarl Fisher水分測定 装置(電量法)で測定。 アセトン洗浄によるカラム中の水分除去 100,000 Mositure Content (ppm) in eluate Ag ION 750mg/6mL 90,000 Alumina N 2g/6mL 80,000 DSC-NH2 1g/6mL DSC-SAX 1g/6mL 70,000 DSC-SCX 1g/6mL PSA 1g/6mL 60,000 LC-Florisil/LC-Si = 1g/1g/6mL 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Acetone Volume (mL) © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 10 11 12 13 14 15 16 17 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 アセトンからヘキサンへの平衡化 アセトン-ヘキサン平衡化 アセトン洗浄後ヘキサンを流し、その溶出液 を分画捕集した。溶出液中のアセトン含有量 をHPLC-UVで測定。 Peak area of acetone in eluate 900,000 800,000 Ag ION 750mg/6mL 700,000 Alumina N 2g/6mL DSC-NH2 1g/6mL 600,000 DSC-SAX 1g/6mL 500,000 DSC-SCX 1g/6mL 400,000 PSA 1g/6mL 300,000 200,000 100,000 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 Hexane Volume(mL) Hexane Voume (mL) © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 45 50 55 60 65 18 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 90% 80% Oil Tube#1 #155 #10 #188 #202 70% ヘキサン コンディショニングのみ #1 Biphenyl #104 #3 #169 #209 Elution % PCB異性体20成分を Alumina N 1g/6mL で分画 #30 60% #208 50% #206 #54 #194 40% #189 Tube#1とTube#2は 同一ロットで保管状況が異なる #77 #37 30% #126 20% 10% 0% 10 0% 0 1 2 3 4 5 6 8 9 10 11 12 13 Acetone 14 15 Elution Volume (mL) #189 Biphenyl 80% #1 #3 #10 #30 #194 70% #188 #104 ヘキサン コンディショニングのみ #54 #126 50% #77 #208 #169 #206 40% Tube#2 #15 #37 #155 #202 #209 60% Elution % 7 Hexane Supelclean LC-Alumina-N 1g/6mL without acetone washing 90% 同一ロットだが、保管状況により 活性が変わったため 保持挙動にも影響があった。 #15 30% 20% 10% 0% 0 0 1 2 2 3 4 4 5 Hexane 6 6 7 8 8 Elution Volume (mL) ヘキサン © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 9 10 10 11 12 12 13 Acetone 14 14 15 溶出量(mL) アセトン 19 コンディショニングの目的 -充填剤の活性化 90% 80% Oil Tube#1 #155 #10 #188 #202 70% ヘキサン コンディショニングのみ #1 Biphenyl #104 #3 #169 #209 Elution % PCB異性体20成分を Alumina N 1g/6mL で分画 #30 60% #208 50% #206 #54 #194 40% #189 Tube#3は アセトン-ヘキサンで コンディショニング #77 #37 30% #126 20% #15 10% 90% 0% 0 1 2 3 4 5 Hexane 6 80% 7 8 9 10 11 Elution Volume (mL) 12 13 Acetone 14 15 # 15 Oil 70% #209 水分除去により活性が上がるため 保持は強くなる傾向にある Elution % 60% #77 #188 #202 #37 アセトン-ヘキサン コンディショニング #30 #155 50% #208 Tube#3 #189 #104 #194 #1 40% #126 # 10 #54 30% #206 Biphenyl #169 #3 20% 10% 0% 0 0 1 22 3 44 5 Hexane 6 6 7 8 8 Elution Volume (mL) ヘキサン © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 9 10 1 0 11 12 1 2 Acetone1 3 14 1 4 15 溶出量(mL) アセトン 20 自然落下を快適に使いこなすテクニック 固相抽出の使用における、様々な溶出方法 • 減圧吸引 - 迅速に作業できるが、液枯れの恐れあり →液面監視が必要なため、多検体処理は困難 • 加圧方式 - この3つの中では最もデメリットが少ない。 →加圧させる専用器具が必要、多検体処理は困難 • 自然落下 - 最も簡便な方法で多検体処理も可能 - 気泡の影響により、溶媒の通液速度が安定しない →マニホールドを使用した気泡除去で解決 - 溶出に時間がかかる →ディスポーサブルライナーの使用で解決 21 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 自然落下を快適に使いこなすテクニック -通液速度と回収率の関係 回収率90%以上 Journal of Chromatography, 622 (1993) 53-60 通液速度は、1~2mL/min(約1~2滴/秒)程度が最適 22 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 自然落下を快適に使いこなすテクニック -ディスポーサブルラーナーを用いて通液速度アップ ディスポーサブルライナーの活用 ・マニホールドを使用した気泡除去後は 固相カラム毎の通液速度が均一になっている ・気泡除去後は、自然落下での溶出において 充填剤部の液枯れの心配がなく作業が容易 ・さらに、ディスポーサブルライナーの接続で 通液速度をアップさせる 製品型番:57059 ディスポーサブルライナー 23 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 自然落下を快適に使いこなすテクニック -ディスポーサブルライナーを用いて通液速度アップ ディスポーサブルライナーの長さと自然落下での通液速度 固相抽出カラム: Supelclean Sulfoxide 3g/6mL Conditioning: Acetone 5mL + 10mL → n-hexane 20mL ディスポーサブルライナー(8cm)の接続で、通液速度は約2倍になった ライナーの長さに比例して通液速度が変化するため調整も可能 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. 24 ご清聴ありがとうございました お知らせ:固相抽出をもっと活用されたい皆様へ 明日9/3 15:30~16:20 A-9 新規脂質除去剤Z-Sepと その他シグマアルドリッチのユニークな 固相抽出の紹介 固相抽出カラム、ディスポーサブルライナーは サンプルのご用意がございます。 お気軽にお申し付け下さい。 お問い合わせは・・・ テクニカルサポート TEL 03-5796-7330 E-Mail: [email protected] 25 © 2015 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved.
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