石川県珠洲(すず)市における 公道走行実証実験の概要

石川県珠洲(すず)市における
公道走行実証実験の概要
金沢大学 新学術創成研究機構 自動運転ユニット
ユニットリーダー,准教授 菅沼 直樹
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151203 ITSシンポジウム@首都大学東京
自動運転の研究動向
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高速道路での自動運転
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Point-to-Pointの自動運転
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国家プロジェクトの例
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比較的単純な環境,整備された道路
安全・快適性向上,交通容量の増加,物流の効率化
日米欧で古くから盛んに研究
CHAUFFEUR(欧)
PATH(米)
SARTRE(欧)
Energy-ITS(日)
2020年頃発売予定
トヨタ自動車@首都高
自動運転の研究動向
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一般道での自動運転
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Door-to-doorの自動運転
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近年になり研究が活発
目的
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安全・快適性向上
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交通事故の削減
初心者・ペーパードライバー
盲目ドライバーの運転補助
金沢大学@珠洲
交通システム(モビリティ)の革命
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知能を持つ究極の自動車
無人走行も視野
新しい乗り物
交通容量増加,物流省力化
高齢過疎地域における次世代交通手段
石川県 珠洲(すず)市
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高齢社会(H26年12月末現在)
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人口総数 15,948人
高齢化率 44.2%
都市部からの交通アクセス
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能登地域
珠洲市役所‐金沢駅(高速バス3時間)
市内交通
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珠洲市
交通格差
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高齢過疎地のモデル都市
(将来の多数の地方像)
鉄道網無(廃止済み)
バス(路線によっては1本/日)
タクシー(地域によっては不便)
将来の地域内移動に不安
自動運転技術応用による貢献
約100km
金沢市
(中核市)
石川県
公道走行実証実験の概要
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市街地における実証実験の開始(H25.2.24)
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石川県 珠洲市を中心とした市街地の公道走行
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目的①:自動運転技術の高度化
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地域再生,活性化の起爆剤
走行ルートの拡張(H25.10.27)
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市街地を含む広大な区間での試験(全長約60km)
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国内では他に類例のない大規模エリアでの実験
目的①:運転知能の更なる高度化
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公道走行での知見の積み重ねが重要
目的②:過疎地の地域内交通を支援
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大学として国内初(全長約6.6kmの区間)
珠洲市長と大学学長間での覚書を調印
新しい技術課題の克服,挑戦
目的②:地域交通への活用検討
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実際の走行ルートを考慮した検討
実証実験(旧ルート)の成果
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鉢ヶ崎総合公園-珠洲市総合病院(約6.6km)
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4月1日:片道走破(6.6km)
4月16日:往復走破(13.2km)
市街地,山間部の技術課題解決
珠洲市総合病院
山間部区間(GNSS信号,携帯電波劣化)
地図も2m程度ずれている区間
市街地区間(朝夕交通量大)
珠洲ビーチホテル
Googleマップより引用
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鉢ヶ崎総合公園
走行ルート概要
道の駅すず塩田村
すず塩田村ルート
飯田地区市街地
巡回ルート
松波鵜島
バイパスルート
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旧ルート
鉢ヶ崎ルート
道の駅すずなり
Googleマップより引用
スケジュールイメージ
日本最先端の
金沢大学自動運転車両
Phase 1
Phase 2
社会実証実験
社会実装の開始
2017
公道走行試験による
自動運転知能の高度化
社会実装準備
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2015.2.24国内初
市街地公道実証実験開始!!
Phase 3
地域交通への活用
地域定着の促進
2020
公道走行試験車両の概要
GNSSアンテナ
全方位レーザ
(障害物検知,自己位置推定)
GNSSアンテナ
IMU
(方位計測)
カラーカメラ
(信号機認識)
車速センサ
側方ミリ波レーダ
(交差点侵入車両検知)
前方ミリ波レーダ
(交差点での対向車両検知)
金沢大学の
自動運転システム
分散処理システム(UDP/IP,TCP/IP)
高分解能
デジタル地図
All information
周辺環境認識
軌道計画
カメラ
信号認識
経路選択
ミリ波レーダ
静止障害物検出
状況判断
全方位レーザ
移動物体検出
将来軌道予測
動作決定
軌道追従
操舵量決定
マップマッチング
駆動力決定
センサ系
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認知系
経路・軌道生成系
システム監視
ヒューマンマシン
インターフェース
Prius
自己位置推定
GNSS/INS
複合航法装置
データ保存
制御系
ユーザインターフェース系
操舵制御
駆動力制御
ウィンカ―制御
アクチュエータ系
複数信号機の同時認識
信号機認識カメラ
・シャッタースピード固定
・ゲイン,絞り固定
・7.5FPS(高速性必要なし)
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昼夜問わず認識可能
最大検出距離140m程度
レーザによる環境認識例
走行速度
約60km/h
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静止障害物の検知:走行可能(白),走行不能(黒),不明(灰)
移動物体の検出:移動物体(赤枠),予測軌道(青)
赤外線反射率道路画像
による自己位置推定
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約20cm程度の精度で推定可能
昼夜問わず,トンネル内でも認識可能
公道走行開始直後の走行状況
国内の大学初の市街地における自動運転実証実験を開始
(2015年2月24日)
現在の公道走行状況
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交差点右折,歩行者認識
複数信号機の認識と交差点侵入
右折待ち
一時停止
今後の展開
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自動運転知能開発
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多ルート走破
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天候,季節,時間帯等
社会実装準備
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導入施策検討
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分岐合流,立体交差
登坂車線(車線変更)
トンネル,ループ橋
最適ルート検討,導入シナリオ,車両タイプ検討
経済的検討
地域再生,活性化の起爆剤