短工期&低コストでパークを分解

工場稼働のまま〈土壌・地下水汚染〉を浄化
短工期&低コストでパークを分解
エコサイクル㈱ 工場敷地の売却、あるいは建て替え等の際の、地下の
▲浄化イメージ
▶汚染状況調査
土壌汚染が問題になっている。
リネンサプライ工場でも、
データ
ユニフォームの処理にパークドライ機等を使用するが、
汚染土壌の浄化方法は、一つは「掘削除去」が挙げら
過去にパーク溶剤等を使用してきた工場が売却等を行う
れる。汚染土壌を掘り起し、適正に処理して戻す、また
場合は土壌汚染の調査を行い、法に基づく浄化対策をと
は別の土を埋め戻す方法だ。これは、
工期が短いものの、
る必要がある。その浄化工法は、コストや工期など様々
費用もかさむという。次に、
「土壌ガス吸引」
。必要な個
だが、ここでは最近、クリーニング工場でも施工例が増
所に吸引ポンプを設置し、気化した有害物質を活性炭に
えているという、エコサイクル㈱(本社・東京都中央区)
吸着するなどして除去。低コストで、工場稼働のまま工
の「EDC」など土壌汚染対策について取り上げる。
事可能だが、工期が長期にわたることもあるようだ。
工場廃止も土地売れず…
ほかにもいくつか工法があるが、国内外で土壌汚染浄
化事業を展開するエコサイクル㈱では、汚染状況や規模
土壌汚染対策法では、土壌を汚染した場合、土地所有
により多様な技術、工法を組み合わせ、最適なソリュー
者が汚染処理計画書を作成・提出、土壌処理対策を実施
ションを提供している。
し、
完了の届出を行うことが義務付けられている。また、
有害物質を使用する工場を廃止する際、汚染が生じてい
半年∼1年で浄化完了
るか不明の場合は土壌調査を行い、
基準を超える場合は、
エコサイクルが行う浄化工法の中でも注目されている
汚染拡散防止対策を実施しなければならない。基準を超
のが特許技術の「EDC(バイオ栄養源浄化剤)
」だ。
えたままの土地は区域指定され、売却や建て替えも認め
EDCは、土壌・地下水中に生息する微生物を活性化
られない。
浄化措置は土地所有者に義務付けられており、
し、パークなど有機塩素化合物を分解。EDCを水に溶
費用は汚染原因者への請求権も有しているが、土地所有
かして井戸から土壌に注入することで、自然が持つ自浄
者による土壌浄化は避けて通れないものとなっている。
作用が加速され、
汚染を浄化できる。水に溶解しやすく、
これまでパークやエタン溶剤を使用してきた工場は、
土壌・地下水中にスピーディに拡散し、また分解しやす
管理を十分にしてきたつもりでも、土壌・地下水汚染が
い性質のため、微生物が嫌気性雰囲気を速く形成し、短
見つかるケースが少なくない。そのため、資産であるは
期間で浄化できるという。
ずの土地が売却できない状況に陥り、慌てて浄化工事を
右ページのグラフは、あるクリーニング工場の事例。
検討する業者もある。
施工半年でテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン
22 ザ・サプライヤー 2015 年9月 Vol.13
など、すべての物質が基準値をクリア。
半年から1年あれば、ほとんどの汚染状
況で浄化が完了するという。パーク分解
に強く、簡易な設備で工場が稼働中でも
施工できるほか、費用も土壌掘削が1㎥
あたり5万円∼ 10 万円かかるのに対し、
EDCでは1万円∼3万円と、3分の1
以下の低コストで浄化できる。
なお、EDC原料は食品材料で、EDCの減少により
▲建物解体後の掘削工事。
工場稼働のまま浄化も可能
微生物も減少し、最後はEDCも分解して地中に残らな
同社では現在、リネンサプライ・クリーニング事業者
いため、高い安全性も特徴だ(生分解性試験確認済)
。
を対象に、土壌汚染対策の個別相談を実施中。対策の提
調査∼工事をスムーズに
案や見積もりを無料で行っている。
詳しくは、TEL 03・6661・1875 まで。
エコサイクルでは、法に基づいた土壌調査に合わせて
浄化に向けた詳細な調査と分析を行い、汚染状況に適切
エコサイクル株式会社
な浄化対策を施す。浄化工事を熟知した同社が調査も請
け負うワンストップ・ソリューションにより、スムーズ
東京都中央区日本橋人形町二丁目 33 番 8 号 TEL: 03-6661-1875 な土壌汚染対策事業を展開している。
代表取締役 シュリハリ・チャンドラガトギ
クリーニング業界での浄化実績も多く、最近も、
「廃
創立平成 11 年 5 月。バイオレメディエーション用浄化剤の開発・製造・
業で土地を売却したいが、工場を稼働させながら土壌を
販売。土壌環境調査、浄化工事。
http://www.ecocycle.co.jp/
浄化したい」といった相談が増えているという。
ザ・サプライヤー 2015 年9月 Vol.13 23