地域別最低賃金 今年も大幅引上げ

沿岸部の先進地域と内陸の農村地帯の経済格差が最大13倍にも達し、貧困が主原因のウツ病者も
億を超えるとされる程、貧富差の激しい中国では、格差問題を解消し社会の安定化を図る為に8
%の成長率を最低要件とする、「保八」と呼ばれる経済対策が採られて来ましたが、最近は7%
も覚束ず、天津の大事故に象徴される様に、無理を重ねて来た成長政策の危うい実態が表面化し
つつあります。当局は、沈みかけ始めた経済状態を「新業態」と称して取り繕っていますが、工
場閉鎖や夜逃げに迄追い込まれても、救済すら施さないその姿勢は、金融政策を転換し、資金の
供給先を絞り始めた日本の先行事例とも云え、対岸の火事では済まない様相を呈しています。
10
2015
■地域別最低賃金
今年も大幅引上げ
■約8割が定期監督等
労基署の事業所調査
三友企業サービスグループ
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News letter October 2015 issue
R oumu news
最低賃金情報
今年も大幅引上げとなる最低賃金
1.最低賃金の種類と改定タイミング
賃金については、毎年度、都道府県ごとに
その最低額(最低賃金)が定められており、
企業はその額以上の賃金を労働者に支払うこ
とが義務付けられています。この最低賃金に
は、都道府県ごとに定められた「地域別最低
賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対
象に定められた「特定(産業別)最低賃金」
の2種類があり、毎年10月ごろに「地域別最
低賃金」が改定されることになっています。
平成27年度についても全都道府県の「地域別
最低賃金」が出揃いつつありますので、確認
しておきましょう。
2.平成27年度の地域別最低賃金と
発効日
平成27年度の地域別最低賃金と発効日は下
表のとおりとなっています。全都道府県で16
円以上の引上げになりました。昨年度、もっ
とも低い引上げ額が13円でしたので、今年度
と合わせてみると、全都道府県において2年
間で29円以上の引上げとなります。
この内容は平成27年9月18日時点の情報に
基づいて作成しています。
表 平成27年度の最低賃金 単位:円
最低賃金時間額
都道府県名
改定前 改定後
北海道
748
764
青 森
679
695
岩 手
678
695
宮 城
710
726
秋 田
679
695
山 形
680
696
福 島
689
705
茨 城
729
747
栃 木
733
751
群 馬
721
737
埼 玉
802
820
千 葉
798
817
東 京
888
907
神奈川
887
905
新 潟
715
731
富 山
728
746
石 川
718
735
福 井
716
732
山 梨
721
737
長 野
728
746
岐 阜
738
754
静 岡
765
783
愛 知
800
820
三 重
753
771
引上額
発効年月日
都道府県名
16
16
17
16
16
16
16
18
18
16
18
19
19
18
16
18
17
16
16
18
16
18
20
18
平成27年10月8日
平成27年10月18日
平成27年10月16日
平成27年10月3日
平成27年10月7日
平成27年10月16日
平成27年10月3日
平成27年10月4日
平成27年10月1日
平成27年10月8日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月18日
平成27年10月3日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月3日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
滋 賀
京 都
大 阪
兵 庫
奈 良
和歌山
鳥 取
島 根
岡 山
広 島
山 口
徳 島
香 川
愛 媛
高 知
福 岡
佐 賀
長 崎
熊 本
大 分
宮 崎
鹿児島
沖 縄
最低賃金時間額
改定前 改定後
746
764
789
807
838
858
776
794
724
740
715
731
677
693
679
696
719
735
750
769
715
731
679
695
702
719
680
696
677
693
727
743
678
694
677
694
677
694
677
694
677
693
678
694
677
693
引上額
18
18
20
18
16
16
16
17
16
19
16
16
17
16
16
16
16
17
17
17
16
16
16
発効年月日
平成27年10月8日
平成27年10月7日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月7日
平成27年10月2日
平成27年10月4日
平成27年10月4日
平成27年10月2日
平成27年10月1日
平成27年10月1日
平成27年10月4日
平成27年10月1日
平成27年10月3日
平成27年10月18日
平成27年10月4日
平成27年10月4日
平成27年10月7日
平成27年10月17日
平成27年10月17日
平成27年10月16日
平成27年10月8日
平成27年10月9日
※平成27年9月18日時点
大幅な引上げとなっていますので、採用募集時の賃金を引上げることにより社内の賃
金バランスが崩れていないかも確認しておきましょう。
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
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R oumu news
会話で学ぶ人事労務管理の勘どころ
約8割を定期監督等が占める
労働基準監督署の事業所調査
このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを社労士とその顧問先の総務部
長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。
最近、知り合いから、「退職した従業員が労働基準監督署へ駆け込んで、今後、
調査が行われるので対応が大変だ」という話を聞いたのですが、実際にこのような
ケースはよくあるのですか?
厚生労働省は労働基準監督年報というものを発行しているのですが、その平成25年
の実績によると、労働基準監督官が会社に来るような調査(監督)は、178,133件あ
りました。そのうち、労働者が労働基準監督署に申告をしたことで行われる「申告
監督」は、23,408件でしたので、全体の13.1%となっています。
社労士
総務部長
私が想像していたよりかなり少ない印象を受けました。となると、通常の監督が多
いのですか?
そうですね。毎月一定の計画に基づいて実施する監督等の「定期監督等」が140,499
件、全体の約8割になっています。そして、そのうちの68.0%に法違反があるという
結果が出ています。残りは、定期監督等や申告監督で法違反が是正されたか等を確認
するための再監督です。
定期監督等がかなり多く、法違反の割合も高くなっているのですね。
はい。その定期監督等で法違反が指摘されたものの中では、労働時間に関するものが
もっとも多く、32.0%を占めています。次いで安全基準26.2%、割増賃金22.9%、健
康診断19.7%、労働条件の明示18.1%、就業規則13.6%と続きます。これらの項目は
法違反となりやすい項目ともいえますので、自社の取扱いが適正かをチェックしてお
く必要があります。
なるほど。労働時間に関するものというと、どのような指摘になるのですか?
例えば、時間外・休日に関する協定(36協定)を締結せずに残業や休日出勤をさせ
ていること等が考えられます。ちなみに、申告監督(平成25年の新規受理)では、
賃金不払に関する申告が25,118件でもっとも多く、次に解雇の申告が4,691件で多く
なっています。
定期監督等と申告監督の内容はかなり違うのですね。両方の監督で多かった内容を
中心に当社で不適切な取扱いがないかを確認してみます。
【ワンポイントアドバイス】
1. 労働基準監督署の調査のうち、約8割は毎月の一定の計画に基づいて実施されるもの等
である。
2. 定期監督等の調査で、68%が法違反の指導を受け、その中でも労働時間に関するものが
もっとも多くなっている。
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