物理学基礎 I (高校物理履修者向け)

学部 1 年生授業科目
理系基礎科目・講義
時間割コード:
2015 全学教育科目授業時間割表参照
物理学基礎 I
(高校物理履修者向け)
(必修2単位)
1 年生前期金曜 2 時限目
講義室:2015 全学教育科目授業時間割表参照
犬塚修一郎(理論宇宙物理学研究室)
原田正康 (クォーク・ハドロン理論研究室)
河野 浩 (物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
自然科学の基礎学問である力学を、身近な現象の力学的解明を通じて学ぶことを指針とする。物理
学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で力学が重要となる学生を対象とする。それのみなら
ず、科学を学ぶ学生には必要な基礎である。
■授業内容
(1)力学の準備
基本的な概念や数学的な取り扱いの基礎から導入する。具体的には、位置、速度、加速度などを通し、座標(デカル
ト座標、極座標)、ベクトル(位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル)とベクトル演算(スカラー積、ベク
トル積)、微分、そして次元(単位)を復習し学ぶ。
(2)ニュートンの運動方程式
ニュートンの3つの運動の法則(慣性の法則、運動方程式、作用反作用の法則)と、その簡単な具体的適用を学ぶ。
微分方程式(運動方程式、初期値問題)を解くことにより、質点の直線運動、重力下での運動(放物運動)や力学現
象で重要な振動、特にその基礎である単振動(調和振動子)、単振り子やばねの振動とその特性を知る。
(3)運動量、力積、エネルギー、仕事
大切な概念である運動量、角運動量、運動エネルギー、位置エネルギー(ポテンシャル)を理解し、これらに関連す
る重要な保存則(運動量保存則、エネルギー保存則)を学ぶ。
(4)保存力とポテンシャル
エネルギーや仕事、ポテンシャルと保存力を学び、物体の力学的運動を理解する。例題として万有引力(重力)のポ
テンシャルなどを扱う。そして、力のポテンシャルを「場」という物理量として学ぶ。
(5)運動する座標系と見かけの力
慣性系、ガリレイの相対性原理、「慣性力」、さらに回転座標系を学ぶ。回転座標系に伴う遠心力、コリオリの力を
理解し、台風の渦がなぜ左巻きか、フーコーの振り子とは、ナイルの放物線とは、を知る。
■到達目標
自然科学の基本的考え方を学び、力学の基礎を習得する。
■成績評価の方法
期末試験、レポート等により総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げを行う場合には履修取り下げ届を 5 月末までに提出すること。履修取り下げの場合は「欠
席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
原島鮮 著「質点・剛体の力学」裳華房
原島鮮 著「力学」裳華房
植松恒夫 著 「力学」学術図書出版社
藤原邦男 著 「物理学序論としての 力学 (基礎物理学1)」東京大学出版会
阿部龍蔵 著 「力学 (新物理学ライブラリ (2)) 」サイエンス社
ファインマン 著 「ファインマン物理学〈1〉力学」 岩波書店
鈴村順三・大島隆義・大澤幸治 著 「理工学の基礎 力学」培風館
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
犬塚修一郎 オフィスアワー Webページに記載
Webページ
http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/inutsuka/lect/nuide002.html
連絡先
[email protected]
河野 浩
オフィスアワー 随時(事前に電子メールで問い合わせることが望ましい)
連絡先
[email protected]
原田正康
オフィスアワー 水曜日16:30-17:30、随時(事前に電子メールで問い合わせること)
連絡先
[email protected]
■履修要件
高校における物理学の履修を前提とする。履修していない場合は、予習復習の一層の努力
を期待する。
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
※講義室は、2015 年度全学教育科目授業時間割表および掲示にて確認すること。
理系基礎科目・講義
時間割コード:
2015 全学教育科目授業時間割表参照
電磁気学Ⅰ
(必修2単位)
1 年生後期月曜 2 時限目
講義室:2015 全学教育科目授業時間割表参照
草野完也 (太陽宇宙環境物理学研究室)
野尻伸一 (重力・素粒子論的宇宙論研究室)
小林義明 (固体磁気共鳴研究室)
■本講義の目的とねらい
電磁気学の基礎を習得するための講義である。真空中の電磁気現象及びそれを支配する法則の習得
を通じて「真空」や「場」の基礎概念、物理学における数学的取り扱いの基礎を学ぶとともに、電
磁気現象の豊かさに触れる。理学部物理学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で電磁気学が
重要となる学生を対象とする。本講義と2年前期の「電磁気学II」とを合わせて、電磁気学の基
礎について完結した講義となるので、両方履修することが望ましい。
■授業内容
以下の内容の講義を行う。途中、内容の前後があり得る。また、内容の取捨選択も若干ある。単位系はSI単位系を
基本とする。
1 電場とガウスの法則
2 定常電流と静磁場
- 電荷とクーロンの法則
- 電流と電流密度
- 電場と電気力線
- 電流と磁場
- ガウスの法則(積分形)
- 電流、電荷、磁束密度の単位
- ガウスの法則(微分形)
- ビオ・サバールの法則
- 電位(静電ポテンシャル)
- ベクトルの回転とストークスの定理
- 保存場の性質(積分形と微分形)
- アンペールの法則
- ポアソンの方程式とラプラスの方程式
- 磁力線の連続性
- 導体
- ベクトル・ポテンシャル
- 境界値問題
■到達目標
静電場・静磁場中の電磁気の法則を理解し、数式として取り扱う方法を身につける。
■成績評価の方法
学期末定期試験の成績を中心に、宿題レポート、出席状況等により総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は採用しない。学期末定期試験に出席しなければ「欠席」、出席して規定の点数に達
しなければ「不合格」である。
■教科書
なし。
■参考書
「物理入門コース3 電磁気学I」長岡洋介著、岩波書店
「電磁気学」砂川重信著、岩波書店
「電磁気学」横山順一著、講談社
「電磁気学 新しい視点にたって」V.D.バーガー・M.G.オルソン共著、小林・土佐共訳、培風館
「例解 電磁気学演習(物理入門コース 演習2)」長岡洋介、丹慶勝市共著、岩波書店
「詳解電磁気学演習」後藤憲一、山崎修一郎共編、共立出版
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
草野完也 オフィスアワー 随時 e-mail:[email protected]
野尻伸一 オフィスアワー 随時 e-mail:[email protected]
小林義明 オフィスアワー 随時 e-mail:[email protected]
■履修要件
高校の物理学を履修していることを前提とする。
■関連する科目
同時期に開講される「物理学基礎演習I」にて必要な数学的取り扱いを補うので、合わせて履修するこ
とが望ましい。
■他学科学生の聴講について
許可する。
■その他
言うまでも無いことであるが、予習・復習に十分な時間をかけること。また授業内容で生じた疑問につ
いては、授業時間中に質問をするなどして速やかに解決するよう努力すること。なお、理学部全体を3
クラスに分けて同時開講するのでクラスを間違わないこと。
※講義室は、2015 年度全学教育科目授業時間割表および掲示にて確認すること。
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628000
1年生前期月曜 2 時限目
ES034 講義室
現代物理学序論Ⅰ
(選択2単位)
総括者
岡本祐幸(理論生物化学物理研究室)
■本講義の目的とねらい
自然界の階層構造を概観して各階層の構造の特徴を明らかにしつつ、現代物理学においてどのよう
な課題を研究しているかを具体的に講義し、物理学の考え方や研究の方法・学び方などを体得する
ことをねらいとする
■授業内容
杉山 直 担当
-物理学とは何か-
・モデル化
・概数評価
・次元解析
・Power LawとExponential
・質量、時間、長さの単位
棚橋 誠治 担当
-理論物理学の考え方-
・ニュートン力学を例にとって
・量子力学のふしぎな世界
・特殊相対性理論入門
和田 信雄 担当
-「固体」の中の「気体」-
・「気体」が起こした革命
・超流動、超伝導
・極限世界の物性
岡本 祐幸 担当
— 物理学と生物学 −
・20世紀の自然科学の大発見
・生物物理学の誕生
・蛋白質も核酸も分子
■到達目標
物理学の基礎的な考え方を修得し、合わせて、特殊相対性理論、ミクロの世界で働く量子論、生命現
象などの複雑系の物理学的理解など、現代物理学について理解を深める。
■成績評価の方法
各担当者毎にレポートを課し、それらの総合点によって判定する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は用いない。成績判定が不良の場合は不合格とせず欠席とする。
■教科書
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワーは特に設けていない。
杉山 直:居室 ES601 E-mail [email protected]
棚橋誠治:居室 ES719 E-mail [email protected]
和田信雄:居室 S416 http://ult.phys.nagoya-u.ac.jp/ Email [email protected]
岡本祐幸:居室 S510 E-mail [email protected]
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
■その他
専門基礎科目・演習
時間割コード 0628200(小林)
時間割コード 0628201(松原)
物理学基礎演習I
(選択1単位)
1 年生後期水曜1時限目
小林晃人(物性理論研究室)
B5 講義室(理学部 B 館5階 B501)
松原隆彦(宇宙論研究室)
C5 講義室(理学部 C 館5階 C517)
■本講義の目的とねらい
力学,電磁気学のより深い理解のために必要な数学の手法を学ぶ.力学,電磁気学のみならず,学
科進学後のさまざまな講義を理解するための基礎力を確立することを目的とする.
■授業内容
以下の項目について,講義と演習を取り混ぜて行う.
1.多変数の微分
偏微分,多変数のテーラー展開,全微分
2.ベクトルの微分とベクトル微分演算子
ベクトル場とは何か
勾配,発散,回転
円筒座標および極座標での表示
3.多変数の積分
2重積分,3重積分
曲線上および曲面上でのスカラー場およびベクトル場の積分
ガウスの定理,ストークスの定理
■到達目標
ベクトル解析の基礎的なことを理解し,初歩的な計算が自由にできるようになることを目指す.
■成績評価の方法
演習のレポート(出席点にもなる)によって評価する.
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。レポート提出率が 50%未満の者を欠席とする。
■教科書
小形正男 「キーポイント 多変数の微分積分」 岩波書店
■参考書
和達三樹 「物理入門コース10 物理のための数学」 岩波書店
高木貞治 「解析概論」 岩波書店
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
小林: http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/akito/
内線 2911 e-mail: [email protected]
松原: http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/math/
内線 2801 e-mail: [email protected]
■履修要件
■関連する科目 電磁気学 I,II; 物理学基礎 I
■他学科学生の聴講について
■その他 授業は2クラスに分かれて行う.
理系基礎科目・実験
時間割コード:
2015 全学教育科目授業時間割表参照
1 年生前期火曜 3・4 時限目
物理学実験
(選択必修 1.5 単位)
総括者 槇 亙介
(細胞情報生物物理研究室)
■本講義の目的とねらい
実験・観測を通じて仮説を構築し、その実験的検証を通じて自然を理解することを真髄とする物理
実験科学の入門コース。様々な物理量の測定や物理現象の観察を通して、その背景にある法則を追
究する方法を体得することを主目的とする。基本的な測定の方法や原理、実験の技術等を習得する
ことも行う。また、実験結果の発表・討論を行うことによりプレゼンテーションの仕方も学ぶ。
■授業内容
同一の実験テーマを2週に渡って行う。このうち1週は発表および討論に割り当てる。通常2人1組で実験を行い、
各自が結果をまとめて実験ノート、レポートを提出する。
実験題目(予定)
(1)電気回路1
(2)電気回路2
(3)磁場中の電子の運動と比電荷の測定
(4)物性ー液体窒素を用いた実験ー
(5)回折格子による光の波長の測定
(6)放射線・宇宙線の測定
(7)光の偏光
そのほか共通実験をひとつ実施する。
演習(予定)
(1)測定値の記録と整理
(2)有効数字と誤差および最小2乗法
■到達目標
各テーマの物理の内容の理解と共に以下の点について習得する。
(1) 基礎的な実験データの処理方法
(2) レポートの書き方・まとめ方
(3) 人に伝わる発表の仕方
■成績評価の方法
出席・実験・レポート・発表内容を評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は用いない。全体の出席率が 2/3 以下の場合、成績を自動的に「欠席」とする。
■教科書
オリジナルテキスト「物理学実験」および各実験テーマごとに配布するプリントを使用する。
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
総括者:槇亙介 理学館619号室(内線:2434、メール:[email protected])
各担当者の連絡先はテキストを参照
■履修要件
特になし
■関連する科目
物理学全般
■他学科学生の聴講について
可
■その他
ガイダンス、実験などに使用する部屋・予定については掲示に注意すること。
※講義室は 2015 年度全学教育科目授業時間割表および掲示にて確認のこと。
学部 2 年生授業科目
理系基礎科目・講義
時間割コード:
2015 全学教育科目授業時間割表参照
電磁気学 II
(必修2 単位)
2 年生前期金曜 1 時限目
講義室:2015 全学教育科目授業時間割表参照
佐藤憲昭(磁性物理学研究室)
草野完也(太陽宇宙環境物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
1年後期の「電磁気学I」に引続き、電磁気学の基礎を習得するための講義である。真空中、物質
中の電磁気現象及びそれを支配する法則の習得を通じて「真空」や「場」の基礎概念、物理学にお
ける数学的取り扱いの基礎を学ぶとともに、電磁気現象の豊かさに触れる。理学部物理学科進学を
希望する学生および専門を学ぶ上で電磁気学が重要となる学生を対象とする。本講義と1年後期の
「電磁気学I」とを合わせて、電磁気学の基礎について完結した講義となるので、両方履修するこ
とが望ましい。
■授業内容
以下の内容の講義を行う。途中、内容の取捨選択が若干ある。また、内容が前後することもある。単位系はSI単位
系を基本とする。
4 物質と静電場
6 電磁誘導の法則
- 電気双極子
- 電磁誘導
- 誘電体と静電場
- 電磁誘導の法則の微分形
- 電束密度
- 発電
- 静電場のエネルギー
- インダクタンス
- 電気容量とコンデンサー
7 マクスウェルの方程式と電磁波
5 物質と静磁場
- 変位電流
- 電流が磁場から受ける力
- ポインティング・ベクトル
- ローレンツ力
- 真空中の電磁波
- 磁気双極子
8 オームの法則と電気回路
- 磁性体(磁石)と磁場
- オームの法則
- 磁束密度
- 電気回路
- 境界条件
■到達目標
電磁気学の基本法則であるマクスウェルの方程式を理解する。
■成績評価の方法
学期末定期試験の成績を中心に、宿題レポート、出席状況等により総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は採用しない。学期末定期試験に出席しなければ「欠席」、出席して規定の点数に達
しなければ「不合格」である。
■教科書
なし
■参考書
「物理入門コース3 電磁気学II」長岡洋介著、岩波書店
「電磁気学」砂川重信著、岩波書店
「電磁気学」横山順一著、講談社
「電磁気学 新しい視点にたって」V.D.バーガー・M.G.オルソン共著、小林・土佐共訳、培風館
「電磁気学」(上・下)、Jackson著、西田稔訳、吉岡書店
「詳解電磁気学演習」、後藤憲一、山崎修一郎共編、共立出版
「例解電磁気学演習(物理入門コース演習2)」長岡洋介、丹慶勝市共著、岩波書店
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
佐藤憲昭 オフィスアワー:随時 email:[email protected]
草野完也 オフィスアワー:随時 email:[email protected]
■履修要件
1年後期の「電磁気学I」を受講していることを前提として進める。物理学科進学の学生に対しては、
「物理学演習I」にて演習を行う。
■関連する科目
物理学演習I
■他学科学生の聴講について
許可する
■その他
言うまでも無いことであるが、予習・復習に十分な時間をかけること。また授業内容で生じた疑問につ
いては、授業時間中に質問をするなどして速やかに解決するよう努力すること。なお、理学部全体を2
クラスに分けて同時開講するのでクラスを間違わないこと。
*講義室については、2015 年度全学教育科目授業時間割表および掲示にて確認すること。
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628410
解析力学 I
(必修2単位)
2年生前期火曜2時限目
B5講義室
酒井忠勝(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
ラクラジアンやハミルトニアンを用いた理論形式は,質点や剛体などの力学系の運動を調べるため
に非常に有効である。本講義では,その基本原理を理解すると共に,簡単な応用を通じて手法を取
得する。
■授業内容
1.作用原理とラグランジュの方程式
2.変分法とその応用
3.拘束系とラグランジュ未定係数法
4.正準方程式と正準変換
5. ポアソン括弧
6. ハミルトン・ヤコビ形式
7. ネーターの定理
■到達目標
ラグラジアンやハミルトニアンを構築する方法を習得し,それらを用いて力学系の運動を理解するこ
とができるようになる。
■成績評価の方法
学期末に試験を行う。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を実施する。その場合は欠席とし,それ以外の成績不良者は不合格とする。
■教科書
特になし
■参考書
ゴールドシュタイン,サーコフ,ポール「古典力学 上,下」(吉岡書店)
ランダウ,リフシッツ「力学」(東京図書)
V.I. Arnold, "Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition" (Springer)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
月曜日 10時半から12時まで
email: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
物理学演習 I-1 において,講義内容の理解を深め,計算力を養う。また,本講義は2年次後期に開講さ
れる解析力学 II の基礎となるものである
■他学科学生の聴講について
可
■その他
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628510
解析力学Ⅱ
(必修2単位)
2年生後期金曜2時限目
B5講義室
原田正康(クォーク・ハドロン理論研究室)
■本講義の目的とねらい
解析力学Iで習得したラグランジアンやハミルトニアンによる手法を用いて、物理学において基本
的な力学系の運動を学ぶ。また、後半では、特殊相対性理論に基づく運動について学ぶ。
■授業内容
1.中心力による運動 ・運動方程式と有効ポテンシャル ・散乱問題
2.剛体の運動 ・慣性テンソルと剛体の運動方程式
3.特殊相対性理論 ・特殊相対性原理と座標のローレンツ変換 ・相対論的力学
■到達目標
力学の手法に基づき、物理現象の理解を深める。また、特殊相対性理論について理解する。
■成績評価の方法
主に定期試験の成績による。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。履修取り下
げを行う場合には履修取り下げ届を 5 月末までに提出すること。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
ゴールドスタイン、サーフコ、ポール著「古典力学 上、下」(吉岡書店)
大貫義郎著 「解析力学」(倍風館)
鈴村順三・大島隆義・大澤幸治 著 「理工学の基礎 力学」(培風館)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー 随時(事前に電子メールで問い合わせること)
連絡先
[email protected]
■履修要件
解析力学Ⅰを履修していることを前提とする。未履修者は自習して講義に望むことを希望する。
■関連する科目
解析力学Ⅰ、物理学演習 Ⅱ-1
■他学科学生の聴講について
可
■その他
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628610
電磁気学
(必修2単位)
2年生後期火曜 2 時限目
B5講義室
金田英宏(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
電磁気学I/IIでは、電磁気学の基礎方程式であるMaxwell方程式を導いた。本講義ではMaxwell方程
式を出発点にして、物質中の静電場・静磁場、電磁波の振舞いについての基礎物理を学習する。
■授業内容
1.真空中の電磁場(復習)
2.物質中の電場
2-1.導体と電場
2-2.誘電体と電場
2-3.静電場の境界条件
2-4.誘電体の電気エネルギー
3.物質中の磁場
3-1.磁荷と電流
3-2.磁性体と磁場
3-3.静磁場の境界条件
3-4.磁性体の磁気エネルギー
4.物質と変動電磁場
4-1.誘電体中の振動電場
4-2.Maxwell方程式と電磁ポテンシャル
4-3.電磁波
4-4.導体と電磁波
4-5.誘電応答とKramers-Kronig関係式
■到達目標
電磁気の法則をもとに、物質中の電磁気現象・電磁波特性に関する基礎知識を充実させ、広い視野と
深い思考力でこれらの現象を理解できるようにする。
■成績評価の方法
出席状況と期末試験の成績により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。取り下げの場合は、事務手続きを済ませたうえで、11 月末までに教員に申
し出ること。その場合のみ「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
長岡洋介:物理入門コース4 「電磁気学II」 (岩波書店)
中山正敏:岩波基礎物理シリーズ4「物質の電磁気学」 (岩波書店)
■参考書
砂川重信:「理論電磁気学」 (紀伊国屋書店)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
火曜日12:00-13:00, E-mail: [email protected]
■履修要件
特に無し
■関連する科目
電磁気学 I、II、物理学演習 I、II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628800
2年生後期木曜2時限目
B5講義室
量子力学 I
(必修2単位)
棚橋誠治(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
現代物理学の広い分野にわたって必要とされる量子力学の基礎知識を充実させることを目的とす
る。これまでに親しんだ古典力学とは大きく異なる量子力学の枠組みを理解することで深い思考力
を育む。具体的には、まず1次元量子力学の問題を通して、量子力学における「状態」とは何か、
「状態」に作用する「演算子」とは何か、それらの物理量との関係を学ぶ。次に、3次元の中心力
問題をとりあげ、水素原子の量子力学を理解する。
■授業内容
1.はじめに
2.波と粒子の二重性、確率、シュレディンガー方程式
3.固有値、固有関数、固有関数による波動関数の展開
4.1次元ポテンシャル
5.量子力学の構造
6.演算子法
7.角運動量
8.水素原子
■到達目標
基本的なシュレーディンガー方程式の解法、波動関数の確率解釈、演算子の性質を理解すること。
■成績評価の方法
主に定期試験の成績により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は用いない。事前に申し出ることなく定期試験を欠席した学生はこの講義全体に欠席
したとみなす。定期試験と再試験の双方で合格点に達しなかった学生は不合格となる。
■教科書
ガシオロウイッツ 量子力学, 丸善&Wiley
■参考書
量子力学I、猪木慶治-川合光 共著、講談社
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
随時: メールアドレス [email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
物理学演習 II-1、量子力学 II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
専門基礎科目・講義
時間割コード
0628900
統計物理学 I
(必修2単位)
2年生後期水曜2時限目
B5講義室
河野 浩(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
我々の住む世界は、多数の構成要素から成る多粒子系である。そこでの自然現象を理解するには、
多粒子系が従う物理法則を学ぶ必要がある。講義の前半では、熱現象に関する普遍的な法則(熱力
学)を学び、後半ではそれらを微視的な立場から理解するための枠組み(統計力学)を学ぶ。
■授業内容
1. 熱平衡状態と温度
熱平衡状態、状態変数、気体分子運動論
2. 熱力学法則
熱力学第1法則、熱力学第2法則、カルノーサイクル、エントロピー
3. 熱力学関数
自由エネルギー、ルジャンドル変換、マクスウェルの関係式、熱力学的安定性
4. 統計力学の考え方
マクロな状態とミクロな状態、等重率の原理、ボルツマンの関係式
■到達目標
熱力学の法則(第1、第2)を理解し、現実の問題に対して使えるようになること。統計力学の考え
方の基本を理解すること。
■成績評価の方法
期末試験。途中、小試験を行うことがある。定期試験を受けない者は欠席とする。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
特に定めない
■参考書
戸田盛和「熱・統計力学」岩波書店;原島鮮「熱力学・統計力学」培風館;久保亮五ほか「大学演習
熱学・統計力学」裳華房;長岡洋介「統計力学」岩波書店;E. Fermi "Thermodynamics" Dover
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
質問等は随時受け付ける。電話やemailで事前に確認をとるのが望ましい。Email: [email protected]
agoya-u.ac.jp, Web: http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp
■履修要件
特になし
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
専門基礎科目・講義
時間割コード
0629000
2年生前期木曜2時限目
B5講義室
数理物理学 I
(必修2単位)
野尻伸一(重力・素粒子的宇宙論研究室)
■本講義の目的とねらい
物理学の法則の多くは微分方程式によって表されている。本講義では、そのような微分方程式の解
法を系統的に理解することを目的としている。
■授業内容
内容は下記の項目に大別できる。
1.常微分方程式
1)微分方程式の基本と用語、2)1階常微分方程式の概説と解法、3)2階線形常微分方程式の概説と解法、
4)非線形常微分方程式の分類
2.偏微分方程式
1)1階偏微分方程式の概説と解法、2)2階線形偏微分方程式とグリーン関数法
■到達目標
具体的な微分方程式の問題に対してその解法を適切に応用できるようになると共に、解の振舞につい
て定性的な理解ができるようになる。
■成績評価の方法
学期末に試験を行う。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
渋谷仙吉、内田伏一共著「常微分方程式」、および、「偏微分方程式」(両書共に裳華房)の内
容に沿って講義する。
■参考書
寺沢寛一著「自然科学者のための数学概論」(岩波書店)等。
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
随時、[email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
力学、解析力学、電磁気学、量子力学、数理物理学 II などで取り扱われる微分方程式は本講義に密接
に関連している。
■他学科学生の聴講について
原則的に許可する。
■その他
物理学演習 I において、講義内容をより深く理解し、計算力を向上させるための演習を行う。
専門基礎科目・講義
時間割コード
0629100
2年生前期水曜2時限目
B5講義室
数理物理学 II
(必修2単位)
宮崎州正(非線形物理研究室)
■本講義の目的とねらい
連成振動を基準振動に分解して理解することから出発してフーリエ解析の基礎を学ぶ。この講義で
学んだ内容は、電磁気学や量子力学、物性物理学、場の理論など、これ以降学ぶ様々な科目の基
礎となる。また、フーリエ変換を実際に計算する上で必要な複素積分についての復習も行なう。
■授業内容
1.単振動と重ね合わせの原理
2. 減衰振動、強制振動と共鳴
3.連成振動とモード
4.多自由度の振動と分散関係
5.連続体の振動とフーリエ級数
6. 1次元の波動
7. フーリエ変換
8. 複素積分についての復習
9. フーリエ解析の物理への応用
■到達目標
フーリエ級数、フーリエ変換を使い、物理の諸問題に取り組めるようになる。
■成績評価の方法
主に定期試験の成績により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」として、これ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
小形正男「振動・波動」(裳華房)など
■参考書
表実 「複素関数 (理工系の数学入門コース 5)」(岩波)など
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
水曜日12:00-13:00、[email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
数理物理 I、解析力学、電磁気学、量子力学等
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学演習 I にて講義に関連した演習を行なう。
専門基礎科目・演習
時間割コード
0629200
物理学演習Ⅰ
(必修4単位)
2年生前期水・金曜3・4時限目
教室は下記の表の通り
総括者 野尻伸一
(重力・素粒子的宇宙論研究室)
■本講義の目的とねらい
解析力学I、数理物理I・II、電磁気学IIの講義の内容をより深く理解し、具体的な物理の問題を解
くための計算能力を習得することを目的とする。同時に、学生同士、教員と学生の間で物理の活発
な議論をする下地を構築する。
■授業内容
学生は4組に分かれ、各演習担当者の指導を受ける。講義担当によって用意された練習問題を学生が解き、議論しあ
う。具体的な実施方法は各組の担当者との話し合いによって決められる。また、演習I-2では、4組のクラスとは別に
電磁気学Iの習熟度をもとにした基礎コースを開講する予定である。
演習Ⅰ-1:数理物理学Ⅰ・解析力学Ⅰ(水曜)
担当者
①オフィスアワー②Web ページ③連絡先
クラス
講義室
φ1
A4 北
三野広幸
φ2
A422
立原研悟
①水曜金曜午後 5-6 時
②www.glab.phys.nagoya-u.ac.jp
③[email protected]
①随時
③内線 2840、[email protected]
φ3
A4 南
野尻伸一
①随時
③[email protected]
φ4
B4
槇 亙介
①随時
②http://axon.phys.nagoya-u.ac.jp/website
③内線 2434
演習Ⅰ-2:電磁気学Ⅱ・数理物理学Ⅱ(金曜)
担当者
①オフィスアワー②Web ページ③連絡先
クラス
講義室
φ1
A4 北
土射津昌久
φ2
A422
柳 哲文
φ3
A4 南
市來淨與
φ4
B4
堀井泰之
①金曜午前 11-12 時
② http://www.hepl.phys.nagoya-u.ac.jp/~yhorii.nagoya
③[email protected]、理学C館501室
φ5
A419
三野広幸
①水曜金曜午後 5-6 時
②www.glab.phys.nagoya-u.ac.jp
③[email protected]
①随時
②http://www.s.phys.nagoya-u.ac.jp/
③[email protected]
随時
②http://gravity.phys.nagoya-u.ac.jp/~yoo/mainjp.html
③[email protected]
①月曜午後 2-3 時
③[email protected]
■到達目標
演習を通じて、数理物理学、解析力学I、電磁気学の基礎的知識を習得する。学生同士、あるいは教
員と物理の議論をするセミナーの形式になれる。
■成績評価の方法
出席、レポートの内容、発表内容、議論への積極的参加意欲を総合して評価する。特に、毎回演習に出
席することとレポートを毎回提出することは必須である。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■その他 日程表・クラス名簿は掲示で確認すること
専門基礎科目・演習
時間割コード
0629302
2年生後期木・金曜3・4時限目
教室は下記の表の通り
物理学演習Ⅱ
総括者 棚橋誠治
(素粒子論研究室)
(必修 4 単位)
■本講義の目的とねらい
物理学の広い領域で必要される解析力学Ⅱ、電磁気学、量子力学Ⅰ及び統計物理学Ⅰの講義の内容
をより深く理解し,具体的な物理の問題を解くための基礎知識の修得と思考力を育成することを目
的とする。
■授業内容
学生は4組に分かれ、各演習担当者の指導を受ける。講義担当者によって用意された練習問題について学生が回答を
与え、議論し合うことによって授業を実施していく。具体的な実施方法は各組での話し合いによって決められる。ク
ラス担当者は以下の表のとおり。
演習Ⅱ-1:解析力学Ⅱ・量子力学Ⅰ(木曜)
担当者
①オフィスアワー②Web ページ③連絡先
クラス
講義室
φ1
A4 北
棚橋誠治
φ2
A407(予定)
戸部和弘
φ3
A422
宮崎州正
φ4
B4
久野(大村雄司)
①随時
③[email protected]
①月曜日午後
③[email protected]
①木:16:15~18:00
②http://www.r.phys.nagoya-u.ac.jp/index-j.shtml
③[email protected]
①9:00-18:00 (ES 館7階,ES714)
②http://www.eken.phys.nagoya-u.ac.jp/indexj.html
③052-789-2863
演習Ⅱ-2:電磁気学・統計物理学Ⅰ(金曜)
クラス
講義室
担当者
φ1
A4 北
小林 浩
①オフィスアワー②Web ページ③連絡先
①11:00-17:00(訪問時に連絡)
②http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/hkobayas/index_j.html
③[email protected]
φ2
A407(予定)
木村明洋
φ3
A422
市來淨與
φ4
B4
三石郁之
①火曜午後
③[email protected]
①月曜日 13:00 - 16:00
③[email protected]
①10:00-17:00
②http://www.u.phys.nagoya-u.ac.jp/uxgj.html
③[email protected]
■到達目標
基本的な演習問題を解く能力を身につける。
■成績評価の方法
出席とレポート、発表により評価。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■その他 日程表・クラス名簿は掲示で確認すること。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0630400
先端物理学特論
(選択2単位) 2010 年度以降入学者
2年生前期月曜2時限目
火曜3時限目
C5 講義室
総括者 金田英宏
(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
経験豊富な教員(各研究室から 1 名)に関連分野での研究の最新動向を紹介してもらい、将来への展望
などを中心に討議する。物理学教室の研究の全般に触れるとともに、各自の進むコース決定の参考にす
る。
以下の日程で、毎月曜日、火曜日に各1テーマずつ半年間にわたって開講される。毎回レポート「講義
を聞いて」(指定の用紙1枚、授業にて配布)を物理事務室内の所定のポストに提出すること。
※レポート提出日
講義開講日 月曜日→翌日の火曜日午後5時まで
火曜日→翌日の水曜日午後5時まで
(レポート提出日が休日の場合はその翌日午前中まで)
■ 2015年度先端物理学特論講義日程
講義題目
担当者
研究室
4/13(月)
ニュートリノや暗黒物質に関する最近の話題など
中村光廣
F
4/14(火)
プラズマ物理学と計算機シミュレーション
前山伸也
P
4/20(月)
非平衡物理学への招待
宮崎州正
R
4/21(火)
物性物理研究の潮流
河野 浩
S
4/27(月)
蛋白質と細胞に見られる情報の変換と伝達
槇 亙介
K
4/28(火)
物質科学の面白さ-超伝導を電磁波で探る-
小林義明
I
5/11(月)
固体の中の"液体"
和田信雄
L
5/12(火)
生体分子機械と人工機械
神山 勉
J
5/18(月)
物質科学の魅力: 多様な世界と普遍な法則
寺崎一郎
V
5/19(火)
質量の起源を求めて
原田正康
H
5/25(月)
X 線で見える"熱い"宇宙
田原 譲
Ux
5/26(火)
計算機シミュレーションが切り拓く生体分子系の物理
岡本祐幸
TB
6/ 1(月)
星と銀河の誕生
山本宏昭
A
自発的対称性の破れ:物性物理と素粒子物理に通底する基本法則
6/ 2(火)
佐藤憲昭
M
6/ 8(月)
大統一理論への道
前川展祐
E
Σe・Σt
6/ 9(火)
地上に太陽を~核融合への二つのアプローチ~
森崎・坂上
低速中性子を用いた物理ー素粒子物理学を軸にした概説
6/15(月)
清水裕彦
Φ
6/16(火)
新しい物理世界を求めて 素粒子実験の最前線
飯嶋 徹
N
6/22(月)
(授業予備日)
6/23(火)
天体現象の数値シミュレーション
鈴木 建
Ta
6/29(月)
赤外線で見る宇宙
大薮進喜
Uir
6/30(火)
重力と量子論
南部保貞
QG
7/ 6(月)
生物にみる量子現象
三野広幸
G
7/ 7(火)
宇宙とは何か:宇宙論研究の最前線
松原隆彦
C
星と銀河の年代記:ビッグバン、宇宙暗黒時代から銀河宇宙へ
7/13(月)
竹内 努
Ω
7/14(火)
宇宙線で迫る暗黒物質の正体
田島宏康
CR
7/20(祝)
(授業予備日)
7/21(火)
(授業予備日)
■成績評価:出席率が 75%以下の学生は「欠席」扱いとする。
履修を取下げたい場合は、総括者に申し出ること。
履修取り下げ届を提出した学生については「欠席」とし、それ以外の学生については SABC
のいずれかの評価とする。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0623400
2年生後期金曜1時限目
B5講義室
物理実験学
(選択2単位)
伊藤好孝
(太陽地球環境研究所 太陽圏高エネルギー物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
高等学校では受験勉強のため実験は実際にやらず、副読本の写真ですませた学校も多かったのでは
ないだろうか?名大の物理学科の学生なら最低でもテスターやオシロスコープを自在に使えて、半
田付けのひとつはできるようになって卒業してもらいたい。物理は目で見て手を動かし体感するも
のである。本講義では毎回実習を取り入れ、様々な実験道具を目で見てさわって慣れ親しんでもら
いながら、その背後にある物理学の本質に迫りたい。
■授業内容
1.測定の基礎 ~ 測定とは何か?誤差とは何か?物体のサイズをノギスで測る。パルスをオシロで測る。
2.同軸ケーブルでパルスを伝える ~ パルスの反射、インピーダンス
3.LC共振 ~ 共振回路、微分回路、積分回路、鉱石ラジオ
4.ダイオードと論理回路 ~ 半導体の原理、ダイオードと整流
5.トランジスタとデジタル回路 ~ トランジスタの基礎、フリップフロップ回路とスケーラー
6.シンチレーターによる宇宙線の計測 ~ 宇宙線とは? 光電子増倍管、シンチレーター、電離損失
7.比例計数管による宇宙線の計測 ~ ガス増幅の原理
8.結晶シンチレーターによるガンマ線の計測 ~ 光子と物質の相互作用
9.エネルギー分解能と半導体検出器 ~ 半導体検出器の原理、統計エラーとエネルギー分解能
10.飛跡検出器で粒子を見る ~ 粒子の運動量の測定、シンチレーティングファイバーで宇宙線を見る
11.確率と統計、
12.最小二乗法と誤差伝搬
13.放射線の影響と遮蔽
14.物理実験が生み出す最先端技術
■到達目標
測定と誤差、統計の概念を身につける。オシロスコープの波形に慣れ、半田付けで回路を作れるよう
になる。基礎的な測定器の原理や物理過程を知り、様々な検出器に慣れる。
■成績評価の方法
①毎回講義の後半にミニ実習を行いレポートを提出
②簡単なデジタル回路の製作実習 ③ミニ試験
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度利用の場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書 特になし
■参考書
放射線計測(培風館) 加藤 貞幸 著、粒子線検出器(培風館) クライネヒト 著 等
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
絡先 太陽地球環境研究所宇宙線研究室 内線4319 : オフィスアワー 金 11:00-12:00
メール [email protected] http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/~itow
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について 可
■その他
6 物理学科専門科目・講義(実習を含む)
時間割コード 0623700(Ⅰ)
0623800(Ⅱαクラス)
0623801(Ⅱβクラス)
情報科学概論 I•II
【Ⅰ】 2 年生後期木曜1時限目 B5講義室
鈴木 建 (理論宇宙物理学研究室)
【Ⅱ】総括者 鈴木 建 (理論宇宙物理学研究室)
理学部情報サテライト A250
(選択各2単位)
【αクラス】2年生後期火曜3・4限
小林 浩(理論宇宙物理学研究室)
【βクラス】2年生後期水曜3・4限
立原研悟 (天体物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
物理学の研究で必要となる計算機の利用方法について学ぶ
■授業内容
1.端末の操作法と計算機システム
2.インターネットの利用
3.グラフ描画ソフト等アプリケーションソフトの利用
4.プログラミング言語(C言語)
5.数値計算法とデータ処理
6.組版処理システム(LaTeX)
■到達目標
計算機の基本的な操作• 利用方法を習得する
■成績評価の方法
レポートによる.(毎回提出分および最終レポート)
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる.履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不
合格」とする.
■教科書
特になし.(講義ノートを配布予定)
■参考書
特になし.(講義中に適宜指示を出す場合あり)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
鈴木 建: 8時-18時(訪問前に要連絡)http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/stakeru• stakeru@
nagoya-u.jp
小林 浩: http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/hkobayas • [email protected]
立原研悟: [email protected]
■履修要件
情報科学概論 I の講義内容をもとに,情報科学概論 II の実習を行う.必ず I• II の両方を受講するこ
と.I, II のいずれかの単位のみの認定は行わない.
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
■その他
学部 3 年生授業科目
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620100
量子力学Ⅱ
(必修2単位)
3年生前期月曜2時限目
B5講義室
久野純治(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
原子の構造および電磁場との相互作用の量子力学的な記述を学習する。具体的には、スピン、同種
粒子と統計性、摂動論、原子の構造を理解する。
■授業内容
1,原子と電磁場の相互作用
2,スピン、同種粒子の統計性
3,角運動量の合成
4,時間に依存しない摂動論
5,水素原子の微細構造、異常ゼーマン効果
6,ヘリウム原子の基底状態、励起状態
7,多電子原子の構造
8, 時間に依存する摂動論
9, 双極子放射
■到達目標
量子力学を用いて、原子の構造を理解できる。
■成績評価の方法
中間試験と定期試験の成績により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
ガシュロウィッツ:量子力学Ⅰ・Ⅱ(丸善)
■参考書
より厳密な議論を知りたい人は、猪木慶治、川合光:量子力学Ⅰ・Ⅱ(講談社)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー:随時(事前に電子メールで問い合わせること)
連絡先:[email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
量子力学Ⅰ、物理学演習Ⅱ、Ⅲ
■他学科学生の聴講について 可
■その他
量子力学Ⅱでは多数の新しい概念を扱うので、予習および復習に十分な時間をかけること。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620200
量子力学 III
(選択 2 単位)
3年生後期火曜2時限目
C5講義室
前川展祐(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
量子力学を実際の問題に適用する上で重要となる対称性と保存則の考え方を理解する。また、束縛
状態や散乱問題を計算する際に役に立つ様々な近似方について学ぶ。必要に応じて量子力学I、II
の復習を行う。
■授業内容
1.量子力学における対称性と保存則
並進対称性と時間推進、回転対称性、ユニタリー群、パリティーと時間反転
2.近似法
摂動計算の復習、変分法、WKB近似
3.散乱問題の近似法
S行列、散乱断面積、ボルン近似、分散関係と光学定理
■到達目標
量子力学を駆使して様々な問題を解くことができるようになること。
■成績評価の方法
筆記試験による。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
受講登録を行った学生で筆記試験を受験しなかった学生の成績は「欠席」とする。履修取り下げ制度は
用いない。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
猪木・川合「量子力学」
サクライ「現代の量子力学」
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
電子メール:[email protected]
■履修要件
■関連する科目
量子力学 I、量子力学 II、数理物理学 I、数理物理学 II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620400
3年生前期木曜2時限目
C5講義室
統計物理学 II
(必修2単位)
紺谷 浩(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
自然現象をミクロな立場から理解するためには、ミクロから出発してマクロな性質を記述する枠組
み ―統計力学― が必要である。この講義では、統計物理学Iに引き続き、平衡統計力学の基礎を
学ぶ。
■授業内容
1.ミクロカノニカル分布とエントロピー(復習)
等重率の原理、理想気体、調和振動子、2準位系
2.カノニカル分布と自由エネルギー
3.カノニカル分布の応用(古典系と量子系)
理想気体、調和振動子、古典系における等分配則、磁性体
4.グランドカノニカル分布と量子統計
フェルミ粒子系、ボース粒子系
5.相平衡と相転移の熱力学
■到達目標
統計力学の考え方を理解し、ミクロな立場から出発して系のマクロな性質を導くことができるように
なる。さらに、典型的な系が示す熱力学的な振る舞いを理解および計算できるようになる。
■成績評価の方法
学期末に試験を行う。そのほか、小試験を行うことがある。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
定期試験を受けない者は欠席とする。履修取り下げ制度を用いた場合は「欠席」とし,それ以外の成績
不良者は「不合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
長岡洋介「統計力学」岩波書店; 原島鮮「熱力学・統計力学」培風館; 久保亮五ほか「大学演習
熱学・統計力学」岩波書店; 宮下精二「熱・統計力学」培風館
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
Web: http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/kon
木曜日12:00-13:00
■履修要件
なし
■関連する科目
統計物理学 I; 量子力学 I,II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
email: [email protected]
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620500
3年生後期木曜2時限目
C5講義室
統計物理学 III
(選択 2 単位)
紺谷 浩(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
統計力学I,IIに引き続き、量子多粒子系における統計力学的取り扱い、および相互作用する系の例
として相転移現象に関する基本的な講義を行う。
■授業内容
§1.理想量子気体の分布関数(復習)
[1.1] フェルミ分布関数、ボース分布関数
§2.理想フェルミ気体
[2.1] 基底状態、有限温度の性質
[2.2] 磁気的性質
§3.理想ボース気体
[3.1] ボース・アインシュタイン凝縮
[3.2] 熱力学的性質 黒体輻射、格子振動
§4.相転移現象
[4.1] イジングスピン系の平均場近似
[4.2] イジングスピン系の厳密解
■到達目標
量子多体系における統計力学的計算手法の基礎を理解し、量子多体系が示す熱力学的な振る舞いを理
解および計算できるようになる。
■成績評価の方法
学期末に試験を行う。そのほか、小試験を行うことがある。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
定期試験を受けない者は欠席とする。履修取り下げ制度を用いた場合は「欠席」とし,それ以外の成績
不良者は「不合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
長岡洋介「統計力学」岩波書店; 原島鮮「熱力学・統計力学」培風館; 久保亮五ほか「大学演習
熱学・統計力学」岩波書店; 宮下精二「熱・統計力学」培風館
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
Web: http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/kon
木曜日12:00-13:00
■履修要件
なし
■関連する科目
統計物理学 I,II; 量子力学 I,II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
email: [email protected]
物理学科専門科目・演習
時間割コード
0620800(α)
0620801(β)
物理学演習Ⅲ
3 年生前期火曜(α)・木曜(β)3・4 時限目
教室は下記の表の通り
総括者 小林晃人
(物性理論研究室)
(必修 2 単位)
■本講義の目的とねらい
講義の内容を理解し、さらに発展させるため少人数(約14名)形式の演習を行う。
■授業内容
学生は6つのグループに分かれ、あらかじめ出題された統計物理学及び量子力学の問題を解く。担当教員の指導、学
生相互の討論により、基礎知識を充実し、深い思考力を涵養する。クラス担当者は以下のとおり。
クラス
演習Ⅲ:量子力学Ⅱ(αクラス:火曜,βクラス:木曜)
講義室
担当者
① オフィスアワー②Web ページ③連絡先
α・β1
A422
渡邉智彦
①月曜日 10:30-12:00
③[email protected]
α・β2
A4 北
久野純治
① 随時(事前に電子メールで問い合わせること)
③[email protected]
α・β3
B4
酒井忠勝
①月曜日 10:30-12:00
③[email protected]
クラス
演習Ⅲ:統計物理学Ⅱ(αクラス:火曜,βクラス:木曜)
講義室
担当者
① オフィスアワー②Web ページ③連絡先
①随時
② http://www.s.phys.nagoya-u.ac.jp
③ [email protected]
α・β1
A422
土射津昌久
α・β2
A4 北
木村明洋
①金曜日 15:00-16:00
②http://www.tb.phys.nagoya-u.ac.jp/~akimura/
③[email protected]
α・β3
B4
小林晃人
①随時
② http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/akito/
③[email protected]
■到達目標
統計物理学及び量子力学に対する理解を深める。
■成績評価の方法
出席とレポート、発表、討論により評価。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。
履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■その他
日程表・クラス名簿は掲示で確認すること
物理学科専門科目・演習
時間割コード
0620910(α)
0620911(β)
3 年生後期火曜(α)・金曜(β)3・4 時限目
教室は下記の表の通り
物理学演習Ⅳ
総括者 倭 剛久
(理論生物化学物理研究室)
(選択 1 単位)
■本講義の目的とねらい
講義の内容を理解し、さらに発展させるため少人数形式の演習を行う。
■授業内容
学生は2つのグループに分かれ、あらかじめ出された統計物理学の問題を解き、指導教員の指導、学生相互の討論に
より、理解を深める。担当者は以下の通り。
演習Ⅳ:統計物理学Ⅲ(αクラス:火曜,βクラス:金曜)
クラス(講義室)
担当者
①オフィスアワー②Web ページ③連絡先
α1(A4 南)
β1(A4 南)
倭
剛久
α2(A4 北)
β2(A414)
川崎猛史
②http://www.tb.phys.nagoya-u.ac.jp/~yamato
③[email protected][email protected]
■到達目標
基礎的な演習問題を解く能力を身につける。
■成績評価の方法
出席とレポート、発表により評価。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■その他
日程表・クラス名簿は掲示で確認すること。
物理学科専門科目・実験
時間割コード
0621000(Ⅰ・αクラス)
0621001(Ⅰ・βクラス)
0621100(Ⅱ・αクラス)
0621101(Ⅱ・βクラス)
物理学実験Ⅰ・Ⅱ
(必修各 5 単位) 2013 年度以前入学者
【α】3 年生前・後期:木・金曜 3・4・5 時限目
【β】3 年生前・後期:火・水曜 3・4・5 時限目
総括者 佐藤憲昭
(磁性物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
実験物理学は、測定や観測を通して自然現象の事実や知見を得て、自然界の 法則を明らかにする。
そのための技術と作法を修得する。
自らの手で装置を操作し、試料を作製することにより測定技術を学ぶ。
実験ノートの取り方、誤差の評価、レポート作成の一連の実験作法を学ぶ。
前期で物理学実験I、後期で物理学実験IIを履修する。
以下の実験テーマが準備されている。
■授業内容
○
○
○
○
○
○
○
○
○
安全講習(全員履修)
回路特性Ⅰ,Ⅱ
真空実験(排気特性、電離真空計、熱電子放出、質量分析)
比例計数管(X線の測定)
量子現象の観測(光の粒子性・波動性)
BSアンテナによる太陽電波観測実験(太陽電波測定、マイクロ波)
X線回折(X線構造解析)
ガンマ線(NaI結晶による測定)
原子線スペクトルと連続線スペクトル(回折格子による原子スペクトルと黒体放射の測定)
○ レーザー光学(発振、偏光)
○ 核磁気共鳴(水素の核磁気共鳴)
○ 超伝導(酸化物高温超伝導体の磁化率、電気伝導度測定)
○ 磁性体(強磁性体の磁化率測定)
○ ブラウン運動(位相差顕微鏡によるブラウン運動の観測と統計的法則性)
安全講習は全員が履修する。
それ以外から、4テーマが割り当てられる。
実験は1テーマごとに通常2人1組となり5~6週間で行う。各テーマの実験前にガイダンスを受け、
実験終了後にはレポートを提出し、担当スタッフの面接を受けなければならない。
安全講習は年度初めに行われ(下記日程参照)、年間スケジュールの説明や、X線・放射線、電気、レーザー、寒剤、
高圧ガス、強磁場、薬品、油圧の取り扱いに関する注意・説明が行われる。
4月10日(金)13:00~
安全講習1
B5講義室
4月14日(火)13:00~
安全講習2
B5講義室
■到達目標
1. 実験装置の原理等を理解して、その機能と操作に習熟すること。
これらの実験は現代物理学の出発点となったものであり、その内に含まれる物理学の基本概念の理
解に努めること。
2. 実験には危険が伴う。事故が起きないよう気配りすることも重要な目標である。
■成績評価の方法
出席・レポート・面接により総合評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」と
する。
■教科書:本物理学実験 I、II 用に書かれた「物理学実験」を安全講習の際に配布する。
■参考書:なし
■担当者の連絡先・Web ページ
3年実験統括責任者 佐藤憲昭
担当者
担
当
理 413
居
室
内線 2890
[email protected]
内線電話番号
Eメールアドレス
北口雅暁
回路特性
C405
5493
[email protected]
清水裕彦
( 広田克也 )
回路特性
C405
5493
[email protected]
田原
譲
比例計数管
C317
2554
[email protected]
松原
豊
ガンマ線
STE研
4316
[email protected]
中野敏行
量子現象
D212
2559
[email protected]
増田公明
真空実験
STE研
4315
[email protected]
山本宏昭
電波実験
C419
2839
[email protected]
松下
原子線スペクトル
超低温物理
実験室棟
2887
[email protected]
琢
出口和彦
磁性体
理414
2891
[email protected]
清水康弘
核磁気共鳴
理310
5109
[email protected]
井村敬一郎
超伝導
理412
2889
[email protected]
谷口博基
X線回析
理農SA304
5110
[email protected]
鈴木直哉
ブラウン運動
理618
2877
[email protected]
加藤祐樹
レーザー
理718
2883
[email protected]
(携帯電話からの連絡は、052-789-(上記の内線番号)となる。)
3年学生実験室の Web ページ http://www.phys.nagoya-u.ac.jp/p3exp/p3exp.html
■履修要件
なし
■関連する科目
なし
■他学科学生の聴講について
応相談
■その他
前期は「物理学実験Ⅰ」の各クラスの時間割コードを履修登録すること。
後期は「物理学実験Ⅱ」の各クラスの時間割コードを履修登録すること。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624000(Ⅰ)
0624100(Ⅱ)
物理学概論Ⅰ・Ⅱ
3年生前期月・木曜1時限目
3年生後期月曜1時限目
B5 講義室
(選択各2単位)
総括者 清水裕彦
(素粒子物性研究室)
※単位は、
「物理学概論Ⅰ」
、「物理学概論Ⅱ」通年として取り扱う
■本講義の目的とねらい
物理学教室で行われている研究の具体的な内容を、研究の歴史、将来への展望などを中心に解説する。
物理学教室の研究の全般に触れるとともに、4年次での各自の進むコース決定の参考にする。
以下の日程で、前期は毎月曜日、木曜日に、後期は毎月曜日に各1テーマ(あるいは2テーマ)ずつ
1年間にわたって開講される。毎回レポート「講義を聞いて」(指定の用紙1枚、授業にて配布)を
物理事務室内の所定のポストに提出すること。
※レポート提出日
講義開講日 月曜日→翌日の火曜日午後5時まで
木曜日→翌日の金曜日午後5時まで
(レポート提出日が休日の場合はその翌日午前中まで)
※単位は、
「物理学概論Ⅰ」
、
「物理学概論Ⅱ」通年として取り扱う
■2015年度物理学概論講義日程
【前 期】場所:B5講義室
講 義 題 目
担当者
(研究室)
4/13(月)
スピントロニクスと物性物理
河野 浩 (S)
4/16(木)
宇宙論で見る素粒子理論
野尻伸一 (QG)
4/20(月)
夢の物質クォークグルーオンプラズマを求めて
野中千穂 (H)
4/23(木)
太陽宇宙環境物理学~太陽と宇宙プラズマの
草野完也 (SSt)*
謎を探る~
電波で見る太陽風
徳丸宗利 (SW)*
4/27(月)
コンピューターで探るタンパク質の形
岡本祐幸 (TB)
5/11(月)
シミュレーションで探る核融合と宇宙のプラズマ 渡邉智彦 (P)
5/14(木)
宇宙構造の起源と進化
杉山 直 (C)
5/18(月)
物質の起源を探る〜クォーク、レプトン、
飯嶋 徹 (N)
そしてヒッグス〜
5/21(木)
”ニュートリノ/暗黒物質/だれも見たことが
中村光廣 (F)
無いもの”を見る研究
5/25(月)
NMRで探る強相関電子系の物性
伊藤正行 (I)
5/28(木)
準結晶とは何か?:結晶の物理を超えて
佐藤憲昭 (M)
6/ 1(月)
X 線・電子線でみる蛋白質の構造と動き
神山 勉 (J)
6/ 4(木)
銀河の誕生と進化、重元素の起源:我々は
竹内 努 (Ω)
どこから来たのか
6/ 8(月)
光と電波で探る超高層大気
大塚雄一
(SSe)*
宇宙環境変動とオーロラの物理
三好由純 (SSt)*
6/11(木)
精密測定による素粒子物理学
清水裕彦 (Φ)
6/15(月)
天体形成論と物理学
犬塚修一郎 (Ta)
6/22(月)
電子相関と超伝導
紺谷 浩 (S)
6/25(木)
地球環境問題とレーザー計測
松見 豊 (AM)*
ミリ波で探る大気環境
水野 亮 (AM)*
6/29(月)
素粒子標準理論を超える
久野純治 (E)
7/ 2(木)
宇宙線で見る宇宙
伊藤好孝 (CR)*
7/ 6(月)
宇宙における物質の進化と赤外線観測
金田英宏 (Uir)
7/ 9(木)
X線で宇宙を探る
松本浩典 (Ux)
予備日:4/30(木)
、5/7(木)
、6/18(木)
、7/13(月)
、7/16(木)
*印は太陽地球環境研究所の研究室です。4年生での研究室配属はCR研のみとなります。
(※単位は、
「物理学概論Ⅰ」
、
「物理学概論Ⅱ」通年として取り扱う)
【後 期】場所:B5講義室
10/ 5(月)
10/19(月)
10/26(月)
11/ 2(月)
11/ 9(月)
11/16(月)
11/30(月)
12/ 7(月)
講 義 題 目
生命現象に見られる情報変換と情報伝達
面白くて役に立つ物質の物理学
巨大加速器で探る素粒子と宇宙の始まり
ソフトマターの非平衡統計物理学
弦理論とは何か? -素粒子論の最前線-
星の誕生と電波天文学
生命による光エネルギー変換のしくみ
超流動・超伝導・超低温の世界
担当者
槇 亙介
寺崎一郎
戸本 誠
宮崎州正
酒井忠勝
福井康雄
野口 巧
和田信雄
(研究室)
(K)
(V)
(N)
(R)
(E)
(A)
(G)
(L)
予備日:12/14(月)
、12/21(月)
、1/18(月)、1/25(月)
■成績評価の方法
レポートによる
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とする(総括者に履修取り下げ届けを提出すこと)
。
また、出席率が 75%以下の学生は「欠席」扱いとする。それ以外の学生については SABCF のいずれ
かの評価とする。
■その他
前期は「物理学概論Ⅰ」の時間割コードを履修登録すること。
後期は「物理学概論Ⅱ」の時間割コードを履修登録すること。
(※単位は、
「物理学概論Ⅰ」
、
「物理学概論Ⅱ」通年として取り扱う)
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0623500
連続体力学
(選択2単位)
3年生前期火曜1時限目
B5 講義室
鈴木 建(理論宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
流体のもつ基本的な性質(完全流体と粘性流体の違い、それぞれの従う方程式およびそこから導か
れるさまざまな振舞い)についての基本的な事項について学ぶ。
■授業内容
(講義順序は若干前後する可能性がある)
1.序
1-1 流体とは何か
1-2 流体を記述する方法
2.完全流体の力学
2-1 基礎方程式(オイラーの運動方程式)
2-2 保存則(ベルヌイの定理など)
2-3 渦定理
2-4 縮まない完全流体の力学
3.粘性流体の力学
3-1 応力と応力テンソル
3-2 粘性
3-3 基礎方程式 (ナヴィエ=ストークス方程式)
3-4 レイノルズの相似則
4.圧縮性完全流体 --音波の導出--
■到達目標
流体を物理学の対象として扱うことが出来る事を知り、その概念と手法を身につけること。
■成績評価の方法
中間レポートと学期末試験(手書きのノートのみ持ち込み可)の予定。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げ制度を用いた場合は「欠席」とする。それ以外の成績不良者
は「不合格」とする。
■教科書
特に指定しません。
■参考書
「流体力学」(物理テキストシリーズ)今井功 著 (岩波書店)
「流体力学1」ランダウ=リフシッツ (東京図書)
「宇宙流体力学」坂下、池内著 (培風館)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
平日の日中で出張や会議等の無い時・http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/stakeru・stakeru@na
goya-u.jp
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0623900
一般相対論
(選択2単位)
3年生後期金曜2時限目
C5講義室
南部保貞(重力・素粒子的宇宙論研究室)
■本講義の目的とねらい
重力場の理論としての一般相対論の基礎を講義し、天体現象などへの応用について概説する。
繁雑な微分幾何の計算を可能な限り持ち出さず,物理として一般相対論を理解させることを目的と
する。
■授業内容
講義で取り上げる項目は以下の予定である。
I ニュートン力学,特殊相対論における時間空間
1 物理としての幾何学
2 ニュートン力学における時間,空間
3 特殊相対性原理
4 特殊相対論的力学
II 曲がった時空と一般相対論
5 幾何学としての重力
6 曲がった時空の記述
7 測地線
8 ベクトル,テンソル,共変微分
9 曲率テンソル
10 エネルギー運動量テンソル
III アインシュタイン方程式と応用
11 球対称な星の外部の幾何学
12 重力崩壊とブラックホール
13 宇宙の姿
14 宇宙モデル
15 重力波
■到達目標
重力の性質が幾何学としてどのように表現されるのかを理解する。
■成績評価の方法
学期末に試験を行う。。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は欠席とし,それ以外の成績不良者は不合格とする。
■教科書
講義では特定のテキストを使用しない
■参考書
ハートル 著「重力」(ピアソンエデュケーション)
佐藤勝彦 著「相対性理論」(岩波基礎物理シリーズ)
シュッツ 著「相対論入門(上、下)」(丸善)
ランダウ リフシッツ著「場の古典論」(東京図書)
佐藤文隆,R. ルフィーニ 著 「ブラックホール」 (ちくま学芸文庫)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
火曜日12時-13時。その他の時間でも居室(ES館738号室)訪問による質問歓迎。
e-mail: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
解析力学 I,II
■他学科学生の聴講について
原則的に許可する。
■ その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0626100
3年前期火曜 2 時限目
C5 講義室
プラズマ物理学 I
(選択2単位)
渡邉智彦(プラズマ理論研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙や実験室におけるプラズマ(電離した原子や分子の集団)の基礎的な振る舞いについて学ぶ。
■授業内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
序論:
1.1 プラズマとは何か 1.2 自然界および実験室におけるプラズマ
プラズマの基本概念: 2.1 分布関数 2.2 デバイ遮蔽 2.3 プラズマ・パラメータ 2.4 プラズマ振動
粒子衝突と輸送現象: 3.1 クーロン衝突 3.2 簡単な輸送現象
集団運動の方程式: 4.1 運動論的方程式 4.2 流体方程式
磁場のないプラズマ中の波動: 5.1 微小振幅の波動 5.2 電子音波 5.3 プラズマ中の電磁波
プラズマの安定性: 6.1 流体不安定 6.2 ランダウ減衰
磁場中の粒子運動: 7.1 電場によるドリフト 7.2 磁場によるドリフト 7.3 磁気モーメントとミラー力
磁気流体力学: 8.1 磁気流体方程式 8.2 保存則 8.3 磁気流体波
■到達目標
これまでに修得した力学、電磁気学、連続体力学などの手法を用いて、プラズマ中での荷電粒子運動
や種々の波動現象・不安定性について、基本的な理解を得る。
■成績評価の方法
出席および提出レポートの内容を総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
特に指定しない
■参考書
F. F. Chen(内田岱二郎訳)「プラズマ物理入門」(丸善)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー:月曜日10:30-12:00
連絡先:[email protected]
■履修要件
特に定めない。
■関連する科目
力学、電磁気学、連続体力学
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624200
3年生前期水曜2時限目
C5 講義室
物性物理学 I
(選択2単位)
和田信雄(極低温量子物性研究室)
■本講義の目的とねらい
物質は電気の伝導性,超流動性(超伝導) ,磁性など極めて多彩な性質を発現する。このうち本講
義では金属や半導体中の電子ガスやフォノン,フォトン(X線)の量子物理の基本的な理解をめざす。
■授業内容
1.“固体”の中の“気体”
2.固体中の波動粒子の運動
3.いくつかの金属,半導体のバンド構造
4.強相関の量子流体やBEC
1-1
1-2
1-3
1-4
2-1
2-2
2-3
3-1
3-2
3-3
4-1
4-2
量子力学で表す粒子の状態
量子粒子ガスの量子統計
“固体金属”中“電子ガス”の証拠
格子振動(フォノン)のガス
周期ポテンシャル中電子の量子状態
金属,バンドギャップ絶縁体
ブロッホの定理
固体の周期性のX線による観測
フェルミ面の観測
電子状態の制御
モット絶縁体
ボース・アインシュタイン凝縮
■到達目標
物性物理学の基礎を習得する。
■成績評価の方法
レポートと筆記試験による。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
この講義では履修取り下げ制度は用いません。筆記試験を受けなかった場合、および試験で成績が不良
の場合は、ともに「欠席」とします。
■教科書
■参考書
C.Kittel「固体物理学入門」
J. Singleton 「 Band Theory and Electronic Properties of Solids 」Oxford
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
物理教室のホームページから入れます。
和田信雄:内線2886/2887,居室 理学館416/超低温物理実験室
■履修要件
可
■関連する科目
電磁気学、量子力学、統計力学
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624300
物性物理学 II
(選択2単位)
3年生後期木曜1時限目
C5講義室
伊藤正行(固体磁気共鳴研究室)
■本講義の目的とねらい
物性物理学における主要な研究対象である磁性と超伝導の基礎について、古典的および量子力学的
な理解を得ることを目的とする。同時に、これまで学んできた電磁気学、量子力学、熱統計力学な
どが実際の問題にいかに適用されるかを、広い視野から学ぶとともに深い思考力を養う。
■授業内容
1.磁性とは(常磁性、反磁性、強磁性、反強磁性)
2.磁気モーメント(孤立イオンの磁気モーメント、結晶中のイオンの磁気モーメント)
3.交換相互作用(直接交換相互作用、超交換相互作用)
4.磁気相転移と磁気秩序(強磁性体・反強磁性体の分子場近似、スピン波)
5.遍歴電子系の磁性(電子気体の常磁性と反磁性、遍歴強磁性)
6.超伝導(マイスナー効果、超伝導の現象論、クーパー対、ジョセフソン効果)
■到達目標
物質の磁性と超伝導の基礎を理解する。
■成績評価の方法
期末試験の成績によって評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げ制度の場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合
格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
C. Kittel著「固体物理学入門」(丸善)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
Webページ:http://i-ken.phys.nagoya-u.ac.jp/
内線:3552 研究室:理学館308号室
■履修要件
特になし。
■関連する科目
電磁気学、量子力学、統計物理学、物性物理学Ⅰ
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624700
3年生前期水曜1時限目
B5講義室
原子核物理学 I
(選択2単位)
飯嶋
徹(高エネルギー素粒子物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
人類は古来より「万物の根源は何か?」を問い続け、最も基本的な下部構造として原子核さらには
素粒子にたどり着いた。その探求は宇宙の初期の歴史を紐解く道でもある。本講義では、サブアト
ミック粒子と総称される素粒子・原子核の研究手法、その構造と反応、宇宙物理との関連を学ぶ。
■授業内容
1.基礎知識(単位、特殊相対論、角運動量、ファインマン図など)
2.サブアトミック粒子の構造
3.サブアトミック粒子の崩壊
4.サブアトミック世界を探る道具-加速器と放射線検出器-
5.弱い相互作用とニュートリノ物理
6.強い相互作用とクォーク物理
7.サブアトミック物理と宇宙
■到達目標
素粒子や原子核の構造や性質がどのように科学的に明らかにされてきたかを説明できる。
■成績評価の方法
定期的にレポートを出し、その提出率と内容による評価を行う。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
「履修取り下げ制度」を採用する。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不
合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
永江知文、永宮正治、「原子核物理学」裳華房
八木浩輔 基礎物理学シリーズ「原子核物理学」朝倉書店
原 康夫 朝倉現代物理学講座「素粒子」朝倉書店
H. Frauenfelder, E. M. Henley, “Subatomic Physics” (Second Edition)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
ウェブページ:http://www.hepl.phys.nagoya-u.ac.jp/~iijima.nagoya/, 内線2893,居室C505
メール:[email protected]
質問はいつでも受付けますが、居室に来る場合は、出張等で不在のこともあるので、メールで事前
に連絡をとってもらえるとよいです。
■履修要件
特になし。
■関連する科目
量子力学、電磁気学、特殊相対論、素粒子物理学 I、原子核物理学 II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624800
3年生後期火曜1時限目
B5講義室
原子核物理学 II
(選択2単位)
野中千穂(クォーク・ハドロン理論研究室)
■本講義の目的とねらい
原子核とハドロンの基本的構造を学び、原子核・ハドロンを中心にその周辺の物理(宇宙、クォー
ク、相転移現象)を学ぶ。
■授業内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
はじめに
原子核の基本的性質
原子核の模型
クォーク、ハドロン、原子核
原子核の不安定性
核反応
宇宙における元素合成
高温・高密度の原子核
■到達目標
原子核とハドロンの基本的構造と原子核・ハドロンに関連する物理(宇宙、クォーク、相転移現象)
を理解できる。
■成績評価の方法
レポート提出による。レポートの提出がない場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
特に指定しません。
■参考書
・裳華房 「原子核物理入門」鷲見義雄著
・裳華房テキストシリーズ物理学「原子核物理」永江知文・永宮正治共著
・基礎物理科学シリーズ4 「原子核物理学」八木浩輔著、朝倉書店
・ガシオロウイッツ 「量子力学I、II」、丸善&Wiley
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー 水曜日14時から16時まで。事前に電子メールで問い合わせること。
連絡先
[email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
量子力学 I、II、III、素粒子物理学、原子核物理学 I
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625800
宇宙物理学Ⅰ
(選択2単位)
3年生前期金曜1時限目
B5講義室
國枝秀世(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙は初期宇宙のゆらぎから、驚く程多様な姿に進化して来た。しかし、個々の現象は、これまで
に学んだ、物理学(力学、統計熱力学、電磁気学、原子物理学、相対論、量子力学)を用いてかな
りの部分理解することができる。様々な階層の天体を学ぶと共に、共通の物理を理解して、それら
の統一的な描像を得ることを目的とする。また後半では、これらの階層の天体を観測するのに欠く
べからざるX線観測の発展も交えて講義を進める。
■授業内容
1.はじめに
(1)宇宙物理学は極限の実験室、宇宙を探る大気の窓
(2)古典天文学の常識と階層構造
「距離のはしご」
2.星の進化と内部構造
(1)太陽と恒星
「黒体放射」
「輝線」
「吸収線」
(2)星の内部構造と輸送方程式
(3)核融合反応と星の進化
(4)超新星爆発
(5)高密度星
3.銀河
(1)構成天体と構造
(2)中心核の活動
4.銀河団
(1)構成銀河と高温ガス
(2)構造と進化(ダークマター)
5.宇宙論
6.宇宙を探る窓と観測技術
7.X 線天文学
■到達目標
様々な階層に属する天体を対象に、電磁波の観測から、そこで起きている物理現象と放射機構を理解す
ること。宇宙におけるエネルギーと物質の流れをつかむこと。
■成績評価の方法
試験・レポート(ほぼ毎回課題を課す)
。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■参考書
佐藤文隆著。岩波講座現代の物理学11「宇宙物理」(岩波書店 1995)
シリーズ現代の天文学第1巻—17巻。
(日本評論社 2007-2009)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
[email protected] TEL 052-789-2920
連絡をしてから来て下さい。主に夕方以降なら時間が取れます。
■履修要件
特に無いが、物理の基礎科目は履修してあると良い。
■関連する科目:宇宙物理学 II
■他学科学生の聴講について:受け入れる。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625900
宇宙物理学Ⅱ
(選択2単位)
3年生後期月曜2時限目
B5講義室
福井康雄(天体物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙は物理学の偉大な実験室である。量子力学を初めとして、多くの物理法則の発見と検証は、宇
宙観測に基礎を置く。宇宙観測の基本は、天体の放射の理解である。ガンマ線から電波に至る広い
波長帯における天体放射から、どのように物理学的情報が得られるか、基本に立ち返って理解する。
さらに、天体の形成が、宇宙進化を決定づけることを示し、天体形成機構の基礎を学ぶ。そのため
に、これまでに習得した量子論、統計物理学、流体力学等がどのように使われるか、練習問題によ
って体得する。
■授業内容
1
2
3
4
5
6
7
8
はじめに
ビッグバンに始まる宇宙の形成
宇宙観測の基礎
星と銀河の基本
星の放射:プランク分布の理解と応用
星の形成:ビリアル定理の理解と応用
銀河の構造と形成
これからの宇宙研究の課題
■到達目標
天体放射と天体形成に関わる基本を体得し、物理学を使いこなすことを学ぶ。各種物理定数を用いて
物量量のorder estimationをする力を養う。
■成績評価の方法
期末試験。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
Lyman Spitzer, Jr.: "Physical Processes in the Interstellar Medium"
Geprge B.Rybicki, Alan P. Lightman: "Radiative Processes in Astrophysics"等
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
月曜日12:00-13:00;[email protected]
■ 履修要件
特になし
■関連する科目
物理学全般
■ 他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625300
生物物理学Ⅰ
(選択2単位)
3年生前期金曜2時限目
B5講義室
神山 勉(生体超分子物理研究室)
■本講義の目的とねらい
生命現象の記述には生体構成物質(蛋白質・核酸・生体膜)の構造情報の解読が欠かせなく
なっている。講義では、生体高分子の構造解析に必要となる物理法則を学習するとともに、
分子レベルの生命現象に関する普遍的法則について考察する。
■授業内容
1. 生命現象の基本原理(生命の階層構造、物質と情報、エネルギーと代謝、進化)
2. 生体高分子の構造と機能(蛋白質・核酸・生体膜)
3. 蛋白質の構築原理(溶液中の分子間力、静電力とエントロピー力、水和の物理学)
4. 生体超分子の構築原理(対称性の物理学、長距離相互作用と秩序構造)
5. 生体膜の構築原理(表面張力の物理学)
6. X 線構造解析I(溶液散乱法、結晶からのX 線回折、回折とフーリエ変換)
7. X 線構造解析II(位相決定と電子密度図、構造モデリングと分子動力学)
8. 電子線構造解析I(波としての電子、電子線の幾何光学、電子線の回折と結像)
9. 電子線構造解析II(位相コントラスト法、アッベの結像理論)
10. 蛋白質の4 次元構造解析(動的構造と機能発現、アロステリック効果)
11. 生体エネルギー変換(励起エネルギー移動、プロトン移動、電子移動)
■到達目標
タンパク質の構造と機能を物理的観点から捉えることができる基礎知識を習得する
■成績評価の方法
レポートと試験。レポート提出率が 75%以下の学生は「欠席」扱いとする。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修を取下げたい場合は、申し出ること。履修取り下げ届を提出した学生については「欠席」とし、
それ以外の学生については SABCF のいずれかの評価とする。
■教科書
■参考書
日本生物物理学会編「シリーズ・ニューバイオフィジックス、I・II」(共立出版)
ワトソン他著「細胞の分子生物学」(教育社)
イスラエルアチブィリ著「分子間力と表面張力」(朝倉書店)
ドゥジェンヌ他著「表面張力の物理学」(吉岡書店)
今野豊彦著「物質からの回折と結像」(共立出版)
ヴォート著「生化学I・II」(東京化学同人)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
http://bio.phys.nagoya-u.ac.jp/ に紹介。
連絡先: email: [email protected],
オフィスアワー:金曜17:00-18:00
■履修要件
■関連する科目
電磁気学、統計力学
■他学科学生の聴講について
聴講可
■その他
内線電話:5108
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625600
3年生後期水曜1時限目
B4 講義室
化学物理学
(選択2単位)
槇
亙介(細胞情報生物物理研究室)
■本講義の目的とねらい
原子から分子に至る物質について、その成り立ちや反応などの代表的な化学現象を、物理学の考え
方を用いて取り扱うことを学び、物理学への視野を広げる。特に物質の変化-反応-の取扱い方の基
礎に主眼をおく。
■授業内容
1.
2.
3.
4.
はじめに
原子・分子の構造とその周辺
マクロな系の化学
反応速度論
■到達目標
化学的な現象に対して、物理学の考え方を適用するための基礎を身につける。
■成績評価の方法
試験もしくは提出課題による。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を利用する場合は「欠席」、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
特になし
■参考書
マッカーリ/サイモン 物理化学-分子論的アプローチ(上)(下)(東京化学同人)
アトキンス 物理化学(上)(下)(東京化学同人)
Charles R. Cantor / Paul R. Schimmel Biophysical Chemistry (Pt. I - III) (Freeman & Compa
ny)
田崎晴明 熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ) (培風館)
垣谷俊昭 光・物質・生命と反応(上)(下)(丸善)
久保亮五・市村浩・碓井恒丸・橋爪夏樹 大学演習 熱・統計力学(裳華房)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
居室:理学館6階619号室、内線:2434、e-mail:[email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
特になし
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625000
3年生後期金曜1時限目
C5講義室
素粒子物理学 I
(選択2単位)
戸本
誠(高エネルギー素粒子物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
物質がクォークとレプトンからなり、それらの間に電磁気力、弱い力、強い力が働くとする素粒子
の芳醇模型の基礎を学習する。スイスのCERNにて稼働中の世界最高エネルギー加速器実験である
LHC実験の加速器、測定器を具体的な題材として取り入れながら、最先端の素粒子実験の基礎知識
を学習する。さらに、素粒子物理学が実験的にどこまで理解され、何が未発見で良くわかっていな
いのかを概観する。
■授業内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
素粒子の性質と種類
量子電磁力学
実験技術(加速器)
実験技術(測定器)
弱い相互作用(C, Pの破れやV-A型相互作用)
ゲージ対称性
ヒッグス機構と素粒子の質量
電弱相互作用の統一
素粒子標準模型を超えて(暗黒物質、超対称性、余剰次元、力の大統一など)
■到達目標
素粒子標準模型がどのように構築され、実験的にどのように検証されてきたか説明できる。
■成績評価の方法
定期的にレポート課題を出し、その提出率と内容から評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不
合格」とする。履修取り下げを希望する者は、期限内に履修取り下げ届を提出すること。
■教科書
教科書は特に指定しない。
以下のページにレジメを準備する。
http://www.hepl.phys.nagoya-u.ac.jp/~makoto.nagoya/lectures/ParticlePhysics_3_2015
■参考書
クォークとレプトン -現代素粒子物理学入門- F. ハルツェン、A. D. マーチン共著
朝永物理学体系3、4、5、6
長島順清
ゲージ理論入門 I. J. R Aitchison, A. J. G Hey
などを参考までにリストしておく。各々にあった教科書を探す努力をして欲しい。
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
居室:C501(内線5505)、e-mail : [email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
量子力学、解析力学、電磁気学、特殊相対論、原子核物理学
■他学科学生の聴講について
可(相談して下さい)
■ その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0626600
電磁気学特論
(選択2単位)
3年生後期水曜2時限目
C5講義室
松原隆彦(宇宙論研究室)
■本講義の目的とねらい
Maxwell方程式をもとにして、電磁波の伝播、放射、および散乱に関する基礎事項を学ぶ。さらに
特殊相対性理論や変分原理による電磁場の記述を取り扱う。自然界に存在する対称性の原理に触れ、
物理学の底辺に横たわる調和の世界を垣間見る。
■授業内容
1.Maxwell方程式と電磁波
Maxwell方程式|電磁ポテンシャルとゲージ変換|真空中の電磁波
2.電磁波の放射
遅延ポテンシャル|多重極放射|放射のスペクトル分布|チェレンコフ放射|運動する電荷による放射
3.電磁波の散乱
トムソン散乱|束縛電荷による散乱|誘電体球による散乱|青空、夕焼け、エディントン限界
4.電磁場と特殊相対性理論
相対性原理|共変形式のMaxwell方程式|相対論的力学
5.電磁場と変分原理
電磁場の作用|対称性と保存量
■到達目標
電磁波の放射・散乱の基礎理論を習得し、さらに相対性理論や場の理論などへ進むための基礎も学ぶ。
■成績評価の方法
レポートによる。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。レポート成績不良者は「不合格」、レポート提出のない者は「欠席」とす
る。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
ジャクソン(西田稔、寺下陽一訳)「電磁気学 下」(吉岡書店)
砂川重信「理論電磁気学」(紀伊国屋書店)
ランダウ、リフシッツ(恒藤敏彦、広重徹訳)「場の古典論」(東京図書)
牟田泰三「電磁力学」(岩波書店)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
火曜日12:00-13:00・http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/emr/
[email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
電磁気学 I,II, 電磁気学, 解析力学 I,II, 数理物理学 I,II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629400
物理学セミナーI-1α
(選択必修4単位)
3年生後期水曜3・4時限目
理 415講義室
和田信雄(極低温量子物性研究室)
寺崎一郎(機能性物質物性研究室)
■本講義の目的とねらい
物性物理学のトピックス(磁性,超流動,超伝導)を題材として,量子力学や統計力学に対する理解
を得ることを目的とする。発表や議論を通して,自分の考えを伝え,他人の考えを理解することを
養う。
■授業内容
以下の題材などについて輪講を行う。担当者が発表・説明し議論する。
題材:「Superfluidity and Superconductivity」(D.R.Tilley & J.Tilley)
■到達目標
物性物理の理解を深めるとともに,発表・議論する能力を養う。
■成績評価の方法
出席・発表を総合して判断する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は行わない。成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
■参考書
「極低温の世界」(長岡洋介)
「ボース・アインシュタイン凝縮から高温超伝導へ」(日本物理学会編)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
■その他
このセミナーは,αクラスの学生が対象である。
また,開講前に受講希望調査を行い,受講者数の調整を行うため,受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第Ⅶの1」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629500
物理学セミナーⅡ-1α
(選択必修4単位)
3年生後期水曜3・4時限目
A419 講義室
清水裕彦(素粒子物性研究室)
■本講義の目的とねらい
素粒子系の物理学(素粒子論、素粒子的宇宙論、重力理論、素粒子/高エネルギー実験、宇宙線観測、
関連実験技術・その応用など)について、各人が自由に選んだ興味深いテーマを半期を通してレポート
-質疑応答形式で深めてゆく。昨年の例だと、各人3回に1回ぐらいの頻度で興味を持ったテーマにつ
いて講師として毎回1時間程度の発表(講義)をし、それに対してそれ以外の人たちが質疑、講師とな
った人が応答するセミナー形式で授業をすすめた。
昨年のテーマとして選ばれたものを例としてあげると、相対論的量子力学、重力理論/一般相対性理論、
素粒子検出技術の基礎、宇宙素粒子物理学、経路積分など。それ以外にも新聞などに載り話題となった
科学記事のレビューもあった。
自発的な研究・勉学スタイルを確立し、専門分野の研究への入門とすることもねらいのひとつである。
■授業内容
報告と討論を主とする。
■到達目標
プレゼンテーションの基本的な方法を習得し,セミナーにおける議論を通じて物理の基礎的事項をより
深く理解することを目的とする。
■成績評価の方法
出席とセミナーでの発表で判断する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は行わない。
■教科書
参加者と相談の上決定する。
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー:水曜日午前10時より午後1時、午後4時半より6時
Web ページ:http://phi.phys.nagoya-u.ac.jp/
連絡先:E-mail: [email protected]
内線:3545
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
■その他
このセミナーはαクラスの学生が対象である。
また、開講前に受講希望調査を行い受講者数の調整を行うため、受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第Ⅷの1」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629600
物理学セミナーⅢ-1α
(選択必修4単位)
3年生後期水曜 3・4 時限目
A414 講義室
福井康雄(天体物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙を素材として物理学への理解を深める。講義「宇宙物理学Ⅱ」とも連携し、物理法則を用いて
宇宙・天体の基本的な物理量を計算し、生きた理解を体得することを目指す。また、口頭発表を通
して他の人に伝える力を養うことも、このセミナーの大切な狙いである。
■授業内容
テキストを読み、各自が内容を発表し、全員で質疑・討論を行なう。重要なポイントについては、計算演習も行なう。
■到達目標
学部段階で期待される物理の力を養う。多数の聴衆に伝える力を身につけ、コミュニケーション能力
を高める。
■成績評価の方法
出席、発表、議論、レポートをあわせて評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
「欠席」と「不合格」に関しては、履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良
者は「不合格」とする。
■教科書
開講時に決める。
■参考書
シリーズ現代の天文学(日本評論社)他
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
基本的にmailにて連絡をとり、必要に応じて面談する。
Mail address: [email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
物理学全般
■他学科学生の聴講について
可能
■その他
このセミナーは,αクラスの学生が対象である。
また,開講前に受講希望調査を行い,受講者数の調整を行うため,受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第Ⅸの1」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629700
物理学セミナーⅣ-1α
(選択必修4単位)
3年生後期水曜 3・4 時限目
A420 講義室
岡本祐幸(理論生物化学物理研究室)
■本講義の目的とねらい
メトロポリスのモンテカルロ法と拡張アンサンブル法の基礎と、それらの生物物理学への応用につ
いて学ぶ。
■授業内容
計算機シミュレーションの基礎と生物物理学への応用についての教科書を輪 読する。
■到達目標
計算機シミュレーションの基礎知識を得るとともに、磁性体の模型である2次元イジング模型のモン
テカルロシミュレーションができるようになること。
■成績評価の方法
出席・発表・討論への寄与などから総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
古橋武、笹井理生(編)「計算科学講座」第9巻「超多自由度系の最適化」(共立出版、 2013)
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー:水曜日と金曜日の17:00-18:00
Webページ: http://www.tb.phys.nagoya-u.ac.jp/~okamoto/
電子メール: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
このセミナーは、αクラスの学生が対象である。
また、開講前に受講希望調査を行い、受講者数の調整を行うため、受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第 X の 1」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629800
物理学セミナーI-1β
(選択必修4単位)
3年生後期木曜3・4時限目
A419 講義室
伊藤正行(固体磁気共鳴研究室)
佐藤憲昭(磁性物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
物性物理学の基本的な内容について、教科書を輪講しながら学び、同時に、発表方法、議論の進め
方を身につけることを目的とする。これまで学んできた電磁気学、量子力学、熱統計力学などが固
体物性の問題にいかに適用されるかを知り、広い視野を育成する。また、物性物理学 I・IIの講義の
理解をより深め、深い思考力を養う。
■授業内容
内容:1.結晶構造 2.波の回折と逆格子 3.結晶構造と弾性定数 4.フォノン(結晶の振動、熱的性質) 5.自由電子
フェルミ気体 6.エネルギーバンド 7.半導体 8.フェルミ面と金属 9.超伝導
進め方:毎回発表担当者を決め、担当内容について発表し、参加者全員で議論する。
■到達目標
物性物理学の基礎を修得するとともに、発表方法、議論の進め方を身につける。
■成績評価の方法
出席、発表内容、議論への取り組みなどを総合的に判断して評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いない。成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
C. Kittel 著「固体物理学入門」(丸善)
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
伊藤正行 理学館 308 号室 内線 3552
佐藤憲昭 理学館 413 号室 内線 2890
■履修要件
特になし。
■関連する科目
電磁気学、量子力学、統計物理学、物性物理学Ⅰ、物性物理学Ⅱ
■他学科学生の聴講について
■その他
このセミナーは、βクラスの学生が対象である。
また、開講前に受講希望調査を行い、受講者数の調整を行うため、受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第Ⅶの2」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0629900
物理学セミナーII-1β
(選択必修4単位)
3 年生後期木曜3・4時限目
A414講義室
南部保貞(重力・素粒子的宇宙論研究室)
■本講義の目的とねらい
重力の物理学である一般相対論ならびに量子力学の考え方をセミナーを通じて習得する。
■授業内容
一般相対論ないし量子力学に関するテキストの輪講を行なう。今年度用いるテキストは未定。2013,2014年度は佐藤
文隆・ルフィーニ著「ブラックホール」(ちくま学芸文庫),2012年度は根本香絵著「量子力学の考え方:物理で読
み解く量子情報の基礎」(サイエンス社)を用いた。
■到達目標
プレゼンテーションの基本的な方法を習得し,セミナーにおける議論を通じて物理の基礎的事項をよ
り深く理解することを目的とする。
■成績評価の方法
出席,発表内容,議論への参加状況などから総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は欠席とし,それ以外の成績不良者は不合格とする。
■教科書
未定
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
火曜日12時-13時。その他の時間でも居室(ES館738号室)訪問による質問歓迎。
e-mail: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
解析力学 I,II, 電磁気学 I,II,量子力学
■他学科学生の聴講について
原則的に許可する。
■その他
このセミナーはβクラスの学生が対象である。
また,開講前に受講希望調査を行い受講者数の調整を行うため,受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第Ⅷの2」と記載されているので注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0630000
物理学セミナーIII-1β
(選択必修4単位)
3年生後期木曜3・4時限目
A4 南講義室
大薮進喜(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙で起きている物理現象は、基礎的な物理学の組み合わせで説明できる事象が多い。本セミナー
では、宇宙物理を学びながら、そこで使用する基本的な物理学の知識と使い方を、具体例に基づき
習得する。
■授業内容
天文学・天体物理学のテキストを輪講する。板書を活用し、内容を理解した上で発表する。発表内容を基に出席者全
員で議論し理解を深める。
内容: 1. 宇宙の概観 2. 星 3. 星間物質 4. 銀河
■到達目標
天文学・天体物理学における基礎的概念の理解
プレゼンテーション技術の習得
■成績評価の方法
発表内容および出席日数、議論への参加などを考慮して評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は、
「不合格」とする。
■教科書
開講時に決める。
■参考書
シリーズ現代の天文学 全17巻
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
居室:C号館313号室。質問などを常時歓迎。mailで事前にアポイントメントを取ることが望ましい。
e-mail: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
物理学全般
■他学科学生の聴講について
可
■その他
このセミナーは、βクラスの学生が対象である。
また、開講前に受講希望調査を行い受講者数の調整を行うため、受講できない場合がある。
学生便覧上では、
「物理学セミナー第Ⅸの2」と記載されていることを注意すること。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0630100
3年生後期木曜3・4時限目
A417 講義室
物理学セミナーⅣ-1β
(選択必修4単位)
野口
巧(光生体エネルギー研究室)
■本講義の目的とねらい
生物物理学および生命科学の基礎知識を学ぶ。学問領域を横断した広い視野に立って生命現象を捉
え、それが極めて精巧な物理・化学的機構から成り立っていること、また、生命科学には多くの未
解明領域が存在することを理解する。
■授業内容
生物物理および生命科学の教科書を輪読し、内容について議論をする。
■到達目標
生物物理学の研究に必須な基礎知識が身につくとともに、生命現象を様々な視点から考察することの
できる深い思考力が獲得される。
■成績評価の方法
出席及び発表により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
Essential細胞生物学
■参考書
細胞の分子生物学、ストライヤー生化学、細胞の物理生物学など
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
10:00-17:00・http://www.glab.phys.nagoya-u.ac.jp/・内線2881;居室:理学館719;
E-mail: [email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
生物物理学I
■他学科学生の聴講について
可
■その他
このセミナーは、βクラスの学生が対象である。
また、開講前に受講希望調査を行い、受講者数の調整を行うため、受講できない場合がある。
学生便覧上では「物理学セミナー第 X の2」と記載されているので注意すること。
学部 4 年生授業科目
物理学科専門科目・卒業研究
時間割コード
0623300
物理学特別実験
(選択必修20 単位)
4 年生通年
総括者 清水裕彦
(素粒子物性研究室)
前期履修登録期間に月曜 3・4 限に登録すること。
(後期履修登録期間には履修登録の必要なし)
■本講義の目的とねらい
実験コースを選択する学生は、各実験系研究室に所属し、研究室が用意する実験テーマのうち1つを選択
して、1年間にわたって実験を行う。
■成績評価の方法
各研究室の基準により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
素粒子・原子核物理学分野
●F研(基本粒子研究室)
素粒子標準模型におさまらない諸問題に取り組むべく素粒子/宇宙をはじめ、それにとどまらない研究を行っ
ている。武器は、サブミクロンの精度で素粒子現象を可視化できる原子核乾板とその超高速読み取り装置であ
る。
F-1
ニュートリノの研究
ニュートリノはごくわずかの質量で宇宙の暗黒物質たり得ることから、その質量の有無が注目されてきた。質量
の有無はニュートリノ振動現象の有無で判定されるが、F研では1980年代からこのための国際共同実験を中心
になって推進してきており、現在はOPERA実験による解析を進めている。 また将来のニュートリノの詳細研究に
必要な原子核乾板本体の開発、高速飛跡読み取り技術、反応解析のソフトウェアなどの開発も行っている。
F-2
ダークマターの直接検出
ダークマターによって蹴られた原子が残す非常に短い飛跡を超微粒子の原子核乾板で3次元的にとらえ、ダ
ークマターの飛来方向をとらえる望遠鏡を開発する。数10nmサイズの超微粒子ハロゲン化銀結晶の生成技術
の開発、感度調整、わずか数100nmの長さの飛跡を光学的に読出す手法や装置の開発などを行い、暗黒物質
検出実験を実現する。
F-3
気球搭載型超高解像γ線望遠鏡の開発(GRAINE)
気球搭載の原子核乾板望遠鏡により、宇宙γ線を精密観測するGRAINE計画を推進している。現在、2015年
5月のオーストラリアでの打ち上げの準備を進めており、γ線天体の世界最高精度での撮像を目指す。また宇宙
空間は、宇宙初期に生成され人類が地上では決して生成できない未知の物質の飛来する場であり、超高速読
取装置を用いて、過去、現在、未来の気球実験の原子核乾板の全解析を行い未知の物質の探索を行う事も開
始している。
F-4 原子核乾板技術の応用研究
原子核乾板技術の応用研究を、研究機関、企業との共同で推進している。物理の枠に収まりきらない興味、
才能をぶつける場を求めている学生諸氏を歓迎する。
1)μ粒子レントゲン写真。火山や熔鉱炉などの大型構造体の内部構造解析。
2)中性子の飛来方向解析による核融合炉などでの中性子発生源の構造解析。
3)その他読み取り装置に画像処理人工知能を搭載するための基礎研究。
●N研(高エネルギー素粒子物理学研究室)
N-1, N-2, N-3 現代素粒子物理学実験
素粒子物理学は、物質を構成する基本粒子とその相互作用を探求する学問である。現在のところ、物質の最
小構成要素は6種類の「クォーク」と「レプトン」と呼ばれる粒子とそれらの反粒子であり、粒子間に働く力は、光
子や W ボゾンなどのゲージ粒子によって媒介されること、そしてこれら素粒子の質量が「ヒッグス粒子」によって
与えられることが知られている(標準理論)。本研究室は、その実験的検証を進め、粒子と反粒子の対称性の破
れに関する小林-益川理論を検証し、2012 年にはヒッグス粒子を発見することに成功した。現在は、標準理論を
超える新しい物理(素粒子)の兆候を探索することを狙って、「LHC アトラス実験」とともに「スーパーB ファクトリー
実験」を進めている。そして、こうした研究によって、「暗黒物質とは何なのか?」や、「宇宙から如何にして反物
質が消えたのか?」といった宇宙の謎の本質に迫りたいと考えている。こうした壮大な研究も、一人一人の独自
のアイデアや努力が結晶したものであり、4年生の研究もその一翼を担うことを意識して進めたい。4年生実験に
おけるテーマの概略は、以下の通りである。
N-1
スーパーBファクトリー実験
本研究室は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)における B ファクトリー実験を推進し、B 中間子崩壊にお
ける CP 対称性の破れの観測によって、小林・益川理論の実験的検証を成功させた。現在は、ビーム輝度を 40
倍に増強したスーパーB ファクトリー実験(2016 年開始予定)によって、大量に生成される B 中間子やタウレプト
ンの稀崩壊過程をより精密に調べ、電荷を持つヒッグス粒子などの未発見の素粒子や、標準理論では起こらな
いような新しい物理現象の発見を目指している。4年生は、これまでの B ファクトリー実験で得られたデータの解
析やスーパーB ファクトリー実験に向けたシミュレーションに携わることで、最先端の素粒子研究についての理解
を深めることができる。本テーマでは、本研究室のスーパーコンピュータを駆使した研究も行うことができる。
N-2 LHC アトラス実験
LHC 実験では、周長 27 km の世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器 LHC によって、素粒子の質
量起源の研究を行うとともに、超対称性理論や余剰次元理論で予言される新しい素粒子の発見を目指す。本研
究室は、ミュー粒子検出器の建設や運転に携わり、安定的なデータ取得に対して不可欠な役割を果たしてきた。
また、トップクォークの生成断面積測定やヒッグス粒子に関連したデータ解析に対し、多大な貢献をした。さらに、
余剰次元理論で予言される粒子の探索を行い、余剰次元のスケールに関する強い制限を得た。これらの成果
を基盤として、2015 年からは、衝突させる陽子のエネルギーを2倍程に上げて測定感度を大幅に上げる計画で
ある。4年生は、ミュー粒子検出器の運転や次世代の読み出し用集積回路の開発、ヒッグス粒子や新物理に関
するデータ解析を通し、最先端の素粒子実験の基礎を学ぶことができる。
N-3
粒子検出器の開発
最先端の物理研究には、最先端の実験装置が必須であり、素粒子物理学もまた新しい技術開発によって進
んできた。4年生もこうした最先端の技術開発を担うことが可能である。本研究室では、スーパーB ファクトリー実
験に向けて、「TOP カウンター」という新型検出器を独自に考案し、その技術開発と本番実験で使う測定器の製
作を進めている。TOP カウンターは、石英輻射体の中で荷電粒子が放射したチェレンコフ光を、数十ピコ秒の時
間精度で測定する装置であり、従来の粒子識別検出器性能を大きく上回る次世代粒子識別装置として注目さ
れている。また、LHC アトラス実験で新粒子を見つけるには、大量の背景事象の中から、見たい新粒子の信号
候補を選択的に選び出すトリガー装置の開発が鍵を握っており、新しいアイデアを試している。本テーマでは、
世界初の試みに貢献する絶好の機会を提供する !
●Φ研 (素粒子物性研究室)
素粒子の実験的研究は、高エネルギー加速器を用いて素粒子の反応を直接的に研究する方法と、高エネル
ギー現象が低エネルギー過程に現れる微小な効果を計測する方法とに大別される。当研究室では、精密測定
を通じた素粒子物理学の実験的研究を行う予定である。精密測定を行うために用いる道具は、低速の中性子で
あり、J-PARC が持つ世界最高輝度のパルス中性子源を用いる。以下は現時点で想定される課題であるが、実
際に行なう実験内容は参加学生との議論の中で生まれるアイデアを尊重して進めることを考えている。新たな先
端研究分野への意欲を持つ学生を歓迎する。
Φ-1 中性子崩壊率(中性子寿命)
中性子の崩壊率は、クォーク間の弱い相互作用の強さや初期宇宙における元素合成の過程を決定する基本
パラメータであるが、充分な精度で値が確定していない量でもある。高精度計測によってこれらの物理的な理解
を検証・精密化するとともに、標準的でない相互作用の探索を行なう。
Φ-2 中性子による未知相互作用(余剰次元等)の探索
重力相互作用はあまりにも弱いため、素粒子を研究する際には無視されるのが通常である。しかし、中性子
は電気的に中性子で電磁場の影響を受けにくく、低速の中性子は重力の影響を大きく受ける。これを利用して、
余剰次元による異常な重力など、これまでに知られていない相互作用を探索する。
Φ-3 中性子電気双極子能率
中性子は電荷を持たない。また時間反転対称性が成り立つ場合には、電気双極子能率を持たない。実際、こ
れまで、電気双極子能率の 0 でない値を観測した実験は存在しない。しかし、素粒子物理学の重要な課題であ
る粒子と反粒子の間に存在する非対称性は、0 ではない電気双極子能率を示唆する。そして、この電気双極子
能率の値は素粒子の理論に極めて強い制限を与えるため、値の確定は、素粒子研究の最重要課題の一つで
ある。
実験的には、毎秒数メートルまで減速された中性子を、物質容器壁面での中性子全反射と地球重力を利用
して閉込め、電磁場下でのスピン歳差周波数を精密に計測するという方法がとられる。閉込める中性子の量の
増大と、中性子運動状態制御及び電磁場制御の正確さを極限まで高める必要がある。このうち閉込め量増大
及び運動状態制御に対して、世界最高レベルの中性子光学を最大限利用して従来の測定感度の限界を打破
し、中性子電気双極子能率の発見を目指す。また物質中に存在する高電場を用いた中性子電気双極子能率
の高感度計測の可能性も合わせて可能性を探ることも含む。
以上の研究テーマに加えて、「中性子共鳴吸収反応における空間・時間反転対称性の破れの研究」や「中性
子反中性子振動を通じたバリオン数非保存過程の探索」などのテーマがある。
宇宙物理学分野
●A研 (天体物理学研究室)
星間空間に分布する分子雲は、恒星の誕生しつつある場所であり、星間分子スペクトルを観測することによっ
て星の形成のメカニズムを知ることが出来る。南米チリにある 4m ミリ波・サブミリ波望遠鏡などを用いて得られる、
一酸化炭素をはじめとする各種の星間分子・原子スペクトルの観測方法や宇宙電波分光学の概要を学ぶ。観
測に必要な、低雑音受信器の開発、及び望遠鏡制御、データ処理に関連する計算機ソフトウェアの開発等も行
う。
A-1
銀河系及び近傍銀河の NANTEN2 ミリ波・サブミリ波望遠鏡による星間物質の観測とデータ解析
我々の天の川銀河(銀河系)や近傍銀河の星間分子ガスの広域な分布や物理状態を探るため、我々は口径
4m の NANTEN2 ミリ波・サブミリ波望遠鏡を南米チリアタカマ高地(標高 4865m)に設置し、星間分子・原子スペ
クトル観測を行っている。名古屋大学から望遠鏡を遠隔操作し、望遠鏡の各種ステータスチェックや観測を通し、
電波分光による観測方法を学ぶとともに、銀河系中心部、大小質量星形成領域、超新星残骸、系外銀河等の
各種天体の観測的研究を行う。
A-2
NANTEN2 マルチビーム受信器システムおよびソフトウェア開発
チリアタカマ高地は、年間を通してミリ波観測には好条件であり、銀河系及び近傍銀河の広域観測を可能とし
ている。観測効率をさらに高めるため、多波長・多ビーム同時受信システムの開発を進めている。これらの開発
実験に参加し、マイクロ波検出器の基本を身につけ、受信機系の開発を行う。また NANTEN2 望遠鏡で得られる
成果を効率よく公表できるよう、各種運用・制御ソフトウェア、データ解析用ソフトウェアの開発を行う。
●CR研(太陽圏高エネルギー物理学研究室)
宇宙線物理学実験
宇宙線は宇宙から地球に降り注いでいる陽子、ガンマ線、ニュートリノなど、高エネルギー粒子の総称である。
宇宙線研究は宇宙と素粒子にまたがる境界分野であり、両者の最前線が研究対象である。例えば、ガンマ線や
ニュートリノを観測手段とした「宇宙線天文学」では宇宙で最も高エネルギーの場所を探る事ができる。また暗黒
物質素粒の探索や超高エネルギー宇宙線の反応等、加速器では手の届かない素粒子物理の最前線を開拓す
る事もできる。
大学院では、宇宙物理から加速器実験までまたがり、Fermi 衛星による宇宙ガンマ線観測による宇宙線加速
の研究、神岡地下実験での暗黒物質探索、LHC での超高エネルギー宇宙線の反応の研究、宇宙線による太
陽活動の研究、重力マイクロレンズ観測、等の研究を行っている。4年実験では、大学院での研究準備段階とし
て学生の主体性と基礎力を重視し、上記の CR 研の研究テーマに関連した課題の中から、大学院での研究テー
マとは独立に自分達だけでチームを組んで実験を行う。
また素粒子と宇宙両分野の基礎的な知識を得るため、テキスト輪読を週一回行う。
前期は小田稔著[宇宙線](裳華房)、後期は D. Perkins 著[Astroparticle physics](Oxford press)を予定してい
る。
CR-1 液体キセノン検出器を用いた暗黒物質の探索
宇宙暗黒物質は相互作用の弱い中性の重い素粒子WIMPと考えられ、ごくまれに物質中の原子核と衝突し
て跳ね飛ばす。キセノンは原子番号 54 の希ガスで、-100 度程度で液化し、WIMPにより跳ね飛ばされた原子
核の検出に理想的な物質として注目されている。小型の低温液体キセノン検出器を自作しその基礎特性を研
究しながら、将来の理想的な暗黒物質探索検出器の開発を行なう。
CR-2 超小型衛星搭載用宇宙線検出器による宇宙線の研究
一次宇宙線は地球大気に遮られるため、宇宙空間で直接測定できる衛星観測が有利となる。昨今、超小型
衛星が注目されており、名古屋大学でも Chubu-Sat 計画を主導し衛星軌道からの宇宙線観測の機会がより身
近になっている。このような超小型衛星に搭載できるガンマ線、中性子などの測定装置の開発を通して、素粒子
検出器の基礎を学びながら、地上観測では実現できない宇宙線の研究を考える。
CR-3 空気シャワー観測装置を用いた高エネルギー宇宙線の研究
高エネルギー宇宙線は大気と衝突して原子核反応を起こし、大量の二次生成粒子の固まり、空気シャワーを
降らせる。宇宙線ドームに並んだ16台の粒子検出器の同時計測で 10 の 15 乗電子ボルトの高エネルギー宇宙
線が作る空気シャワーを捕らえ、その到来方向や宇宙線の相互作用について研究する。
● U研(宇宙物理学研究室)
U-1 赤外線天文衛星「あかり」による赤外線データの解析(Uir)
2006 年に打ち上げられた赤外線天文衛星「あかり」には、本研究室が中心になって開発した遠赤外線観測
装置 FIS に加え、近・中間赤外線カメラ IRC と二つの観測機器が搭載されている。FIS は波長 50-180 m、IRC
は波長 2-26 m を観測対象としている。天体からの赤外線放射の源は、主に星間空間に漂う固体微粒子の熱
的放射や、原子・分子ガスのスペクトル線である。赤外線の観測を行うことで、我々の銀河系の星間空間や星形
成領域の物理状態、銀河の星形成活動史などを調べることができる。これまでに取得された膨大な観測データ
から、面白そうな天体(銀河など)を選んで、その天体の赤外線放射の特性を学ぶ。また、その過程を通して、天
体画像データ解析や赤外線観測装置について習熟する。
U-2 次世代衛星用の赤外線検出器・冷却望遠鏡の開発・評価(Uir)
「あかり」に続く赤外線天文衛星プロジェクトとして、本研究室は、JAXA・東京大学などとともに SPICA 計画に
参加している。SPICA 衛星は 2020 年代の中ごろに打ち上げられる予定で、波長 20 m から 200 m を観測対
象とする。次世代衛星用の装置開発につながる基礎技術を身につけるべく、本研究室が進める赤外線カメラの
温度特性評価や、新しい遠赤外線検出器の開発などの実験に参加してもらう。実験を通して、低温・赤外線検
出器の技術を身近に体験し、計測器の制御・実験データ取得の基礎を学ぶ。あるいは、光学干渉計を用いた鏡
の低温面形状測定などの実験に参加し、低温反射光学系の設計・計測の基礎を習得する。
U-3 赤外線観測装置の開発(Uir)
南アフリカ天文台サザーランド観測所1.4 m望遠鏡用の可視・近赤外線同時分光器、またはインド気球望遠
鏡用の中間赤外線ファブリペロー分光器の開発を行う。これらの分光器の開発を通じて、天体観測装置の開発
に必要な知識・技術を広く習得する。より具体的には、
1.幾何光学をもとにコンピュータによる光学シミュレーションを行い、光学系の製作・調整をする
2.加重/熱による材料の変形を考慮した3 次元CAD による機械設計をおこない、製作する
3.赤外線検出器の原理を理解し、その制御回路を製作する
を分担し、実際に手を動かして、分光器の開発を行う。
U-4 X 線望遠鏡の開発(Ux)
X 線天体物理学研究では、光学系による撮像観測が必須です。そのための X 線望遠鏡の開発を行ないます。
我々が開発する X 線望遠鏡では、大きな集光力を得るために非常に薄い (0.1~0.3 mm) 反射鏡を、1 つの望
遠鏡あたりに 1000 枚程度組み込みます。望遠鏡の性能を発揮させるには、精密な光学設計と、ミクロンレベル
の反射鏡形状精度と望遠鏡組み上げ精度が必要です。現在進めているプロジェクトとしては、硬 X 線撮像気球
実験、日本の第 6X 線天文衛星 ASTRO-H、次世代X線天文衛星計画DIOSなどがあります。4 年実験ではこれ
らのプロジェクトにも参加し、X 線望遠鏡開発のサブテーマを担当します。実験を通じて X 線光学の基礎を修得
し、プロジェクト型研究推進の素養を身につけることを期待します。
U-5 多層膜X線光学素子およびX線検出システムの開発(Ux)
全反射を利用する従来の X 線望遠鏡では、10keV 以上の高いエネルギーの X 線の反射集光は困難でした。
しかし、重元素と軽元素を交互に積層した多層膜を X 線反射鏡表面に作ると、ブラッグ反射によって高エネルギ
ー線でも高い反射率が実現できます。多層膜の製作には、物質の光学特性の深い理解に基いた設計と、ナノ
オーダーの成膜制御技術が必要です。4 年実験では、X 線望遠鏡への応用を念頭に置いた 多層膜の開発を
進め、設計・製作・評価の一連の研究開発の流れを身につけます。また、反射・集光された 硬 X 線を受ける検
出器の開発も不可欠です。半導体や固体シンチレーターなどを用いた検出器を動かし、 位置分解能・エネル
ギー分解能と言った基本的性能を決める素過程を理解し、性能改善を進めつつ、実験手法を学びます。
U-6 X線天文衛星データ解析による観測的宇宙物理(Ux)
我々が開発した X 線望遠鏡を搭載した X 線天文衛星「すざく」は、2005 年 7 月に打ち上げられ、現在も観 測
を進めています。すざく衛星は、バックグラウンドによるノイズがきわめて小さく、高感度を有し、暗く広がっ た天
体の観測に特に力を発揮します。ほかにも、X 線画像の鮮明さが特筆すべき米国の Chandra 衛星、大 有効面
積を誇る欧州の XMM-Newton 衛星などが、宇宙 X 線の観測を進めています。これらの衛星のデータ を解析し
ながら、銀河・銀河団・ブラックホール・超新星残骸などの観測的研究を進め、観測宇宙物理の基礎を習得しま
す。
物性物理学分野
●I研 (固体磁気共鳴研究室)
I研は、物質の磁性と超伝導について、核磁気共鳴(NMR)法を主な測定手段として研究している。NMR は、
病院で使用されている MRI(磁気共鳴画像)装置と同じ測定原理を持ち、原子核をプローブとして、電子系の磁
気的性質や電気的性質をミクロな立場から研究することができる実験手段である。4年生では、以下の実験テー
マの研究を通して、実験研究の進め方を修得するとともに、これまでに学んだ量子力学や統計物理学などを用
いて、現実の物質の物性をどのように理解することができるのかを体験する。
I-1
強相関電子系の磁性
電子系の多体効果は固体物理学の中で最も本質的で重要な問題の一つである。電子間相互作用が強い電
子系は強相関電子系とよばれ、電子が内部自由度として持っている電荷、スピン、軌道の自由度がからみあっ
た多彩で新奇な物性が現れる。典型的な強相関電子系である 3d 遷移金属酸化物や化合物を対象に、試料合
成からはじめて、試料評価および NMR 実験を行う。温度や圧力を変えることによって起きる金属絶縁体転移や
電荷秩序転移、スピンクロスオーバー、軌道秩序や軌道液体、幾何学的フラストレーションを持つ系で現れるス
ピン液体、重い電子系、励起子絶縁体などの研究を行う。
I-2
鉄系超伝導体の物性
2008 年に発見された鉄系超伝導体は、金属系超伝導物質、銅酸化物高温超伝導物質とは異なった超伝導
機構を持つ新規超伝導物質として注目され、現在、超伝導発現機構や物性に興味が持たれている。種々の鉄
系超伝導体の試料合成を行い、X 線回折による試料評価からはじめ、電気抵抗、帯磁率、比熱などの巨視的物
理量の測定および NMR 測定を行い、超伝導発現機構に関する研究を行う。また、鉄系超伝導関連物質の物性
についても探究する。
I-3
NMR測定技術の開発
強相関電子系の特異な物性は極端条件下であらわになることが多く、高圧力、高温、高磁場、極低温などの
極端条件下での NMR 実験が有効である。このために、高圧、高温で使用できる NMR プローブの開発、NMR 装
置の高感度化、NMR データ解析プログラムの開発など、NMR の測定技術の開発を行う。さらに、これらを用いて、
高圧や高温下で現れる新奇物性の研究を行う。
●L研 (極低温量子物性研究室)
1/1000K 以下の超低温まで 4He や 3He それに新物質を冷却し,それらの超流動やフェルミ縮退などの量子
流体を研究します.
L-1
ヘリウム4の新奇超流動やボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の研究
ナノ・メートルの直径の細孔が規則的につながったナノ多孔体中にある 4He ボース流体は,次元性や相互作
用が従来の 4He 液体と全く異なる超流動性や BEC を示す。研究では,これらの新奇超流動を,極めて高い測
定周波数での超流動測定や高精度の極低温比熱などにより解明する。
L-2
低次元ヘリウム3のフェルミ縮退状態やクーパー束縛対の研究
1次元,ゼロ次元などの新規次元の 3He フェルミ量子流体や,超流動 3He よりもはるかに大きな束縛エネル
ギーのクーパー対状態を探索する。そしてこれらのフェルミ縮退や量子束縛状態を,NMR や超低温比熱測定
で研究する。
L-3
超低温実験装置の開発と量子磁性体や超伝導体の超低温物性
サブ mK までの超低温を発生する装置を作り、そこでの比熱,磁化,磁化率,誘電率などの測定により,スピ
ン・フラストレーションをもつ有機磁性体の量子磁性や分子性導体の電子状態や超伝導などを研究する。
●M研 (磁性物理学研究室)
M研では、これまでの物理の常識では理解できない不思議な物質・現象の解明を目指し、研究を進めていま
す。現在の興味の対象は、以下のようなものです。
M-1
超伝導になる磁石
磁石は超伝導にならないと考えられてきましたが、この常識を覆す物質が発見されました。この奇妙な物質の
中で、電子たちはどのように振舞っているのでしょうか?
M-2
半導体中で発現すると期待される新しい量子状態
半導体の中には、電子とホールから成るエキシトンと呼ばれるペアが存在します。理論的には超伝導のクーパ
ー・ペアと同じような量子状態をとることが可能ですが、実験的には誰もまだ見つけていません。これを一緒に探
してみませんか?
M-3
準結晶
準結晶を発見したシェヒトマン博士は、2011 年のノーベル化学賞を単独で受賞しました。準結晶は、結晶でも
なく、ガラスのようなアモルファスでもありません。この不思議な「第 3 の固体」の中で、電子はどのように振舞って
いるのでしょうか?
M-4
量子相転移および量子臨界現象
水が氷や水蒸気になったり、磁石の温度を上げると磁石の性質が消えたりする現象は、相転移と呼ばれ、エン
トロピーが関与しています。では、エントロピーがゼロの絶対零度(に極めて近い低温)の世界では相転移は生じ
ないのでしょうか?
これらの問に対する答えを探すためには、物質を合成したり、単結晶と呼ばれる結晶を育成したり、また極低
温や高圧という極限条件下で作動する新しい装置の開発などを行う必要があります。4 年生の皆さんは、これら
の実験を行うことにより、実験技術や研究の仕方を習得するとともに、量子力学に対する理解を深めることができ
るようになります。
●V 研
(機能性物質物性研究室)
V 研は機能性物質の物理学を研究する研究室です。機能性物質とは、磁石になる、電気を通す、熱を蓄える
といった、私たちに役に立つ性質(機能)を示す物質のことです。V 研では未解明の機能を持った新物質、「新し
く、面白く、役に立つ物質」を自ら創り出し、その機能を計測し、機能が発現する仕組みを理解することを研究テ
ーマとします。こうした研究を通じて、物理学の新分野の開拓を目指します。以下に実験テーマのいくつかの例
を示します。
V-1 熱を電気に変換するセラミックス
固体の熱電現象を利用して、熱と電力を相互変換する物質は熱電材料と呼ばれる。遷移金属化合物には、
遷移金属イオン上の多電子配置の持つエントロピーが電子と結びついているため、従来材料にはない異常な
熱電効果が見られる。これを利用した、新しいタイプの熱電材料を設計する。
V-2 電流で溶ける電子の氷
電荷秩序とは伝導電子が互いの斥力で等間隔に整列した、いわば電子の氷である。我々は、ある種の電荷
秩序が電流によって壊れること、そして直流電流によって交流発振を引き起こせることを発見した。電流通電下
の物性計測によって非平衡ならではの新現象を探索する。
V-3 環境にやさしい強誘電体
強誘電体は自発的な電気分極を持ついわゆる“電石”で、電子材料として広く応用されている。系統的な物
質合成と電気測定やレーザー分光法による精密物性計測を通して、地殻に豊富に含まれる軽元素で構成され
る環境に優しい新強誘電体を設計・開発する。
V-4 光と熱と電気の相互エネルギー変換
光によって生成された電子・ホール対による熱電効果や、黒体放射を熱源とした熱電発電など、光と熱と電気
の協奏効果による新しいエネルギー変換物質を設計する。さらに、この技術を用いて熱電変換と光電変換を組
み合わせた新しい素子をデザインする。
生物物理学分野
● G研(光生体エネルギー研究室)
蛋白質は40億年の生命の進化によって創られた極めて精巧なナノデバイスです。植物や藻類が行う光合成
では、蛋白質中に配置された色素分子や金属イオンによって、極めて高い量子効率の光エネルギー変換が実
現します。この最も基本的な生命現象を理解するためには、この生体ナノデバイスの分子機構を明らかにする
必要があります。 振動分光法、電子スピン共鳴、レーザー分光、分子軌道計算などの物理的手法を駆使して、
光合成蛋白質の機能解明を目指します。4年生では生物試料の調製や分光測定、計算機による解析など、研
究の基本的技術を習得しながら自らの研究課題に挑戦します。
G-1
光合成蛋白質のエネルギー移動および電子移動機構の解明
光合成では植物に光が照射されると、クロロフィルなどの色素による光吸収、励起エネルギー移動、電子移動、
プロトン移動などの反応がフェムト秒からミリ秒の時間オーダーで連続的に起こります。また極低温において中
間状態をトラップすることも可能です。様々な分光測定を用いてこうした反応を原子・分子レベルで追跡し、反応
の分子機構とシステムの作動原理を解明します。
G-2
光合成酸素発生機構の解明
植物の光合成による酸素発生のメカニズムは未だ解決されておらず、光合成研究における最大の謎として残
されています。 酸素発生は、蛋白質中に存在する金属クラスター(4つのマンガン原子と1つのカルシウムから
なる)において、水の光分解によって行われますが、その構造も反応機構についても詳しいことは明らかとなっ
ていません。赤外分光法や電子スピン共鳴法などを駆使して、酸素発生系の構造と反応メカニズムの解明を目
指します。
G-3
生体測定技術の開発
生体試料の多くは濃度が薄く(量が少ない)壊れやすいという特徴あります。 そのため、測定にはさまざまな
工夫が必要です。 測定系や試料部を自ら加工・製作し、新しいユニークな測定技術の開発を目指します。
● J研
(生体超分子物理研究室)
細胞が膜を介してイオン輸送やシグナル変換を行う分子メカニズムは未解決の部分が多い。これらの生体機
能を解明するために、われわれはこれらの機能を担っている膜蛋白質のX線結晶構造解析を行っている。具体
的には、好塩菌の光駆動プロトンポンプであるバクテリオロドプシンや、塩素イオンポンプハロロドプシン、無脊
椎動物の視物質ロドプシンなどを研究対象として、光吸収によってこれらの光感受性の膜蛋白質に誘導される
構造変化を解析し、光エネルギーを代謝エネルギーへと変換する仕組みや、外界の光情報を細胞内シグナル
系へと伝達する仕組みを明らかにすることを目指している。また、これらの膜蛋白質の多くは自己集合して機能
を発現することが知られており、その高次構造を形成する過程をナノメーター分解能で明らかにするために、ク
ライオ原子間力顕微鏡を用いた新しいイメージング技術の開発も行っている。
J-1
ロドプシン蛋白質の4次元結晶構造解析
高度好塩菌の光駆動プロトン輸送タンパク質バクテリオロドプシン、無脊椎動物イカの視物質ロドプシンなど、
光感受性の膜タンパク質が光エネルギーを吸収し代謝エネルギーを生産し、光信号を生体信号へと変換する
分子機構を解明することを目指しています。これらロドプシン蛋白質の3次元結晶を作成し、光反応サイクルに
沿って反応中間体を結晶中で順々にトラップして構造解析を行い、タンパク質が働く様子をコンピュータ上で再
現しています
J-2
原子間力顕微鏡・電子顕微鏡による生体超分子複合体の観察
原子間力顕微鏡や電子顕微鏡は生体試料の超微細構造を可視化するのに最も直接的な手法です。本研究
では、バクテリオロドプシンが自己集合して形成するサッカーボール様球殻構造体や、ロドプシンが網膜中で形
成する超分子複合体を、これらの顕微鏡を駆使して低温下で直接観察し、その構築原理を探ります。また、さら
なる高分解能化を目指した測定装置の改良、および高分解能一分子イメージングを可能にする画像解析ソフト
の開発にも挑戦します。
●K研 (細胞情報生物物理研究室)
生命現象には、様々な時間・空間スケールにわたって情報の変換や伝達が伴います。K 研では、生体高分
子、細胞を対象として、生命現象に見られる情報変換・情報伝達の機構や過程を研究しています。分子レベル
の研究では、蛋白質の構造形成機構や複合体形成を伴う機能発現機構に焦点をあてます。一方、細胞レベル
の研究では、シナプスにおける情報伝達機構に焦点をあてます。以下、それぞれの研究テーマについて具体
的に記します。
K-1 蛋白質の構造形成/複合体形成を伴う機能発現機構の研究
蛋白質は、アミノ酸が多数連なってできた生体高分子であり、生命現象を担う機能性分子です。蛋白質が機
能を発揮するためは、ひも状の分子が折れたたみ、天然立体構造、つまり「決まったかたち」をとることが必須で
す。さらに、折れたたまった後に幾つかの蛋白質分子が集まって複合体を形成し、機能を獲得する場合もありま
す。蛋白質の構造形成・複合体形成は、生命科学と物質科学との境界に位置する現象であるにもかかわらず、
その機構はよく分かっていません。蛋白質の構造形成・複合体形成の物理化学的機構が解明されれば、生命
科学の地平線は大きく広がるはずです。物理学特別実験では、(1) 独自に開発した高速反応測定法や分光学
的手法を用いた構造形成の物理化学的機構の研究、(2) 複合体形成を伴う概日リズム機能発現機構の研究を
行います。具体的な実験内容は、以下の項目から適宜選択します。変異体蛋白質の作成とそれに伴う遺伝子
操作、蛋白質の発現・精製、蛋白質の分光学的測定、構造形成・機能解析。
K-2
シナプスにおける情報伝達機構の研究
ニューロンとニューロンの接合部であるシナプスでは、活動電位が引き金となって生じるシナプス小胞の細
胞膜との膜融合を通じて開口放出される神経伝達物質により信号が伝達されます。また、シナプスは信号を
繰り返し伝達することにより、伝達効率が変化する性質(可塑性)を持っており、これが記憶・学習など脳の
高次機能の基礎となっています。カエルの神経筋接合部シナプスを標本として、シナプス小胞の膜融合機
構やシナプス可塑性の機構について、電気生理学的測定や蛍光顕微鏡を用いたイオン動態イメージング
法により研究します。
物理学科専門科目・卒業研究
時間割コード
0623200
物理学講究
(選択必修16 単位)
4 年生通年
総括者 野尻伸一
(重力・素粒子的宇宙論研究室)
前期履修登録期間に月曜 3・4 限に登録すること。
(後期履修登録期間には履修登録の必要なし)
■本講義の目的とねらい
理論コースを選択する学生は、各理論系研究室に所属し、当該研究室の研究に関連する課題について、1
年間にわたってセミナーなどにより学習する。
■成績評価の方法
各研究室の基準により評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
●C研理論研究室セミナー(宇宙論研究室)
天体物理学の理論、特に観測的宇宙論
宇宙のエネルギー密度の7割以上が正体不明のダークエネルギーであり、2割以上が正体不明のダークマタ
ーに担われていることが近年、観測からわかってきた。宇宙の進化や構造の形成に対して、ダークエネルギー
やダークマターがどのような影響を及ぼすのかを明らかにし、観測量から逆に両者の性質に迫ること、またそれ
を通じて宇宙の成り立ちや始まりの理解を得ることが観測的宇宙論研究の使命である。
このセミナーでは、半期で英文のテキストの輪講を行い、宇宙論の基礎を学ぶ。その後、与えられたテーマに
ついて実際の数値計算やデータ解析を行い、その成果を発表してもらう。
●E研理論研究室セミナー(素粒子論研究室)
相対論的な場の量子論
素粒子論の基礎になる相対論的な場の量子論と素粒子の諸性質について、その理解を深めることを目的と
する。輪読のテキストは参加者と相談して決める。セミナーの規模は8名程度(上限 10 名)が望ましい。セミナー
参加の条件として、量子力学 I・II・III の単位を取得していることを前提にする。
セミナーの単位は、研究室で用意した複数個のテーマから各自が一つ選んでレポートを作成し、1月ごろ研
究室で発表して、それによって認定される。
● H研理論研究室セミナー(クォーク・ハドロン理論研究室)
クォーク・ハドロン物理学の基礎
クォーク・ハドロン理論の基礎として、量子色力学(Quantum Chromo Dynamics : QCD)の基本的事項を学ぶ
ことを目的とし、週 2 回、テキストを輪講することにより進める。主テキストとして、Peskin-Schroeder 著 "An
Introduction to Quantum Field Theory" (Addison-Weskley Pub.)を用いる。量子力学Ⅰ、Ⅱの単位を取得して
いることが望ましい。単位は、研究室で用意するテーマに対して作成されたレポートと発表をもとに認定する。受
け入れ可能人数としては、4人を限度とする。
●P研理論研究室セミナー(プラズマ理論研究室)
プラズマ物理学の基礎
宇宙空間や核融合における高温プラズマには、幅広い時空間スケールにおよぶ多種多様な不安定性や乱
流、衝撃波、緩和現象などが発生する。このセミナーでは、これらのプラズマ現象の研究に取り組むための基礎
理論や技法の習得を目指す。前期は、基本的なテキストを用いた輪講を行い、プラズマ物理学の基礎概念や理
論について学習を進める。後期は、より具体的な研究テーマに関連したテキスト・文献を用いた学習、もしくは数
値計算を用いた解析を行う。さらに、これらについてのレポートを提出するとともに、その成果発表を行う。
●QG 研理論研究室セミナー(重力・素粒子的宇宙論研究室)
素粒子模型に基づく宇宙論,ならびに重力が支配的な役割を果たしている物理現象についての研究を行う
基礎として、場の量子論、素粒子論、一般相対性理論を学ぶ。前期は場の量子論及び一般相対性理論につい
て、並行して、テキストを輪講する。また、後期には、テキスト以外に適当な資料を使い、参加者と相談の上決め
たテーマについて詳しく学ぶ。これに基づき作成されたレポートと発表を基に単位を認定する。参加者は、解析
力学や特殊相対性理論を含む力学、電磁気学、量子力学、統計力学を習得していることを前提とする。
●R研理論研究室セミナー(非線形物理研究室)
前期は、R. Zwanzig “Nonequilibrium Statistical Mechanics” (Oxford)または、R. Kubo et al. “Statis
tical Physics II” (Springer)の輪講を行い、非平衡・非線形物理学の基礎を学ぶ。後半は、各学生がスタッ
フ(宮崎)と相談して、より具体的なテーマについて論文の輪講や初歩的な研究に取り組む。 最後に、その
成果を卒業レポートとしてまとめ、研究室内のセミナーで発表する。受け入れ人数は最大で4人とする。
● S研理論研究室セミナー(物性理論研究室)
前期はテキスト(例:Feynman “Statistical Mechanics”)を用いてセミナーを行い、統計力学、多体問題
理論の基礎を学ぶ。後期には、各人が教員と相談して適当なテーマを選択し、教科書や論文を読んで理解
を深め、その成果の発表を行う。
受け入れは新4年生8名まで。統計物理学I、IIの単位を取得していることが必要である。
● Ta研理論研究室セミナー(理論宇宙物理学研究室)
宇宙物理学の基礎理論と数値解析
基礎物理学を応用することによって、種々の宇宙物理学現象が解明される。このセミナーでは、最新の宇
宙物理学のトピックスの中から興味深いテーマを選び、初等的な研究に取り組む。前期は基本的なテキスト
を輪講して基礎を習得する。後期は、数値計算の基本的技法を学び、具体的なテーマについて解析を行
い、その成果を発表してもらう。取り組む研究テーマの選択の際は、学生諸君と協議する。
●TB研理論研究室セミナー(理論生物化学物理研究室)
生体機能の統計力学と電子論
生物の活動を原子レベル・電子レベルで眺めてみると、原子核の熱揺らぎや電子の運動と分子の運動が
協奏した巧妙な仕掛けが見えてくる。統計力学と量子力学を駆使すれば、生命活動のしくみを物理の言葉
で理解することができる。生体機能の立役者は生体高分子。その物性やはたらきには数多くの謎があり、理
論、実験、そして計算機実験の三位一体となった研究が盛んに繰り広げられている。セミナー前半では、テ
キスト、コンピュータ、インターネットを利用して生体機能の分子論について基礎勉強する。そして、コンピュ
ータの中で生体高分子に"触ってみる"。セミナー後半では課題を決めて卒業研究を行い、生体機能の分
子機構のより深い理解を目指す。受入人数は6名程度が適当である。
●Ω研理論研究室セミナー(銀河進化学研究室)
銀河とは、星とガスと暗黒物質からなる巨大な構造で、宇宙論的なスケールでの基本単位となる天体である。
宇宙誕生当時の物質分布はほぼ一様であり、銀河のような天体は存在していなかったのに対し、現在の宇宙に
は数多くの銀河が存在し、豊かな構造を形作っている。また、地球のような惑星や我々の体を形作っている重元
素は宇宙初期のビッグバン元素合成では生成されず、星の中心部で起きる核融合反応で合成され、星の死とと
もに銀河内の星間空間に供給されたものである。このように、宇宙の歴史の中で銀河がどのように形成され、進
化してきたかは現在の天体物理学で最も重要な課題の一つである。当研究室は、紫外線と赤外線、および電波
を中心に、様々な波長にわたる観測データを元にして宇宙年齢全体にわたる銀河の形成と進化の解明を目指
している。研究手段は観測データの解析および理論モデル化である。本講究でも大学院生と同様、当研究室の
国際共同研究で得られた最新の観測データを用い、銀河の星形成や重元素合成などに関する研究を行って卒
業論文とする。4 年生でも到達レベル次第では学術論文化できるようなテーマを選ぶ。逆に、データに対して責
任を持って研究をしてくれる学生を歓迎する。基礎物理学の知識をバランスよく身につけていることが望ましい。
現在スタッフ 1 名の小規模な研究室であるため、2 名を標準的人数としたい。
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0621200
物理学セミナーI-1
(選択必修4単位)
4年生前期火曜3・4時限目
A420 講義室
上羽牧夫(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
物質科学の基礎である固体物理学を含む凝縮系物理学全般についての理解と基礎知識を充実させ,
討論を通じて深い思考力を涵養することを目的とする.
■授業内容
下記の教科書の輪講を行う.
■到達目標
文献の正確な読解,内容の的確な要約と発表,生産的な討論の方法の技術を身につける.
■成績評価の方法
出席はもちろんのこと,発表の内容と討論への寄与による.
履修取り下げ制度を用いる(規定の手続きに従う).
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ手続きをすれば「欠席」,手続きをせずに欠席が多い場合には「不合格」となる.
■教科書
G. ストローブル著
善
(田口健,深尾浩次訳) 「凝縮系物理学―結晶からソフトマターへ―」 丸
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
http://slab.phys.nagoya-u.ac.jp/uwaha
email: [email protected]
■履修要件
量子力学 I,II,統計物理学 I-III の内容をマスターしていること.
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
phone:052-789-2874
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0621600
物理学セミナーⅢ-1
(選択必修4単位)
4年生前期火曜3・4時限目
A417講義室
前川展祐(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
素粒子論的宇宙論のテキストを輪講することにより、基礎的知識とその応用を理解しつつ、論理的
な説明能力や議論する能力を養う。
■授業内容
テキストを輪講する。
■到達目標
宇宙論の基礎を学ぶことでこれまで学んだ物理学の基礎の応用を理解し、素粒子論的宇宙論を理解す
るとともに論理的説明能力や議論する力を身につける。
■成績評価の方法
発表、質疑、討論への参加を評価する。また、レポート課題による評価をする場合も有り得る。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
"The Early Universe", (Edward W. Kolb and Michael S. Turner 著、1990、Addison-Wesley
publishing company)もしくは、"Modern Cosmology"、(Scott Dedelson 著、2003、Academic P
ress)
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワー 月 14:00-15:00
連絡先
[email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
量子力学 I,II,III、素粒子物理学 I,II、原子核物理学 I,II、統計物理学 I,II,III
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0621800
4年生前期金曜3・4時限目
B504講義室
物理学セミナーIV-1
(選択必修4単位)
岡本祐幸(榮 慶丈)(理論生物化学物理研究室)
■本講義の目的とねらい
本セミナーでは分子科学の分野などで必要とされるコンピュータシミュレーションへの理解を目
的とし,特に計算機科学的な側面に着目した学習をおこなう。
■授業内容
テキストを輪読形式で学ぶ。
(内容)
1.計算機科学の基礎
2.プログラムの基礎
3.コンピュータによる分子の構造情報解析
4.分子の電子状態計算とシミュレーション
■到達目標
コンピュータの基本構造やプログラムの仕組みを理解すること。そのうえでコンピュータを用いた分
子の取り扱いができるようになること。
■成績評価の方法
出席、発表および議論への参画状況により総合的に評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
開講時に決める。
■参考書
特になし。
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
e-mail: [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
原則的に許可する。
■その他
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0622000
4年生前期金曜3・4時限目
B510講義室
物理学セミナーV-1
(選択必修4単位)
前山伸也(プラズマ理論研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙や実験室のプラズマ現象は、荷電粒子の集団運動により多様で複雑な振る舞いを示すため、理
論解析とともに数値計算を用いた解析が重要となる。このセミナーでは、プラズマ物理の基礎的な
理論構成と数値解析手法を学ぶとともに、輪講を通じて発表や議論を行う能力を身に着ける。
■授業内容
教科書/参考書などの文献を使い、テーマを選んで輪講を行う。その内容を持ち回りで発表するとともに、出席者で
議論を行う。また、テーマに関連した数値解析の実習を行う。
■到達目標
プラズマ物理の基礎的な理論構成と数値解析手法を習得する。
問題を正確に理解し、分かりやすく説明することができるようになる。
議論を通じて異なる考え方を学ぶことができるようになる。
■成績評価の方法
出席状況とセミナーにおける発表や議論の内容を評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げの場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
教科書および各自の担当課題は開講時または講義期間中に相談して決める。
■参考書
Francis F. Chen, "Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion", Springer.
Paul M. Bellan, "Fundamentals of Plasma Physics", Cambridge University Press.
Richard D. Hazeltine and Francois L. Waelbroeck, "The Framework of Plasma Physics", Westv
iew Press.
Francis F. Chen(著), 内田岱二郎(訳),「プラズマ物理入門」, 丸善.
菊池満,「物理学と核融合」, 京都大学学術出版会.
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
開講時に連絡する。
■履修要件
特になし。
■関連する科目
プラズマ物理学 I
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・セミナー
時間割コード
0622200
物理学セミナーVI-1
(選択必修4 単位)
4年生前期火曜3・4時限目
A414講義室
金田英宏(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
宇宙で見られるさまざまな物理現象の基本を総合的に理解する。
■授業内容
下記の教科書から基本的な章、あるいは各自興味のあるテーマを含んだ章を選択して、輪読する。毎回、発表担当者
を決め、それぞれが理解した内容をプレゼンテーションする。その発表内容をもとに参加者全員で議論する。
■到達目標
これまでに学んだ物理学の基礎知識を、具体的な天体現象に応用して、広い視野で理解する。口頭発
表、および討議の能力を養う。英語で書かれた宇宙物理の教科書を読むことで、専門用語を習得する。
■成績評価の方法
出席状況、発表内容、議論への参加・貢献度で評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げの場合は「欠席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」
とする。
■教科書
Astrophysical Concepts (fourth edition), Martin Harwit (Springer)を予定。
■参考書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
E-mail: [email protected]
■履修要件
特に無し
■関連する科目
宇宙物理学 I、II
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620300
4 年生前期火曜 1 時限目
C5 講義室
量子力学 IV
(選択2単位)
紺谷 浩(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
金属中の電子や液体ヘリウムなどの多体粒子系では、少数粒子系とは質的に異なる興味深い現象が
現れる。さらに粒子間相互作用の存在が豊かな物理現象をもたらす。本講義ではこうした多体粒子
系を取り扱うための量子統計力学的手法を解説する。まず第二量子化を学習し、電子ガスや超伝導
モデルなどにおける多体問題の基礎を解説する。
■授業内容
1.第2量子化
多粒子系の波動関数(フェルミ粒子系、ボース粒子系)
生成消滅演算子、場の演算子
2.多粒子系の量子統計力学入門
モデルハミルトニアン(電子ガス、ハバードモデル)
平均場近似、ハートリーフォック近似
金属強磁性、超伝導(BCS理論)
線形応答理論
■到達目標
第2量子化法に習熟し、平均場理論を駆使できるようになる。
■成績評価の方法
出席点、レポートによる。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
期末レポートを提出しない者は欠席とする。履修取り下げ制度を用いる場合は「欠席」とし,それ以外
の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
フェッター、ワレッカ「多粒子系における量子論」(松原、藤井 訳 (マグロウヒル))
山田 耕作 「電子相関」(岩波)
斯波 弘行 「固体の電子論」(丸善)
ティンカム 「超伝導現象」(産業図書
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
Web: http://www.slab.phys.nagoya-u.ac.jp/kon
木曜日12:00-13:00
■履修要件
なし
■関連する科目
量子力学 I,II,III; 統計物理学 I,II,III
■他学科学生の聴講について
可
■その他
email: [email protected]
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0620600
統計物理学 IV
(選択2単位)
4年生前期金曜1時限目
B4 講義室
上羽牧夫(物性理論研究室)
■本講義の目的とねらい
統計物理学IIIまでの平衡系統計熱力学の内容を発展させて物性記述の方法を学び,深い思考力を涵
養する.また非平衡系の統計力学の中から具体的な問題を選んで,いくつかの基本的な方法を解説
し,基礎知識の充実を図る.適宜,新しい話題も紹介する.
■授業内容
1.密度行列と統計力学
2.構造因子と相関関数
3.物質の構造
4.相転移と秩序状態
5.非平衡系
[密度行列による系の記述,熱平衡状態の密度行列,統計力学のまとめ]
[散乱実験と構造因子,密度相関関数,古典系における相関関数の統計力学的表式]
[液体と気体,固体(結晶),液晶とガラス,一様でない物質(フラクタルと鎖状高分子)]
[磁性体の相転移,相転移の現象論]
[線形応答理論,Brown運動とゆらぎ,確率過程のモデル]
■到達目標
1.統計力学の形式を用いて物質の構造や物性を記述する方法を理解する.
2.相転移や非平衡現象の基本的な概念と記述法を身に付ける.
■成績評価の方法
聴講状況およびレポート.
履修取り下げ制度を用いる.
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
文書で履修取り下げ手続きをすれば「欠席」,手続きをせずに欠席が多い場合には「不合格」となる.
■教科書
講義ノートをウェブ上に掲載する.
■参考書
1. L. D. ランダウ,E. M. リフシッツ,「統計物理学」(岩波書店, 東京, 1980).
2. P. M. Chaikin and T. C. Lubensky, `Principles of condensed matter physics',
(Cambridge University, Cambridge, 1995).
3. R. P. Feynman, "Statistical mechanics", (Benjamin, Reading, 1972).
4. 北原和夫,「非平衡系の統計力学」(岩波書店,東京,1997).
5. N. Goldenfeld, `Lectures on phase transitions and the renormalization group',
(Addison-Wesley, Reading,1992).
6. 宮下精二,「熱統計力学」, (培風館,東京,1993).など
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
http://slab.phys.nagoya-u.ac.jp/uwaha
email: [email protected]
■履修要件
統計物理学 I-III の内容をマスターしていること.
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
phone:052-789-2874
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624400
物性物理学Ⅲ
(選択2単位)
4年生前期木曜2時限目
B4 講義室
小林義明(固体磁気共鳴研究室)
■本講義の目的とねらい
1911年、Heike Kamerlingh OnnesらよるHgでの超伝導発見。それから100年が過ぎ、最大~160Kの超伝導
転移温度Tcを示す銅酸化物高温超伝導や、これに次ぐ高いTcをもつ鉄砒素系超伝導、そして有機超伝導
体や重い電子系の超伝導体など様々な強相関電子系で超伝導は発現し、金属状態にある物質の基底状態
の一つと考えられる。Hgのように、従来型発現機構である電子格子相互作用でも高い Tcが見出されて
いる。超伝導物質の研究を通して、超伝導ゆらぎ、異方的超伝導、磁束の物理、巨視的量子トンネル効
果、新しい超伝導発現機構などの基礎物理概念の確立、そして超伝導磁石、超伝導量子干渉計、高周波
フィルターなど応用でも新しい展開が現れている。超伝導の発現には何が必要なのか?、この物理的考
え方がどのような新しい物理をもたらしたのか?また、超伝導の実用化の問題点はどこにあるのか?を
知ることを目的として、必要な超伝導の基礎を説明する最前線の超伝導研究や、超伝導の概念から派生
した超伝導以外の物理の研究へと話を続け、それぞれの研究で何がポイントかを説明する。物理の基礎
と研究の現場とのつながりに注意し、講義する。
■授業内容
1.金属中の電子の振舞い(物性物理学Ⅰ、Ⅱの復習を兼ねる)
2.超伝導現象の基礎
2-1超伝導の発見、その特徴的な性質(電気抵抗ゼロ、永久電流、マイスナー効果、
臨界磁場、臨界電流)
2-2超伝導の分類(第1種超伝導体と第2種超伝導体、渦糸状態、磁束格子)
2-3超伝導の熱力学
2-4二流体モデルとロンドン方程式(磁場進入長)、ピパードの現象論
3.BCS理論(超伝導の微視的理論)
3-1クーパー対
3-2BCS基底状態とその励起状態(超伝導准粒子、超伝導秩序パラメータ)
3-3BCS理論より導かれる様々な熱力学量
3-4外場に対する応答(超伝導準粒子の遷移確率)
3-5準粒子トンネル
4.GL理論(強力な現象論)
4-1量子統計・相転移現象(統計物理の復習を兼ねる)
4-2ギンツブルグ-ランダウ方程式(ゲージ対称性、GL方程式の解、磁束の量子化)
5.超伝導の位相と干渉(ジョセフソン効果、超伝導量子干渉計)
6.エキゾチック超伝導 6-1強結合理論
6-2様々なエキゾチック超伝導体(銅酸化物高温超伝導体、鉄系超伝導体、
異方的電子対形成、それらの現状)
7.他のトピックス
■到達目標
1.超伝導発現機構の理解を通して、相転移現象の基本的な考え方を知る。
2.それが最前線の研究とどう繋がるのかを理解する。
■成績評価の方法
出席とレポートによる評価を主として、成績を決定します。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用います。取り下げの場合、欠席とみなします。それ以外の成績不良者は「不合格」と
する
■教科書
特に指定しない
■参考書
立木 昌ら編「高温超伝導の科学」裳華房、M. Thinkham「超伝導入門」吉岡書店、福山秀敏ら「大学院物
性物理2」講談社、恒藤敏彦「超伝導・超流動」岩波書店、御子柴宣夫ら「超伝導物理入門」培風館、家
泰弘「超伝導」朝倉書店、Kittel「固体物理学入門」丸善、など。有用な解説記事は随時紹介する。
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
木曜日の授業後、(お昼の時間も含めて)18時までOK。他の曜日、時間での質問は、事前にメールで連絡
をお願いします。・Web page[http://i-ken.phys.nagoya-u.ac.jp/index_j.html]・
連 絡 先 : e-mail[[email protected]] 、 居 室 [ 理 学 館 3 階 309 号 室 、 内 線 2853 、 携 帯 か ら は
052-789-2853]
■履修要件 特になし
■関連する科目 電磁気学、量子力学、統計力学
■他学科学生の聴講について 歓迎する
■その他
授業時の疑問はその日のうちに解決できるように努力すること。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0624500
物性物理学Ⅳ
(選択2単位)
4年生後期木曜2時限目
B4 講義室
谷口博基(機能性物質物性研究室)
■本講義の目的とねらい:
誘電体は絶縁体としての電子構造を持ち、外部電場を印加することで物質内部に誘電分極を生じる。
この誘電的応答は、現在コンデンサーやセンサ、フィルタ等として広く応用されている。誘電体の
機能物性においては、格子振動や構造相転移が重要な役割を担う。本講義では、誘電体の基本的な
性質を概説し、特に物質中の格子振動及び構造相転移と誘電体物性の相関に関する基礎を学ぶ。
■授業内容:
0. 誘電体物理の基礎
0-1. 誘電体の基本的性質とその応用
・いろいろな誘電分極(配向分極・変位分極・電子分極、自発分極など)
・いろいろな誘電体(常誘電体・強誘電体・反強誘電体、焦電体、圧電体など)
0-2. 物質の対称性と誘電体
0-3. 揺らぎと秩序形成
1. 格子振動と誘電体
1-1. 格子動力学の基礎
1-2. 格子振動と誘電的応答の相関
2. 構造相転移と誘電体
2-1. 誘電体相転移論
2-2. 構造相転移と誘電的応答の相関
3. 誘電体研究の最新トピックス
■到達目標:
誘電体における機能的物性のメカニズムを、格子振動及び構造相転移との関連より理解する。
■成績評価の方法:
主に出席とレポートによって評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準:
履修取り下げ制度による場合は「欠席」、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書:特になし
■参考書:
徳永正晴著「誘電体」(培風館)、中村輝太郎著「強誘電体と構造相転移」(裳華房)、作道恒
太郎著「固体物理 ~格子振動・誘電体~」(裳華房)、沢田正三・高木豊共著「磁性体・誘電
体の物性工学」(オーム社)、M. E. Lines and A. M. Glass「Principles and Applications of Fe
rroelectrics and Related Materials」(Oxford Univ Pr on Demand)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先:
http://vlab-nu.jp/・理農館3階 SA304(内線5110)・[email protected]
■履修要件:特になし
■関連する科目:電磁気学、熱・統計力学、量子力学
■他学科学生の聴講について:可
■その他
本講義は物性物理学 V と隔年で交互に開講。本講義は 2016 年度休講。
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625100
4年生前期火曜2時限目
B4 講義室
素粒子物理学Ⅱ
(選択2単位)
早川雅司(素粒子論研究室)
■本講義の目的とねらい
現時点でミクロな法則を記述する上での「言語」に関する場の量子論の基礎的概念• 基礎知識を習
得するとともに、考察力を鍛錬することができる。
なお、本講義は、大学院講義「場の理論1」との共通講義である。従って、「素粒子物理学Ⅱ」と
して単位を取得する場合、大学院の単位として取得できない。
■授業内容
以下の内容を予定している:
1. 素粒子理論と場の量子論
2. 一次元の場の理論と量子化条件
3. ローレンツ群とその表現
4. 自由スカラー場の量子化
5. 正準形式によるスカラー場の量子化
6. S行列、LSZの還元公式, グリーン関数
7. 経路積分量子化
8. 摂動論、ファインマン則
9. 繰り込みの第一歩
なお、進行具合に応じて内容を一部変更する場合がある。
■到達目標
スカラー場の量子化を通して場の量子論の枠組みと摂動的計算法に関する基礎的事項を習得する。
■成績評価の方法
出席状況及び、授業で説明される基礎的事項• 応用問題に関するレポートの内容で評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は採用しない。
■教科書
なし。
■参考書
九後 汰一郎、ゲージ場の量子論(1), (2), 培風館
A.M.Polyakov, Gauge Fields and Strings, CRC Press
S.Weinberg, The Quantum Theory of Fields: Volume 1, Foundations, Cambridge University Press
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
火曜日、13:30〜15:00 [email protected]
■履修要件
量子力学、解析力学の基礎的事項を習得していること。
■関連する科目
量子力学 I、II、解析力学 I,II
■他学科学生の聴講について
可
■ その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0626000
宇宙物理学Ⅲ
(選択2単位)
4年生前期金曜2時限目
B4 講義室
関 華奈子(齊藤 慎司)
(太陽地球環境研究所
太陽宇宙環境物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
太陽系内、特に太陽・太陽風中で生起するプラズマ現象を取り上げ、最新の人工衛星観測や数値シ
ミュレーション結果による実例を示しながら、宇宙空間プラズマの基本的な性質および物理的記述
方法の基礎を学ぶ。
■授業内容
1. 序論
2. プラズマの基礎概念
デバイ遮蔽、プラズマ振動、プラズマ中の電磁波
3. 荷電粒子の運動
ラーモア運動、背景電磁場中のドリフト運動
4. プラズマ中の波動
冷たいプラズマ中の波動およびその分散関係
5. 磁気流体力学
基礎方程式系、磁力線凍結、磁気流体波動
6. プラズマ運動論
ランダウ減衰、運動論的不安定性
7. 太陽プラズマの物理
太陽大気構造、活動現象(太陽フレア、コロナ加熱など)、磁気再結合
8. 太陽風プラズマの物理
太陽風構造、プラズマ乱流、波動粒子相互作用
9. 太陽活動と地球磁気圏
宇宙天気、太陽活動に対する地球磁気圏への影響(磁気嵐、サブストーム、放射線帯など)
■到達目標
宇宙空間プラズマの基本的性質および物理的記述方法の基礎を習得し、太陽を起因とする無衝突プラ
ズマ系諸問題の概要を理解する。
■成績評価の方法
提出課題(レポート)と出席状況による。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
講義出席回数が6回未満の場合には、「欠席」扱いとします。講義に6回以上出席した後に履修を取り
止めた場合には、レポート未提出により「不合格」となりますので、履修取り下げ手続きをしてくださ
い。
■教科書
■参考書
・「プラズマ物理入門」 F. F. Chen著、内山岱二郎訳 (丸善)
・ 「Plasma Dynamics」 R. O. Dendy著 (Oxford Science Publications)
・ 「Plasma Physics for Astrophysics」 R. M. Kulsrud著 (Princeton University Press)
・ 「WAVES IN PLASMAS」 T. H. Stix著 (AIP Press)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
金曜日13:00~17:00 (事前にご連絡ください)
http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/index-j.html
太陽地球環境研究所総合解析部門 Email: [email protected]
■履修要件
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0625400
4年生前期水曜2時限目
A422講義室
生物物理学Ⅱ
(選択2単位)
倭
剛久(理論生物化学物理研究室)
■本講義の目的とねらい
生命現象の素過程を物理の言葉で記述するための基礎的な素養を身につけ、深い思考力と広い視野
を養う。
■授業内容
1.物質の電子状態・構造・ダイナミクス
2.物質の状態変化
3.光と物質の相互作用
4.液体論
5.電子移動・プロトン移動・エネルギー移動
6.生物物理学とは?
■到達目標
力学、電磁気学、統計力学、および量子力学を使ってタンパク質が働く仕組みを理解する。
■成績評価の方法
学期末にレポート、もしくは試験を行う。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を採用する。履修取り下げ制度による場合、および試験欠席者(レポート未提出者)
は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
特になし。
■参考書
光・物質・生命と反応(上/下)・垣谷俊昭著(丸善)、タンパク質の立体構造入門— — 基礎から構
造バイオインフォマティックスへ・藤博幸編(講談社サイエンティフック)ほか
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
http://www.tb.phys.nagoya-u.ac.jp/~yamato, [email protected]
■履修要件
特になし。
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
原則的に許可する。
■その他
物理学科専門科目・講義
時間割コード
0630300
物理的運動学
(選択 2 単位)
4年生前期月曜2時限目
B4 講義室
犬塚修一郎(理論宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
これまでに学んだ基礎物理学を組み合わせて、身近な自然現象を理解する。特に、気体を記述する
さまざまな近似レベルの支配方程式を導き、物理学の階層構造について理解する。また、物理学に
現れる種々の偏微分方程式の性質を理解し、物理現象の本質をとらえる。
■授業内容
1 気体分子運動論
1.1 ボルツマンの輸送方程式
1.2 H定理(熱力学第2法則)
1.3 巨視的方程式への移行
完全流体力学で記述される現象
完全流体力学の破綻と散逸項を含む方程式系の導出
1.4 散逸現象(粘性・熱伝導)
1.5 多種粒子系における拡散現象
2 流体力学等の巨視的方程式
2.1 衝撃波と輻射冷却
2.2 特殊相対論と電磁気学
2.3 磁気流体力学
■到達目標
身近な自然現象を記述する物理学の階層構造を理解し、その記述に使われる種々の偏微分方程式の性
質を捉え,現象の本質を直観的に理解する。
■成績評価の方法
期末試験もしくはレポートによる。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げを行う場合には履修取り下げ届を 5 月末までに提出すること。履修取り下げの場合は「欠
席」とし,それ以外の成績不良者は「不合格」とする。
■教科書
特になし
■参考書
ランダウ=リフシッツ物理学小教程「力学・場の理論」(ちくま学芸文庫)
ランダウ=リフシッツ物理学小教程「量子力学」(ちくま学芸文庫)
ランダウ=リフシッツ「物理的運動学」(東京図書)
ファインマン物理シリーズ(岩波書店)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
オフィスアワーは Web ページに記載
<http://www.ta.phys.nagoya-u.ac.jp/inutsuka/lect/index.html>
[email protected]
■履修要件
特になし
■関連する科目
電磁気学、統計物理学、量子力学Ⅰ、Ⅱ、数理物理学Ⅰ、連続体力学、プラズマ物理学I、宇宙物理学
■他学科学生の聴講について:可
■その他
物理学科専門科目・講義・実習
時間割コード
0627500
原子核物理学各論
4年生集中講義
講義:講義室は後日掲示
実習:RI センター
(選択1単位)
北口雅暁(素粒子物性研究室)
■本講義の目的とねらい
広く物理学の基礎的実験手段として使用される放射線・X線に関する基礎知識を講義により学ぶ。
また、その安全な取り扱い方や、放射線計測方法を実習で体験する。本講義を通じて、今後安全に
放射線、X線を用いた実験が行えるようになることが目的である。
■授業内容
安全に放射線、X線を扱うための基礎知識を学ぶ講義と、計測機器を使った放射線計測実習からなる。
講義:
1.放射線・X線の人体に与える影響
2.放射性同位元素および放射線発生装置の安全な取り扱い
3.X線発生装置などの安全な取り扱い
4.放射性同位元素などによる放射線障害の防止に関する法令
5.放射線・X線障害予防規定
■到達目標
本講義の単位取得により、理学部の密封限定放射線取り扱い講習の修了書が交付される。修了書は学
内での放射線・X線の取り扱いだけでなく、外部の研究機関(高エネルギー加速器研究機構、岡崎や
播磨の放射光実験施設、原子炉など)で行う物理実験での放射線作業従事者の認定のためにも必要で
ある。4年生実験や、大学院進学の際の研究で、放射線作業従事者資格(放射線・X線の取り扱いに
必須)が必要な人の受講を勧める。(分からない人は、各研究室の教員に確認すること)
■成績評価の方法
講義及び実習に対して、レポートを課す。レポートの内容と共に実習の活動状況も評価の対象となる。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度は用いない。講義または演習を欠席した場合、成績を「欠席」とする。
■教科書
授業時に専用の資料、冊子を配布する。
■参考書
放射線取り扱いの基礎-アイソトープからX線・放射光まで-
西澤邦秀編;名古屋大学出版会
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
内線:5493
E-mail:[email protected]
■履修要件
本講義の受講者は、年度始めの特殊健康診断(眼、皮膚、血液)の受診が必要である。また、特別健康
診断後、問診票のコピーを物理事務に提出すること。問診票の提出が無い場合、受講できないので注意。
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
■その他
具体的な講義日程、実習グループなどは後日掲示する。
物理学科専門科目・講義・実習
時間割コード
0630500
地学集中実験
(選択1単位)2011 年度以降入学者
3年生集中講義
講義室は後日掲示
金田英宏(石原大助)(宇宙物理学研究室)
■本講義の目的とねらい
天体の観測データを解析し、星惑星形成や超新星爆発などの、宇宙で見られる天体現象を、物理的
に考察する。また、データ解析を通じて、望遠鏡と観測装置の仕組みを理解する。
■授業内容
(1) 「あかり」赤外線宇宙望遠鏡や、名古屋大の南アフリカ望遠鏡IRSFで取得した、天体観測データを解析する。デ
ータ解析作業を通じて、望遠鏡と観測装置の仕組みを理解する。
(2) 解析した天体画像を用いるとともに、NASAやESAが提供する天体のデータベースを活用し、天体現象を物理的に
理解する。
■到達目標
天体観測の原理や天体現象を、物理的に理解し、人に分かりやすく説明する。
■成績評価の方法
出席・レポートにより評価する。
■履修取り下げ制度および不合格(F)と欠席の基準
履修取り下げ制度を用いる。履修取り下げ制度による場合は「欠席」とし、それ以外の成績不良者は「不
合格」とする。
■教科書
特に指定しない。
■参考書
Michael A. Seeds, Dana E. Backman 著 有本信雄 監訳
「最新天文百科 宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス」(丸善株式会社)
家正則・岩室史英・舞原俊憲・水本好彦・吉田道利 編
「シリーズ 現代の天文学15 宇宙の観測I - 光・赤外天文学」(日本評論社)
■担当者のオフィスアワー・Web ページ・連絡先
石原大助 オフィスアワー 随時、事前に電子メールで都合を問い合わせること
連絡先 [email protected]
■履修要件
なし
■関連する科目
■他学科学生の聴講について
可
■その他
- 具体的な講義日程は後日掲載する。
- 教職科目。
本集中実験は1年次の「地球科学実験」を履修できなかった学生を対象にした教職用
の科目である。履修希望者はあらかじめ物理事務室に申し出ること。
物理学科専門科目・集中講義
時間割コード
0627900
生物物理学各論
(選択1単位)
4 年生集中講義
桑島邦博(総合研究大学院大学)
4年生向けの集中講義ですが、3年生も受講可能です。ただし、同じ科目の集中講義を次年度以降受
講した場合は、卒業単位に認定されません。
物理学科専門科目・集中講義
時間割コード
0627700
素粒子物理学各論
(選択1単位)
4 年生集中講義
國廣悌二(京都大学)
4年生向けの集中講義ですが、3年生も受講可能です。ただし、同じ科目の集中講義を次年度以降受
講した場合は、卒業単位に認定されません。
物理学科専門科目・集中講義
時間割コード
0627800
宇宙物理学各論
(選択1単位)
4 年生集中講義
百瀬宗武(茨城大学)
4年生向けの集中講義ですが、3年生も受講可能です。ただし、同じ科目の集中講義を次年度以降受
講した場合は、卒業単位に認定されません。
●これらの集中講義3科目については、実施時期が未定である。実施日が決定次第、物理事務室前に
掲示および物理学教室ホームページ(学内向け情報→行事スケジュール→特別講義)に掲載するので、
各自確認すること。