第四章:電車で GO!さがみはら

第四章:電車で GO!さがみはら
「現状:解消されない慢性的渋滞」
相模原市は東京近郊のベッドタウンとして近年開
発が進み人口も急増。その結果、鉄道網の恩恵を
受けない人が増加しました。
そうなるとマイカーの利用が増加。国道 16 号線
の混雑もひどくなり迂回したり抜け道を通る事から
その周辺道路も含め慢性的な渋滞に巻き込まれ
る割合が増えています。
折角のバス路線も渋滞により決まった時間に到
着(定時性確保)が困難となり到着時間の遅延、夜
型社会の進展とバス営業時間とのミスマッチで利
用者は減少を続けています。それがマイカーの利
用促進→交通渋滞→マイカー利用促進と悪循環
になっています。
出典:相模原市 HP
(1)新交通システムの妥当性
■相模原市が進めるデュアルモードシステム
それに対して相模原市が打ち出しているのが新交通
システムの建設で市がまとめた「相模原市都市モノレー
ル等調査報告書」によれば対費用効果の観点からシス
テムとしてデュアルモードバスを採用。
相模大野から北里大学を経由し原当麻まで通すとい
うもの。将来的に更に上溝又は相模原方面まで通す遠
大な計画であり、総額 500 億円が見込まれています。
ところで総額 500 億円なのに地方負担額はなぜ 274
億円なのでしょう?津久井との合併により最大で支払
額の 70%が国に地方交付税交付金で支払ってもらえる
合併特例債を使っての建設をたくらんでいるからです。
【ガイドウェイバス建設概要】(単位・億円)
北里~原当麻間地表整備
軌道整備費
約 410
道路整備費
約 90
合計
約 500
この新交通システムを採用した名古屋の志段味線は
地方負担額
274
2001 年開業で 2005 年度決算は 19 億円の当期損失。
当然に債務超過で純粋な民間企業であれば既に倒産しています。毎年、名古屋市から多額
の補助を受けても「大赤字のシステムを相模原市に持ち込もうとしている」のです。2005 年予
算で津久井のバス路線 2 本を残すのに 650 万円、「コミュニティバス」の運営費が 1,500 万円
「新交通システム」は「検討作業だけ」で 1,200 万円も使っており並々ならぬ執念を感じます。
市単独事業より負担が少ないとしても借金(合併特例債)で作ることには変わりはありません。
又、合併特例債はハコモノ建設には使えますが運転資金などには使えない、つまり赤字に
なっても補てんには使えないということです。そして地方交付税交付金の原資は結局、私達
の税金でありバブル期の巨大ハコモノ建設の過ちをまたしても繰り返すのでしょうか。
■相模原市で推奨する鉄道サービスとは?
私は前回「相模原市再生プログラム」で代案として PFI(民間資金等活用事業)方式による
LRT(低床路面電車)の採用。建設ルートとして相模大野~上溝~相模原を提唱しました。
しかしながら昨今の横浜市営地下鉄の民営化検討、実質的な川崎市営地下鉄の建設凍結、
そして鉄道全体の利用者数が減少(H5 年・228 億人→H14 年・216 億人)していく中、相模原市
内で完結する交通システムは採算面で非常に不安を感じるようになりました。新線建設に関して
は下記のような都心に直結する路線の延長、既存線の改良に専念した方が良いと考えます。
①小田急多摩線の延伸(唐木田~相模原~上溝)
②JR 相模線運行時間短縮のための上溝駅行き違い施設整備、作の口・磯部新駅の設置
■米軍再編と小田急多摩線延伸計画
唐木田~相模原~上溝ルートで相模原市算定の
概算費用は約 1,150 億円。小田急電鉄が全額借入
の場合、新線建設の目安「30 年以内に期間損益が
黒字」達成は不可能としています。
代替案として地元の相模原市・町田市・神奈川県
・東京都が施設を建設、小田急電鉄がそれを借り受
け車両運行。受益の範囲内で賃貸料を支払う上限
分離方式を採用すべきかと考えます。
公設民営の上下分離方式では神戸高速鉄道がそれにあたります。神戸市などが出資した
第三セクターの神戸高速鉄道が線路・施設を保有。その施設を阪神電鉄・阪急電鉄・神戸電
鉄・山陽電鉄の民間鉄道会社が借り受け賃料を支払うというものです。採算面でも上溝に八
王子みなみ野駅と同じくディベロッパーと組みニュータウン建設を行い利用客の増加をはかる。
今回の米軍再編で相模原補給廠の野積場の一部を道路・鉄道用に 15ha、残りの野積場
部分について日米共同使用で合意、返還に伴う払い下げ費用(約 300 億円)という問題は残
っていますがようやく返還の目途が立ち小田急多摩線延伸の実現性が高まりました。現状、
相模原駅から上溝に至るまでの停車駅としてアイワールド周辺が考えられておりますがここ
は市役所・相模原郵便局・相模原警察など行政機能が集中する市役所付近に設置、周辺部
の交通渋滞を緩和し行政へのアクセスを向上させた方が全体としての効用が高いと思います。
★交通網サバイバルプラン
1)小田急多摩線の延伸促進(唐木田~淵野辺~上溝)
2)JR 相模線における行き違い施設・新駅設置を単独事業で検討