大分の火山活動史と 最近の活動 地球科学現象 • • • • • • 地球の脈動:その平穏性と突発性 平穏時の振幅と突発的極端現象の振幅 突発的極端現象は繰り返すか 繰り返すとすれば、その繰り返しの間隔は? 地球科学現象に応じた人間社会への影響: 低頻度巨大地球科学現象と巨大災害 大分県地質調査業協会技術講演会 月6日 年11 2015 11月 2015年 ビーコンプラザ、別府 竹村恵二(京都大学・地球熱学研究施設) 大分の火山・地熱・ 温泉の地球科学 大分の突発的極端現象 • 活火山の活動(由布・鶴見火山,九重火山) • 活断層の活動(朝見川断層<府内断層を含む>、 由布院断層、別府湾中央断層など:別府-万年山 断層帯> • 海溝型地震やプレート内部地震の活動 • 台風・(局地的)豪雨・竜巻・強風<極端気象> <熱・水・物質循環> 伽藍岳(別府) 伽藍岳(別府) 八丁原地熱発電所 八丁原地熱発電所 (九州電力パンフレット) (九州電力パンフレット) 大分鉱泉誌 1 大分の火山 京都大学地球熱学研究施設 ランドサット映像 2 九州地域の震源分布 九州と大分県の地質と火山 産業技術総合研究所 地震調査研究推進本部 千田(2000) 大分の第四紀 火山と活火山 九州中部に分布する 活火山:雲仙,阿蘇, 九重,由布・鶴見 大分の火山活動史 産業技術総合研究所 産業技術総合研究所 3 活火山とともに生きる別府 別府周辺の火山活動史 別府は火山の恵みとともにいきる 別府はときおり,火山災害にもであう 活火山(鶴見岳・伽藍岳・由布岳) 火山活動史 火山の恵みと災害 現在の地震活動状況と地下の様子 由布岳から鶴見岳・別府湾をのぞむ 普賢岳噴火 鶴見岳や由布岳の岩石はこれと同じ 4 別府の地質と火山 天間草原と由布岳 産業技術総合研究所 伽藍岳 志高湖と由布岳 5 由布岳北に分布する火砕流・土石流・岩屑流堆積物 別府周辺の山地に分布する火山灰 (Saito, T.) 由布岳 鬼界カルデラ 姶良カルデラ 阿蘇カルデラ 九重 別府市野口原 コンベンションセンター工事中 土石流 別府地域の岩石・分布とその時代 第 1万年前 13万年前 四 鹿鳴越火山群 78万年前 紀 260万年前 6 大分県の地震 別府の地質 産業技術総合研究所 Ohkura, T. et al. (2005) 別府周辺の微小地震からわかる温泉の源の場所 (活火山) (推定高電気伝導度部分) ↑ 地震がおこって いない場所 (Ohkura et al., 2005) 7 2011年1月27日 霧島山(新燃岳)の噴火 (気象庁ホームページ)(ブルカノ式噴火) 2011年8月27日 桜島昭和火口の爆発的噴火 (気象庁ホームページ) 2008年2月6日 桜島昭和火口の火砕流 (気象庁ホームページ) 2011年1月27日 霧島山(新燃岳) 噴煙 (気象庁ホームページより) 8 日本活火山総覧(第4版) Web掲載版 京都大学地球熱学研究施設 火山研究センター(阿蘇) (気象庁ホームページ) ライブカメラ 主な火山災害年表: 古文書などの記録により比較的記録の残っている 1600年以降に発生した主な火山災害、及び、 1950年以降に発生した複数名死亡の火山ガスに よる災害 九州:阿蘇山、雲仙岳、霧島山、 桜島、口永良部島 砂千里での記録例:1月30日 砂千里での記録例:最大振幅 10日間 火山の活動と災害 • 火山活動による災害: 過去の活動による地形・ 地質関連災害と活火山による災害 • 九州中部の活火山(阿蘇・くじゅう・別府地域) • 大分にみられる過去の火山活動と現在の影響 110の活火山のうち、2009(平成21)年、「火山防災のために監視・観測体制の充実等 の必要がある火山」として47火山が火山噴火予知連絡会によって選定されました。 現在の活火山とその周辺 九重火山 • 視点: • 過去の火山活動(起こってきたことは起こりうる こと):地質年代、地形と地質 • また活火山の活動の過去と現在:古文書と観測 • 社会条件(人間の営み)の状況 九重 硫黄山 9 伽藍岳 阿蘇4火砕流の分布:9万年前の大噴火 阿蘇1,2,3,4火砕流の噴出量 阿蘇4火砕流: 火山と地震の国(日本の自然,岩波書店,1987) >100km3 小野晃司(1996,地学事典) 100km3 町田・新井(2003,火山灰アトラス): 火砕流堆積物総量>200km3,降下火山灰体積>400km3,total>600km3 阿蘇3火砕流:小野晃司(1996,地学事典) 50km3 町田・新井(2003,火山灰アトラス): 火砕流体積>100km3, 降下火山灰体積>50km3 阿蘇2火砕流:小野晃司(1996,地学事典) 30km3 阿蘇1火砕流:小野晃司(1996,地学事典) 40km3 町田・新井(2003,火山灰アトラス):阿蘇3よりcoignimbrite ashの生産が大きい 10 ●:標高400mを超える地点での火砕流(津久見石灰鉱山) 阿蘇1,2,3,4火砕流の分布 阿蘇4テフラ 小野・渡辺(1983) 11 別府周辺の山地に分布する火山灰 由布岳 鬼界カルデラ 姶良カルデラ 阿蘇カルデラ 九重 12 災害の素因と誘因 • 誘因 • 大雨・強風・集中豪雨 (気象誘因) • 強い揺れ・地表の変位 (地震誘因) • 噴火による噴出物・揺れ・土石流(火山誘因) • 素因 • 地形・地質 • 生活様式(町の様子、建物、インフラ<ハード、 ソフト>、・・・) • 発生時期・時刻・天候 これは素因か? 自然災害の持つ意味 • 誘因となる自然現象:これは人間では変更不可 • 素因となる要因の吟味と対応:これが、災害・被害 軽減に有効 • 誘因が発生したときに、素因を含めて、ある場所や 周辺がどうなるのかを考え、準備する • 特に、地形・地質のありようは重要な情報であり、 地球科学の知識が大きく影響する • 総合的な自然と人間社会との関係を災害という面 から考える:被害想定・・・・・・ 被害想定のありかた • 誘因の特定と規模推定 • 影響素因の特定と条件設定 • 災害規模推定 国・都道府県・市町村 内閣府・国土交通省・文科省・・・・・ 中央防災会議・気象庁・地震調査研究推進本部・ 地震予知連絡会・噴火予知連絡会・ 地域防災会議・・・・・ 国の役割と地方自治体の役割 地域の役割 個人の判断 13 地球における 熱・水・物質循環と 火山・地熱・温泉 14 観る・視る・診る: 大分の火山・地熱・温泉を知る 地球の変動する様相、安定した様 相を感じること、理解すること ジオパーク:姫島,豊後大野 火山にまつわるテーマ 15
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