「親子のための運動器相談サイト」を改訂したリーフレット

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B.アイシングの方法
1.アイシングとは
氷や水などを使い、ケガをした患部を冷却することを言います。このアイシングは、ケガをした時の応急手
当の 1 つです。
2.応急手当とは
突然おこったケガに対して、病院で診察を受けるまでに行う手当てを言います。この応急手当はとても大切
です。ケガの手当てをまちがうと、ケガがひどくなったり、治りにくくなったりすることがあります。基本に
なる 4 つのことを覚えておきましょう。
ケガをしたときは、
「あ(圧迫)
れ(冷却)
やっ(休む)
3.準備するもの
4.方法
┗圧迫する
◇患部の内出血や腫れを防ぐことが目的です。氷を入れたビニール袋な
どを患部に当て、テーピングや弾性包帯で軽く圧迫します。
注意点:圧迫が強すぎると血流を悪くしたり、しびれや感覚障害がおき
た(高く)」?
ます。時々、圧迫している患部より先の皮膚の感覚や爪の色を
チェックしましょう。
┗冷却する(冷やす)
◇痛みを軽くし、内出血を防ぎ、腫れを防ぐことが目的です。ビニール
袋やアイスバックに氷を入れて、患部を冷却します。はじめは冷たい
と感じますが、やがてジンジンとした痛みが出現し、その後感覚がな
くなります。これが一区切りをつける目安です。この間は約 10~15
分です。ケガの場合は 30~60 分間隔をあけて、この行為を繰り返し
ます。
ポイント:ビニール袋やアイスバックに氷を入れたあと、袋の中の空気を抜きます。
その後、ビニール袋やアイスバックをタオルでくるみ肌に当てます。
注意点:皮膚の感覚に注意しながらおこなえば心配ありませんが、冷却したまま
眠り込むと凍傷になるので注意しましょう。
┗休む(安静にする)
◇患部の腫れや血管・神経の損傷を防ぐことが目的です。
注意点:動き回らないようにしましょう。
┗高く上げる
◇患部の腫れを防ぐことと腫れの軽減を図ることが目的です。
ポイント:クッションなどを使い、患部を心臓より高く上げるように
します。
C.ストレッチングの方法
1.ストレッチングとは
柔軟体操の一種で、筋肉や腱を伸ばして体を柔らかくすることを言います。反動の有無とその持続時間から、
2 種類に分けられます。
≪動的ストレッチング≫
“1・2・3・4”と号令をかけて反動を利用するバリスティックストレッチングや、運動やスポーツの動作
を利用するダイナミックストレッチングなどがあります。
≪静的ストレッチング≫
反動をつけずにゆっくり伸ばし、最大に伸ばした姿勢で止める方法でおこないます。この方法は、筋肉や
腱をゆっくりと伸ばすため体を柔らかくする効果が大きく、ケガの心配もなく安全です。
本手引きでは、誰でも安全に実施できる≪静的ストレッチング≫を紹介します。
2.ストレッチングの効果
①
体を柔らかくすることでケガを予防します。
②
筋肉の緊張を和らげることで心身をリラックスさせます。
③
血流が良くなり、筋肉の疲れが早く取れます。
④
関節の動く範囲が大きくなり、運動能力が向上します。
3.ストレッチングの手順
①
すぐにストレッチングをせずに、数分間は身体を大きく動かし、
大きな背伸びをして心身をリラックスします。
②
反動をつけずにゆっくり伸ばします。
③
強い痛みを感じない最大の伸張姿勢を 30〜60 秒間維持します。
最初は楽なストレッチングで 30 秒間、次にさらに伸張して少
し強いストレッチングで 30 秒間おこないます。
④
10〜30 秒間休みます。
⑤
①~④を 2~4 回繰り返します。
4.ストレッチングの注意点
┗体が温まってからおこなう
◇体が冷えた状態でストレッチングをおこなうと筋肉や腱を傷つけてしまう場合があります。
ポイント:軽いジョギングなどで体を温めてからおこなうと筋肉が伸びやすくなります。
入浴後は効果的です。
┗反動をつけずにゆっくりと
◇反動をつけてストレッチングをおこなうと筋肉や腱が伸びすぎて傷つけてしまう場合が
あります。
ポイント:体の力を抜きゆっくりと筋肉を伸ばし、軽い緊張を感じるところで 30~60 秒
程度止めるのが基本です。
┗意識して伸ばす
◇筋肉が強く緊張すると神経や脳も緊張状態になります。この状態でストレッチングをおこなうと、
筋肉や腱が効果的にストレッチングされません。
ポイント:ストレッチングをおこなう時はテレビやラジオを聴きながらではなく、目的とする筋肉
を意識することが大切です。
┗息を止めない
◇息を止めると筋肉が緊張して硬くなります。この状態でストレッチングをおこなうと
筋肉や腱が効果的にストレッチングされません。
ポイント:ゆっくり息をしながらおこないましょう。息が止まるほどでは強すぎます。
┗できれば毎日おこなう
◇最低でも週に 3 回以上おこなわないと効果が落ちる場合があります。
ポイント:1 回に長時間おこなうよりも、毎日少しずつおこなう方が効果的です。
┗全身から始める
◇全身の主な筋肉からストレッチングすることで効果的に体が柔らかくなります。
ポイント:全身の次に、運動やスポーツでよく使う筋肉や痛んだ筋肉を重点的におこないましょう。
┗簡単な姿勢から始める
◇最初から難しい姿勢のストレッチングは危険をともなう場合があります。
ポイント:最初は簡単な姿勢から始めましょう。慣れてきたら、よりストレッチング効果のある姿勢でおこ
ないましょう。
「イラスト:
『運動器のおはなし
大人も知らないからだの本』
(運動器の 10 年・日本協会監修)より引用」