有配当契約 - IAS Plus

本資料(参考和訳)は、Deloitteが2015年7月6日に実施した
ウェブキャストの投影資料を有限責任監査法人トーマツが翻訳
したものであり、原文と合わせてご利用ください。なお原文との
間に差異がある場合には、特段の記述がある場合を除き原文
が優先されます。
有配当契約
広範囲な準備とアウトリーチ
活動を踏まえた最初の一連の
決定
Francesco Nagari
Deloitte Global IFRS Insurance Lead Partner
2015年7月6日
© 2015 Deloitte LLP. All rights reserved.
目次
 最新のIASBの審議内容のハイライト
 2015年6月23日と25日に開催されたIASB会議の審議内容の詳細な分析と過去
の教育セッションの一部言及
 次のステップと今後の日程のアップデート
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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ハイライト
支持の程度は異なるものの、投票の結果3つの基礎となる決定がなされた。新しい会計アプ
ローチは、有配当契約に関する保険業界とDeloitteの提案に重要な類似性がある。
 直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチが一般的な測定モデルの修正とし
て承認された。これらの契約についてアンロックされる契約上のサービス・マージン
(以下、CSM)には、基礎となる項目の保険者持分も含む。
 無配当契約と同じモデルに従い、契約単位で時の経過に基いて有配当契約におけるCSM
を純損益へ認識する。
6月23日に開催された保険者に対するIFRS第9号適用の延期に焦点をあてた教育セッション
 基礎となる項目の一部でないデリバティブに焦点をあてた保険活動に関連するリスクの
ヘッジ
 保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用と保険者に対してIFRS第9号の適
用を延期することの利点
 保険契約の新基準書を適用する前にIFRS第9号を適用することによる影響に対処するた
めのIFRS第4号の使用
 保険業界に関しIFRS第9号の発効日を延期することの複雑性
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチ
特定の基礎となる項目からサービスに対する変動手数料を控除した額と同額を支
払う義務を生じる保険契約に対する一般的測定モデルの修正
IASBは、有配当契約とその関連する投資から生じる企業のリターンを提供される
サービスに対する対価とみる概念的基礎を検討した。
 リターンに対する持分の見積りの変動は、企業に対する対価の変動とみなされる。
 この収益はサービスが提供される期間にわたって認識しなければならない。
 企業が受け取るすべての便益は、従って、保険契約者の代わりに基礎となる項目
を保有する結果としてのみ生じる。
 この結論は、これらの投資に対する企業の支配がしばしば制約されている事実に
よって確認できる。
 結果として、投資ポートフォリオにおける企業の持分は、保険契約者に請求する
変動手数料とみなされる。
 変動手数料アプローチが選好されたことから、IASBの基準設定作業において、基
礎となる項目に対する保険者の持分の代替的概念は却下された。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチ
スタッフ提案
1. 直接連動の有配当保険契約について、IASBは一般的測定モデルを修正すべきで
ある。企業が契約から稼得すると見込んでいる手数料の見積りの変動をCSMで
調整するためである。この手数料は、基礎となる項目に係るリターンに対する企
業の予想持分から、基礎となる項目と直接対応して変動しない期待キャッシュ・
フローを控除したものである。
2. 直接連動の有配当契約を、次の契約条件を規定する契約として定義すべきである。
1. 保険契約者が、基礎となる項目の明確に特定されたプールに対する定められた
持分に参加している旨を明示している。
2. 企業が、基礎となる項目からのリターンに対する重要な持分と同額を保険契約
者に支払うことを見込んでいる。
3. 企業が保険契約者に支払うことを見込んでいるキャッシュ・フローの重要な部
分が、基礎となる項目からのキャッシュ・フローに対応して変動すると見込ま
れる。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチ
IASBの審議内容と暫定決定 – 提案1
提案1 – IASBの審議内容
 変動手数料アプローチは全般的に支持された(14ヶ月の教育セッションとアウト
リーチは報われたように思われる)。
 保証の再測定は変動手数料の測定に影響し、CSMの金額にも影響することになる。
この特徴は新しいものではなく、一般的測定モデルと整合したものである。
 有配当契約は、本質的にリスク共有の取り決めとみることができ、収益認識と関
連付けることは不適切である。
 CSMとその他の包括利益(以下、OCI)の広範な使用により、純損益計算書の重
要性が弱まることへの懸念があげられ、全体像を見渡すための開示が必要である。
 変動手数料アプローチを適用する結果として、デリバティブが基礎となる項目に
含まれるか否かを検討する必要があろう。
暫定決定
 13人の理事がスタッフ提案1に賛成し、1名が反対した。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチ
IASBの審議内容と暫定決定 – 提案2
提案 2 – IASBの審議内容
 アプローチは極めてルールベースである。
 目的、規準およびガイダンスの作成が有用であろう。
 議論のなかで、変動手数料アプローチを有配当契約の特定の特徴を反映するため
の一般的測定モデルに対する実務上の便法とみるべきかどうかについて、見解の
相違が生じた。
 経済的に類似する契約に関して同一の会計処理を達成するために、適用範囲の特
定と直接連動の有配当契約の定義を資産に連動するキャッシュ・フローを伴う異
なる種類の契約にも適用するかどうかの再検討が重要である。
 しかし、スタッフは再検討を要求すべきではないと考えている。
 2015年5月の教育セッションの際に、間接連動の有配当契約の定義が議論されて
いる。これらの契約は変動手数料アプローチの対象には含まれない。
暫定決定
 9人のIASB理事がスタッフ提案2に賛成し、5人の理事が反対した。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
© 2015 Deloitte LLP. All rights reserved.
直接連動の有配当契約に対する変動手数料アプローチ
2013年EDに対するDeloitteの提案を使用した簡単な説例
2013年ED「保険契約」に対するDeloitteのコメントレターからの抜粋
 当初認識時に通貨単位(以下、CU)100の保険料を受取る一時払有配当契約を想
定する。保険者は基礎となる内部保有のファンドに投資することが要求されてい
る。
 ファンドのリターンはファンドに留保され、その累積リターンから保険者がその
裁量により宣言した分配可能額の90%を契約者に分配する。
 保険者は契約者に支払保険料に最低でも1%上乗せすることを保証している。
 当初認識時の履行キャッシュ・フロー価値はCU92、CSMはCU8である。
 翌期において、基礎となる項目からCU10のプラスのリターンが生じ、履行
キャッシュ・フローが、将来の配当宣言の見込みにより、CU9増加する。
 保険者はCSMをアンロックし、期初残高に基礎となる項目の変動額CU10を加算
し、CU9を控除する。CSMの期末残高はCU9となる。なお、これはサービス提供
によるCSMの解放の適用前の残高である。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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有配当契約に関連するCSMの純損益の認識
投資関連サービスの提供のパターンとスタッフ提案
 保険契約が基礎となる項目からサービスに対する変動手数料を控除した額と同額
を保険契約者に支払う義務を生じさせる場合、契約は投資関連サービスと保険カ
バーの両方を提供する。
 逆に、保険契約がそのような義務を生じさせない場合は、企業はすべての投資関
連活動を自己勘定で請負い、保険契約者には裁量によるリターンを提供する。
 有配当契約は、保険カバーに加えて投資に関連するサービスを提供しているとみ
ることができる。
 CSMは提供されるサービスの移転、すなわち投資関連サービスの提供パターンを
反映する規則的な方法で純損益に認識しなければならず、提供されるサービスの
種類が複数の場合、CSMをどのように認識すべきかを検討する必要がある。
スタッフ提案
 有配当保険契約について、企業は、時の経過に基づいてCSMを純損益に認識すべ
きである
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
© 2015 Deloitte LLP. All rights reserved.
有配当契約に関連するCSMの純損益の認識
IASBの審議内容と暫定決定
 保険契約により提供されるサービスの複合程度は時々により変化しうるが、これ
を測定することは難しい。
 一部の理事は、提供されるサービスごとの異なるパターンを考慮にいれてCSM
を純損益で認識するか、各報告期間のサービスの提供をより忠実に表現する他の
方法を示す場合を除き、時の経過による認識を支持した。
 理想的には、2013年EDで提案されたように個々の履行義務を測定すべきである
が、これらの義務を整合的に測定する方法がないため、さらなるガイダンスが必
要とのフィードバックがなされた。
暫定決定
 12名のIASB理事がスタッフの提案に賛成し、2名の理事が反対した。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険活動に関連するリスクのヘッジ
デリバティブの使用から生じる会計上のミスマッチ
 一般的測定モデルが修正される場合、変動手数料の見積りの変更はCSMで調整
される(変動手数料アプローチ)。
 CSMは、金融市場の変数の変化の影響により調整されるが、そのようなリスク
がデリバティブによりヘッジされている場合、デリバティブの価値の変動が純
損益に認識されるために、会計上のミスマッチが生じることになる。
 これらのミスマッチを解決するものとして3つのアプローチが挙げられた
o 変動手数料アプローチの限定的な適用
o 保証の価値と基礎となる項目の企業持分の変動をCSMに代えて純損益で認識
o デリバティブの基礎となる項目への指定
 これらのアプローチは無条件で、または特定の規準を条件として適用される。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
© 2015 Deloitte LLP. All rights reserved.
保険活動に関連するリスクのヘッジ
IASBの審議内容
 数名の理事は、アプローチ3を選好した。
 変動手数料アプローチと最も整合的である。
 IFRS第9号に基づくヘッジ会計への支持はなかった。
 保証と基礎となる項目の企業持分が存在する場合、変動手数料アプローチの最
大の問題が生じる。
 デリバティブは、基礎となる項目に直接関連しないキャッシュ・フローの負の
影響をヘッジするために、基礎となる項目の企業持分に対して購入できる。
 典型的な例は、最低保証利率であろう。金利スワップは、会社が受取ると見込
む基礎となる項目の将来持分への影響をヘッジするために契約することができ
る。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
© 2015 Deloitte LLP. All rights reserved.
保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用
生じ得る論点
 EFRAGが公表したDEA(訳注:2015年5月4日公表 Draft Endorsement Advice
Letter)は、保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用は混乱を生じ
させ、財務報告の理解可能性を損ない、保険者と投資家の双方のコストを増加さ
せる可能性があると述べている。
 ECに保険事業に対してIFRS第9号の発効日の延期を求めることが提案された。
 一部の団体は、IFRS第9号は延期せずに適用すべきであり、懸念に対処するため
のいかなる一時的な措置も選択適用とすべきであると考えている。
 保険負債の会計処理の変更をせずに金融資産の分類を変更をすることにより生じ
る会計上のミスマッチの一時的な増加、短期間での2組の会計処理の変更、更な
るコストおよび労力
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用
生じ得る論点(続き)
 保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用が会計上のミスマッチを一
時的に増加させることとなったとしても、IFRS第9号の適用を延期することは財
務諸表の目的適合性を損なう可能性がある。
 この論点は、IFRS第4号の下での現在の会計方針または新しい会計方針の選択に
よって対処することができる可能性がある。
 IFRS第9号の発効日は、保険契約を発行する企業については延期される可能性が
ある。
 延期は、更なるコストと複雑性、金融商品会計の比較可能性の低下、および利
益操作のリスクがある。
 延期のガイダンスが必要となり、その後に保険契約の新基準書とIFRS第9号の適
用が続くこととなる。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険契約の新基準書を適用する前のIFRS第9号の適用
IASBの審議内容
 リソースが限られている保険者にとっては、 2つの非常に複雑かつリソースを要
する基準を同時に適用するよりも、保険契約の新基準書より前にIFRS第9号を適
用する方が実務的に容易である可能性がある。
 2つの異なる基準書が使用される場合、資産の移転から生じる不適切な会計処理
が行われるリスクがある。
 保険業界の業績の変動/保険契約の新基準書の適用後にも残存する会計上のミス
マッチの変動および残存しない会計上のミスマッチの変動を区別することは有
用である。
 フィードバックの大部分が作成者からのものである。
 延期は選択適用とするべきと考えている欧州外の法域もある。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険契約の新基準書を適用する前にIFRS第9号を適用することによ
る影響に対処するためのIFRS第4号の使用
会計上のミスマッチの軽減
 IFRS第9号を適用することで、新しい分類の要求事項および会計方針の選択により
会計上のミスマッチの程度が変わる可能性がある。
 割引率の変更による影響が純損益またはOCIにおいて認識される場合、新基準書に
よって、原価で測定される保険契約とFVPLまたはFVOCIで測定される資産との間
の会計上のミスマッチは軽減される。
 AFSまたはACからFVPLへの分類の変更が考えられる。IAS第39号の下では、基礎
となる項目の企業持分の価値の変動は、(AFSの場合には)OCIで記録され、
(ACの場合には)再測定されない。変動手数料アプローチが適用される場合、ボ
ラティリティーはCSMで調整される。
 シャドウ・アカウンティングまたは現在の金利を使用することによって、ミスマッ
チは軽減される可能性がある。OCIによる解決策が利用可能となる新基準書に先ん
じて、IFRS第9号の公表後の問題点に対処するものとみなされる場合、シャドウ・
アカウンティングの適用範囲は現行のIFRS第4号の適用範囲を越えて拡張される可
能性がある。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険契約の新基準書を適用する前にIFRS第9号を適用することによ
る影響に対処するためのIFRS第4号の使用
会計上のミスマッチの軽減(続き)
 財務諸表が経済的な意思決定のニーズへの目的的合成が高くなる場合、IFRS第4号
では会計方針の変更が許容される。(IFRS 第4号第22項)
 残存する会計上のミスマッチは、下記の通りIFRS第4号を修正することにより軽減
される可能性がある。
o 資産の利得および損失と相殺される保険契約負債の利得および損失を認識する
ような調整を認める。
o 純損益で認識される程度まで、資産価値の変動を反映するように負債を調整す
ることを許容する。
 いずれの修正も選択適用であり、IASBのデュー・プロセスに従うことになる。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険契約の新基準書を適用する前にIFRS第9号を適用することによ
る影響に対処するためのIFRS第4号の使用
IASBの審議内容
 適切な開示と共に、経済的なミスマッチと会計上のミスマッチを区別する必要が
ある。
 裏付資産の100%に対する適用や経済的にリンクしている無配当契約への拡大と
いったシャドウ・アカウンティングの適用における柔軟性 。
 シャドウ・アカウンティングは変動手数料アプローチと方向性は整合している。
 保険契約の新基準書の完全適用より先に変動手数料アプローチを早期適用してい
る企業で、変動手数料アプローチを開発する。
 IASBのスタッフは、下記図を使用してIFRS第9号の解決策が複雑であることを強
調した。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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保険業界に関しIFRS第9号の発効日を延期することの複雑性
延期の範囲、表示と開示および延期により会計に生じる影響
1. 報告企業レベルでの延期
2. 法人レベルでの延期
 最も複雑でなく、IAS第8号  非常に複雑なアプローチで
およびIFRS第10号の規程と
ある。
矛盾しない。
 連結財務諸表上、IAS第39
号を適用する企業とIFRS第
 延期の要件に適格でない保
9号を適用する企業が存在
険活動がある一方で、適格
な銀行活動がある。
するという追加論点が生じ
 条件としては、IFRS第4号
る。
の適用範囲内の保険契約を  単一の報告企業内で生じる
企業が発行しているか、保
下記の事項に関しどのよう
険活動が企業にとって重要
に適用したか、明らかにす
か、企業は規制対象の保険
るための表示および開示を
検討する必要がある。
会社か、が挙げられる。こ
• IAS第39号とIFRS第9号
れらの条件に関しガイダン
スが提供される予定である。
を適用すること
 報告企業に関しIFRS第9号
• 異なる金融商品の基準を
の延期が強制または選択適
適用する企業間での資産
の移転
用となる場合に、必要とな
• 法人ごとにIFRS第9号の
る表示および開示を検討す
ることが要求される。
適用開始時期が異なるこ
と
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
3. 保険活動レベルでの延期
 最も複雑なアプローチであ
る。
 重要な評価は要求されない
かもしれない。
 法人内の保険活動の捕捉の
仕方およびそれらの活動に
帰属する金融資産を特定す
ることが要求される。
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保険業界に関しIFRS第9号の発効日を延期することの複雑性
IASBの審議内容
 IAS第39号(4つの区分)とIFRS第9号(3つの区分)が同時に適用される場合、
7つの測定区分について開示が要求され、複雑さが生じる。
 IFRS第9号に関して異なる適用日を許容した場合、規制当局は競争上の不利益が
生じることに懸念を示すかもしれない。
 IASBは、IFRSにおいて禁じたとしても、保険活動とその他の活動との間での金
融資産の移転を妨げることはできない。そのような移転には要求事項が必要とさ
れるであろう。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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次のステップ
残りの技術的決定と公表日
 IASBは残りの技術的論点を2015年内に検討する見込みである。
 特に、一般的測定モデルと変動手数料アプローチの相違を解消することが可能
(必要)かどうか、保険者に対するIFRS第9号の発効日を保険契約の新基準書
が発効されるまで延期するべきかどうか。
 新基準書の強制発効日は2015年のIASBの審議終了まで決定されない。
 新基準書は2016年に公表されることが見込まれる。
 IASBは現時点までの遅延により、以前の予測より1年遅れる2020年1月1日を発
効日とする可能性が高いとDeloitteは考えている。これは公表日からおおよそ3
年間、新基準書を適用するための準備期間を保険者に与えることをコミットし
ているためである。
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IFRS 4 フェーズ2 ウェブキャスト 2015年7月 参考和訳
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